そのあひる、狂暴につき   作:グゥワバス

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※暴力表現、SEKKYO要素あり


あひるの皮を被ったふれんず16

久々の日本である。

話せば長くなるため先に結論だけ語ろう。

 

 

・バスケ漬け

・無双

・負け無し

 

 

プロクラスも経験できたし、次に進むべき道も分かった。

つまるところアメリカでも日本でも現状の僕にとってはどちらでも変わらない。

 

だったらまだ日本でいいや。飯うまいし。

ということである。

 

 

しかし帰国が新学期前日とは。

あの人本当にギリギリまで手元に僕を置くんだもの。

おかげでかなり美味しい経験はさせていただきましたが(むっちゃグレー)

 

もちろん周囲からの扱いは非公式。

日本の記者の目に映る度に友人、親戚、親族、シークレットのファン、アメリカの知人etc、、、等のカードを切りまくった。

 

ちなみに向こうでの通称はアンタッチャブル。芸人かな?

 

今度の長期休暇もぜひ来て欲しいって方々から招待を受けたので「機会があれば」って拙い英語で答えた。連絡先までくれたから気が向いたら行こうと思う。

 

始めの扱い(スモールボーイhahaha)から次元が変わるくらい掌くるっくるでマジウケた。

 

 

「ばあちゃん、お土産。飛行機で付き添いの大人に奢って貰った。うんめぇ焼酎だって」

「かー、森○蔵かい。イイネ 」

「、、、お前、帰りはビジネスクラスか」

「行きもだよ。向こうがどうしてもって言うからってのが建前だし」

 

 

向こうの希望でのゲスト扱いだからね。

「まさか己より下のクラスの飛行機に乗せないよね(威圧)」って聞いたらちゃんと僕のシートも用意してくれていた(にっこり)

 

稼いでるんだから、けちんなくて良かったね。

その分ちゃんと向こうでも還元したから。

 

見送られる際に「エコノミーだったらどうなってた」って聞かれたけど、今更栓なきこと。笑って誤魔化した。

向こうは察してくれた。

 

五月先生とついでに七尾さんにも連絡を入れて、明日から復帰する旨もしっかり伝える。

報連相は重要。あまり長電話になるのも申し訳ないから手短に話した(通話時間は五月先生5分、七尾さん20秒)

 

七尾さんからは返しの電話が来たからしゃーないから付き合ってやった。

まんま伝えたらぶち切れてた。超ウケた。

 

なお、父に「小学生男子か」と小言を言われたので「そのノリで絡んで反応を見るのも面白いかも」と言ったら「やめてやれ」と真顔で言われた。

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新学期である。

学校に付くや職員室で五月先生にお土産(あっちのベビー服ブランドのなんか良い感じの奴)を渡した。お子さんはまだまだ小さいらしいので汎用性のあるベビー服を渡した。

 

非常に複雑そうな顔をしつつも丁重にお礼の言葉をいただき受け取って貰えた。本当に良かった。先生には多大なるご恩を受け続けているため、少しでも恩返しできれば御の字である(鼻息激荒)

 

七尾さんにもよくわかんないぶさきもいキーホルダーを渡しておいた(テケトー)

後ハンディのビデオカメラ。

 

この時代のビデオカメラはまだちょいと大きいんだよね。

向こうで片落ちを貰った。1on1の勝利報酬で。

 

撮影担当は男女折半で出せばいいと思うって話したら理解を得られた。後気が向いたら動画データを送って欲しいとアメリカの方々の関係者が言ってたから、忘れなかったら送ることにしようと思う。

 

放課後になって部員一同にはテキトーにゲロ甘なおかしを配った(ハズレ入り)

安原さんがハズレを引いて大盛り上がりだった。

 

何でも直近の練習試合後に相手校の女子からアドレス交換を求められたらしい。

これはギルティ。いい気味だ。

 

後は大量のバッシュ。

この人達すぐバッシュ履き潰しちゃうからあっちで大量に貰ってきた。ちなみに帰りの荷物の殆どがこれ。

 

 

ふぅ、一仕事した後はちょい甘なお菓子に限る。

部室で見つけたもみじ饅頭をパクり。

日本の和菓子が本当に恋しかった。マジでうまい。

 

