軍貫使いはZEXALで寿司を握る   作:Dの軍貫 シンキハヨ・チョーダイナ

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Misery. Inadequacy. Failure. The common denominator is you.
You wish to remember this lesson? I will write it down for you.


そんな話です。





Stay with Nova

WDC予選の全行程が終了した。

 

俺、赤司寿からベスト4を発表させてもらおう。

 

一抜けしたのはドロワとのデュエルで勝利した、トロン。次にVとのデュエルで勝利した、カイト。次にⅣと俺との連戦デュエルに勝利したシャーク。最後に、ゴーシュとのデュエルで勝利した、遊馬でフィニッシュだ。

 

決勝のトーナメント表も既に発表されている。

 

トロンvsカイト、シャークvs遊馬。準決勝二試合が終わり次第、決勝という流れだ。

 

転生者の俺から見れば、表面をなぞればこれは原作通り。だが、実態は全く持ってそうではない。

 

言葉を選ばずに言うと、俺という存在がWDC、いやそれ以前から齎した影響は、それこそ途轍もなかった。

 

まず第一の問題として、シャークが更なるカオス・エクシーズ・チェンジに成功し《CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・リバイス》をゲットしてしまった。

 

ご存じの方はご存じかもしれないが、このカードは2024年頃のカード。当然2012年以降のこのアニメでは登場していない、所謂リメイクカードだ。だが、彼はやってのけた。時空をも超えて、獲得してしまったのだ。

 

これは流石に俺も予想外で、外れ値を叩き出してしまったとしか言いようが無い。

 

俺の考えはこうだ。

 

このまま原作通りに行けば、シャークはⅣとのデュエルに勝利した後、トロンに憎しみの対象を改変されてしまう。

 

アストラルがいない遊馬に、それが勝てるだろうか?という疑問を抱くと、どうしても不安が残る。故に、トロンの精神攻撃をどうにかして回避させなければいけない。

 

そこで俺は憎しみの対象をトロンに設定させるのではなく、憎しみではなく妹シャこと神代璃緒の無念を晴らすように、と原動力を修正させる。これで、トロンの把握しているシャークのマインドでは無くなる。このうちに、何とか彼が何とかしてもらうしかない。

 

実際この目的は達成でき、シャークの気持ちは俺がある程度晴らすことができた。後は彼を信じるしかない……のだが、副産物が大きすぎた。

 

遊馬はこれから、攻撃力3100の守備貫通・二回攻撃の、フリーチェーンでモンスターを効果無効と攻撃力守備力0にできる効果持ちのモンスターと戦わなくてはならない。色んな意味で自分が言うのもなんだが、時代錯誤が過ぎる……遊馬、頼むからかっとビングしてくれよな?と俺は祈るしかないのだ。無責任すぎるが、そうなってしまったのだからどうしようもない。

 

第二に、遊馬が言うには現在アストラルがいない。

 

WDC三日目。Ⅲと遊馬がデュエルした際、原作通りに行けばアストラルは一時的に消えるが、すぐに復活した。だがこの世界では一転、アストラルが復活せず、ナンバーズが遊馬に牙を向かないように保護してから消えてしまったというのだ。

 

この結果は俺が考えうるシナリオの中で最悪とまではいかずとも、十分に悪い結果と言えた。

 

それは何故かと言うと、Ⅲとのデュエルでは本来原作通りに行けば、復活したアストラルと遊馬が合体しゼアルとなってから、Ⅲを打倒したはずだからだ。

 

だがそれでは文字通り致命的な不都合がある。そのことを直前で気づいた俺は、Ⅲが行った遊馬への精神攻撃を阻止するため遊馬の盾となった。

 

しかしながら、この目論見はまんまと外れてしまった。精神攻撃は俺の身体をもすり抜け、遊馬に当たってしまったのだ。

 

遊馬は結局勝利し、かっとビングを復活させることができたが、その代償としてアストラルを失くしてしまった。そして俺はその場の記憶が無く、よく分かっていないのだが、暴走した所を遊馬に止めてもらい、その場はお開きとなってしまったらしい。

 

この空白の記憶は未だに復活する兆しが見えない。だが今重要なのは俺のそれではなく、遊馬のことだ。何故俺は結論から見れば裏目に出てしまったとはいえ、わざわざ遊馬の盾となる必要があったのか。

 

それが第三の問題。この世界ではまだ、ゼアルが生まれていないからだ。

 

ゼアルが生まれていないと、どういう問題が起こるか。まず、遊馬とアストラルの絆が発展しきらなく、トロンの前、いやシャークの前ですら負けてしまう可能性がある。しかも最悪なことに現実としてアストラルは不在で、シャークは更なるカオスナンバーズを手に入れている。

 

俺が遊馬に求める条件は一つだけ。WDC優勝。これを逃すと、非常に不味い。

 

どれぐらい不味いかというと、紆余曲折はあるだろうが世界滅亡するほどだ。

 

これだけは絶対に避けなければならないのだが、その鍵とも言えるゼアルが何故まだ生まれていないのか。

 

ここが問題だ。原作では少なくとも、Ⅲと遊馬のデュエル以前にはゼアルが生まれていた。ではこの世界では生まれていないのか。

 

以前から、思わなかっただろうか?何故ポッ出の転生者のお前で、しかもモブを志望していたお前が、ここまでに出しゃばる必要があるのだ、と。

 

お前は一話出た切りのモブで完結して、そこから後は後ろから遊馬たちの雄姿を眺めておけばそれで満足ではないのか。

 

満足ではあった。だが、以前からポツポツ呟いていたように、俺には、やらなければいけないことがあった。いや、自分自身で生み出してしまったのだ。

 

