第一話 目覚めは辛い
美しき自然の広がる大地。古代と呼ばれた世界。
連なる山々、流れていく川、駆ける動物達、
穏やかに吹く風、暖かく照らす陽。
空高くまで突き抜ける山の頂上
「グぁあぁ…」
一匹の妖怪が目を覚ます。
「ァあぁ…」
声がうまく出ない、喉が詰まっているというより、動かない。
ふと自分を覆うように展開された何かを見る。
「これは?」
手で触れる。結界といったところだろう。ものすごい強度になっている。それこそ山が噴火しても関係ないほどに。自分の周囲を人1人分の大きさで覆っている。
周囲を見渡し、
「誰もいないか…」
共に居た者の顔を思い出そうとして、頭に痛みが走る。
「ああぁぁガァアァ…」
凄まじい頭痛に思わず声を上げてしまう。
連なっている山々のなかでも特に高い山の頂上で、
激痛とともに思い出す。
「これは…」
自らの記憶
「…。」
断片的であり、抽象的、
「すまない」
自らを責めることしかできない、
「俺がもっとしっかりしていれば…」
強さの先に待つもの、
「お前たちは死ななかったはずなのに。」
それはひどく単純で、悍ましいもの
「すまない…」
永い年月が流れ、その間にも増え続けた妖力を使い、
凄まじい硬さの結界すら簡単に破壊する。
「俺は、もうお前たちのような者を出さない。」
「誓おう。この場で。」
拳を握りしめ、胸に当てる。
「この手で必ず、」
するべきことをはっきりとイメージする。
「今はこれしかない。」
どこからか白い剣を取り出す。
地面へ突き立て、つぶやく。
「今度来たら花でも植えよう。」
背を向け、山の麓の方を見る。
もっと、力を蓄える。
いつか必要になると予感していたから。
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自分の名前すらあやふやだったが、
少しづつ思い出すことができていた。
山の麓の方に水場を見つけたので、そちらで自分の姿も見ておく。思い出したと言っても断片的で、一応見ておきたかったのだ。
◇
名前は 『纏幻閻羅《てんげんえんら》』
能力は …『変化』を操ることだったはず。
見た目は…
・銀髪になっており、毛先が七色に変色している。
・尻尾が生えており、こちらも髪と同じようになっている。
・空色の目で美しい顔立ち。
あと覚えているのは…
置いて来た白い剣は仲間たちが俺にくれた品だった。
戦うときは、武器を使っていた。
何を使っていたのかは、まだ思い出せていない。
今はこれくらいか。
◇
そういえばさっき奥の方で何か変なのが見えたな。
「まぁ、いいか。」
ちらりと見てみるが、あまり良い予感もしなかったため、すぐに目線を山頂へと戻し、
「戻ろう。」
雲よりも高い山の頂上に戻った頃には、もう日は沈んできた頃だった。覚えていることだけでだが、簡単に結界を作り、手っ取り早く眠りにつく。己を鍛えなおす。そのために今はまだ、動くときではない。
やっぱり難しいですね。展開の作り方というか、なんというか。基本的には暇時間で書いているので、不定期投稿になりますが、頑張ります!よろしくお願いします!
次回、己の力と、今の妖怪