そのあひる、狂暴につき   作:グゥワバス

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閑話・あひるの皮に騙されたふれんず7

ーーside 新見

暑い、熱い夏休みも佳境を迎えた。

車谷君はまだ帰って来ないけど、練習は厳しさを増すばかり。

 

始めは「男子は気が緩むかな」なんて思ってたけど、帰って来た時の反応が恐ろしいらしく、車谷君不在でも相変わらず鬼気迫る勢いで練習に没頭している。

 

成果を求めているブラック企業の社員てこんな感じの熱量なのかな。

 

 

とは言え、女子だって負けていません。

車谷監督の指導に、国分キャプテン筆頭に私達は必死に食らいついているところです。

 

たまに監督が「いや、そこまでの水準は、、、」と漏らすこともありますが「車谷君が煽るので」と言うと決まってため息をつくまでがセットとなっています。

 

実は車谷監督が女子を見るようになってから、辞める子が全くいなくなりました。

 

今にして思えば車谷君の存在が篩そのものだったんだなぁと。

つまり温度差を感じた子は早々に退場していったと言うわけです。

 

 

 

 

 

そんな中私はと言うと中学まで惰性で続けていたのですが、渦中の男の子である車谷君に少しでも近づけたらと思い、真剣に打ち込むようになりました(プレイヤーとして。恋愛対象に非ず)

 

始めは話すのも畏れ多いと言うか、怖いと言うか、兎に角練習の邪魔しちゃいけないと思い、話し掛けられなかったのですが、話してみたら何てことない、普通の高校生の男の子でした。

 

ただ、求めてくる水準がとても高い。

 

当初私は「外からスリーを決められる選手として戦力になりたい」と言ったのですが、「じゃあドライブもできなきゃだね」とシューティングの他に、何故かハンドリングとドリブルと、「オフェンス一辺倒じゃバランス悪いからディフェンスもだね」と、ディフェンスフットワーク練も追加メニューに組み込まれていました。

 

恐ろしいことに、これ普段の練習をこなした上で消化するように言われたのです。

 

結局流されるままこなす羽目となりました。

流されるにしてもやらされる練習じゃ意味がないのは当然分かります。

 

 

 

もう本気です。

本気でやるしかありませんでした。

 

極めつけは茂吉君との1on1です。

車谷君は○鹿なのかと思いました。

 

ただ説明を聞けば流されるように理解してしまう。

どうしてそうなるの、、、あ、フィジカル練も最近では取り組んでます(遠い目)

 

一夏が容赦なく消化されました(ヤケクソ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな甲斐有ってか、本日の練習試合ではスタートで使って貰えることになりました。

 

今日の練習試合は、何と県ベスト16の里見西。

私達の夏の集大成をぶつけるには、ちょっと借りる胸が大きすぎる気がします。

 

また「多分向こうは調整のつもりで承諾してくれたかもな」と車谷監督はおっしゃていました。

 

男子も最近ではちょっと話題となっており、多分そのおこぼれかなーと言うことみたいです。あ、男子も一緒です。

 

その男子はと言うと、車谷君抜きでダブルスコアの圧勝。

主力は勿論、高校から始めた先輩方の一夏の伸びがとても驚きでした。

 

そんな中でも七尾さんはとても冷静な目で総評を行っていました。多分彼女が一番車谷君の影響を受けた子だと思います。

本人にそれを指摘したら本気で涙目になっていました。

とても可愛かったです(ゾクゾクシマシタ)

 

五月先生が柔らかく男子を迎え入れ、でも時に厳しく。

七尾さんが冷静にゲームを見据え、でも時に温かく。

 

車谷君が男子の指導に自分のお父さんを入れなかったのはこのバランスを壊したくなかったのかも、とも思います。

 

 

 