安原さんを弄ってた部員連中も戻って来たし、練習「あぁぁぁぁああああ!!」うるせぇ。なんか千秋君が吠え出した。

 

 

「お、おま、お前ぇぇえええ」

「どうしたんですか?」

「俺のもみじ饅頭たべたなぁああああ」

「ラスワンだし、僕食べてないし、僕のでしょ」

「あれはな、俺が最後に食べようとした最後の一つだ!ちなみに食べてない!!」

「ふーん。ごっそさん。あ、トビ君ありがとね」

「ほ、ほうじゃけぇ。兄さんが物凄い形相しちょるが」

「後生大事に取っておく方が悪いね。いやー、久々の餡子は本当に美味しかったよ」

「ゆ゛る゛ざん゛!!」

 

 

 

なんか喧しく襲ってきたから5秒でぶちのめした。

取っ組み合いから頭突き三発お見舞いして鎮圧余裕でした。

 

千秋君?ああ、今は僕の椅子代わりになってるよ。

しくしく泣いている大男ってのは存外にきもい。

 

あまりの惨状に見かねたトビ君は予備に買っておいたもみじ饅頭を千秋君に渡してた。

 

小分けだし、後で自分で食べようとしたんじゃないかな。

 

 

さて、糖分も取れたし、改めて練習開始といきますか。

迫田キャップの号令も板についてきたようだし、皆どれ程成長したのか。ちょっと楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふーん、そこそこに頑張った感じかな。

さぼった様子は見られない。各々地力は上がってる感じだ。

 

特に伸びたのは茂吉君。

背がでかいってのはホントそれだけで可能性だ。

姿勢が大分良くなったっぽい。

 

なんか僕がいない間にマキちゃん先生が顔出ししたらしいんだけど、その時の知見を得て専門的なアドバイスを貰ったようである。

 

肉体面の強化は継続中だが、従来の器用さのおかげか、通常のシュートレンジも大分広くなっていた。

 

スリーも打てれば面白いことになりそう。

多分その域まですぐいくと思う。

 

 

 

次点で百春君。

僕がいる間はフィジカルの伸びに磨きが掛かっていたけど、いない間はシュート精度の向上にひたすら磨きを掛けていたため、大分バスケット選手らしい精度となってきた。

 

副産物で、千秋君から質のいいパスを受け続けていたおかげか、得点への嗅覚もいい感じで鋭くなっているようだった。

 

 

 

トビ君はなー。

こいつ身長がまだ少し伸びてるから嫌いだ。

 

地道に肉体改造を継続中である。まきちゃん先生が大分興味を示していたから無茶苦茶助言を貰えたらしい。彼女から見たら原石なのだろう。

 

ちなみに唐沢さんとも異文化交流(1on1)をしたらしいけど3:7で負け越し。

多分大栄の不破っちと今やれば4:6位の勝負はできると思うよ。不破っちが成長してなければだけど。

 

なお、唐沢さん曰く「あいつよりまだ可愛げはある」とのこと。

あいつって誰だ?あ、僕だ。

僕のが可愛げあると思うんだけどなー。

 

今はまだまだ牙を磨き続けなさい。

じゃけんこの秋から冬はいっぱい走り込もうねー。

 

 

 

千秋君はシュート精度の向上が著しい。

これで外という選択肢が増えればもっと面白い選手になるね。

 

自分で狙ってパスもできる。

というか実質的な司令塔は彼だから。

190のポイントガードなんて未来では当たり前にいるしね。

 

百春君と違って瞬発力が劣ってるからそこが次の成長ポイントかな?

ま、以降成長についてはこの人に限って言えば自身で伸ばさせた方が面白そうではある。

 

、、、というか花園ブラザーズ。

君達はまだ身長伸びてるっぽい。若干違和感感じたし間違いない。よし○そう。

 

 

 

迫田キャップも全体的に上手くなってる。

スリーも選択肢として成立するようになった。

 

これからは全般的に精度を上げてこう。

 

それと一つ、殻を破ろうか。

具体的には異文化交流だね。

大学じゃなくて海外の方。

 

できれば冬休み始まる前。

1、2週間短期で連れて行こうと思う。

 

多分僕の次に熱があるのが迫田キャップだから。

トビ君も熱いけど、彼はまだ時期尚早だと思うし時間もある。だからお預け。

 

