神奈川県立九頭竜高等学校
僕が通うことになった高校である。
共学ではあるが、割と緩めの高校である。
特徴は母の病院がかなり近い。
近いはずなんだけどなんか絡まれた。
通学途中の小学生に。
「ちっちゃい兄ちゃん。この卵何とか戻せない?」
ちっちゃいは余計だなぁ。111
僕は子ども達から燕の卵を戻すようにせがまれていた。
いけないことはない。
あの位の高さならレイアップの要領でなんとかなるかな。
しかしまあよく卵は無事だったなと。
親鳥は運がいいよ。
「さっきの兄ちゃんは戻してくれたのに」
「ぬっ!?」
母の病院が近いとは言え毎日顔を出す必要はない。
というかプレイヤーとして少しでも技術を磨いて土産話にした方が母は喜ぶとのことなので、今まで以上にバスケを頑張ることにしてみた。
で、放課後にバスケ部の部室に来ては見たけど、まあ中々香ばしい部室であった。
漫画やら雀卓やらスーファミやら。
もっとも、一般校の部室なんてそんなものだと納得はしている。
熱心に活動してるわけではないのは端から分かっていたし。
幸い女バスもあるし、なんなら近くの高校にお邪魔して練習に参加させてもらうのもありだし。
場所なんていくらでもどうとでもなる。
三年間は自己鍛練に費やして、大学で打ち込んでもいいし。選択肢なぞどうとでもなる
敢えていうならコートがあれば。
ちょっと贅沢を言うなら相手がいれば。
もうちょっと贅沢をいえば人数がいれば。
かなり贅沢をいえばむっちゃ上手い人がいればいいんだけど、とりあえずコートはあるし。
いずれにせよ部室はさ苦しいので、体育館で待つことにした。
待っていれば誰かしら来るだろう。
何かきれい目な先輩が来た。
浮かれながら「バスケ部志望です!」って言ったら裏口に連れこまれた。
なんでぇ?
きれい目な先輩は薮内円先輩という人らしい。
で、先輩曰く、男子バスケ部は不良の巣窟なんだとか。
「でも不良なら体育館で練習なんてしないですよね」
的なことを聞いてみたら、「暇潰しに見回ってくることもあるから」だとか。構ってちゃんかよ。
間違ってもそんなことを言わないように釘を刺されて、僕は体育館に戻ってアップを始めようと「まって、ちょっと待って」なんか止められた。
「話聞いてたかな」
「うっす。男バスはメンヘラの集まりだと」
「話聞いて煽ってくタイプの後輩かぁ」
自分の都合とは言え入学しちゃったし、どんな形であれバスケできるならと思ってたのに、それすら許されないとか流石に我慢ならないし。
そもそも二度目の人生である。
あんまり思い出せない一度目の人生だけど、社会経験は積んでいると思われる。折れた方がいいこともあるのは重々承知しているが、しょうもない理不尽を我慢する理由は嫌だ。
ましてやたかだか高校生の不良に目をつけられるからなんて理由でこそこそするなんて、僕の経験上それこそかっこ悪いと思うんだよね。
、、、でもまあ、リスク回避は重要だから最低限のことだけは聞いておこうとは思う。
「先輩、その不良先輩達のことについて確認しときたいんですけど」
「何かな(流石に日よったかな?)」
「薬や暴力団関係者等の繋がりは聞いたことあります?。あ、噂程度の話でもあがってたり」
「無いわ(発想が物騒過ぎる)」
「良かった。ほっとしました」
なら大丈夫。
単純な腕力でなんとかなりそうだ。
「おいおい、どこの小学生だぁ?」
「おーし、その喧嘩買った」
花園百春
花園千秋
安原真一
鍋島竜平
茶木正木
車谷空
以上6名を1週間の停学謹慎処分とする