1話
「見つけた!お姉ちゃん!」
「ハッピー、バースディトゥー、ユー」
「私は、私はねぇ!?」
今日もまた夢を見る。過去の夢。もう戻るはずもないのだが、俺はずいぶん寂しがりやらしい。
アリウス生「ゾル、マダムがお呼びだ。」
ゾル「…ああ。わかった。」
部屋を出ると、様々な声が聞こえてくる。俺の噂らしい。
アリウス生「アレが仲間殺しのゾルタンらしいよ。」ヒソヒソ
アリウス生「仲間を自らの手にかけたって話でしょ?マダムは何であんなヤツ」ヒソヒソ
ゾル「ああ!?」
アリウス生「ヒッ!」
俺が睨むと、奴らは立ち去った。どうやらよっぽど俺が怖いらしいな。
ゾル「チッ!」
アズサ「どうしたんだゾルタン?」
こいつは白州アズサ。このアリウスで珍しく俺みたいな失敗作に関わってくる変わり者だ。
ゾル「別になんでもねぇよ。ほら、俺は用事があるんだ。早くお仲間の訓練に戻るんだな。」
アズサ「…わかった。無理はするなよ。」
ゾル「ハッ!それはこっちのセリフだ。」
アズサ「フフッ。ゾルタンは優しいな。」
ゾル「ああ?俺が優しい?」
サオリ「アズサ!こっちに来てくれ!」
アズサ「わかった!じゃあまた。」
ゾル「あ!おいちょっと待て!……たく、なんだってんだ?」
アズサと別れ、俺はベアトリーチェの下に向かった。
ゾル「失礼します。」
ベアトリーチェ「ああ、来ましたねゾルタン。そこに座りなさい。」
ゾル「…了解しました。」
ベアトリーチェに命令され、俺は席に着く。
ベアトリーチェ「さて、ゾルタン。体の調子はいかがですか?」
どの口で。
ゾル「はい、何も問題はありませんよ。」
ベアトリーチェ「貴方はこのキヴォトスで唯一残った強化人間。消えられては困りますからね。」
どの口で。だが表情には出さない。出したらどうなるかわかったもんじゃないしな。
ベアトリーチェ「単刀直入に言いましょう。ゾル、貴方にはトリニティの偵察に出ていただきます。」
ゾル「偵察、ですか?」
ベアトリーチェ「ええ、エデン条約も近くなりましたし、トリニティ側のさらなる情報が欲しいのです。具体的には、戦力など。入りなさい。」
ベアトリーチェが声をかけると、ドアから一人の生徒が現れた。
ベアトリーチェ「彼女はエレク。貴方のパートナーです。」
何がパートナーだ。体のいい監視ってことだろ?
エレク「エレクです。よろしくお願いします。」
ゾル「…ああ。よろしく。」
ベアトリーチェ「では、早速明日から向かってもらいます。今日は部屋に帰って休みなさい。」
ゾルタン「了解しました。」
ベアトリーチェ「さて、目的はわかっていますね?」
エレク「はい。私の任務は、失敗作丹内ゾルを
抹殺することです。しかし、よろしいのですか?」
ベアトリーチェ「ええ。彼女は少々強くなりすぎました。このあたりが潮時でしょう。」
ベアトリーチェはロウソクの火を消す。
ベアトリーチェ「失敗作の強化人間。最後まで役に立ってもらいますよ。フフフッ。フフフフフ。」
よい概念だったのでSS書きます。