しれっとキャップに提案したら二つ返事で了承いただいた。

なお、費用負担もあっちで見て貰うからご安心ください。

 

 

 

で、目下の目標は新人戦。

関東大会まで続いてるらしいからそこで名を上げてやるんだとか。

じゃけん支部予選勝ち抜かんとだねー。

11月頃にあるらしいからそこが目下の目標かね。

 

 

ちなみに冬のウィンターカップは選ばれた強豪高のみにしか予選の枠は無いらしい。具体的にはインターハイ予選県ベスト8の高校。知らんかった。

 

だから新人戦ってわけね。いんじゃね。

 

 

川崎地区で練習試合はそろそろ控えた方がいいかな、なんて言ったらむしろ脅威を吹聴したいから積極的に仕掛けるとか七尾さんは言ってた。というか選べる程選択肢無いって。無名校の悲しさである。

 

幸いにして同地区からは結構お声は掛かってるらしいので、定期的に入れてくって。皆超喜んでやがる。やはり試合は嬉しいらしい。練習量が減る的な意味で。

 

それと僕が当分外出をしないことを告げたら露骨に落ち込んでいた。

外出しても大した相手がいないから君達で我慢しようって言ったら絶望顔晒してた。その表情を見たかった(ニチャァ)

でもそれはそれで腹が立ったから個人練では念入りに絞ってやった。

 

今日は特に練習前に襲いかかった千秋君を重点的にかわいがった。もみじ饅頭食った分は消費させることができたと思う。

 

生意気にタイミング外して速打ちぎみにシュート放って沈めてきたから、次のターンでガチガチにシールしてシュートを絶対に拒否してやった。

 

時折プラスウルトラ的な進歩を見せるの止めれ。

その自信の芽生えを摘み取る僕の身にもなって欲しい。

容赦なく狩りに行くけどさあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある土曜の休日。

午前中は七尾さんの近所のミニバスチーム+αを集めバスケ教室の協力と珍しく午前練習がない日。

 

この前会った商店街チームの坂田さんから要請を受け、僕達クズ校男子バスケ部は社会貢献活動に従事することになっていたため、皆仲良く小学生相手にイキっていた(誇張表現あり)

 

春先まで不良の巣窟だったバスケ部の校内でのイメージアップのためでもある(なんか年配の先生に指摘を受けたらしい)

 

ちなみに一番人気は千秋君。

皆フェイクプレーやらトリックプレーやらマニアックな面で器用なため低学年からやたら人気があった。

 

なお、リーゼント組(百春君と安原さん)は髪を下ろさせた。

アイデンティティどうのこうの言ってたけど、目の前でパイナップルを素手で潰して果汁100%ジュース作って振る舞ったら当日までに髪を下ろしてきてくれた。

「お二人の出汁なんて取りたくなかったので良かったです」と言ったら顔を青くしていた。

 

 

その手の話で言えばトビ君当たりにもお願いしようとしたんだけど、腹違いの妹さんが小学生であり「うちは気にしたことないけぇ、まんまの兄ちゃんがいい」とご本人から電話越しに回答いただいたのでセーフとした。

 

トビ君はじゅりちゃんに凄く感謝を伝えていた。

バッシュ分の働きはしてくれたのかな?

久々に原作を思い出した。

 

 

僕は僕で高学年にガチンコで相手させられていた。

「俺でも高校生に勝てるかも!」感覚で挑まれるから、まあ厳しい現実を突きつけて上げましたよ(無敗)

 

ただ「ちっちゃいけどすげー!」って純粋な反応返されたら流石に僕も毒気を抜かれた。

その子には「いつか高くなったら売るんだよ」とサインを渡しておいた。

 

 

皆もそれなりに交流ができ、坂田さんからも「できればまたお願いしたいんだよねぇ。いや、この後また大会とかあるから厳しいか」とこちらを配慮しつつの打診があったため「「「ぜひ(切実)」」」と声を大きくして逆にオファーをお願いしていた。

 

そんなに練習したくないのかおどれらは、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は午後は練習試合が一つ組まれている。

毎度お馴染みご近所川崎地区内からで鶴金工業高校とカードが組まれている。因みに中々悪名高い悪タレの巣窟らしい。

 

