恋と愛。   作:はるろん∞

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はるろん∞のデビューシリーズ「恋と愛。」
短編恋愛小説をシリーズとして投稿していく第一弾です。


文系女子と文系男子のお話。

とある喫茶店。

俺、桐生タクヤ(きりゅうたくや)はある日、相席の女性に恋をした。

 

何もない普通の日常。休日だというのにこれと言った予定もない俺、桐生タクヤ。なんてさみしい。

こんな時はどこか喫茶店や軽食が取れる飲食店など、暇をつぶせる場所に行ってみるというのが俺の中ではある種の規則となっている。

いつものように一人で喫茶店に入り、椅子に座ってコーヒーとチーズケーキを注文して、問題集を開く。ちなみに俺はこれでも大学生活を満喫している身だ。はっはっは。

と、ここまではいつもどおり....だが、この日はいつもと違った。

向かいの奥の席に座った一人の女性をなにとなくちらりと見てみる。そう、そこで俺は完全にいわゆる「一目惚れ」をしたのだった。

 

先程大学生活を満喫している身だ、と記した。だがそれでは語弊がある...というか、これっぽっちも満喫してなどいない。理由は単純、

この大学、俺に合ってねえ!!!

昔は小説家や作詞家を一途に目指したものだが...なぜだ?一体どこで間違えた?

なぜだか俺は今理数系の大学に通っている。

こんなことを考えると、高校時代の部活(ソフトテニス部)の顧問の口癖を思い出す...

「間違えるな。」

「自分に負けるな。」

「声出せオラァ!!!!」

この三言、今考えればなんて素晴らしいんだろう。

そして現在俺自身は、文系の大学に再受験を試みようかとなやんでいるところだ。ちなみに今広げた問題集も文系のものである。

だってさぁ...受験だけでも金かかるし、やっぱ悩むじゃん?

莫大な入学金。入学後の学費。教材費。教育充実費。後よくはわからないがいろいろ費用もかかる。とてもじゃないが、バイトしながら大学に通っている俺では払いきれない。親に相談してもおそらくこう言われることだろう。

「理数系の大学に行くのを決めたのはあんた自身でしょうが!!お金がかかるったらありゃしないわ!!!」

 

そんなことをぼんやり考えながら彼女を見つめていると、彼女はこちらに気付いたようだ。そりゃそうだ。目の前だもんね。

ってまずい、完全に変な人だと思われてるだろこれ!!!

だが、彼女の口から発せられたのは、思いがけない言葉だった。

「あなた、文系の大学を受験する予定なの?実は私もなの。」

ぎこちなく赤面しながら口にしたその言葉。

よし、再受験しよう。俺は決めたぞ。

 

話を聞くと、彼女は河村アカリ(河村アカリ)。

高校3年生で、文系の大学を志望して勉強してるんだとか。俺の一個下じゃねえか!と思ったがここは黙っておくに越したことはないだろう。

夢は小説家...すばらしい。そっくりそのまま昔の俺じゃないか。いや盛った。俺はこんな綺麗な顔はしていない。

話していると、彼女がすこし赤面していることに気がついた。そりゃそうだ。自分を見つめていた気持ち悪そうな奴が自分と同じ文系の大学を志望していたからってことで思わず話しかけてしまったのだから。

簡単に言うと、彼女はもう帰りたいのではないか?ということだが。

少し仲良くなれたし、今日はもうそろそろ控えた方がいいかもしれないな。そんな自分がまるで相手の恋愛対象に入っていますよといわんばかりの考えを持ってしてその日は別れた...。

 

かんっっっぜんにやらかした。何をって?連絡先を聞き忘れたのさ!!!!

一目惚れをした相手と偶然仲良く成れたせいで興奮してしまい、そんなことをうっかり忘れていたのだ。ああ。最悪だ。そんなことを考えながら、その日は眠りについた....いや、一睡もできるわけねえだろーがちくしょう!!!!

 

 

 

...もう会えないだろうな......

 

 

 

あれから一ヶ月が経過した。

何度かあの喫茶店にも行ってみたが、一度も彼女の顔はみていない。終わった。さよならグッナイ...

ちなみに今は、そろそろ再受験するならするでさっさと申請をしなくてはいけない時期だ。

つまり自主退学をしなければならないのだ。

退学か...俺は、あの彼女に会えないと考えるだけで文系の大学に行く気どころか、生きる気力さえも失いかけている。そんな状態で退学届けを教官室まで行って校長のハンをもらってこれるものか。今はどちらに転んでも死ぬ運命さ...

交差点で彼女っぽい人とすれ違う。

あーあ....

 

 

アカリちゃんじゃん!!!!

 

 

まじかよ、と思い後ろを向くとそこにはやはり彼女が立っていた。つかこっち見てる。

「桐生さん...ですよね?」

彼女はニコッとはにかむ。

自主退学届け早くもらってこよ。

 

その日はそこで長いこと立ち話をした。そして、前回は後半すこし疲れたような顔押していた彼女だが、今回は随分と話が弾む。彼女はとても楽しそうだ。それだけで、大学生活が始まってからほとんど友達ができなかった俺にとっては、すごく嬉しいことだったのだ。

 

ちなみにその日は連絡先もらえた。やったぜ。

 

 

自主退学届けを提出した時、校長と話をしたのだが、案外簡単に自主退学を受け入れてもらえたので、逆に切ない感じになった。くそぅ。

ちなみに、一応再受験合格が叶えば二月いっぱいで退学、そうでなければ大学を続けさせてもらえるような話になっているので、案外不安はない。

...ただ。

親には言っていない。親は実家のある田舎に住んでいて、学費の半分はその親に払ってもらっている形だ。再受験をすることを伝えたらきっと憤怒で家が壊れる。

俺が今住んでいる6畳ワンルームの部屋まで破壊されることだろう。

 

そんななかでもやはり、彼女のことが頭から離れなかった。

ああ。俺は彼女が好きなんだ。まだ2回しか会ってないしそれしか話してないけど。でも好きだ。

伝えたい。伝えられないのか。

俺はなんて女々しいんだ、ちくしょう、ちくしょう。

 

 

「自分に負けることは、ただの甘えだ。

自分に負けなければ、相手にだって勝てるさ。」

 

 

Y先生...。

頭の中によぎったY先生の言葉。上のほう紹介した部活の顧問だ。

そうだよなあ。

俺は気づけば、ケータイでLINEを開いていた。

 

 

 

「おまたせ〜」

小走りで彼女はやってきた。

その姿を見て俺は、心が果てしなく締め付けられるのを感じた。

そうか。あの喫茶店で出会わなくても、

あの交差点で彼女が俺に気づかなかったとしても。

今日ここで出会ったのが、俺の呼び出しではなく偶然だったとしても。

 

俺は君に恋をしていたろうな。

 

2月半ば。

 

電話越しに聞こえる音声。

「合格おめでとうございます。合格おめでとうございます。....」

 

受かった。

 

言葉にできない喜びが、俺の中を駆け巡る。

俺はあいつのおかげで合格できたようなもんだな...ちゃんとお礼はしなきゃな。

 

 

 

4月、新しい大学の入学式だ。

「たーくやー!早くしなきゃ遅れちゃうよー!!」

そう声を上げるアカリのもとに俺は小走りで追いつき、

 

「お待たせ」

 

そう呟くのだった。

 

 

 

 




初投稿です。タグとかも良くわからなくて...(^_^;)ともあれ、読んでいただきありがとうございました!!!!
「恋と愛。」シリーズは次回もすぐに投稿予定なのでそちらもぜひ(^ ^)
ちなみに作者は高校生です。
素人なので拙いですが今後もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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