無個性だけど愛の力があるんで   作:音速のノッブ

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その名はラブパワー

朔久side

 

あの後、気絶したが30分で復活。俺が保健室に運ばれてる間に物事が色々と進んだらしく、今は昼休みだ。

 

「やれやれ、さっきはお騒がせして申し訳なかったな………にしても可愛かったな」

 

何だあの絶世の美女は。幼稚園児の段階でもすでに目に入れても痛くないほど美女なのに、成長したら一体どうなってしまうんだ………。

 

「俺の目にはあの子の姿はしっかりと映っていた…………」

 

俺に個性が無いのは明らかだ。となると個性ではない俺の体質が原因か、あの子の個性が実は解けていたとか?

 

「あれ、朔久くんは外に出ないの?」

 

色々と考えていると先生が声を掛けてくる。………確かめてみるか。

 

「…………せんせー、葉隠さんって可愛いのかな?」

 

「うーん、先生も顔が見えないから分からないなぁ」

 

「そっかぁ」

 

子供っぽい聞き方をして確信した。やはり見えていたのは俺だけか。…………俺だけが、あの子の可愛さを独占できるわけか。

 

「……あれ?朔久くん、何か光ってる……………?」

 

「え?」

 

手のひらを見てみると淡いピンク色のオーラを纏っていた。手だけじゃない、全身がピンク色のオーラに覆われている。

 

「ファッ!?何これ!」

 

「いや、寧ろ先生が聞きたいよ!朔久くんは無個性じゃなかったんだっけ!?」

 

「前に病院行った時は無個性って診断されたけど……………」

 

「ちなみに、そのオーラ?的なのは引っ込められる?」

 

いや知らんけど……………取り合えず深呼吸して心を落ち着かせる。するとオーラも引っ込んでいった。

 

「制御は出来てるみたいね……………パパとママには私の方からも言っておくから、取り合えず早めにもう一度見て貰ったら?」

 

「うん、そうするー」

 

まぁ、あのハゲが池沼で誤診断していた可能性も微レ存だ。別の病院で診てもらうか。にしても、怪しまれない為とは言え子供っぽく振舞うのってマジでめんどい……………はよ中学位までワープさせてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の土曜日

 

わざわざ別の病院に家族と来た。診断はさっき終わったばかりだ。

 

「こ、これは……………何てことだ……………!」

 

診断結果を見た若い先生は驚いていた。

 

「先生、もしかしてうちの息子が個性に…………?」

 

「いえ、個性ではありません。ですが、息子さんの体にはとても特殊な因子が宿っています」

 

「特殊な因子………?個性因子とは異なるものなのですか?」

 

「ええ、個性因子とは異なります。その名も……………『ラブ因子』です!(迫真)」

 

「「「……………」」」

 

「あ、あれ?驚かないんですか?」

 

いや、驚くも何も何それ美味しいの状態ですし……………何だその頭の悪そうな名前の因子は(困惑)

 

「…………まぁ、無理もありませんね………ネットで調べても殆ど情報は出てこないですし、公的には存在が認められてないものですから……………」

 

そう言うと医者は引き出しの中から古びた手記を取り出す。

 

「ラブ因子。強大な力、『ラブパワー』を発現させる因子。不明な点が多いもののとんでもない力を秘めており、この手記曰く『愛には様々な形があるように変幻自在の性質を持っている』との事です。その起源は18世紀。イギリスの植民地となっていたアメリカのとある地域での事です。アメリカに彼女が100人もいる男がいたそうです」

 

……………何かどこぞのモンスター彼氏を連想させるな。

 

「彼は誠実な男で、1人1人を心から愛していたそうです。ですが、イギリスは多重婚は認めなかった」

 

でしょうね。

 

「しかし、彼は諦めなかった。彼は彼女達の愛を認めないイギリスに同志を率いて反乱を起こしました。しかし、戦力差は絶望的。彼は追い詰められ、死を覚悟したその時です……………彼女達への強い愛が彼に眠っていた因子────『ラブ因子』を目覚めさせました。そして、強大な『ラブパワー』を得て愛の狂戦士となった彼は見事勝利。アメリカの独立にも貢献した、という手記が残っているんです!」

 

興奮した表情で語っていた彼は息を切らせていたが、水を飲むと落ち着いた様子で口を開く。

 

「残念な事に因子の存在を示す科学的根拠はありません。私も学生時代に研究していましたが、残っているのは私が研究過程で遺族から譲ってもらった事実関係が曖昧なこの手記のみ。存在自体も疑問視され、私も大学での卒研の研究テーマにして散々馬鹿にされましたが、やはりラブ因子は存在していたのです……………はっはっは、あの禿教授が全部間違っていたんだ、ざまぁねぇぜ!」

 

何か涙を流したり恨み節を繰り出したりと情緒不安定な先生。親子3人で引き気味だったのは言うまでもない。残念なイケメンだ(辛辣)

 

「ま、まぁ、息子の体に個性因子とは異なるのは分かりましたが……………」

 

「何か副作用とかは……………?」

 

「それは分かりません、先ほども申した通り記録が曖昧ですから。ですが、例の彼は100歳まで生きたと別の公的な文書に記載がありますので、特段ないと見て良いと思います」

