ロイヤルブラッドの失敗作【完結】   作:セルビア

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3話

スバル「それでは皆さん、拍手をお願いします。」

 

拍手が巻き起こる。その拍手は、アリウスに帰還してきたマイアに向けてのものだった。

 

マイア「あ、あはは…もうボロボロなんですけどね…。」

 

スバル「それでも、無事で帰ってきたじゃないですか。後のことは、きっと何とかなります。私たちには、時間があるのですから。」

 

マイア「…!」

 

スバル「マイア…おかえりなさい。」

 

マイア「た、ただいまです…先輩!」

 

 

スバル「マイア、そういえば「外」はどうでしたか?」

 

マイア「はい!それはすごかったです!

電気が灯って夜も明るい建物とか…美味しい食べ物が並ぶ屋台とか…。」

 

スバル「…。」

 

マイア「…でも、私たちの居場所は、どこにも無かったように思うんです。」

 

スバル「その気持ち、私もよく分かります。」

 

マイア「…ゾル達がアリウスで思っていた気持ちと、同じなのかもしれません。」

 

スバル「…その心は?」

 

マイア「「私だけ違う」とか、「仲間がいない」とか…とにかくそんな、寂しさといいますか…。」

 

スバル「この世界には満ち足りた者がいて、しかしその一方で私たちのような者もいる。」

 

マイア「…どうしたらいいか分からない、ってことだったのかもしれません。

生き方なんて、誰も教えてくれませんでしたから。」

 

スバルはマイアを抱きしめる。

 

スバル「お疲れ様でした…マイア。」

 

マイア「先輩…。」

 

スバル「その気持ちは皆が理解できます。…ここには、外から帰ってきた子が何人もいますから。

トリニティに行って帰ってこなかった子も居ますが。」

 

マイア「トリニティ…。」

 

スバル「…マイアも、行ってみたいのですか?」

 

マイア「い、いえ!そんなことは…!」

 

スバル「…私はまだ、トリニティを許せそうにないんです。

 

…そうです、トリニティだけじゃない。

やりたい放題やって、私たちに負債をもたらした丹内ゾルに…

全てを導ける立場にありながら、ただ消えるという選択をしたスクワッド…

特に錠前サオリ、彼女のことを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

スバル「…ふぅ。」

 

スバルはハーモニカを置く。

 

マイア「先輩すごいです!…他にも何か」

 

アリウス生「た、大変です!」

 

スバル「落ち着いて下さい。何があったのです?」

 

アリウス生「…スクワッドが、アリウスに入りました。シャーレの先生と一緒です。」

 

アリウス生「スクワッドが…?」

 

アリウス生「どの面下げて…!!」

 

スバル「…はぁ、そうですか。

皆さん。スクワッドだけでは問題にはなりませんでした。

問題は、シャーレの先生というあの大人です。」

 

アリウス生「シャーレの先生…!」

 

アリウス生「ゾルの巨大兵器さえ破壊したっていうあの…?」

 

スバル「皆さん、ひとまず落ち着いて下さい。とりあえず…

お出迎えに、出てみましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生はスクワッド達と合流し、共にアリウス自治区を訪れていた。

アリウス生「やっぱりスクワッドだよ…。」

 

アリウス生「何でここに…。」

 

アツコ「…やっぱり、嫌われてるね。」

 

 

先生達の前に、一人の生徒が現れる。

 

サオリ「…スバル。」

 

スバル「錠前サオリ…単刀直入に聞きます。ここには何の用で?」

 

サオリ「そうだな、仕事だ。」

 

スバル「残念ですが、このアリウスにあなた達の戻る場所などありませんよ。」

 

サオリ「そうとも限らない。ただ…ふふっ。」

 

スバル「何がおかしいのですか…!」

 

サオリ「いや、すまない。今から話す内容を考えるとな。」

 

スバル「…見ないうちに、人の神経を逆撫でするようになりましたね。元々でしたが。」

 

サオリ「そうか?それはすまない。過去は消せないが…」

 

 

 

スバル「そういうところだって言ってるんです!!!

…話を戻しましょう。アリウスに、何の用です?」

 

サオリ「それは…

 

皆で、試験を受けるためだ!!」

 

スバル「………はい?」

 

アリウス生「試験…?」

 

アリウス生「スクワッドは外で頭がやられたの…?」

 

スバル「話が見えてこないのですが…

そもそもなぜそんな試験を受けなければならないのです?」

 

サオリ「うーん。

生徒だから?」

 

スバル「どこまでコケにするんですか、錠前サオリ!」

 

 

 

“少しだけ、助け舟を出そうかな。”

 

サオリ「せ、先生…?」

 

スバル「…あなたが、シャーレの先生ですか。始めまして。」

 

“皆から、スバルの話は聞いてるよ。”

 

スバル「…まぁいいでしょう。ともかく、突然来て試験など、納得しかねます。」

 

“前提の話がしたいんだ。生徒の本分は勉強だからね。”

 

スバル「それが、アリウスでも同じだと?」

 

“うん。だって君たちも生徒だから。”

 

アリウス生「私たちも生徒…?」

 

アリウス生「確かにそうなるけど…。」

 

スバル「そもそも、全ての生徒に勉強が必要とは限りません。」

 

“それも答えの一つだね。でも…”

“1回やってみたらどうかな?”

 

スバル「なぜ、そんなことをしなければならないのです?

…挑戦するのも青春?とんだ理想論ですね。」

 

“先生はね、夢見がちなくらいがちょうどいいんだよ。”

 

スバル「……はぁ、分かりました。」

 

“じゃあ…!”

 

スバル「私たちの議論は平行線だということがね。

 

 

…露骨にガッカリしないで下さいよ。これからあなた達を試します。」

 

スバル達は銃を構える。

 

“………え?”

 

スバル「スクワッド…アリウスの裏切り者!!私たちの認識は、あの日から変わっていない!もう一度アリウスに入りたいと言うのなら、その価値を示せ!!」

 

サオリ「……やはり、こうなるか。」

 

サオリ達は戦闘態勢に入る。

 

“皆、何してるの!?”

 

ミサキ「心配無用だよ。これがアリウスのやり方だし。」

 

アツコ「子供は喧嘩しながら育つってよく言うでしょ?」

 

ヒヨリ「な、なんだか懐かしいですね…。」

 

サオリ「アツコ、マスクは付けなくてもいいのか?」

 

アツコ「うん。私は皆に守られるだけのお姫様じゃないからね。」

 

スバル「我らはアリウス!」

 

アリウス生達「「我らはアリウス!!」」

 

スバル「己の意見は、己の力で押し通せ!!」

 

アリウス生達「「ウォォォォォ!!」」

 

スバル「力なき正義は空虚な叫びに過ぎず!己の人生に責任を持てるのは、己を置いて他にはいない!」

 

 

 

 

サオリ「……アリウススクワッド。

 

応戦準備!!」

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