東方万化録 〜変幻自在なこの世界を〜   作:人間の端

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第二十一話 諏訪の国の祟り神

 

二人で木々の間を歩いていく。

 

「それにしても、なにしにいくの?」

 

妖力を解放したままとある場所へと向けて歩いていく。

 

「ちょっとした実験だよ。」

 

木々を抜け、少しひらけた場所に出る。

 

「居るな。」

 

唐突に周囲の地面が盛り上がり、

押し潰そうと迫ってくる。

 

 

足で軽く地面を踏みつけ、能力を発動させる。

 

迫ってきていた土は初めからなかったかのように塵となる。

 

 

「てやぁぁぁぁ!」

 

 

大きな声をあげながら突っ込んできたのは、神力を確かに身体に宿しながらもまだ幼く神として未成熟な幼女であった。

 

咄嗟に拳を握りしめ、殴り掛かってくる。

力は弱いが神力がこもったパンチ、

当たればちょっとは痛いだろう…

 

 

だが

当然のように拳は空振り、肩にタッチする。

 

 

幼女の持っていた神力はどんどんと閻羅により吸収されていく。

 

「え?は、はぁぁぁぁ!?」

 

幼女は口を大きく開けたまま塞がらなくなっている。

自分の力を奪われる、それも神力を。

 

だが閻羅は、残念に思っていた。

 

「神の持つ力でも駄目か…」

 

ルーミアが隣に出てくる。

 

「良い技ね、私もできるかしら?」

 

「神にやるのはやめとけ。この力、妖力と反発していやがる。」

 

 

「…貴方の能力、ほんとに便利ね。」

 

閻羅は妖力と反発する神力を、能力を用いることで、神力の性質を変化させ、反発しないようにしている。

 

「おまえらは、一体何なんだ。」

 

碌に力の入らない体で何とか立ち上がり、

敵意を剥き出しで得体のしれない二人の妖怪を見る。

 

「諏訪の国に何の用だ!妖怪でしょ!」

 

「ほんの少し興味があっただけだぞ?」

 

「嘘だ!妖怪は狡賢くて嘘もつく!」

 

「それは人間だ。くだらんことを好み、自らの利益のために他人を捨てる。人は醜い。」

 

「ぐぬぬ…」

 

 

余裕を持て余す様子の2人に対して、歯ぎしりを立て、威嚇している。

 

動きもなく睨み合いの中、急に草むらが揺れ、緑色の髪が覗く。

 

「諏訪子様〜!!」

 

「翡翠!?」

 

翡翠と呼ばれた巫女服の女の子は息を絶え絶えにしながらも向き直る。

 

「大変です諏訪子様!」

 

「何があったの?」

 

「それが…

 

 

 

 

 

 大和の国がここに宣戦布告をしてきたんです!」

 

 

 

 

 

「ええぇー!? 大和ぉ!?」

 

 

 

 

諏訪子と呼ばれた神は驚きに声を上げる。

閻羅は振り向き、ルーミアと目を合わせる。

 

「どうしようどうしようどうしよう…」

 

「諏訪子とやら、」

 

「なんだよ!?」

 

 

「大和の国の相手は俺達が引き受けよう。」

 

 

「??????」

 

理解を超える強さの敵の来襲、大和の国の宣戦布告、そこに敵だと思っていた相手が割って入ってくる。神となってまだ幼い諏訪子には理解が追いつくはずもなく…

 

 

 

倒れ込むのだった。

 





お読みいただきありがとうございました。

投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。
諏訪子については参考といえるものもないので、迷いに迷いこの形になりました。実年齢75歳、精神年齢11歳くらいで考えています。

次回、戦前の宴
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