「さて、ニカ。デビュー戦だ。とは言え等身大の選手の相手は練習でも一杯こなしてると思うが。まああれ以上は無いと思えば行けるな」

「「「「「はい」」」」」

「はぁ、、、ニカに言ったつもりだったんだがな。そうだな、この夏お前達は理由はどうあれ乗り越えた。ホント、俺の想像の斜め上を越えてな、、、集大成だ。見せつけろ。お前達なら勝負になると見てる」

 

 

 

私のマークは5番の関谷さん。

身長はそう変わらないけど向こうの方が1個上。

アウトサイドがありドライブが鋭い。

 

私の仕事は2つ。

調子に乗らせない、相手の驚異となること。

 

 

「よろしくね」

「よろしくお願いします」

 

 

やんわり笑顔を向けてきた穏やかそうな人だけど、強い人は笑顔が怖い(比較車谷君)

この人からもそれを感じる。

 

円先輩の相手は見た目が怖いから、あっちじゃなくて良かったかも。

 

最も、隙があれば遠慮なく行かせて貰いますけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーside 関谷

男子負けちゃったなぁ。

渦中の小さな子がいなかったとは言え、普通に強かった。

 

新が日高君に発破かけてチームの体制は建て直せたと思うけど、地力の差までは覆らない。積み重ねたものは嘘をつかないから。

 

あ、後安原君がカッコ良かったです。

彼には絡まれてるところを助けて貰ったし。

 

 

「とも子、ピンク出てるぞ」

「ごめんごめん、切り替えるね」

「チャラチャラしたバスケしてるかなと思ってたけど、訂正。しっかりやり込んでるわ」

「5番の子でしょ。のほほんとしてるけどやってきてるよ」

「あほ。あんなのにあたしが負けるか。あたしが怖いと思ったのはーー13番だよ」

 

 

新の勘はそこそこ当たる。

一見人畜無害そうな子だけど、、、うん、二度見ても人畜無害そうだ。

 

1年生だし。

2年生差し置いてスタートで選ばれるくらいだから、それなりにやるのだろう。

 

挨拶もそこそこにティップオフ。

 

 

先手いただきまーすと思ったけど、しっかりシールされてる。

うん、隙がない。

 

これはやれる子だ。

 

笑みが強くなる。

 

 

「ぼっとしてんじゃないよ」

 

 

新が5番の子を連れてボールを貰いに来る。

うーん、残念。今回は新たに譲ろう。

 

スピードのまま新が振り切ろうとするけど、あっちもしっかりマークされちゃってる。

と言うか13番の子がスティールしちゃった。

 

マズッ!

13番の子がそのままワンマン速攻。

「とも子ぉお!!」分かってるって。

 

開幕早々ターンオーバーからの失点は流れ的な意味でも避けたい。

何とか間に合っ、、、4番の人が詰めて走って来てたか。

 

当然流れのまま決め切る。

チームとして見ても良く走り込んできてる。

これは一筋縄ではいかないかな。

 

 

「あーらーたー」

「すまん、取り返す」

「いや、取れるところ探るから。身長差から突いてみる」

 

 

うちのセンターは大きい。

対して相手のセンターは女子にしては大きいが比較しても頭一個分の差がある。

高さでゴリ押しできるかな、と思ったけど力負けしていない。

 

器用に搔い潜って沈めたけど新から「真っ向勝負だろ!」と檄が飛んだ。

点が取れたから私は文句は言わない。

ここはどんな形でも点が欲しかったから。

 

 

「新、うるさい」

「あん?」

「新が点とってればその文句は私にも聞こえたけど、今の私達には聞こえないからね」

「、、、っち、わーったよ」

 

 

点を取る人が正義。

先ずはそこから。

後新はすぐに熱くなるから。

ここはまだまだ序盤。じっくり行こう。

 

 

「なんてね」

 

 

敵だけでは無く味方も出し抜いてのドライブ。

振り切ったと思ったんだけど、13番の子だけはキッチリ付いてきてる。

ストップ&ジャンプで沈めたけど、だいたいは千切って決め切ってるんだけどなー

 

