そのあひる、狂暴につき   作:グゥワバス

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あひるの皮を被ったふれんず19

正月三が日は真面目に休養期間となっている。

流石の僕もちょい疲れていたので大晦日は紅白と笑ってはいけねぇを交互に見て普通にぐっすり。

 

翌日に起きると何と朝も8時と珍しい時間に起きた(普段はもっと早い)

 

おかげで疲労は完全に抜けたが、父の方は相変わらずおねむそうだった。あなた、ちと前まで農家で早起き慣れておるでしょうに。

 

「疲労だ」と言ったので「僕選手、寝たら絶好調。アーハン?」と返したら「俺は国語教師だ」と言われた。意味が分からん。

 

 

婆ちゃんが雑煮を用意してくれたので食べてから身体を解して軽くラントレ、、と思ったけど休養日なので思い留まる。

 

せば初詣まだだと思い行こうと思って七尾さんに声をかけようとしたことを思い出した。

電話してみたらすでに太郎君と出ているらしく「じゃいいや。あ、暇人知らない?」と聞いたらさっき千秋君からも連絡があったことを教えてくれた。

 

にちゃぁ、とした笑顔でお礼を言ったら「お痛し過ぎないようにね」と小言を貰った。おかんか。

 

それと「車谷君が今度行く時は声掛けて」と言われた。

「え、それってトゥンク?」ってふざけたら「神様にケンカ売りそうだから」とマジトーンで言われた。ピエン。

「売ったけど負けたよ」と残して切った。あれは完敗だったな。

 

 

 

さて、自分私服ねーなー、と思いながら、最近流行ってきたユニさんなクロ服で用を足しつつ千秋君に電話をしたら何か嫌そうな声で「オカケニナッタデンワバンゴウハ」とか宣ってきたから「ぜってー助けてやるからな!」とガチャ切りして花園医院に向かった。20秒後には着いた。

 

 

「千秋君、暇だよね」

「僕、誕生日なん「暇だよね」

「おう、こいつさっきまで俺に遊ぼうって「もーもーはーるぅううう「暇じゃん、来な」

 

 

 

聞くと百春君は百春君でトビ君や円さん達と初詣に出掛けるらしく、この大男は無理やり着いてこうとしてたらしい。

 

なおさら引き取って正解じゃん。

 

泣いてグズる大男を引き摺り、僕はとりあえず近くのマクダーナルドに入る。千秋君のお父さんから少し頂いたお年玉と、アメリカで稼いだあぶく銭を原資にそこそこの量を頼み千秋君と共有。

 

多少機嫌を戻した千秋君であるが、男二人でメェェエエックと言う状況下に少し嫌気が差し、露骨にため息を吐き出した。

 

まあ気持ちは分かる。

なんで僕、連れ出そうとしたんだろ。まあいいや。

 

 

「空坊、お願いだから解放してください(切実)」

「食った分は付き合って貰います。とは言え流石に僕ももさい大男と並んで歩くのは気が引けます」

「何故連れ出した(泣)」

「いいじゃないですか、暇人同士なので。結果として千秋君以外にいい方向に転んでて草ですけど」

「うぉぉぉぉぉん」

 

 

ダメだこりゃ。

しゃあないから数少ない女性の知人に声をかける。

 

 

 

『もしー新美さん、あけおめー』

『車谷君。あけおめ。電話なんて珍しいね』

『うん、(暇潰しに)初詣行こうと思ってマァアアックで鋭気養い中』

『あはは、なにそれ』

『でさ、僕だけじゃ寂しいから声掛けたんだけど、時間どう?』

『今!?急だね。休養日だから予定はいれてないけどさ、、、』

『お願いします。正月から人助けをば。何なら他の女性陣にも僕から声かけるから』

『うーーーーーん、、、分かった、行こう!因みに車谷君以外に誰かいる?』

『でっかい先輩が一人。これ以上は増やさないよ』

『みんな大きいじゃん。分かった。集合場所は?』

『川崎大師行こうとしてるから。今いるマクドで待ってるねー』

『分かったー』

 

 

 

 

 

 

 

「車谷君、あなたが神か」

「千秋君のそういうところ僕は好きですよ」

 

それでこそ千秋君だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新見さんともう一人女バスのさやかパイセンが来てくれた。

何でも新見さんが女バスにメールを一斉送信したら彼女が反応してくれたとか。男バスで3年生の大きい先輩から最悪を想定してわざわざ来てくださったらしい。責任感が強すぎる。

 

案の定着いたら「来て正解のやつだった」とホッとしたような悩ましいような表情で呟いていた。

 

 

「新見ぃい!無防備過ぎぃ!」

「(´・ω・`)?」

「車谷君がいるならまあ大丈夫だけどさぁ(腕力的な意味で)」

 

 

誘っといてなんだけど僕もそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん私服どうしてんですか」

「「「ユニ○ロ」」」

 

 

マジかよすげぇなユ○クロ。

行きがてらに普段の私服に着いて駄弁っていたんだけどまさかの一致。

 

時間に余裕があった去年までは色々ショップを回ってたらしいけど、バスケに本腰入れたらそもそも服を見る余暇がなくなり、自然とパッと買えるユニク○に落ち着いたと。

 

新見さんがダッフル、さやかパイセンがキレイ目のAラインロング、千秋君がノース○ェイスのダウンに良さげなGパン、、、○ニクロ違うじゃん!結構お高めのブランドやん!!

