「じゃあ、次はこっちから行こうか!」
いつの間にか手に一刀の刀を持ち接近する閻羅。
その行動とほぼ同時に、弾かれた血が、いくつかの小さい盾のように形を変え、吸血鬼の方へと飛んでいく。
そして8連撃ほぼ同時に別々の角度から叩き込む。その8連撃は吸血鬼に届く前に、血の障壁に阻まれた。妖力が通っており、切り裂くことができない。
「凄まじい…そのスピード、まだ上があるように見える。」
まだ余裕のある様子を見せながら、血で剣を作り、鍔迫り合いに入る吸血鬼。だがなぜ、わざわざ血を使う?これほど質の良い妖力を持ちながら、なぜ血を使う?
「成る程…妖力の代用としての血か。」
「ご明察、あいにくなことに、妖力が少ないものでな。」
剣と刀が何回も交差し、その衝撃が辺りを震わせる。更に、スピードを増していく、一進一退が続き、ほかの誰も侵入を許さない空間が成る。だが数瞬のうちに、その均衡は崩れた。吸血鬼の方が先に退いたのだ。
剣裁きでは敵わないと判断した。だが…それだけでは終わらない。
「ならば…これを受けてみよ!」
右半身を大きく後ろへ引き、右手を後ろへと回す。吸血鬼の右手へ血が集まっていき、槍を形取る。
「
繰り出されたのは、投擲。体全体で押し出すように槍を投げた。その槍は、凄まじい勢いで進み、直撃すればただではすまないだろう。
その槍を閻羅は、一切の淀みなく刀を横に薙ぐ。槍と刀はぶつかり合い、あたりが衝撃で弾け飛ぶ。立っている地面も崩壊していく、玄関ホールはもはや原形をとどめていなかった。その末に、槍は止められた。
「正面から止めたか。…その刀の力だな。」
閻羅の持つ刀、それは妖刀灼赫ではなかった。
白い刀身に黒が滲むように入っている。ただの刀とは到底言えない、異様な雰囲気を持っていた。刀の名を…
『
刀は重たく、切れ味はそれほど良くない。だが一つ、最大の特徴がある。飛ぶ斬撃…空を切るだとかそんなものではない。妖力が流れ、斬撃を作るのだ。普通の刀でもできないことはないが、出力が全く変わるのだ。つまり混沌深夜の力は…
「増幅…」
「正解だ。こいつは、刀の内側へ来た力を増幅させる特性を持つ。妖力を無駄遣いしたくなかったり、お前みたいに中距離で攻撃してくる相手に対して使いやすい。」
「厄介なものだ。斬撃と同時に斬ることで最低限の力でゼブルブベを弾いた。やはり素晴らしい。名を聞こう。」
「纏幻閻羅。変幻自在を使う者と言わせていただこう。」
「ゴルグア・スカー。吸血鬼の王として、貴様を倒す!」
「来い!」
ゴルグアが瞬間的に懐に入り込む。それと同時に、血の槍を閻羅の後ろで2本作り出す。手にはゼブルブベを持つ。真正面からの挟撃。避けさせず、防御させず、確実に仕留めにいく。
「相手が悪かったな!」
正面から迫り来るゼブルブベを手に持つ混沌深夜で増幅させた魔力を使いギリギリ止める。
後ろから来る槍は自分を貫くギリギリのところで能力を使い、無理やり動かなくする。
「負けたか。やはり…我の時代は終わっているようだ。」
悔しそうに、残念そうに、されど少し満足したように告げた。最後に自分の認められる相手と真正面から戦うことができたのだ。
「それは残念だ。ここまで楽しませてくれるものが…居なくなってしまうのはな。」
「もうすぐ我は破滅する。もう止められん。ただ…」
「なんだ?」
「我の子孫を手助けしてやってほしい。スカーレットという名を与えた。お前の国に逃げ込んでいくだろう。」
薄く笑みを浮かべる。久しぶりに息抜きをすることができたのだ。
「いいだろう。
「礼を言おう。我が
吸血鬼の館から去る。
また一人出会った
まだまだ海外旅行は始まったばかり、
もう少し海外をルーミアと満喫したい。
そんな思いを胸に、強者と出会う旅は続く。
お読みいただきありがとうございました。
レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、この2人の祖父にあたる人物となります。協力な能力を持っていても、死ぬ運命は書き換えることはできない。
血槍 ゼブルブベは蝿の王ベルゼブブを元ネタにしたオリジナルのつもりの武器です。(妖力が容量以上に込められただけの血だけどね)要望があれば、番外編としてゴルグアのストーリー書きます。
次回、地獄の女神
果たして本当に地獄の女神を出すのか。乞うご期待。