例によって練習ではないため皆大喜びである。

うちも試合経験を積みたいという都合上大抵4ピリ、2ピリと1.5試合分は消化することになるから、その分練習も減るという仕組。そこまで含めて考えて皆喜んでいるのである。もうなんでもいいのね。

 

なお、試合後も練習をすることについては疑問を呈していない。

扱いやすくて助かる。

 

 

 

昼食はすでに済ませていたため、クズ校に戻ってコートの準備をしていると、なんか柄の悪そうな連中が来た。

 

一人大柄な人が土足で体育館に上がって「花園いるかぁ!」的なことを叫んでたけど、顧問の若い人がすぐさま諫めていた。

 

「うわ、竹刀だ、無いわぁ(引きっ)」って声出したら珍獣を見る目で皆から見られた。

お、やるかぁ?

 

渦中の百春君に「何しでかしたんです」って聞いたら「川に落とした。流されてたなぁ、、」とのことで僕は更に引いた。野蛮過ぎる。

 

「お前は焼却炉だろうが」って応戦してきたけど残念、僕は未遂だからセーフですよって返答。

 

 

ちなみにここまでバッチリ会話を聞かれていた模様。

流石に相手もドン引きである。

 

懲りずにでかいの(柾木って人)が「こんなチビが!?」と指差して煽って来たため、例のパイナポージュースの実演を噛ましたら「あ、はい」と少し大人しくなった。

 

 

 

 

アップ風景を見ててもチームとしての力はカスみたいなもの。

 

何故今更こんなチームと練習試合をするのか。

五月先生曰く、午前中の活動に通じており、一部よく思っていない先生からの嫌がらせみたいなものらしい。

「処します?」と言ったら五月先生と父で今対策中とのこと。

あ、坂田さんも協力してくれているらしい。あの活動に繋がるわけだ。

 

と言うことで今に至る。

最後は先方の顧問にどうしても、、、と言う熱意に絆されたらしい。

 

今更熱血なんて流行らないのに、、、嫌いではない。

面倒見のいい先生に感謝するんだな。

 

 

 

 

 

スタートはチャッキーさん、僕、安原さん、千秋君、百春君。

コンセプトは花園ブラザースの下でゲームを成立させること。

 

 

「主力はお二人。ゲームメイクはチャッキーさんで、補助に安原さん。車谷君はいつの通りで」

「らじゃ」

「(奈緒ちゃん、見ていてください、すき)」

「(こいつまたバカなこと考えてるな)」

 

 

今日一番大変なのはチャッキーさんと安原さんだろう。

僕有りでメイクできるかってことと、僕抜きでメイクできるかということ。

 

先に僕を先発させた当たりに七尾さんの優しさを感じるね。

何もしなくても僕が点を取っちゃうから。

 

ま、それだと花園ブラザースの仕事を奪っちゃうわけだけど、数値は取ってなんぼだから。待ってても何も始まらない。

 

 

 

開幕早々百春君のティップオフで肘内の妨害があったけど、だから何?と言うレベルである。

一発アンスポを貰えたけど、身体的なダメージはそれ程でもない。ちょっと痛ぇレベルで済んでいる。

 

百春君だからと言うのもあるけど、僕にぶっ飛ばされてる方がきついだろう。いつもヤムチャされてるし。

 

 

で、その後は開幕スリー余裕でした、からの僕のマッチアップ。

ニコってしたけど歯に自信ニキか?

、、、それで歯が無いのはギャグなのか。

 

とりあえず隙だらけなのでスティールしてカウンター、、、からの安原さんが前を走れてたのでパス通して速攻成立。

 

走れてたのは高評価。

強豪校はマークもあるからそこで点を取れたらいっぱしの高校生プレーヤーとして評価しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャッキーさんがプレーの起点と転換点に絡めてる。

チャッキーさん→ハイポスト百春君→外で受けた僕がドライブイン→フリーのチャッキーさんと連携。

イージーディスタンスでチャッキーさんが詰めて点を取る。

 

出来すぎである。

相手の動きが素人丸出しってのもあるけど、うちはきっちりとした形のバスケが出来ている。

 

正直僕で完結させることも出来たけど、いつも通り自由にしていいと言われているので、今日はこの人達にボールを回している。

 

欲を言えば百春君で完結させても良かったと思うけど、この形に至るまでに何度かイージーディスタンスとミドルを沈めているのでまあまあ良いでしょう。

 

 

 

千秋君も負けじと点取ってるし(弟に勝る兄はいねぇ、とのこと。北○かな)

後相手のマークマンを意識してるっぽい。

 

間久見芳武。

この高校との試合といいなんかふわふわっと原作の空気を思い出す。こいついたかな?