 

「詰め切れていない」

「振り切れていない」

 

 

しつこいディフェンスとキレのいいドライブ。

はてさて、他にどんな武器を持ってるのやら。

多分飛び道具もあるんだろうなー。

 

早いとこ手の内曝け出させないとだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--side 兵藤新

5番がそこそこに対応力があると思った矢先に、13番のチビに寝首を掻かれた。

あいつはゼッテー〇す。

 

しかしとも子の奴も流石にあたしに苦言を呈していた、、、あいつ怒るとおっかねーからな。

気を抜いてるつもりは無かったが驕りはあったかもしれない。

 

とも子の奴は抜けてるようで抜け目ない(故に副キャプテン)

事実味方も騙してしれっとドライブからジャンプショット決めてたし。

 

懸念は13番だけが反応できていたこと。

あいつも似たようなスタイルか?

 

私もアウトレンジで揺さ振る。

可愛げもなく5番がチェックしてくる。

 

綺麗な面してゴリッゴリにフィジカルで押してきやがる。

ならあたしもここは引いてやらない。

引いたら力負けしたことを認めることになるから。

 

相手のヘルプもあったが何とか押し込み加点。

対して相手も13番が隙をついてドライブ。

 

とも子も付いていくけど半分身体が入っていない。

うちのセンターがヘルプに入って、、、マジか。

センター掻い潜ってバックシュートで決め切った。

 

貧弱なナリでうちのビックウーマンに涼しい顔して突っ込むとか、クソ度胸が過ぎるだろう。肝も据わってやがる。

 

 

「おい5番。13番がエースかよ」

「ニカが?いや、ニュービー。切り込み隊長。速いでしょ」

 

 

そうかよ。

ならあいつの方が驚異だ。

あの身長でゴリゴリのドリブラーとは。

 

スピードは馬鹿速ぇわけじゃねぇが、キレと糞度胸がある。バランスも悪かねぇ。

 

そう思ってたんだけどな。

あいつ、外もあんじゃねーか!!

 

とも子がチェックしてたけど、構わず打って沈めやがった。

 

 

「5番、あいつ外もあんのか」

「(´・ω・`)?」

 

 

ああ、分かった。

こいつも曲者だな。

なら他の連中もクセが強いと見た方がよさそうだ。

 

後単純にこいつはすげぇ気に入らねぇ。

 

 

「分かった、潰す」

 

 

真っ向勝負だバカ野郎。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーside 智久

前半終えて30ー34。4点ビハインド。

善戦してるが一つ、押しが足りない。

 

ニカが想像を越えて働いてくれてるおかげで均衡を保ててる。

空の手解きを受けてたからか、俺の想像をかなり越えていた(飛び道具のスポット運用を想定していたんだが、何故にドリブラー?)

 

センターへの切り込み何て大栄が茂吉に仕掛けてたミスマッチの応用だったしな。

 

おまけに体力面もまだまだ余裕が見られる。

、、、あいつ、どんな試練をニカに課したんだ。

 

逆に大人しいのはうちの5番マル。

 

 

「マンツーは崩さん。最後まで真っ向勝負だ。それとマル。調子悪いなら代えるが?」

「大丈夫です。ちょっと仕込んでました」

 

 

何を?

いや、まさかこいつ、、、

 

 

「円、ボール回すのとドリブル主体でシュートは抑え目だったもんね」

 

 

やはりか。

見方によってニカの鮮烈デビューの裏方演出か。

多分ニカへのマークは後半厳しくなる。

 

隙を狙おうって魂胆か。

悪くない。が、向こうの監督もまだまだ警戒は解かないだろう。そして4番も。

 

強い奴は皆手を抜くなんてしてこないからな。

 

 

 

