東方万化録 〜変幻自在なこの世界を〜   作:人間の端

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どうもおはこんばんにちは。人間ではない何かです。
2章も遂に最終回、歴史に残る戦いを…
そろそろ本編、どうぞ!



第十九話 闇を統べし

 

とある山にて…

 

 

「ルーミア」

 

「なに?」

 

「ゲームをしようか。」

 

 

吹き抜ける風を心地よさそうに受けながら…

 

 

「ゲーム?何をするの?」

 

 

「それは当然…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ…始めるとするか。」

 

 

「あの頃のリベンジさせてもらうわ。」

 

「クハハ、面白い。愉しませてくれよ。」

 

上空へとまっすぐ昇っていく閻羅。

ピクリとも動かず顔を上げるルーミア。

 

 

妖力を解放する。

鮮やかな七色が煌めく。

右の手を横に差し出し、拳を思い切り握りしめる。

空間を歪め、その手に握るは…

 

「  来い ツァナトス!! 」

 

 

 

妖力を解放する。

大地を震わし、辺りは暗く沈む。

黒き翼を広げ、頭上には紅く輝く、

輪と十字架の合わさったようなものが現れる。

手には赤き大剣を持った。

 

 

互いに愉快そうに笑い、大気を震わす。

 

 

 

「ハハハ…全身全霊(持てる全てを使え)、死力を尽くせ!!」

 

 

「フフフ…全力全開(フルスロットル)、本気で行くわよ!」

 

 

 

 

ツァナトスは灼赫であったときの特性をそのままに持っている。だがツァナトスは刀身を震わすこともなく、反応した妖力の力を最大限に引き出すようになった。

 

紫色の刀身は妖力を纏い煌めく。

大剣には妖力が満ち、煌々と紅く輝く。

 

 

「世界を断つは我が剣なり、時間も空間もひれ伏し嘆く、

 森羅万象、我には届かん。故に、我は最強である!」

 

「闇を操りし、我が権能よ…紅く煌めく、我が大剣よ…

 すべてを飲み込む。故に、我は闇を統べし者なり!」

 

 

 

 

「 『森羅両断』 」

 

「 『ロードオブダークネス』 」

 

 

 

放たれるは、ありとあらゆる森羅万象を断つ最高の斬撃。*1

放たれるは、ありとあらゆる森羅万象を飲む闇の波動。*2

 

 

 

空間が歪む。時間さえ置き去りにし、音をも飲み込む。

地は割れ、白き雲は消し飛ばされる。

 

「クハハハハハハ!!」

 

「どんどんいくわよ!!」

 

 

高らかに笑い、刀を持っていない方の腕を振り上げる閻羅、

それと同時に、翼を大きく広げ両手を横に広げるルーミア、

 

 

同時に

振り上げた手を、

横へ広げた手を、

 

体ごと下へ回し、指先を下ろす。

上を向き、体の目の前で握り合わせる。

 

 

 

直後、

 

山を巨大な妖力の塊を空より具現化する。

 

 

同時に、

 

山をも消し飛ばす威力を持ったレーザーが闇より放たれた。

レーザーは数百と放たれ、妖力の塊を押し返していく。

 

 

巨大な妖力の塊は突然に消え、閻羅の姿が見える。

球体状に圧縮された妖力の塊が周りで九つ程浮かんでいる。

 

そのうちの一つを手に取り、砕いた。

 

 

指の隙間から何千ものレーザーとして放たれた。

 

 

 

多少掠めながら、千を超えるレーザーを大剣で弾いていく。

 

「この程度で終わってくれるなよ。」

 

「そっちこそ!」

 

迎え撃つように放っていたレーザーを一つに収束させ、

閻羅へと向けて突き進んでいく。

 

だがそれをも、ツァナトスを横に一度薙ぐだけで消される。

 

「そろそろ終わらせてしまおうか」

 

左手の指先に雷を帯電させる。

 

指を真上に振り上げ、ゆっくりと下へ降ろしていく。

雷はその軌跡に漂い、大きくなっていく。

 

「死なないでくれよ。」

 

小さく呟いた。

 

