ロイヤルブラッドの失敗作【完結】   作:セルビア

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過去編 2

あの日のことは、今でも夢に見る。

 

2月始めの、夜のことだった。

 

ベアトリーチェに呼び出され、エラン、フォウ、プル、ファラ、俺が集められた。

エラン「排除、ですか?」

 

ベアトリーチェ「ええ。このオーガスタ聖堂から西で、謎の機械が暴走しています。それの排除をしてもらいます。」

 

エラン「ですが…なぜ私たち5人なのですか?」

 

ベアトリーチェ「…この作戦を成し遂げられるのは、あなた達しかいません。……それとも、私の判断に異議が?」

 

エラン「…いいえ。了解しました。」

思えばあの時、ファラが見慣れない武器を持っているのに気づくべきだった。気づいていれば、あんなことには…。

 

 

 

 

オーガスタ聖堂西。そこには、巨大な機械がいた。おそらく、15m以上はあるだろう。

エラン「アレか…。フォーメーションD。ゾルタンが中心となって、奴を叩くぞ。」

 

全員「了解。」

 

俺は機械の前に立ちはだかり、閃光弾を投げた。

ゾル「怯んだ!今だ!」

 

プル「はあ!!」

 

フォウ「発射!!」

 

ファラ「これで終わりだよ!!」

 

銃弾が機械に当たる。確かにダメージは通っているようだが、そのダメージは微々たるもののようだ。

 

エラン「くっ!だめか…次は」

 

??「…何故です…!?」

機械から声が聞こえる。

エラン「!?」

 

プル「この声って…。」

 

フォウ「嘘でしょ…?」

 

ゾル「……イア?」

 

 

 

イア「どうしてです!!何故私を狙うのですか!?私は、罪深き者の断罪の為この身体を授かったというのに!?」

イアの斧が、空を切り裂く。

 

プル「お願い!!止まって!!」

 

イア「プルさん!!貴方もわかるでしょう!?このままでは、あの化け物に全員殺される!!だからこそ!!なればこそ!!」

アインの機体の肩から機関銃が放たれる。

 

フォウ「下がって!!」

フォウの盾がプルをガードする。

 

プル「ありがとう!助かった。でも……」

 

エラン「…マダム。これもまさか貴方が……?」

 

 

 

 

 

ゴルゴンダ「よろしいのですかベアトリーチェ。あの機体のシステムは不完全。中の者は、もう二度と貴方の目的には使えませんよ?」

 

デカルコマニー「そういうこった!!」

 

ベアトリーチェ「いいのです。どうせ助からない命。ならば、最後まで有効活用しなければ、勿体ないでしょう?まぁ、私の命を狙ってくるのは、想定外でしたがね。」

 

 

 

 

ファラ「くっ、厄介だね。マダムのやつ……!!」

 

ベアトリーチェ『ファラ、聞こえていますか?』

 

ファラ「!」

 

ベアトリーチェ『渡しておいたアレを使いなさい。』

 

ファラ「…私に、仲間を殺せと?」

 

ベアトリーチェ『私の命令に逆らうのですか?』

 

ファラ「…。」

 

ベアトリーチェ『…仕方ありませんね。では、貴方以外の誰かに使ってもらうとしましょうか。』

 

ファラ「!?」

 

ベアトリーチェ『貴方の神秘と合うように作ったものなので、おそらく数名の命が必要ですが…仕方ありませんね。』

 

ファラ「……くっ!了解しました……!」

 

ベアトリーチェ『期待していますよ、ファラ。』

 

 

 

 

ゾル「どうする…?」

 

俺達が攻めあぐねていた時、イアの前に一人の影が立つ。

 

エラン「ファラ…?」

 

ファラの手には、見慣れぬ武器が握られている。

 

ゾル「何をするつもりだ…?」

 

イア「何故立ちはだかるのです!?私は、あなた達のために!!」

 

ファラ「…悪いね、イア。アンタの意見も確かに正しい。でも…今は駄目なんだよ。

ベアトリーチェに改造された奴の中には、奴に投薬された奴らもいる。…今奴を殺したら、薬の在処や治療法が分からなくなって、禁断症状で死ぬ奴らが出る。それに、アンタを改造した奴らだっている。」

 

イア「だから奴を見逃すと!?私たちの苦しみはまだ続くのですよ!?」

 

ファラは武器を構える。巨大なスナイパーライフル。その両端から、円環が出現する。それは、ヘイローを連想させた。

 

ファラ「だから、この復讐は、未来の誰かに任せるよ。」

ファラのヘイローが点滅する。それは、気を失う前というよりは、「ヘイローが壊れる」前に近かった。

 

ファラ「ぐっ!」

 

エラン「!だめだファラ!!」

 

プル「やめて!まだ方法があるはず!」

 

フォウ「貴方、死ぬ気!?」

 

ゾル「…やめてくれ!もう俺は、仲間を失いたくない…!」

 

アイン「やめろ!!死ぬなら私だけでいい!!」

 

 

ファラ「エラン、プル、フォウ、ゾルタン。後は、任せる。

斬首砲(ザンネックキャノン)発射。」

 

アイン「やめろぉ!!!」

 

 

 

 

アイン「…。」

敵は沈黙した。

 

ファラ「…。」

ファラはその場に倒れ込む。その目に光はない。

 

ゾル「…ファラ?おい、ファラ!起きろよ!ファラ!!」

 

プル「…もうやめよう、ゾルタン。ファラはもう…。」

 

ゾル「嘘だっ!!イアも、ファラも死んだなんて!!

嘘だ!嘘だぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

ベアトリーチェ「はぁ、終わってしまいましたか。斬首砲(ザンネックキャノン)、神秘を犠牲に強力な砲撃を放つ銃。しかしこれでは使い物になりませんね。この武器は、ゴルゴンダのアレに組み込むとしましょうか。」

 

 

 

ファラとイアが死んだ。その事実は、俺達を震撼させた。

 

ロザ「嘘、でしょ?お姉ちゃん達が死んだなんて、、」

悲しむ者。

 

ルガ「クソッ!ベアトリーチェの野郎!!」

怒る者。

 

ステラ「嫌っ!!死にたくない!死にたくない!!」

恐れる者。

 

 

そして、この答えに辿り着いた。

エラン「…逃げよう。皆で。」

 

 

この選択が正しかったのかは、今でもわからねぇ。




過去編2です。
イアはそのままグレイズアインです。イアは実験が失敗して後は死を待つだけだったのを、そういやゴルゴンダが人間と機械をつなぐシステム作ってたなってことで提供されました。
ザンネックキャノンは処刑人の家系であるファラに合わせてチューニングされた専用武器です。威力は強力ですが、神秘を消費するため、最悪ヘイローが壊れて死にます
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