「だから後半私を引っ込めてください。で、終盤に相手がくたばった所で私投入」

「成る程な。懸念がいくつか。先ず代役は「私が行きますよ。と言うか円の出番ごと食べてきますよ」

「言うね。後はあの4番が下がるかどうかだが」

「下がったら私達の溜飲が下がります「うそ、私ら相手に引いちゃうんだ(笑)」となると思うので。そうなれば私達二人で荒稼ぎしちゃいます。だけど下がらないと思うんですよね。あの子死ぬ程負けず嫌いそうだし」

「、、、、」

 

 

鏡見ろと言いたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定と言うか、練習試合だからなのか。

マル達の予想通り向こうの4番は交代しなかった。

 

マルの代わりに入ったうちの裏エースは4番とバチバチにしのぎを削って貰った。

この子はマルよりスピードは劣るが、パワーと体幹が強く、ミドルも積極的である。

 

つまり現状の相手から見たらマルの上位互換、と誤認していることだろう。

 

これを読み切ってたら、相手の監督はエスパーかなんかだと思うことにする。

 

本当は実力で真っ向勝負させるつもりでいたのだが『浅知恵だろうが搦め手だろうが刺さるものを有効に使ってこそ真の実力』だと詭弁を言われてしまったら、それこそ練習試合だから俺はなにも言えん。

 

無名校という初見殺しを最大限有効に活用している、俺より貪欲に勝ちを拾おうとした戦略だと思う。

 

ニカも変わらずのパフォーマンスを発揮しているし、そのヘルプに相手が追われている。

 

うちのせめてもの誠意は、ニカのフル出場だろうか。

 

 

3ピリを終え47ー49

一進一退。うちの2点ビハインド。けれど解れは見えている。

 

案の定と言うか、向こうの4番の運動量が僅かに落ちている。

それでもあの4番は苦しそうに振る舞わないだろう。

 

 

「監督監督、強気っぽいですけどむっちゃ弱ってますよ。ハリーハリーハリーハリー」

 

 

そんな弱った相手を見てこっちのエース(仮)は凄くイキイキとしている。

いや、弱点をつつくのは間違ってないからいいのだが、腑に落ちん。と言うかよく相手を見てるな。

 

裏エースも「悔しいけど円の方がより確実なので」と交代乗り気だし。

 

他も疲れてはいるが、向こうと条件はイーブンだろう。

ニカには何も言わん。全然元気そうだ。

 

 

「分かったよ。マル、行ってこい。それ以外はこのままだ」

「はい」

 

 

調子いいなホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーside 兵藤(監督)

九頭竜高校ね。

男子は前評判以上だったが女子もとはね。

 

関谷は向こうの13番とよくしのぎを削り続けている。

いや、相手にもそれは言えるか。

 

他の連中も一進一退。

綻びと言えばうちの4番か。

まさかあいつの負けん気が穴になろうとはね。

いや、これは私の驕りもあったな。

 

『初めから負けていた』

男子に突きつけいたつもりだったが、私にも刺さっちまったね。

 

 

「(目論見が甘かったさね。向こうの監督も人が悪いね全く)」

「新!5番チェック」

「ハァハァ、うっせ!」

「チェック甘甘~」

 

 

息を吹き替えしたかのような怒涛の5番の連続ゴール。

この子は外もあったんだね。加えて新の消耗。

勝負あったね。

 

3ピリ交代の子は控えエースだったかい。

本命は5番で、投入もここ一番、新が弱ったタイミング。

完敗だ。

 

負け惜しみを言うなら、これが練習試合で本当に良かったということ。

 

借りは次の公式戦で返すことにするかね。

 

 

 

 

試合終了

九頭校○72ー68●里見西

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「畜生!」

「新、落ち着きなって」

「世代変わった矢先でこれだぞクソッたれ!」

「準備不足さね。情報無い状況で横綱相撲しようとしてただの道化になってしまった」

 

 

向こうの監督さんに挨拶をしたら「発案は生徒なんです」と言われて唖然としたね。

 

5番の擬態やら途中交代やら新の疲労促進やら。

全ては5番の発案とのこと。

 

