ロイヤルブラッドの失敗作【完結】   作:セルビア

30 / 70
26話

ミサキ「…クリア。ここまでは安全。」

 

ヒヨリ「は、はい!大丈夫です!」

 

サオリ「おかしい…街が静か過ぎる。元々人通りが少ない場所だったが、ここまでではなかったはずだ。」

 

ヒヨリ「な、なんか知らないものがいっぱいあります…。」

 

ミサキ「そうだね。長く離れていたとはいえ、全く知らない街になってる。」

 

ヒヨリ「思えば、少しずつ変なものが増えていたような気がします。あのミメシスだって、すごく変なのに、受け入れちゃってました。」

 

その時、先生たちの目に、ミメシスの姿が入る。

 

ヒヨリ「せ、聖徒会!?ユスティナ聖徒会ですよね?それにあの姿は…。」

 

サオリ「何故だ?エデン条約は取り消されたというのに…。

アリウス自治区は、彼女はすでにミメシスの力を手にしている…?」

 

その時、音が聞こえる

ウォォォォーーン

 

サオリ「これは…!あの時私たちが使っていたアンブロジウスの悲鳴か?」

 

ミサキ「つまりミメシスは一度成功させればいいだけで…。彼女の本当の目的は、姫を古聖堂に連れて行くことだった…?」

 

サオリ「…つまり、ゲヘナもトリニティも、彼女にとってはどうでもよかったのか…?」

 

ヒヨリ「…。」

 

サオリ「では、私たちの任務は…。」

 

 

 

??「一体、なんの意味があったのか。」

 

周りから大量の聖徒会が現れる。

 

サオリ「チッ…罠か。」

 

ベアトリーチェ『ええ。もちろんです。』

先生たちの前に現れたホログラム。その姿は、まさしく異形。

 

サオリ「…マダム。」

 

ベアトリーチェ『ここは私の支配下。皆さんの全ては、私の掌の上です。愚かな子供たち─私に隠し事など、不可能ですよ。』

 

サオリ「…。」

 

ベアトリーチェ『ええ。あなた達の任務は「ロイヤルブラッドを古聖堂に連れて行き、聖徒会を顕現させること」…それだけです。マエストロは自分のパスを使われるのを嫌がっていましたがね。』

 

サオリ「…。」

 

ベアトリーチェ『まぁ、トリニティやゲヘナなど、私にとっては些末なことです。私は、あの学園に興味もありません。』

 

サオリ「…!!」

 

ベアトリーチェ『あなたは特にいい子ですねサオリ。ミメシスを顕現させ、アツコを生贄として捧げた。死んだあのゾルとは大違いです。』

 

サオリ(?マダムはゾルが生きていることを知らないのか?)

 

 

ベアトリーチェ『まぁ、不毛な話はこのくらいで。はじめまして、先生。』

 

“………!!”

 

ベアトリーチェ『私はベアトリーチェと申します、既にご存知かもしれませんが「ゲマトリア」の一員です。』

 

“あなたが…ベアトリーチェ?”

 

ベアトリーチェ『ふふっ。私のことが気になりますか?よければ、あなたが知っている情報とも交換できますよ?』

 

“必要無い。”

 

ベアトリーチェ『ほぉ、そうですか。私は特殊な能力など使ってはおりませんよ。洗脳や超能力…まぁ、ないことにはないのですが、あいにくあれは失敗作ですのでね。

ええ。憎悪、怒り、軽蔑、嫌悪─そういった負の感情を利用し、偽りと欺瞞で子供たちを支配して来ました。貴方もよく分かるでしょう?

 

…そもそもこの自治区は、私が来る前から内戦をしておりました。─私は、ただソレを活用しただけ。

最初は抵抗してきた愚か者もいましたが、所詮子供。頭を落とせばどうということはありません。

生の謙虚さを教える金言は、無価値な空虚へと歪曲し…

堕落を警戒する厳格な自責は、逃れられない罪悪感へと歪曲し…

他人を、他人を、他人を、─永遠に、お互いを、他人とさせること。

ええ─誰かにとっては地獄でしょくが、これこそ大人の安らかなる楽園。

ですから、理解していただけますよね、先生?

 

そして、ロイヤルブラッドをこのまま放っておいていただけませんか?彼女はやっと見つけた天然のロイヤルブラッド。ゾルのような養殖とは違います。

…おや?知らなかったようですね。ゾルは私が生贄のために作った生徒。言わば…強化人間、といったところでしょうか。天然のロイヤルブラッドが見つかったので、用済みとして始末しましたがね。

まぁ、そんなことはどうでもいいとして、私がどんな偉業に到達するのか、興味はありませんか?

ええ─今ここで、教えて差し上げることもできます。

 

先生、あなたはこのキヴォトスがどのような場所なのか、知りたくはないですか?私は、この世界の真実を教えることもできます。いかがでしょうか?』

 

 

“そこまでにして。”

 

ベアトリーチェ『ほぉ?』

 

“そんなことに興味はない。”

 

ベアトリーチェ『…くくくっ。そうですか…やはり、こうなるのですね。ええ─あなたこそ私の敵対者で、間違いありません。

あなたの楽園は「エデン条約」だったのですね。みんなの友情で悪を退ける、単純で理解しやすい世界。

くくくっ。やはり子供は単純です。その楽園こそ、原罪が始まった場所だというのに…。』

 

“ベアトリーチェ。”

 

ベアトリーチェ『?』

 

“あなたは生徒を、私たちを侮辱した。”

“そして「教え」を、「学び」を侮辱した。”

“私は大人として、あなたを絶対に許すことはできない。”

 

 

ベアトリーチェ「それは、宣戦布告と受け取っても?

いいでしょう、バシリカでお待ちしております。

─もし到達できるなら、ですが。

さあ─先生、不可解な者よ。

黒服はあなたを仲間と認識し、互いに競い合えると信じ。

マエストロはあなたを理解者と認識し、互いに高めあえると信じ。

ゴルゴンダはあなたをメタファーと認識し、互いを通じて完成されると信じ。

そして私はあなたを敵対者と認識し、互いに反発すると信じています。」

 

 

 

ベアトリーチェ『あなたは、私の敵です。』

 

サオリ「…。」

 

ミサキ「…。」

 

ヒヨリ(は、はい!準備出来ました!)

 

ベアトリーチェ『ミメシス、始末しなさい。』

ベアトリーチェは通信を切る。

 

“行こう!スクワッド!”

 

サオリ「ああ!」

 

 

 

 

 

──────

どこかの掲示板

1:名無しの先生

丹内ゾル総合スレPart5

 

3:名無しの先生

今回怒涛の展開だったね

 

7:名無しの先生

>>3

まさかゾルが実験台の一人とは

 

8:名無しの先生

でもそんな感じはあったよね、目の傷跡とか

 

11:名無しの先生

そもそもロイヤルブラッドってなんなんだろ

 

15:名無しの先生

洗脳、超能力の兵器あるって言ってなかった?もしかして仲間殺しの理由って…

 

19:名無しの先生

>>15

その考察当たってたらとんでもないぞ…

 

24:名無しの先生

ベアトリーチェの元にいないみたいだけど、どこのタイミングででてくるかな?

 

28:名無しの先生

ゾルたん(´・ω・`)

 

30:名無しの先生

>>28

どういう感情?

 

 

スレはこの先も続いている。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。