右手の人差し指と中指を、半円に広がった雷の中心へ…

 

左手で雷をその場へ押さえつける。

 

右手を後ろへと引いていき…雷の勢いが増す。

 

雲の一つもない晴天の中、(いかづち)が空を駆けている。

 

空間を埋め尽くすほど大量に放出されているレーザーを余波だけで掻き消していく。

 

 

更に雷は勢いを増し、遂には、紫の輝きを放った。

 

 

 

    「 『紫雷霆撃弓( しらい ていげききゅう)』 」

 

 

 

 

光よりも速い最速の一手。回避は不能。

 

圧倒的な出力を持った一撃。防御も不能。

 

 

逃げも守りも許されない。

 

 

反応することすら許さず…

 

 

 

 

ルーミアを貫いた。

 

 

 

 

 

 

「チッ…」

 

 

 

 

 

 

 

土煙が上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姿が見えない。

 

 

 

 

 

「外したか。」

 

 

 

 

 

 

 

「だーれだ!」

 

後ろから手で目を覆ってきた。

 

「ルーミア…」

 

 

「ふふ…正解。」

 

 

 

「驚いた?そろそろ仕留めに来るかな〜と思ってね。」

 

 

「ハハ…ハハハハ、そうか…驚いたよ。」

 

少し嬉しそうに、楽しそうに笑いながら、ゆっくりと地上へと降りていく。

 

 

「閻羅のしたいこと分かったかもなのよね〜。」

 

「へぇ~…当てれたら教えてやるよ。」

 

 

 

「…。」

 

地に足をつけて、翼を消す。そして鋭く見つめる。

 

 

 

 

 

 

「 復讐 でしょ」

 

「なぜそう思う。」

 

「理由は三つ。

 一つ目、力を求めること、ただ純粋に人助けだとかの理由ならば、そこまで力を求めるのかな?今でも十分に力を持っているのにね。

 二つ目、ここまでの旅の様子、閻羅ってなんか最近は特に、強い力だとかに向かって進んでるし、それになんだかずっと気配を探ってるでしょ、戦ってるときですら。

 三つ目、さっき触れたとき、あなたの心のなかにある闇を見たんだけど…とっても恨み深かったのよねぇ。どう?」

 

 

「ククク、クハハハハハハ!!」

 

手で顔を覆い、楽しそうに笑う。

 

 

「“半分正解”だ。」

 

「え〜…正解は?」

 

「半分だけじゃ教えられないな〜。」

 

「え〜…ケチ。」

 

 

「数千年後にでも教えてやるよ。」

 

「わかったわよ…それじゃあ代わりに」

 

「なんだ?」

 

 

「…休んで、1日だけでもいいから。」

 

「……。」

 

「ずっと何かを警戒してるでしょ、ここ五千年はそんな感じよ。」

 

 

「すまんが、それは無理だ。」

 

「なんでよ?!」

 

「託されたんだよ。俺は

 

…この話はやめだ、そろそろ行くぞ。」

 

「何処へ行くの?大体まわったでしょ。」

 

「家を作っておいたのさ。」

 

家…小さな家というわけでも質素な家というわけでもない。豪邸ともいえる。

 

「…あーあ、もういいや。戦いの最中に家を建てるだなんて、そんなことされたんじゃ、何にも言えなくなるわよ。」

 

 

呆れたように言い、

 

 

「クハハ、面白い気配を感じたんだ。」

 

 

「フフフ、そうね。私も連れて行ってよ?」

 

 

言葉を聞き、ニヤリと笑う。

 

 

「そんじゃ行くか!!」

 

 

こうして…長き旅路は、新しき始まりと共に終わった。

*1
森羅両断…

極められし太刀による剣圧と莫大な妖力をその刀身に宿らせたツァナトス、これらが合わさることで成される技。

だが最大出力には程遠い

*2
ロードオブダークネス…

紅く煌めく大剣、その剣先に妖力を集め大きく振ることで放つ。





お読みいただきありがとうございました。
2章は終わり。めでたしめでたし
…だけでは終わらせない。絶対に



次回、諏訪の国
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