監督としては実力で真っ向勝負に臨もうとしたが、勝ち筋の放棄は相手に失礼と生徒が言い切ったらしい。どこの修羅の国の人間だい。

 

この事をうちの連中に話したら「覚悟が足りて無かった」と新が総括した。

全く以てその通りさね。

 

お情けで控え組中心でハーフゲームに臨んだが、そこでも僅差で敗れた。控えもよく鍛えられてるね。

 

実力は拮抗、勝ちへの執着は向こうの方が上。

新が主将となったことで今まで以上に熱が入ったものだと思っていたけど、まだまだ神奈川も広い。

 

 

総評をそこそこに関谷はクズ校(何故か男子)に顔出しに行、新も新で「人事交流」って言ってクズ校(こっちは女子)に顔出しに行った。

 

、、、いや待て。

関谷は本当にどういう意図なんだ?

 

それとなく戻って本人に聞いてみたら「(自分と)部の実益を兼ねた情報交流の一貫です(安原君のアドレス聞いちゃった)」と情報源を男子から得たらしい。

 

早速相手を見習っていると見るべきか、欲望に走ったと言うべきか。他の連中も『その手があったか』なんて閃きを得てんじゃないよ。

 

 

新も新で何故かちょっと上機嫌で戻って来た。

曰く「1人であたしに挑んでも勝ち筋が薄いと見たんだと」と、本人や周りからしたらイラついているように聞こえるが、私や付き合いの長い関谷は当たりは『絆されてる』と判断した。

 

バカな子だね、煽てられてんだよ。

最も、流石に本人も分かってるようだったが、それ以上に良い刺激となったようだ。

 

「馬鹿正直なバスケの実力前提として必要だが、それ以外に着眼するってのは今まで意識してなかった」

 

 

当たり前だよ。

真っ当に実力を伸ばすなら練習積み重ねるしかないんだよ。

 

 

「今、あたしはクズ校とって短期で熱いけど煽てに弱いって設定になっている。いつか活かせクソババア」

 

 

ふん、高校生らしくは無いけど、人間として奥行きは多少出来たな。

それだけでも練習試合を行った価値はあったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーside 藪内

口では軽口を叩いていたけど、割とギリギリの試合であった。

特に新見さんの活躍が無ければ勝利は先ず無かった。

 

それだけ相手の4番は突出していた。

私もこの夏かなり打ち込んでいたけど、この人はそれ以前から歩み続けていたのだろう。私の夏以上の積み上げが見て取れた。

 

だから結託した。

対峙して早々に自分だけではなく、コート外を活用して2対1で掛かろうと想定したのだ。

 

ディフェンスを厳しくし、じわじわ削る。

空君という最強クラスを何度も経験しているのだ。

ディフェンスならいける。

 

オフェンスはまだちょっと厳しい。ディフェンスで削ることに専念しよう。

 

1試合通しで張り合うことについては早々に見切りを付けた。

まだそのレベルではない。もうちょい上積みが必要だと実感したから。

 

 

即断即決。

もう後悔をする生き方はしたくないために私が学んだこと。

本当に焦がれていた物を二度と取り零さないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、本気で始めたのはいつだ」

「7月から」

「何があった」

「人の生き死にが絡んだ。これ以上は言わない」

「そっか。サンキュ」

 

 

試合前は大分尖っていたけど話せば何て事無い。

本音が先に来る人だ。

 

けれど擬態してる。

本心もあるだろうが素顔が見えない。

 

普通に話す分には波長が合うのか、昔からこうであったかのようにポンポン会話が出る。

 

何だろう、いつか本心をさらけ出して語り合いたい。

そう思える人だった。

 

多分引退後とかになるんだろうなー。

 

 

「ヨーコ」

「何」

「さっきのうそ臭い、ダウト」

「そう?裏表無いように聞こえたけど」

「私と波長が合うなんて、相当なクセ強だよ」

 

 

納得して貰えた。

解せぬ。

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