 

 

「千秋君はいいとこの坊っちゃんでは?」と言ったら結構盛り上がった。流石にこの弄られ方は想定外だったのか、珍しく狼狽した様子であったが「個人医院の長男でもありますし、、、」と追い討ちを掛けたら二人はかなり驚いた様子だった。

 

珍しく千秋君も照れと困惑を混ぜ入った表情をしていたので写メって七尾さんに送ったら『カワイイ(´・∀・)』って返ってきて千秋君も満更でもない表情をしていた。

 

 

 

「いいとこの坊っちゃんの千秋君。とりあえず拝みに行きましょうよ」

「ええっと、個人医院の長男の千秋先輩、何をお願いするのでしょう」

「、、、実家が太い花園兄。たまにからかわれる気分はどう」

「なあ君達。私の名前の前にそのノリ入れるの止めてくれない?」

 

 

 

そのまま大師に到着したけどやっぱり人が多い。

以外と夕方が近いけど人は途切れずで。

 

屋台で出来合いのホッとの飲み物を飲んで軽く参拝。

 

僕のお願いは無病息災。

野望だ願望だは自身で勝ち取るから別にお願いはしない。

 

その他各人は『世界平和』『IH出場』『円に勝つ』って感じ。ささやかな願いである。

 

寒いしどっかで駄弁ろうと思ったら見知った顔が僕達に話しかけてきた。

 

 

 

「やっぱり、千秋先輩と車谷君だ。れいちゃんとさやか先輩まで」

「奈緒ちゃん♥️」

 

 

 

パンク気味なファッションの七尾さんと付き添いの太郎君。

なんだ、川崎大師だったんだ、、、太郎君、なんかごめん。明らかデート(気分)だったよね。

 

千秋君は嬉々として七尾さんの手を握っており、その隣で太郎君は「シャー!」と唸っている。

 

七尾さん、できれば気付いてもスルーしてくれれば良かったのに、、、

 

 

いい加減寒くなってきたのでいい案配のファミレスで駄弁ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「車谷君。ファミレスとは言えこの人数でお金大丈夫なの」

「うん、ちょっとアメリカで、、、聞きたい?」

「「「結構です」」」

 

 

緑の看板のファミレスで皆思い思いに注文を取る。

女性陣はカワイイ物だけどうちの大男はさっきマァアアックを食べたばかりと言うのにバンバン頼む。

 

 

「残したら休養日明け僕が扱きますからね」

「ぬはは。お残しだけはしたことがないのだ」

 

 

もう食べる食べる。

ドリアとピザとパスタを主食、ハンバーグとステーキをおかずサラダ3つを付け合わせとか。この人僕並みに食べるな。

ちなみに太郎君身体を労ってかサラダ中心。

この差よ。

 

なお、千秋君はいいとこの坊っちゃんと言う話題を提供したら太郎君は大爆笑していた。

 

七尾さんが返しに「太郎君家はお寺だよ」と言ったら今度は千秋君が大爆笑してた。

こいつら実は仲いいだろ。

 

 

 

「北住はどこの山なの」

「残念ながらお前達とは反対の山だ」

「なんだ。勝ち確枠あると思ったのに」

「相変わらずお前は、、、」

 

 

 

まあ自然とこんな話題になる訳である。

正月明けから一週間後には新人戦の県大が始まるのだから。

 

クズ校の山は色々強豪が入り交じってるらしい。

夏の県ベスト8だか16だかが2つ混ざってるとかで混戦気味っぽい。

 

確か藤沢菖蒲と妙院だったっけ?

後進めば昭和学院。夏じゃ大栄破って県1位って迫田キャップが言ってた。

 

うーん、、、、、小粒!

