県予選も中盤。ベスト4決めの本日。
お相手は三島高校。
一応県ベスト8の常連らしい。ベスト8多ない?
特筆すべきは粋のいい一年が入ったこと。
つくづく一年に縁があるな(北辰のキラキラネーム然り、富岡の太いの然り)
試合前に大層な挨拶噛ましてきたからぶっ潰そうと思ったけど七尾ストップが入る。どうも大栄の不破っちに似た選手らしいからトビ君に任せる方針らしい。
、、、いやいやいや。ここはうちも粋のいい一年生でいきましょうよ。なーに、フォローにトビ君置けば磐石磐石。後輩の尻拭いもできないで上手くなるわけないっすよ。
と言う僕の意見が珍しく通ったのでスタートは
行太、僕、トビ君、百春君、千秋君となった。
よーし行太、格の違いを見せてやれ。
と思ったのも束の間。お手本のように抜かれ、、無かった。けど、ダメだね。オフェンス有利取られちゃってるからシュートまで持ってかれちゃってやんの。
身長低いとブロックもできないのだから、きっちり止められないのはチビに取っては負けたも同然なのだ。
況してや行太とそう身長は変わらないのだから。
「ねぇ。同じ身長の奴に負けてんなら下げるよ」
「ーーッ次負けたら下がります」
「言ったな。トビ君、君もだよ。あんなのに勝手にさせないでね」
「わーっちょるわ。格の違い見せたる」
惚けた面した一年の生意気顔が気に入らないけど、僕が手を下すまで無いと思いたい。
、、、と思ったらディフェンスはそこまで大したこと無かった。
お返しとばかりに行太にやられてるあたりザルだ。
まあまだ一年だし。
尻拭いのヘルプが来ても行太にとってそんなの入学前からずっと想定の範囲内の動き。引き付けて千秋君にパス。
後は千秋君→百春君と最後はイージディスタンスを決めた。
オーソドックスな立ち上がりである。
相手も4番を中心に展開し、10番が掻き回すスタイルであったが、10番の動きは行太とトビ君がシャットアウトしてるためそれ以外で向こうは点を上げてこようとする。
手薄なところから攻める、、、と考えたんだろうけど、うちの金髪はそれを許さない。
毎度毎度僕にやられてる鬱憤をはらすかのようにエリア内の守護神と化していた。
いやほんと、これで飯食ってけるよ。
高校レベルじゃ抜けた守備力よ。
シュートチャンスこそ少ないけど地味にシュート率も高いから、随分いい成長したと思う。
わしが育てた(物理)
しかし大体相手の思惑は確定した。
あの一年も結局は攻めパターンの一つってだけ。
他に4番起点攻め、手薄処攻めってのが相手の主パターン。
これは事前に七尾さんと五月先生と新人マネの真琴ちゃんが洗ってくれた情報である。
故の百春君主体のディフェンスである。
ちなみに僕はマークマンに付きつつサテライト的に動き回る、相手にとってうざいハエと化している。
これ七尾さんに言ったら「車谷君は敵に潰されることのない雀蜂だよ」と言われた。害悪過ぎる存在ですね、、、相手にとってだよね?
さて、前半終えて54ー40。
失点は大体行太起点。ギリ及第点は上げられないってところ。
全体的に見ても何時もより失点が多い。一重に行太のフォローにトビ君が回った分のバランス差を上手く突かれてる感じ。
寧ろ花園ブラザーズの頑張りでこれだけに抑え込めてるってところか。
「まあ、持った方だよ。点数に絡めてる分相殺してるけどトータルでギリ赤点。引っ込みな」
「、、、はい」
「長所は伸ばせ。短所はもっと伸ばせ。僕からは以上」
「後半は夏目君に単独で抑えて貰います。それと後半頭からは鍋島先輩もお願いします」
「任された!」
「百春先輩は迫田先輩と交代です」
「分かった」
後半は守備→攻め重視。
全国でも随一のオフェンス力を見せつける。っても僕の得点比率が増える+迫田先輩分の攻撃力が乗っかるってだけだけど。
但しこれに対応できるディフェンス力を持つ高校は今の日本には存在しない。
得点効率が同じくらいの高校が県内にあることは恐ろしい事だと思うけど(横浜大栄)
ちなみにナベさんを入れるのは攻めの味変のため。
僕の全力縦パスに完璧に反応できる才能はホントにめっけものだ。
トビ君だとまだラグ感じるから僕との相性はよろしくない。
ここが繋がればトビ君にとってもチームにとっても更に殻を破れると思うんだけどまだまだダメっすわ。
と言うわけで後半開幕。
相手ボールからの10番単独ドライブ。
はぁ、、、ワンパ過ぎっすわ。と言うかトビ君が補足→繋ぎのパスを僕がインターセプト。
おら、走れ!
