魔導王の帰還【オバロ二次】   作:taisa01

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本日2回目投降


第九話 激戦

 

 デストロイヤーの砲塔が、唸りを上げて光を集める。次の瞬間、白く灼熱した光線が、アインズたちの方へと放たれた。

 

「《トリプレットマジック》《ワイデンマジック》《マジック・ウォール》」

 

 アインズの詠唱と共に、半透明の魔法障壁が幾重にも展開される。

 光線は障壁で阻むことができたが、その陰で打ち出されたミサイルは壁を迂回するようにアインズに迫っていた。

 

「くっ……!」

 

 アインズが咄嗟に防御姿勢を取る前に、アルベドが盾を掲げて飛び出す。

 

「アインズ様──!」

 

 ミサイルがアルベドの盾と装甲に直撃する。

 

《ミサイルパリィ》

 

 彼女は一歩も退かず攻撃を防いで見せる。

 

「アインズ様の御前で、この程度の砲撃、通させはいたしません」

 

 コキュートスが、巨大な武器を構え前進する。

 

「脚ヲ止メル!」

 

 ──影縫い/腕切り/首切り/修羅

 

 一本の足に狙いを定め、複数のスキルとともに四連撃を叩きこむ。すさまじい轟音を響かせるが、デストロイヤーの脚部は大きなキズこそつくが折れるようなことはなかった。しかしコキュートスとて想定内と言わんばかりに次の一撃を繰り出す。

 

 ──死の舞踏

 

 先ほどの連撃に比べれば、ひどく緩慢な一撃。しかし避けるという行為をしない相手であれば、速度を捨てた渾身の一撃がまるで滑り込むように関節部分をとらえ破壊する。さらに壊れた関節機構がコキュートスの能力で氷付き、足一本を縫い留めてしまったのだ。その隙を突いて、アウラの魔獣群が飛びかかる。鋭い牙と爪が、装甲の継ぎ目を容赦なくたたく。

 

 だが──

 

「硬っ……!」

 

 傷をつけることができるが、ダメージに至ったか判別できなかったアウラが思わず叫んだ。

 

「アインズ様! これ、ナザリックのゴーレムより硬いかも」

 

 アウラの率いる魔獣とてレベルにすれば五〇以上のものばかり。それでも攻撃力が不足という事態にアインズはある意味で納得した。

 

「やはりか。あれはカズマやめぐみんが言う通り、本物のラスボス級災害ということか」

「アインズ様。全身の装甲に対する通常攻撃の効果は、やはり薄いようです。しかし上部後方、建物の中に巨大な熱源と思わしき反応を確認しました」

 

 デミウルゴスが、必死に分析結果を叫ぶ。

 

(そうだ……! 内部のアイテムをエネルギー元として稼働する巨大なゴーレム。たしかカズマたちは、それを転移し……)

 

 アインズは、その言葉を聞いて即座に思い出した。

 

「マーレは大規模魔法で足を拘束し、コキュートスと協力して足破壊を継続。アウラは魔獣を使い上部で動力となっている熱源を捜索。他のものは上部で防衛機構の破壊を行いアウラが発見後対処を支援」

 

 アインズは杖を掲げ、全軍へ命令を飛ばす。

 

「そこさえ何とかすれば、内部から自壊させられる可能性が高い!」

 

 守護者たちは、その指示に一瞬もためらわなかった。

 

「はいでありんす」

 

 シャルティアが、翼を広げながら飛び上がり、《バーミリオン・ノヴァ》といった攻撃スキルをまじえて防御機構の破壊をはじめ、守護者達も後につづくのであった。

 

 

 ***

 

 

 結果から言えばデストロイヤー上層部の制圧はたいして時間はかからなかった。そもそも物量が違う。質も違う。めぐみんの爆裂魔法といった頭のおかしい威力の面制圧こそないが、単体での破壊力や数による暴力といった他の面ではナザリックは優れているのだから。

 

「これが、デストロイヤーの動力源か」

「たしかコロナタイトでしたか」

 

 アインズをはじめ守護者たちが集まり見上げるのは、煌々と輝く球体。これがデストロイヤーを動かすほぼ無限の動力となっていたのだ。

 

「さてどのように取り外しましょうか」

 

 デミウルゴスの言葉にそれぞれができそうなことを考える。

 たとえばデミウルゴスは炎熱系をほぼ無効化できるため、そのまま取り外してしまうことができるだろう。コキュートスが逆に凍り付かせて取り出すことができる。アウラとマーレが逆に相性の問題で壊す以外の選択肢はないが、アルベドに至っては防御力にまかせて強引に奪い取るという脳筋方法さえできる。

 

「やはり私が行うべきだな」

 

 そういうとアインズは《タイム・ストップ》を発動し、世界が灰色となり停止する。

 

「(カズマのように《スティール》で取り外しできれば、一番損害がないのだろうけど。アイツの場合まわりに女性がいれば、ここぞという時以外は別のものを取りそうなんだよな)」

 

 この場にそぐわないどうでもよいことを考えつつ、炎耐性を最大にして直接コロナタイトを手で抜き取ってしまうのだった。

 そして時間が動き出す。

 デストロイヤーとすれば突如としてエネルギー供給がなくなった状況である。しかも残ったエネルギーも熱に変換されるのだが、コキュートスによっていたるところが凍り付き、排熱の代わりをしてしまっている。

 自爆エンドといったギャグシーンさえ否定される状況に、ナザリックの面々の、こうした戦闘におけるシリアス属性が際立ってくる。

 

「散々盛り上げたわりには。つまらない終わり方ではあったな」

 

 アインズの言葉に続くように。デストロイヤーの光が少しずつ弱まっていった。

 

 やがて──

 

 完全に、消える。

 あたりは静寂につつまれるのであった。

 

 

  ***

 

 

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