 

随所随所に出来る動きを感じるんだよね。

それも大器を思わせる動き的なやつ。

 

ただ覇気が無い。

だから他の連中同様脅威とならない。

ゲーム以前の問題である。

 

だから僕も必要以上に煽らない。

だって張り合い無いし。新城クラスに熱量があればやってたかもだけど、黙ってサンドバックにした方が有意義だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半終わってみれば大差得点差は知らん。

相手はアップアップ。イージーゲームである。

 

七尾さんもチャッキーさんを引っ込めてナベさんの投入を指示した。

チャッキーさんは僕がしゃしゃり出たお陰でやれるべき仕事を果たせることが分かったからお役目ごめんである。

 

相手の動向は知らんけどとりあえず後半も今のまま。

ゲームメイク千秋君と僕中心になることが変更点かな。

 

 

後半は機動力主体で攻める。

隙あらば僕も全力の縦パスを放るのだが相手に刺さる刺さる。受け手もナベさんだけしか反応できないのは本当に謎。縦パスが来るという感覚を感じ取れるのはナベさんだけ。これもう異能でしょ。

 

相手の足は覚束ないから控えめに言って地獄だろう。

ディフェンスも安原さんが前に出てボールを掠めとることが多くなってきた。

 

内容は壊れたゲームになってる。

けれど試合としてはギリギリ成立している。そんな状況。

 

 

 

このまま終わればまあまあ練習試合としての意義はあったかな、と僕が総括しかけた時だ。

 

安原さんのマークマンが強引に突っ込む。と併せて膝を顔面に入れてきた。

 

始めに僕が抱いた感想は『ある意味器用だなー』であった。

 

 

 

「内村先生、どういう指導を行っているのでしょうか。大ケガに繋がり兼ねません」

「申し訳ありません。私の指導経験が浅いため、危険を孕んだプレーについて、選手への認知が十分になされておりませんでした」

「始めの肘打ちにしたってそうです。あれだけであればゲーム後に注意で留めようと思っておりましたが。

 今のは露骨過ぎたため、試合時間が止まってることと、練習試合という体裁を利用して抗議しております。要するにふざけんな、と」

「重ね重ね申し訳ありません」

「うちとしては特段練習試合請ける道理は無かったのですが、内村先生の熱量に絆されお請けした、という経緯を伺っております。

 私自身選手としてただ勝ち負けを前提に試合するだけでは得られるものは無いと思っておりましたが、経験を積むと言った点では十分練習試合を行う意義があると踏んでこの試合に臨んでいます。無論舐めたプレーをしたつもりもありません(口が悪くなる時はありますが)

 、、、すみません、時間取ってますね。ならタイムアウ取ります。七尾さん、独断でごめん。

 つまりあなたの熱意にプラスしてこちらとしても試合の意義が見出だせたと思ったからお請けした試合です。

 それを単純に「指導不足です、申し訳ありません」と言われても、、、今回は怪我人が出ていないので納得はしますが、到底看過できるものではありません。仮に怪我人が出ていたらどう対処されるおつもりだったのでしょうか?」

「、、、正直償いようが無いかと思います」

「もういいよ」ですね。誰が、と言うわけではありませんがこの活動に文字通り全力で取り組んでいます。替えはいません。

 これが普通の試合として成り立った上であればまだ免罪符として有効だったでしょう。しかし今回のは悪意にまみれている。この後の厳正な処分を私は臨みます。結果は追って報告いただけると」

「、、、それは」

「悪意のあるプレー以上に暴力性を伴った一方的な暴力行為でしょう。然るべき処分はあって妥当「車谷、そこまでだ。その判断は責任を負った大人同士で行うことだ」

「、、、失礼しました。で、もういいよ、とは?

