ベアトリーチェ「お待ちしておりました、先生。」
“ベアトリーチェ………!!”
ベアトリーチェ「ですが、遅かったですね。儀式は既に進行しています。」
サオリ「…!!」
ベアトリーチェ「ロイヤルブラッドの神秘を搾取し、キヴォトス外の力を借りて、私は高位の座に至ります。
さあ、私の敵対者よ。私達は各自が望むものを追求しています。あなたも、何にもなれるし、全てを知ることが出来ます。高位の座に至り、子供を支配するのが大人の務め。
ええ、この儀式はキヴォトス外の力を利用し、私がより高位の存在になるために用意されたのです。
今まで実験で死んだ子供もいました。ですが、仕方ないでしょう?
あなたなら、全ての生徒を審判する力を持っているあなたならわかるはず…!」
“それは違うよ。”
ベアトリーチェ「…!?」
“私は審判者じゃない。その権利は、私にはない。”
“私は救済者ではない。この世界の苦痛を消し去ることはできない。”
“私は絶対者ではない。この世界の罪悪をなくすことはできない。”
ベアトリーチェ「…!!」
“私はそんな存在ではないよ。”
ベアトリーチェ「では…あなたの存在意義は、価値は何だというのですか!」
“生徒たちのための先生だよ。”
ベアトリーチェ「…!」
“忘れられ、苦しむ生徒に寄り添いたいだけ。”
ベアトリーチェ「…ならば、それを証明して見せなさい…!」
目の前で、ベアトリーチェのカタチが変わっていく。
サオリ「なっ…!」
ベアトリーチェ「さあ、その目にしかと映しなさい!これが私…高位の存在となった姿─偉大なる大人の姿なのです!」
“それが正体なんだね、ベアトリーチェ。”
サオリ「アレが、本物のマダム…。」
ヒヨリ「ただの怪物にしか見えませんが…」
ミサキ「そう…私達はあんなものに、ずっと…。」
“……皆。”
サオリ「ああ。」
ヒヨリ「はい。」
ミサキ「うん。」
“怖がらないで…私がついてるから。”
サオリ「…ああ。」
ミサキ「うん─あの怪物を倒そう。」
ヒヨリ「…はい!姫ちゃんを助けましょう!」
ベアトリーチェは打ちのめされる。
ベアトリーチェ「ぐっ、ああ…なりません…!!私の権能が…!!まだ儀式が…?それとも、生贄が…?
たかが…たかが貴様ら如きに…!!ミメシス…!私の元に戻って来なさい!」
サオリ「くっ、、支援が来る前に早く…!!」
ベアトリーチェ「バシリカの兵よ!私を保護しなさい!!」
しかし、誰も来なかった。
ベアトリーチェ「……?何故来ないのですか?バルバラは?何故まだ誰も…」
その時、歌が聞こえてくる。それは、アリウスで聞こえることがなかった……
ミサキ「これは…kyrie eleison…?」
かつての、歌であった。
“ミカ…!”
ベアトリーチェ「なりません!!!私の領地で慈悲を語る歌を響かせるなど!楽器も蓄音機も全て破壊したのに!─奇跡が起きたとでも?
なりません!、生徒は憎悪を軽蔑を…呪いを謳わなければなりません!
お互いを騙し傷付け合う地獄の中で、私たちに搾取される存在であるべきなのです!」
“黙れ。”
ベアトリーチェ「…なに!?」
“私の大切な生徒に話しかけるな。”
ベアトリーチェ「…!!!」
“私はあなたを、絶対に許さない。”
ベアトリーチェ「よ、よくも私にそのような…
そのような言葉をぉぉぉおおお!!!」
再びベアトリーチェの肉体が変化する。
ヒヨリ「ま、また変わり始めましたよ!?」
ベアトリーチェ「ああ、そうだサオリ─貴様を新しい生贄として捧げましょう!」
サオリ「…!」
ベアトリーチェ「ロイヤルブラッドでなく、死んだ実験台どもに比べて確実性は劣りますが─
貴様が私の計画を台無しにしたのですから、その代償を支払うのです!!」
サオリ「─いくらでもどうぞ、マダム。」
ヒヨリ「り、リーダー!?」
ミサキ「…何をバカなこと言ってるの!?」
サオリ「私にまだ支払える代償があるのなら…むしろ感謝したいくらいだ。…さあマダム!私はここだ!」
ミサキ「くっ、先生…!早く…!」
“皆、行こう!!”
ヒヨリ「は、はい!!」
サオリ「ぐっ、あああっ!!」
戦闘は終わった。
ベアトリーチェ「ぐああああっ!!何故、どうして…!!私は、私の…!!私の、私のすべてが…」
サオリ「はあ…はあ…はあ…。」
ヒヨリ「お、おわり、ですか?…あ!姫ちゃんは!!」
サオリ「あ、アツコ!」
ミサキ「まだ十字架に!」
ヒヨリ「早く姫ちゃんを降ろしましょう!!」
サオリ達はアツコを降ろし、仮面を外す。
サオリ「姫…しっかりしてくれ…。」
ヒヨリ「ひ、姫ちゃん…。」
ミサキ「…外傷がひどい。」
サオリ「姫…アツコ…頼む、目を開けてくれ…」
ミサキ「…。」
ヒヨリ「…。」
アツコ「サオリ、ちゃん?」
サオリ「アツコ…!!」
ミサキ「姫…。」
ヒヨリ「ひ、姫ちゃん!!気がつきましたか!?」
アツコ「うん…みんな、おはよう。」
サオリはアツコに抱きつく。
サオリ「アツコ…!!」
アツコ「あ、サオリ…?」
サオリ「良かった…本当に、良かった…。」
アツコ「う、うん…?」
サオリ「アツコ…生きていてくれて、ありがとう…本当に、ありがとう…。」
アツコ「サオリ…泣かないで。私は大丈夫だから。」
サオリ「ああ…これで、終わったんだよな…。」
アツコ「…うん。大丈夫だよ、サオリ。きっと全部、終わったよ。」
先生は倒れているベアトリーチェに近づく。
ベアトリーチェ「ぐ、ぐうっ…」
“終わりだよ、ベアトリーチェ。”
ベアトリーチェ「よくも…わ、私はまだ…まだ!私にはバルバラも、ミメシスも…一度の勝利で終わりになど…!!」
ゾル「お〜お〜無様だなぁ、マダム?」
バシリカの影から、一人の生徒が現れる。それは、間違いなく…
ヒヨリ「え、えぇ?」
ミサキ「!…まさかこんなところで出てくるなんて…!」
サオリ「…何故、このタイミングで……?」
アツコ「…生きてたんだね。」
“……丹内ゾル。”
ゾル「御名答!覚えていてくれて嬉しいなぁ。…それで、「きっと全部、終わったから」、だったか?」
アツコ「…。」
ゾル「…終わらせねぇ。
こんなところで、話は終わらねぇ。
いいや、終わらせねぇさ。なぁ、先生?」