コートを斜めにワンバンパス。相手の戻りは追い着いていないけどナベさんの中継はしっかり間に合ってる。
そのままナベさんがワンマン速攻決め切る。これっすよ。相手の一年からの失点。
「明確な穴があるんだから突くよ!」と煽りも忘れずに。
流石に4番が一年を制御してお代わりはさせてくれなかったけど、あれが偶然じゃないことは分かってるかな?
そして4番のマッチアップはうちのキャップ。
百春君ほどのディフェンス力は無いけど、十分高水準のディフェンス力を持ってるから楽はできない。
何よりうちの明確な穴が引っ込んだから守備の歪みもほぼ矯正されたので、相手は個の能力をベースに攻めるしかないって事。
去年までのうちだったら連携で崩されてたけど、そこは徹底的に個の能力と守備の連係を磨きまくったから、県レベルであれば余裕で対処できちゃう。
じゃあどこから崩すよ。
うん、やっぱりナベさんのとこからだよねー。
確かにそこは薄いっちゃ薄いけど、標準以上のディフェンス力は備えてるんっすよ。
最早言い飽きたけどクズ校バスケ部は漏れなく僕を相手に対人戦に取り組んでいるので。
ナベさん相手ですら崩し切れ無いので、当然うちのヘルプは余裕。
流石の理解力でキャップがフォローに回る。相手の攻めを許さない。からのうちのオフェンス。
ナベさんへお代わり、、、と見せてキャップはトビ君に供給。
相手の一年も良いセンスしてるけど、行太のドライブに対応できない奴がトビ君のドライブに対応できるはずも無く。
一枚躱して4番のヘルプ。急ストップから相手の軸のブレのを見抜く。反応の反対を突くドライブ。これは僕が教えたけど正直すぐ身に付けるとは思ってなかった。
二枚躱して三枚目は相手のセンターのブロック。これも躱してフローターで決め切る。安易にダンクに行かなかったのは褒めたげるかな。
会場も三枚抜きに湧く湧く。
で、僕たちは悠々と自陣に戻ってディフェンス。
勢いのままプレスをかけても良かったけどそこまでする必要はない。
小細工など不要。どっしりと構えて真っ向勝負。これが一番強いとばかりに。
連携もダメ。4番起点もダメ。
なら全部は?
4番と相手一年の連係から、、、一年スイッチ。
けど甘い。トビ君がキッチリシールしてる。
スリーも見えてるよとばかりにトビ君のブロックショット。
こぼれ球を僕が拾う。
既にナベさんは前に走ってる。
相手もくっ付いてるから千秋君に繋ぎ。
千秋君が相手と戯れながら翻弄してボールを運び、外からシュー、、、いや違うな。
最後尾から走り込んで来たトビ君が勢いのままアリウープダンク。
いいね。瞬発力と反応速度は随一だね(僕を除くと)
これ、キャップも行こうとしてたけど引いたね。で、リバウンドチャンスに備えていい位置に着けた。僕だけは見てたからね。
じゃ、仕上げと行くか。
トビ君に耳打ちしてディフェンスに戻る。
僕のマークを一年に変えて貰い相手に一言「来なよ、負け犬」
ボールが一年に渡った瞬間勝負は着いた。
僕の手にボールが収まったのが全てだ。
そのまま走り込んだトビ君とナベさん。
トビ君に繋げばマークを振り切りめ切るだろう。
だけどナベさんにはパスが通らないと思って完全にマークが外れてる。
僕のマジパス。
外から見ればまさかと思われた空間にボールが流れ、そこにはナベさんがいるという状況。
相手は絶妙にトビ君を警戒してて、ナベさんには隙を見せちゃってることが僕からは丸分かり。まさかこんなとこ通さないでしょ、ってとこを僕が見つけ、ナベさんも気が付く。
千秋君曰く「お前とナベのパスラインはお前の腕力があって初めて成立する」らしく、千秋君も再現はできないらしい。
大栄の鷹山君がコートの空気を読んで成立させるパスを僕は無理くり腕力で成立させてる。
僕だけなら成立しないんだけど同じビジョンをナベさんだけが共有できる。だから僕のパスにも反応できる。
これが味変。
相手はもう訳が分からなくなる。
個の能力、僕の暴力、そして味変。
僕の暴力ですら難攻不落なのに味変が入ってしまったうちの攻めはいよいよ攻略不能となる。
妙院は僕の暴力に真っ向から立ち向かった挙句、対応しきれないまま他の個の能力でうちを上回ろうと色を出した。
そこにうちの味変が入ったことでディフェンスのリズムが崩された。三島も同じ。詰みだ。
今更タイムアウトを取ったところで手の打ちようがない。