であるからして、俺のWDCで繰り広げたデュエルは贖罪であり、償いであった。

 

その、俺が生み出してしまった問題とは何か。

 

思い出してほしいのは、かなり前。それも、WDCが始まる前だ。

 

遊馬の皇の鍵を巡って、俺とシャークがタッグを組んでカイトと屋上でデュエルした時だ。

 

この時の俺は正直言って、調子に乗っていたとしか言いようが無い。遊馬やシャークなどという、前世から見知ったキャラと親しくなる、ということが途轍もなく誇らしく、また嬉しかったのだ。

 

原作通りに行けば、シャークは負けていた。皇の鍵は、カイトに奪われていたのだ。そこで俺は出しゃばり、カイトをシャークに託して倒した。皇の鍵は、守られてしまったのだ。

 

俺はこのデュエルの物語上の意味合いを完全に無視し、ただシャークの魂が抜き取られることが許せない、ただその一心だけで乱入し、デュエルを行い、原作改変を達成してしまった。

 

ここが、俺が生み出してしまった大問題。ターニングポイントにして最大の過ちだ。

 

俺はこのデュエルでナンバーズに対する耐性が謎にあることが判明し、その事ばかりを考えていた。だが、問題は全くそこでは全く無かったのだ。

 

原作では、孤立奮闘したシャークとのデュエルでカイトが勝利し、アストラルが眠る皇の鍵が奪われていた。それを取り戻すべく、遊馬たちがカイトの根城に突入し、アストラルと遊馬が合体しゼアルとなって皇の鍵を奪い返していた。

 

……お分かりいただけただろうか?

 

もう一度言う。

 

原作では、孤立奮闘したシャークとのデュエルでカイトが勝利し、アストラルが眠る皇の鍵が奪われていた。それを取り戻すべく、遊馬たちがカイトの根城に突入し、アストラルと遊馬が合体しゼアルとなって皇の鍵を奪い返していた。

 

……思い返してほしい。ゼアルの初登場は、いつだっただろうか?

 

……そうだ。遊馬とカイトの、二戦目。ゼアルが初登場した時。

 

俺は原作に干渉し、カイトから皇の鍵を守ってしまった。ゼアルが生まれる必要が無くなってしまったのだ。

 

それにより見事に無自覚に、フラグをへし折って台無しにしてしまったのだ。

 

シャークとカイトとのデュエルの意味合いは、間接的にゼアルの誕生に結びついていた。皇の鍵が奪われなかったため、ゼアルが生まれなかった。因果が途切れてしまった先に、ありえたはずの結果は生まれない。

 

決して俺なんて人間が踏み入れていい領域ではなかったのだ。ゼアルが生まれていない状態で遊馬がⅢにかっとビングを奪われたら、敗北してしまう可能性が高い。だから、せめてでも俺は遊馬の盾となる必要があった。

 

結果はどうにかなったにせよ、だからと言ってこれで円満解決した訳では一切無い。

 

しかも、このことは謝罪しようにも謝罪できないのだ。遊馬本人に「本来あったはずの強化フラグをへし折ってしまってすみません」なんて言ったら俺はその瞬間から遊馬が知る、俺が何時も演じている赤司寿では無くなり、得体の知れぬ、自分たちの物語なのにそれを何様顔で上塗りし引っ搔き回した迷惑極まりない陳腐な転生者に堕ちてしまう。

 

ああ、知っているさ。この先の展開も、何もかも。

 

だけど、それを今さら公にするような勇気は俺には無い。それは言うなれば蛮勇だし、しかももはや、この世界は修正不可能なほどに歪んでしまった。

 

本来アンナは俺の弟子なんてもんじゃなく、ただの遊馬への不器用ながらの一途な女だし。本来遊馬はアストラルとともに歩み、かっとび続けてデュエルする男だし。本来シャークはトロンに憎しみを抱き続け、それを改変されてから遊馬と次デュエルする男だし。

 

この三人は特に俺が迷惑をかけてしまった人間だ。しかも謝罪しようにもできないのだから、この胸の痛みは癒えないのだろう。

 

だが癒えなくて良いと思っている。それが償いだ。

 

所詮俺は寿司を握るしかない、しがない見習い板前でしか無いのかもしれない。

 

……俺に為せる全ては尽くしたつもりだ。自業自得も甚だしい。しかも他人に迷惑をかけているのだからたちが悪い。これを運命と言うのなら、俺は甘んじて受け入れよう。そして俺は皆が知る俺で無くなったとしても、全力でこの世界を守る責任がある。

 

一縷の希望があるとしたら、遊馬自身だ。

 

遊馬。俺が原因で出来上がってしまった逆境を、どうかかっとビングで、超えて行ってくれ。

 

WDC優勝、その先の決着。それさえ達成してくれれば、俺は満足だ。

 

頼んだぞ。





Q.つまりどういうこと?
A.!?……どういう……ことだ……!?というセリフが出て来てない世界ということ。

ちなみに寿はロンゴミアントのことを見てないので全く知りません。悔しいでしょうねぇ。

Q.……なんか寿の責任のようになってるけどこれお前(筆者)の責任では?
A.確かに大ポカに気づいたのは2月ぐらいの時だった(Ⅲvs遊馬戦を調べた際にあれ?ゼアル出て無くね?と気づいたため一から書く羽目になった)、だが私は謝らない。ここまで積極的に原作介入できたのも全てフカヒレ状態のシャークさんのお陰じゃないか!
Q.最低だねお前。
A.そこは人間らしいと言ってほしい所。
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