公安特捜班捜査行 事件は特急と共に起きる   作:新庄雄太郎

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九州を舞台に殺人事件が発生

特急「あそ」 熊本と大分を結ぶ豊肥本線経由の特急列車である。車両はキハ185系で運転されている。1992年7月のダイヤ改正で運転開始されました。


豊肥本線・復讐のスイッチ・バック

越田は、休みと連休を利用してよく列車に乗って旅行する事があった。

 

今回は、寝台特急に乗って九州へ行くことにした。

 

1日目は、東京から熊本へ行くため、熊本から特急に乗って行くため寝台特急「はやぶさ」に乗り込んだ。

 

そして、翌朝の11時36分、寝台特急「はやぶさ」は定刻通り熊本へ到着した。

 

そして熊本から大分へ行くには豊肥本線を利用しなければなりません、越田は熊本駅から別府へ向かった。

 

越田は熊本駅から特急「あそ1号」に乗りこんだ。

 

ファーン!。

 

8時31分、特急「あそ1号」は熊本を発車した。

 

特急「あそ」は7月のダイヤ改正で運転開始された熊本から大分を結んで走る特急列車である。熊本を8時32分に発車し、途中停車駅は水前寺、肥後大津、立野、赤水、阿蘇、宮地、豊後竹田、緒方、三重町、大分、終着別府には11時18分に到着する。

 

「うわー、阿蘇の山が見えるよ。」

 

と、越田は車掌を楽しんでいた。

 

丁度その頃南と高山はこの日、豊肥本線で警乗していたのだ。

 

「どうも、鉄道公安隊の物です。」

 

「あのー、何か。」

 

「実は今、警戒態勢していまして警乗しています。」

 

「そうですか、それはご苦労様です。」

 

と、言って南と高山は車内を見回った。

 

その時、事件が起きたのだ。

 

「ん、何だこの女性は。」

 

と、越田は様子を見に行く事にした。

 

「どうしました、大丈夫ですか。」

 

と、越田が女性を起こそうとしたら女性が倒れて死んでいたのだ。

 

「ひっ、大変だ。」

 

と、車掌を呼びに行った。

 

「どうしました、お客さん。」

 

「大変なんですよ、女性が倒れて死んでいるんです。」

 

「えっ、それ本当なんですか。」

 

「はい。」

 

現場に居合わせた南と高山は、騒然としていた。

 

「どうだ、高山。」

 

「主任、これは恐らく毒殺でしょう。」

 

「それで、発見者は。」

 

「はい、俺です。」

 

「あっ、あなたはさっきの。」

 

「ええ、丁度女性が寝ている所を起こそうとしたら、突然女性が倒れていたんです。」

 

「じゃあ、あなたが死体を発見したんですね。」

 

「ええ。」

 

「とにかく、終着の別府に着きますので大分県警の刑事にも話を聞くのでしばらくよろしいでしょうか。」

 

「ええ、もちろん。」

 

11時20分、特急「あそ1号」は定刻通り別府に到着した。

 

べっぷー、べっぷー、ご乗車有難うごさいました、別府です。

 

と、アナウンスが流れた。

 

「何処だ、死体が見つかったのは。」

 

「18分に到着した、特急「あそ1号」の車内で。」

 

「死んでるのは、女性のようです。」

 

と。鉄道公安隊と駅員が現場へ向かった。

 

更に、大分県警の刑事も到着した。

 

「あ、どうも、鉄道公安隊の高山です。」

 

「大分県警・捜査一課警部の井川です。」

 

「同じく田中です。」

 

早速、車内には行って捜査をすることにした。

 

「被害者の腕に注射痕があるな。」

 

「ええ、死因は毒殺ですね。」

 

「警部、被害者の身元が分かりました。」

 

「おう、本当か。」

 

「はい、被害者は東京在住の草彅 佐江子さん23歳と判明しました。」

 

「そうか、よしすぐに遺体を搬送してくれ。」

 

「はっ。」

 

「警部、注射器には行っていたのは青酸系の毒ですね。」

 

ホームの公安隊員は客に入らないように規制線をしていた。

 

「はい、下がって、下がって。」

 

と、草彅は担架に乗せて搬送した。

 

そこへ、南は乗客に声を掛けた。

 

「あのー、すいません、この付近で不審な客は見ていませんか、目撃者はいませんか?。」

 

「さぁね。」

 

「知らないわ。」

 

「見てないわ。」

 

「そうよ。」

 

と、客は言った。

 

「ところで、あなたと車掌は発見者なのでちょっとよろしいでしょうか。」

 

「ええ、もちろん。」

 

「ああ、温泉へ行くのは時間あるから。」

 

越田と車掌の証言によると、越田が女性を起こそうとした時に倒れ始め、車掌を呼びに行った事が判明された。

 

「なるほど、すると越田は女性を起こそうとしたら、すでに亡くなっていたわけだね。」

 

「ええ、でも死んでいたのは事実だから。」

 

「と言う事は、死亡時刻は8時57分から10時ぐらいですね。」

 

「ええ、と言う事は犯人は何処かで降りたって事も考えられますね。」

 

「ええ。」

 

越田は、別府で地獄めぐりをして、温泉で1泊した。

 

南と高山は、この事件を推理することにした。

 

「と言う事は、犯人は何処で下車したのかな。」

 

「つまり、犯人は何処で下車したんですかね。」

 

暫くして、1人の男が大分県警に任意同行された。

 

「だから、俺は彼女を殺してないって。」

 

「ウソを言うな、アンタが大分駅で目撃されているんだ。」

 

「それにこの注射器が証拠だ。」

 

「ち、違う、俺は殺していない。」

 