始めから点の取り合いを挑むべきだったのだ。
以降うちは点差を詰められることは無く、最終スコアを114-64で締めくくった。
惚けた顔の一年に「目は醒めたかよ寝坊助」と言ったけど何も返ってこなかったから追い打ちを掛けようとして相手の4番に制された。
「初めから余裕こいてたら相手にすらならないから。夏会う事があったらマシな面で来なよ」
「ああ、胆に銘じる。太一」
「ははは、はは----次は負けない、、、絶対負けない!!」
4番が大人だったのでこれ以上は止めてやった。
嫌いなんだよね。実力も無い癖に「あれ、僕なんかやっちゃいました?」的なムーブかまされるの。
だから次は死に物狂いで来なよ。出なきゃ潰し甲斐無いからさ。
ベスト4での対戦は昭和学院だった。
反対の山は新丸子対北住と言う川崎ダービー。
ベスト4の内三校が川崎地区と言う異常事態。
ちなみに大栄はベスト8で昭学に喰われちゃったっぽい。
うち特化だしねー、、、逆に次当たる時が怖いわ。
ただ正直うち相手に昭学は役不足だ。
何て言うか。爆発力が足りないんよね。いいとこまで行けるんだけどずるずるって離されてっちゃう的な。
だから今回も99-81でうちが勝っちゃうんだよ。
点差は割と近めだけどうちは僕を途中で引っ込めたし一度もリードは許さなかった。
これが大栄ならマジで最後まで何するか分からない怖さがある。何ならリードだって取られることもある。
前二回は味変と言う鬼札があったから勝ち切れたけど、相手が更に得点力を伸ばしてくるようだったらマジでアタオカと思う。
なお、女子も貫禄の決勝進出。
今度はしっかり県を勝ちきる心づもりのため、一部の隙も見られない。よーこ先輩も健在だし。
「で、美里ちゃんはシックスマン運用で実績は上々と」
「ああ。英才教育の賜物だな」
「うわー、悪い大人だー(棒読み)」
実家(婆ちゃん家)での父さんとの会話である。
色々あってフライング気味に部活に参加しだした彼女は、まあ掘り出し物だった。
純粋に運動神経がよく、ハードルの走者(しかもホルダー)だったこともあり、基礎体力も十分に備わっていた。男子で言うところの晴生君に体力が備わった状態という理想的な素材。
これをフライング気味で育てられるのは超絶ラッキーだと思った。僕が。
始めは父も反対したのだが、僕が道理を曲げさせた。
何なら男子の臨時の所属として、非公式で参加して貰っても構わないと。
そこに至るまでほんっっっっっっとうに色々あったのだが、何より本人にやる気があったので、どうせ面倒見るなら、と父が腹を括った。無事に入学を迎えられた時の父の安堵の表情は未だに忘れられない。
オフェンスは元より、ディフェンス力も十分に磨き上げ、まあそれなりにスポット運用が許される程度には成長した。女子期待のホープだ。
「ただ外が無いのは残念だよね。ディフェンス力の向上は急務だったとしても」
「スポット運用を考えた時に穴にするわけにはいかんからな。外はこれから身に付けて貰うさ。任せたぞ」
「いやいやいやいや。僕も流石に付きっきりは無理だから。いや、真琴ちゃん通してならいけるか」
最近入部した晴生君の妹だが、むっちゃ有能なんよね。
特に僕に対しての造詣が深過ぎて。ちょっと怖い位。
本人曰く「七尾先輩の積み上げのお陰です」と言うが、七尾さんも「彼女の情報処理のお陰で車谷君の情報整理が非常に捗ったよ」とのこと。僕のファイリングだけ他より考察の余地が多すぎるらしく、今まで整理がなされていなかったらしい。と言うか僕に直接聞けば良かったのでは?
まあフォームやらコツは真琴ちゃんから伝えて貰って僕がちょいちょい見ればいっか。それなら何とかなる。
いくら僕の体力が無尽蔵とは言え、身体は一つしかないためあれもこれもと言うのは難しいのだ。
今までは百春君、トビ君、迫田キャップの比重が多かっけど、そこにミチローが入るとちと僕もきつい。
それでいて女子の新見さんも見ていたから。
皆キツイキツイ言うけど、日本最強(公式)選手の練習相手をこなした実績もあるのだ。本来なら土下座してでも僕の教えを乞いたいって人はごまんといる、、、、はずだ。
あれ、自分の実績を加味しても自信が持てないぞ?
結論。今時の若いのは根性がない。そういうことにしとこう。
「小難しい話しは済んだかい。夕飯にするよ」
「「いただきます」」
とりあえず食って寝て成長せねば(願望)