いやー、新しいバスケ部員半端無いって。
夏目健二君ね、高校生にしてはマジぱねぇです。
久し振りにマンツーでディフェンスしたー、って気にさせられました。
あ、抜かれることはなかったけど、途中から身長差つかれてミドルレンジ~以上のシュートで攻められました。
その辺の切り替えが出きる点は、それなりに攻めのバリエーションはあるってことですね。攻めは。
敗因は初手から身長差を付こうとしなかったこと。
まあ甘えですね。多分自分のドライブとテクにプライドがあったんだろうなー。
僕に当たり負けして頭に血が昇ってたぽいけど、3回ぶっ飛ばされて察したっぽいね。抜けないって。
その間僕は悠々と切り込ませて貰いました。
この手の選手にありがちなDFはザルゥ、、ってことはなかったけど、まあ高校生に毛が生えたレベルなら余裕っすわ。
ましてや目測170cm後半なら対面でマッチアップできるレベルって僕のスカウターは囁いていたから。内内内、たまに外って遊んでました。
途中から飽きたから、ボールキープしながら力押しだけで押し込むことにした。一番コスパよく攻められたから、後はずっとそれで押し通した。
総論。
攻めのセンスに光るものはあるけど、所詮はお山の大将。
僕も人のことは言えないけど、この程度の大将ならどうとでもなる。
パワーと高さがある分百春君の方がまだ僕を止める伸び代はあるかな。
一応本人が納得いくまで付き合ってあげたけど、2時間越える手前で立ち上がらなくなった。
体力もそんな無いのね。
でも1年生だからちかたないね。
百春君は倍はいけるけど、そこは積み重ねてたものの差かな。
バチくそにしばいた(バスケ)後に入部の意思を確認したら、毎日1on1をやるって条件で入部するとのことだったので、まあ僕としてもそこは問題無かった。
ただ、あの騒ぎの禊として坊主にしないと入部は認めないと言っといた。
すっっっっごく苦い表情をしてたけどこれは絶対に譲らなかった。
「騒ぎを起こした挙げ句、喧嘩でもバスケでも負けて、勝負の約束も違えて、謝罪もないクソ野郎を僕は認めないから」って言ったら、間を空けてきっちりと頭を下げてきた。
バレーボール部女子ぃにもきっちり謝罪させた上で僕は正式に夏目くんの入部を認めたわけである。
あれからトビ君(夏目くんの愛称。亡くなったお父さんが愛称の由来らしい。職人さんだったそうだ)に先輩らが謝罪(三度目)をし、トビ君もそれを受け入れた。
坊主頭のトビ君に先輩らも何か思うところがあったのだろうし、トビ君も先輩らの真摯な謝罪に思うところがあったのだろう。
両者の距離が縮まったように見えた。
さて、季節は4月下旬。
GWの足音が近づいてきた今日この頃。
いつものように放課後、体育館へGOである。
経験上またヤバそうな人がいたら僕は地元の神社のお札を買ってこようと思う。
もういないよね。
ヤバい人とかいないよね。
フリじゃないからな!
、、、不良はいない。よし!
「あの~、バスケ部の車谷君ですか?」
代わりにどちゃくそ可愛い女の子がいた。
やっぱり日ごろの行いって大事だよね(腕力)
彼女の名前は七尾奈緒さん。
バスケ部の戦術顧問。所謂監督ポジを志望したいらしい。
元はプレイヤー志望だったが伸び悩み、それでもバスケに携わりたいため、女バスのマネージャーをしているらしい。
しかしマネがあまり口出すのも過去の経験から思ったように口を挟めず、悶々としていたところに男バスが活動を再開したと聞き、今日思い切って声を掛けて見たらしい。
この学校のバスケ部を再開させて本当に良かったと心の底から思えた。
ちなみに入学当初男バスに声を掛けようとしたが円先輩に止められたらしい。
英断である。
男バスさえ受け入れOKであれば女バスの方はすぐにでも引き継ぎは可能らしい。
女バスの方でもまだ試用期間らしく、その辺は柔軟に対応できるとのこと。
個人的には即OKと返事をしたいが、つい最近まで不良の巣窟だったので、とりあえずGWまでは試用期間と言うことで様子を見てもらうことにした。
僕以外は皆強面だから、そこは慎重にならないと。
ちなみに円先輩からは「一番注意しなければいけない相手は車谷君だって」と言われたようである。
解せぬ。
部の方向性のすり合わせタイムである。
皆が来る前に各人の能力と育成方針と部の方針をざっくり話してたんだけど「女バスのマネの傍らで練習を観てたから概要は分かったつもりでいるよ」との談。
手渡されたキャンバスノートを見ると各部員の特徴が所狭しと記入されているではないですか。
流石にトビ君の情報は、、、って思ってたけどここもみっちり記入済み。
あの1on1をずーっと見てたらしい。
確かに丸裸でしたね。
各人のバスケスキル的な事は大体抑えてある模様。
但し僕のことはまだ把握しきれていないらしい。
この辺はおいおい実践しながら話し合おうと思う。
問題は部員の要望と部の方針である。
基本僕は自分のスキル向上のために部活動を再開させた。
と言うか試合なんて正直夢のまた夢だと思っていたが、人数が揃い出したため、これはいけるのでは、と欲が出始めている。
また、ゲームに対する熱意は迫田君がとても強い。
リアルに1年棒に振っている彼は多分僕よりもゲームに飢えている。
と言うことで部の方針としては『試合をする』と言うことを当面の目標に据え置いた。
「経験者組の個人目標は分かったけど、初心者組の育成方針は1on1重視でいいの?」
「いいんだ。元々百春君の代役を目標にしてたから。
実践を経験させながら足りない部分を自覚してもらい、そこを集中的に押さえてもらおうと思っていたから」
「逆算していく方針かー。かなりスパルタだ」
「同級生の1年を無駄にした彼らの禊だね。それでも逃げ出すようなら追い込みをかけるよ」
「(追い込みについては怖くて聞けない)」
これらを踏まえ七尾さんは僕達の練習を監督してくれることになったわけである。
で、練習時間。
七尾さん順応早しゅぎぃ。
各人への指示と配慮とサポートが的確しゅぎりゅぅ。
強面軍団に物怖じせずズケズケ物を言う姿が凛々し過ぎる。
千秋君なんて舞い上がって超動きのキレがいい。
迫田君も千秋君にやられまいと触発されて熱が入り始めたし。
トビ君辺りは反論するかなーと思ったけど、今の所従順だ。
七尾さんにそれとなく聞いて見たら「あいつにバチクソに言われたからの。今さら何言われてもそうか、としか思わん」とのこと。「効率が悪かったら言っとくれ」と助言も求められているようだ。
こういう向上心は嫌いじゃない。
こうして各々が課題を持ち、部の目標である試合を行うという小目標の達成を図るべく、九頭竜高校男子バスケットーボール部は活動を開始した。