先生が見た実験記録は、見るも悍ましいものだった。
“…こんな…ことが…。”
イア「…ええ。悲しいですがね。」
アツコ「…ベアトリーチェは、崇高に至るためにロイヤルブラッドを探してたの。」
サオリ「姫…?」
アツコ「…私が見つかるまでの間、人工的にロイヤルブラッドを作る実験をしたって聞いてる。」
“知ってたの?”
アツコ「…うん。」
イア「…案内したい所があります。ついてきて下さい。」
先生達が案内された場所、そこは…
ヒヨリ「は、墓場ですか…?」
ミサキ「多分そうだね。」
“イア、ここはもしかして…。”
イア「…ええ。実験で死んだ者たちの墓です。」
イアは先生達を率いて歩く。
イア「そしてこれが…」
墓にはこう書かれている。
『丹内 ゾル』
サオリ「…。」
“……ゾルの…。”
イア「彼女は、私の姉のような人でした。しかし…死んでしまった。」
アツコ「……。」
イア「先生、お願いがあります。」
“…なに?”
イア「私の仲間、彼女達は大人の手にかかって死にました。
だから…私の仲間の分まで、アリウスの生徒を助けてあげてください。」
“……うん。分かった。”
“そういえばイアは皆と一緒に勉強しないの?”
イア「ええ。なにせこの風貌ですからね。」
“そっか。じゃあ私が個別で教えるよ!”
イア「いえ、遠慮しておきます。」
“そう?名案だと思ったのに…。”
イア「まずは他のアリウス生を優先してあげてください。私は後でいいので。」
先生達は立ち去る。
イア「……。」
イアの近くに、謎の靄が寄り添う。
ナラティブ『よかったのか?全部伝えなくて。』
イア「…いいんです。」
ナラティブ『でも…先生は信頼できるんじゃない?』
イア「…いいんですよ!!」
ナラティブ『…イア……。』
イア「たとえアリウスを救った大人だとしても…ゾル姉が信用していたとしても…
アリウス生「先輩!ここ分からないんですけど!」
ミサキ「…ここの計算は…。」
アリウスの教室で、生徒たちが勉強している。
“…今日、いい天気だよね。”
スバル「はぁ、そうですか。」
“よし!今日は校外学習に行こう!!”
スバル「……はい?」
スバル「外に出ることも勉強?随分と都合のいい…。」
“でも皆楽しんでるみたいだよ?”
アリウス生「あの建物大きすぎない!?」
マイア「こんなの初めて見ました…。」
スバル「…確かに、そうですね。」
“よし!次は食事だ!皆ついてきて!!”
スズメ亭女将「いらっしゃいませ!」
“女将さん。予約してた者だけど。”
スズメ亭女将「ああ先生!そろそろ来るころかと思っていたんです!」
スバル「ここは…?」
“ここはスズメ亭。私のオススメの店だよ。”
スズメ亭女将「あれ…?1、2、3…1人言っていた数より多くありませんか?」
“あれ…?確かに生徒の人数は合ってるはずだけど…。”
マイア「あ、あの…もしかして先生自身を入れてないんじゃ…。」
“………あっ。”
スズメ亭女将「どうしましょう?席が足りないのですが…。」
スバル「…では、私が外で食べてきますよ。」
“いや、それはできない。”
先生は再び扉に手をかける。
“私は外で食べてくるからそれまでお願い!”
先生はそのまま外に駆け出した。
スバル「えっ!?ちょっと!」
スバルが声をかけた時には、先生の姿は無かった。
スズメ亭女将「お待たせしました!カツ丼セットです!」
アリウス生「うわぁ…!いただきます!」
スバル「……。」
外に出た先生は店を探す。
“(生徒たちが心配だ…早く食べないと。)”
先生は悩んだ末、次に見つけた店に入ることにした。
“よし、この屋台にしよう!”