 当方そちらから練習試合をしたい、との認識でしたがどの口で不満でも漏らそうとしてるのでしょうか?」

「、、、こんな生産性のない「それってあなたの感想ですよね。何度か言ってますがこちらには理がある。あなたの言葉を借りれば生産性があるんです。もっと言えば生産性を見出だしたんです」

 

 

次にイラっとしたからとりあえずぶちまけた。

いつぞやの百春君達みたいに全方向に舐めた態度が気に入らなかったから。

 

途中五月先生がストップをかけたので矛先を間久見さんに向けたけど、まあ詭弁である。詭弁ではあるが本音だ。

 

怪我云々は僕がことをお大きく見せたいから。

あの程度で怪我を負う程柔な練習はしてないし。

 

処分云々はとことん詰めてやりたいから。

暴力は試合後に先生達にばれないように追い込みをかけるとして、表の場ではせめて口撃だけでもしておきたいから。

 

練習云々はただただ本音。

僕が生きてる限り無駄な時間なんて1秒足りともないのだ。

 

生産性が無い?ならば作ればいいじゃない。

それだけ。

 

 

 

「生産性が無い?斜に構えた俺カッケーとか思ってません?

 正直ここまでで環境整えて貰って駄々こねるとかマジでダセェですよ。あなたに限らずですけど。

 あ、文句なら試合後に受け付けます。先生方がいない間に遠慮無くお申し付けください。全員漏れなくパイナップルジュースの原料にしてやりますので。

 

 では反論をどうぞ。何か言えよ。言えって。ほら、セイセイ。

 あ、人前だから言い辛いかもですね。でもほら、君達真っ当な生き方してないと思うので回り顧みず剥き出しの言葉でで何か言ってもいんですよ?

 だからさ、なんかねぇのかよおら」

「「「、、、、、」」」

 

 

 

だんまりである。つまんね。

まあタイムアウト時間大幅に超過してるしこの当たりで「おい、当事者置いてきぼりにすんな」なんか当事者の安原さんから異論が出てるんですけど。

 

 

「結果論?ってやつだが先ず俺は何ともねぇ。いつもどこぞのゴリラもどきが玩具のように俺らをぶっ飛ばすから、それと比べたらまだましだ。だからそこまで大事にするこたぁねぇ。試合の理由云々についてもゴリラもどき同様、俺にも(練習をしないと言う点で)十分意義がある。うん十分にだ。

 勿論やられた直後はイラッとしたけどよ、こいつの詰め方見てたら流石に溜飲も下がる。俺も元はゴリラもどきの被害者でもあるからよ」

 

「被害者は僕ですよ。加害者は安原さん達です。間違えんな、気分わりぃな」

 

「ーーああ、そうだったな。たまに勘違いしちまいそうになるが元は俺らがいけなかった。そこはすまねぇ。

 、、てな具合だ。経験したことあるから分かるが無茶苦茶怖ぇ。時間が経った今でもこれだ。笑えるぜ。

 だからアドバイスを送る。先ず逆らうな。受け入れろ。こいつはやると言えばやる奴だ。俺らはそれが分からなかったからシめられた。お前らもパイナップルジュースの実演が効いてるから手を出せないんだろ」

「お、おま馬鹿にすんな!」

「図星だろ。何よりお前らの頼みの綱である先生もこのゴリラもどきにたじたじだったろう。守ってくれる奴なんて関係無くこのゴリラは手を出してくるぞ」

「バレたか」

「な。だがそこは安心しろ。お礼参りは俺がいいって言うなら不要だ。この点に関しては俺が正しいだろう?」

「はい。良かったですね被害者に庇われて」

「こんな感じでゴリラの道理を付けば被害は最小限で抑えられる。だから先ずは受け入れろ」

「大ヒント。僕達クズ校の貴重な時間。大人が頭下げてセッティングした事実。そして何も知らないクソガキ。後は分かれ。

 審判、とりあえず僕は言いたいこと言ったので退場でいいです。但し後5分位タイムアウト時間ください。じゃないと暴れます。

 、、、ありがとうございます。それとこの5分でうちの連中は相手を完膚なきまで叩きのめす作戦を練ってください。七尾さんは自発的なアドバイスは禁止で。何か請われたら助言する程度で。五月先生はOKです」

 

 

審判(父)に許可を貰い僕はと言うとコート外でストレッチを行う。

殆ど疲れてないけどダウンは重要だし。

 

さて、後は連中がどれだけ稼げるか。

ゆっくり観戦させて貰いましょう。

 

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