東方万化録 〜変幻自在なこの世界を〜   作:人間の端

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どうもおはこんばんにちは。再会を願う妖怪です。
一章最後の戦い、そして過去との
最初は、‘綿月大和’視点からです。
それでは本編、どうぞ!


第十二話 人妖大戦…② 償う旅を

最終防衛ラインにて

 

 

 

マジかよ…

妖怪が消し飛んだぞ?

 

後ろで1基目のロケットが飛ぶ。

 

(とりあえず今しかないか!)

 

「全部隊撤退!020部隊、殿を頼む。」

 

指示を聞き、全隊が撤退していく。

 

(何もないといいんだが。)

 

その直後、赤い閃光弾が見えた。

作戦会議で凍夜が話したことが頭によぎる。

 

“撤退する際、閃光弾を撃ちます。

緑なら問題なし、

黄色なら遅れる、

赤なら…”

 

(クソ…凍夜君。)

 

 

ーーーーー

 

一方、閻羅とルーミア

 

 

 

「生き残る奴がいるとは。」

 

「驚きね。あれに、ギリギリだけど耐えた相手。」

 

「撤退命令は来たが…無視だな。」

 

そう言いながら、閻羅は赤い閃光弾を上に撃つ。

“赤なら…帰還不能。”

 

 

「やっぱり、こっちの方が楽しそうだな。ククク…」

 

「酷いわねぇ、フフフ…」

 

 

横で龕鬼がフラフラと立ち上がる。それと同タイミングで、奥から新たに鬼が来る。

 

「カッカッカッカッ…龕鬼、大丈夫かい?」

 

「あぁ…ギリギリだがな。来てよかったのか?鬼子母神。」

 

「バケモンが暴れてくれたからねぇ。」

 

「また言われたぞ。「そりゃね。」ぬ、まあいい。」

 

一拍置き、“愉しませてくれよ!”と言い放つ。龕鬼が突っ込んでくる。それをルーミアが正面から止めた。

 

「私にも楽しませてもらうわ!『ムーンブラッドレイ』」

 

真上から連続して赤い閃光が走る。高出力のレーザーが超スピードで降り注ぐ。ルーミアはすでに一歩下がっており、大剣を大きく構えている姿が見えた。レーザーで身動きを封じてから斬り伏せるつもりなんだ。

 

「龕鬼!」

 

すかさず鬼子母神がルーミアに飛びかかり、なんとか軽傷で済ませた。

 

「お前の相手は俺がしてやるよ!」

 

ルーミアに飛びかかった鬼子母神を蹴り飛ばす閻羅。数十メートルは吹き飛んでいくが、大きなダメージにはなっていない。

 

「それは鬼を舐めすぎさ!!」

 

鬼子母神が閻羅に向け、顔面に迫る鬼の拳。あえてそれを避けずに、真正面から妖力で強化した拳で受ける。後ろには衝撃でクレーターができるが、鬼子母神の体が驚きで少し硬直した。

 

「いい拳だな!」

 

できた隙にめがけて勢いよく腹に妖力で超強化した拳を叩きつける。防御を間に合わせることができずに、まともに食らった鬼子母神は、血を吹き出し体を震わせる。

 

「ぐぅ、まだ…」

 

さらに追撃と言わんばかりに足を振り上げ、地面が割れるほどのかかと落としを放つ。

 

「グォォォ!!」

 

間一髪で、腕で防いだみたいだが、ダメージが酷い。

逆の足で回し蹴りをしてさらに吹き飛ばす。いまだに倒れることも膝をつくこともない。鬼の意地というものだろう。

 

「お前に面白いのを見せてやろう。未完成だがな!」

 

妖力をどんどんと漲らせていく。

 

一歩、相手に踏み込み、力を高める。

二歩、溜めた力を拳に集める。

三歩、溜めた力を一気に放つ。

 

その名を   「 三歩必殺(さんぽひっさつ) 」

 

拳が衝突した瞬間に凄まじい衝撃が辺りを吹き飛ばす。

勢いをつけて振り抜く拳にさらに妖力を最大限に込めた。

土煙が晴れた頃には、立っている場所は巨大なクレーターになっていて、正面からまともに受けた鬼子母神は…仰向けに倒れていた。

 

 

そして…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ドオオォォ

 

轟音を鳴らし、発進する。悲しみに包まれて。

凍夜の居ないロケット。遥か上空に飛んでいく…

 

と…そう簡単には終わらない

 

 

ものすごい速さでロケットへと近づく、

翼を生やした‘妖怪’が観測されたのだ。すでに妖怪が生きる高度を超えているはずなのに…

 

当然、ロケット内からの対抗手段はない。

だがロケットがないと月まで行けない。

 

ロケットの中からではただ…見ることしか出来ない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

だが凍夜もまた、それを見つけていた。

 

 

情けない記憶の断片が走馬灯のように思考を占領する。

 

二度と繰り返してはいけないこと…

 

「させると思うか」

 

 

全妖力を放ち、思いっ切り地を蹴る。

地盤は崩れて元々あった景色は見る影もない。

推定…マッハ20万と思われる超スペードで一直線に迫る。

ロケットに迫っていた妖怪は気づくこともできず、真正面から衝突し、塵も残さず吹き飛ばされた。

入り混じった感情が少しずつ戻っていく。

 

 

しっかりと飛び立つ、ロケットを見守り、過去の記憶を想起しながら、空に向かいつぶやく。

 

 

「どうだ?必要ないと思っていたんが、危なっかしい奴らだ。

今度は守りきったぞ。おまえ達。」

 

重量に身を任せ、落ちていく中、ただ満足して笑う。

 

だが…

「まだそっちに行くには、早いか。」

 

全身に妖力を巡らせて浮く。

 

 

戦い終わったのだろうルーミアが横から話しかけてくる。

 

「別れの挨拶くらいしてあげたら?」

 

 

「…そうだな。」

 

ルーミアに言われ少し笑いながら、腰から無線機を取り出し、これまで話した奴らへと、大きな声で言ってみせる。

 

 

「お前ら!気をつけて行ってこい!」

 

 

そうして爆音で言い放った。

(これなら届いたろ。)

 

「俺たちも行くか!」

 

「何処へ?」

 

「決まってんだろ…ここじゃない何処かだ。」

 





お読みいただきありがとうございました。
都市編は終わり。
因みに閻羅は、本人には話していませんが、ルーミアの老化及び退化をめちゃくちゃ遅くしてます。ちゃんと話しているわけではないので、不変にまではしてません。

次回、スカーレット

この予告は果たして変わらないのだろうか?
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