どこまで行っても高校生の範疇だから気楽に行くかな。

今すぐアメリカ行っても上澄みはともかく下は(僕から見て)あんまり変わんないし。日本で我慢しとこ。

 

 

 

「女子はどうなんだ?そこのキレイ目の同級生よ」

「あなたと絡み殆ど無いんだけど、、、まあ走り込んできたわよ。どこよりも」

「自信満々と言うことか。楽しみにしてよう」

「七尾さんの幼馴染みだと言う事実に感謝しなさい。そんな口聞いたら次からはうちの女子総出でハブるから」

「お、おう。ごめんなさい。そっちの、あー、華奢な君、目標は」

「その子はうちのエース格よ。フィジカルも一番強いから」

「What's!?」

「あ、あの、エースでは「円や私に7:3で勝ち切るからエース格よ。但し、他チームにはギリギリまで伏せているつもりだから絶対漏らさないでね」

 

 

 

新見さんは女子のリーサルウェポンだもんね。

女子の主軸はヨーコ先輩、さやか先輩、円先輩の三人、、、と思わせている。

 

支部予選ではまだ新見さんは本領を発揮させていない。

それで勝ち抜けるんだから今の女子のレベルの高さを物語っている。

 

本気を出した新見さんは多分県下で最もフィジカルの強い女子である。

 

参考に「トビ君の当たりに耐えられるくらいには強いよ」と言ったら「アメイジンッ!!」って反応してた。

そうなるよね。この僕の目を持ってしてもそのポテンシャルの高さは見抜けなかったよ。

実は2週目だったりしないかな。

 

 

「太郎君の方はどうなのさ。あ、チームの話はどうでもいいや。太郎君自身の将来進退のことね」

「俺?正直今は勝ち抜くことしか考えていないがそうだな。最終目標はNBAだ。だから、、、大学行ってプロ行って実績上げて上に行く。今挑戦中の日本人がいるくらいだ。俺はその人を超えてくつもりだ」

 

 

あの人を超えるねぇ。

まだまだ設定が小さい。

僕を超えてくくらい言って欲しいのに。

 

まあ展望は人それぞれだし。

一歩ずつ上げてくのであれば間違いじゃない。

期待しているよ。

 

 

 

「アフロはどうなんだよ」

「千秋君は花園医院の跡取りなので」

「勝手に決めるな。俺はそうだな、、、空坊を超える、だな」

「あはは。つまり世界一のプレイヤーってことですね。面白い冗談です」

「ぬぅ、俺は本気だぞ。いずれにせよ先ずはカバチと同じ大学バスケだな。そうか、カバチたれも大学か。縁があればいいな」

「カバチタレ言うな。いずれにせよ先ずは全国で名を売ってやる」

 

 

なんか男の子って感じがするな。

 

 

 

「先のことなんか知らないわよ。走り続けてから考えるわ」

「なんか皆さん、色々考えているんですね。私もさやか先輩と同じです。その後考えます。車谷君はどうするの」

「今更拘りはないけど、とりあえず全部蹴散らしながら考えるかな。どこ行ってもそれを押し通す感じ。大学どうしよ」

「蹴散らすはともかく、アメリカはどうだったの。そっち方面も考えてる?」

「日本の大学じゃ僕にとって遠回りだから、そうなる可能性が高いかも。高校生の間は日本中心かな」

「車谷は一体どういう進路を目指してんだ」

「邪道からの正規ルート」

 

 

 

実績とバックアップは手にしてるし、後は今面倒見て貰ってるチームに一応相談して正規ルートに乗る感じかな。

 

具体的にはアメリカの大学バスケ。

、、、どうせならこのある意味面白過ぎる身体の研究も兼ねて大学行くのもありかも。(学力的に)いい大学入ろうとするなら推薦での捩じ込みは効かないから、自力で学力身に付ける必要あるんだよね。

 

ただチーム的には紐付けのある大学出て囲っといて指名したいんだろうなぁ。何なら大学で大人しくしてろって言うこともあるだろう。かくし球ができんのか知らんけど。

 

サマーリーグのスタッツは残ってるけどあれ一応代名使ってるっぽいから僕の正式な情報は残ってないっぽいんだよね(チーム側は最大のファインプレーだったと自賛してる)

 

秘密裏ルートで行くかどうか。

 

一つ言えることは少なくとも今のチームは絶対に僕を確保する意思があると言うこと。僕が散々脳を焼いたからね。

 

僕の機嫌を損ねないように提案をしてくるのは間違いないだろう。

少なくとも僕はここじゃなくても自力でその舞台に立てるし、実力の裏付けは取ってもある。

 

アーリー申請からのドラフトルートもあるかもだけどまあ目立つね。

この身長の野郎がアーリーしたところで申請する方も指名する方も「狂ったか」と思われるのがオチか。

 

、、、なんか逆にあり得そう。

他チームが絶対に選ばないって確証があるならそれでいくのかも。

 

 

大学出たいって要望すれば、チームに入ってからならバックアップ体制を整えてフォローしてくれるってこともやってくれそう。

 

 

「車谷君?」

「七尾さん。僕(の進路)は恐らくクズ校創設以来の伝説になると思う」

「すでに伝説だよ(悪い意味で)」

 

 

後で相談だな。

この後も特段毒にも薬にもならない話を続けて解散となった。

 

なお千秋君は全部品物を食べ切ったのでしょうがないから全部奢ってやった。

 

「流石に悪いぞ」と言ってくれたがまあバースデーらしいし、たまにはね。

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