そこへ、南がやって来た。

 

「毒殺犯は別人じゃないのかな。」

 

「えっ。」

 

「だって、その夏目は大分から特急に乗って鹿児島県の霧島へ行ったはずだよ。」

 

「えっ、それ本当なのか。」

 

「はい、12時25分の日豊本線特急「にちりん13号」に乗り、宮崎から特急「きりしま11号」に乗って西鹿児島に到着したのは20時49分だそうだ。」

 

「そうか、アリバイありか。」

 

「ええ。」

 

そして、草彅の友人の2人が一昨日から行方が分からなくなったと熊本県警から捜索願があった事が分かった。

 

「じゃあ、あなた達は女子旅で熊本へ来ていたんですね。」

 

「はい、でも途中下車したのでその後の事は、何も。」

 

「それで、次の日に鹿児島へ行く予定だったんですね。」

 

「はい、そしたらさえちゃんが。」

 

「「そうだ、私、大分の方で友人に会いに行くからその後にね。」と言って、熊本で下車して行ったの。」

 

「そして、いくら待っても遅いので心配していたんです。」

 

「で、草彅は大分か別府で友人はいたのかい。」

 

「いや、そこまでは。」

 

「私たちは、大学の時からの友人なんです。」

 

「そうか。」

 

そこへ、1人の男がやって来た。

 

彼の名前は、佐々木達也、佐々木は博多へ行った後は熊本から特急「あそ1号」に乗って阿蘇へ行っていた事が分かった。

 

「これが証拠ですよ。」

 

と、写真を見せる。

 

「阿蘇へ行っていたんですね。」

 

「ええ、間違いないな。」

 

「それで、特急「あそ1号」の毒殺の事で何か誌ならいですか。」

 

高山は佐々木に言った。

 

「さぁね、俺も心当たりはないな。」

 

「そうですか、何か気づいたら大分県警ん連絡ください。」

 

「わかりました、気づいたら連絡します。」

 

「はい。」

 

と、佐々木は別府署を去った。

 

「うーむ、何か引っ掛かるんだよな。」

 

「高山はそう思うのか。」

 

「ええ、実は豊肥本線では列車が逆になって走ることがあるんです。」

 

「何、それ本当か。」

 

「ええ、立野駅付近で列車が向きが変わって通るんです。」

 

「そうか、スイッチバックか。」

 

「ええ、犯人はそれを利用したんですよ。」

 

「なるほど、犯人は車両が向きに変わった時に草彅を毒殺させて、駅で下車して列車に乗り換えて阿蘇へ行ったって事か。」

 

「ええ、それも考えられるんじゃないかって。」

 

「そうか、佐々木はこれを利用したんだよ。」

 

「高山、時刻表を持ってきてくれ。」

 

「はい。」

 

そして、時刻表を調べて見ると

 

東京発17時54分 寝台特急「さくら」に乗車

 

博多着9時26分 下車

 

博多発9時55分 特急「有明5号」に乗車

 

熊本着11時26分 下車

 

「熊本市内を観光していたのかな。」

 

「無理かな、佐々木の犯行は。」

 

「ん、待てよ、熊本まで行くんだったら寝台特急「はやぶさ」があるじゃないか。」

 

東京発18時12分 寝台特急「はやぶさ」に乗車

 

熊本着11時36分 下車

 

熊本発8時31分 特急「あそ1号」に乗車

 

肥後大津から立野辺りで草彅を注射で毒殺、恐らくトイレに連れ込んで注射して毒殺したんだ。

 

阿蘇着9時29分 下車

 

「しめたっ、10時15分ごろには阿蘇高原には行けれるよ。」

 

「そうか、スイッチバックした時刻を利用して毒殺して阿蘇に下車したのか。」

 

「そうです、主任。」

 

「これで、佐々木のアリバイは崩れたよ。」

 

そして、佐々木がやって来た。

 

「ついに、俺を調べていたようだな。」

 

「あなた、熊本へ行っていましたね。」

 

「いや、俺が熊本へ行く時に「さくら」と「有明」に乗ったって言ってるだろ。」

 

「それが、熊本へ行く方法がね。」

 

「どうやって行ったって言うんだ。」

 

「西鹿児島行の寝台特急「はやぶさ」に乗って熊本へ行き、そこから特急「あそ」に乗ったんですよ。」

 

「ほう、それが証拠になるのか。」

「ああ、熊本へ確認したらあなたは言っていたんですね。」

 

「確かに熊本は行ったさ、それなのに特急「あそ1号」に乗れるのか。」

 

「ええ、確認したら熊本で下車して、その被害者の女と会っていたって証言してるんだよ。」

 

と、南は言った。

 

「ええ、熊本城付近でね。」

 

「そ、それが何なんだ。」

 

「あなたは、夏目にぶつかった後に注射器を落として、夏目は注射器を拾ったんだよ。」

 

「く、くく、ああそうだよ、奴は俺が殺したんだよ。」

 

「やはり、彼女は嫌がっていたんだな。」

 

「ああ、それで復習で殺害しようと考えたんです。」

 

「そうか。」

 

そこへ、井川警部と田中刑事と3人の警官隊がやって来た。

 

「佐々木達也、草彅 佐江子殺害容疑で逮捕する。」

 

と、警官に連行された。

 

「あなたは、国鉄職員にしては中々いい感をしているようだ、よし、行くぞっ。」

 

「はっ。」

 

「これで、事件は解決ですね。」

 

「ああ、こんなトリックを使っていたとはな。」

 




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参考作品 西村京太郎「復讐のスイッチ・バック」

次回は、山陰を舞台に詐欺事件の捜査を行います。
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