 

それを聞いて両親もホッとする。勿論、俺も。折角第二の人生を謳歌しているのに寿命宣告されたらとんでもない話だ。

 

「息子は分類的にはどうなるのでしょうか……………?」

 

「ラブ因子の存在が公的に認められていない以上は個性とは認められないので、無個性のままですね。本当は個性として届け出が出来たら都合が良いんでしょうけど」

 

「そうですか……………他に気を付けた方がいい事はありますか?」

 

母さんがそう聞くと、先生は少し真剣な表情で口を開く。

 

「…………朔久くんはヒーローを目指したいかな?」

 

俺は首を横に振る。

 

「そっか。なら、あまりラブパワーなるものを持っていると周囲には明言したり使用しない方が良いでしょう。『無個性にも関わらずとてつもない力を持っている』なんて聞いて、興味を持って研究材料に……………なんて悪い事を考える人がいないとも思えません。無個性(・・・)の人間でいた方が朔久君の今後を考えるとベストでしょう」

 

……………確かにその通りだな。俺の目指す平穏で普通な生活が崩れ去る可能性がある。よし、今後は使わないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診察を終えて親が会計を済ませているのを待っているとさっきの先生が声を掛けてきた。

 

「いたいた。朔久くん」

 

「先生?」

 

「君にこれを渡そうと思ってね」

 

そう言って渡してきたのはさっきの手記だった。

 

「いや……………これは先生が譲って貰ったものじゃ」

 

「まぁ、僕は内容は全部頭の中に入っているからね。それに……………僕の個性『第6感』が君にこれを渡すべきだと言っている」

 

「………。じゃあ貰っておきます」

 

まぁ、別にヒーローになる気なんぞ無い。けど、断ってもしつこそうだからこの場では貰うべきと判断しただけだ。

 

「うん、確かに渡したよ。それじゃあお大事にね」

 

そう言って先生が去っていくのを見届けて古い手記に視線を落とす。

 

「(…………これメ〇カリで売れるか?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅後、俺は神様に電話で今日の1件を話していた。

 

『へぇ、ラブ因子ね……………そんなものがあるとは。これだから世界は面白い』

 

「大袈裟な…………俺としては面倒な事になったぜ」

 

『ちなみに心当たりは?』

 

「……………まぁ」

 

どう見てもあの時だ、『\カワイイ!/(ブ〇リー)』ってなった時だ。思えば、あんだけ壁に体を打ち付けても1ミリも痛くなかった。

 

『で、その力を得ても目的は変わらない訳だ』

 

「当たり前だろ、何のためにホワイト企業探知の力を得たと思ってんだ」

 

『ま、それもそうだ。ヒーローになったら確実に使わなそうな能力だし』

 

その後もとりとめのない話を謳歌していると1階にいる母さんが呼ぶ声がした。神様と話すのを終えて自室から首だけ出す。

 

「何か呼んだー?」

 

「お隣に引っ越してきたご家族がご挨拶に来たから朔久も挨拶に降りてらっしゃい」

 

「うーい」

 

そういや葉隠さんも最近転園してきたな……………いや、まさかね。今は4月、引っ越しシーズンだ。そんなご都合主義な事が起こる訳がないない。ナインティナイン(意味不明)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、さく君!また会ったね!(ニコッ)」

 

そこにいたのは葉隠さんだった。あ、ご都合主義あったわ。結婚したい(ラ〇ナー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでね、春から東京に引っ越して来たんだ~」

 

「なるほどねぇ」

 

ウチの母親が意訳すると『夕食でもいかがかな?(パ〇ガス)』とか言い出した結果、葉隠さんとその母親も合わせて4人でカレーを食って、その後は俺の部屋で2人っきりで葉隠さんと雑談していた。

 

「(しっかし、改めて近くで見るとマジで可愛いな……………)」

 

他の皆は見えないんだろうけど、もし見えたら全員ラブパワーにでも目覚めるんとちゃうんか?そしたらあの先生も絶頂して喜ぶやろ(偏見)

 

「もー、さく君そんなに見つめたら照れるよ~」

 

「え、ああ悪い悪い。かわ……………本当に透明なんやなって」

 

「ふふーん、凄いでしょ~(ドヤァ)」

 

わっ、天使!!天使がいる!?あばばばばばばばばばばばばば(錯乱)

 

まずい、このままではラブパワーが出ちゃうわ、気を静めろブ〇リー………じゃなくて俺!

 

「さく君はお休みの日とかは何して過ごしてるの?」

 

「俺はアニメや漫画とか見て過ごしてるかなー。葉隠さんは?」

 

「私はねー、ドッキリ番組とか見るのが好き!」

 

「あー、何か前にテレビで見たな。大先輩とは知らずにハリセンでぶっ叩いて、ネタ晴らしした瞬間に土下座してる姿はおもろかったな」

 

「あ、それ私も見たよ!面白かったよねー!」

 

あ、待って。マジで楽しい。前世含めて女子の友達とかいなかったからめっちゃ楽しい。てか、性格も普通に良い子すぎるし……………助けて神様!精神年齢20代だけど、俺幼稚園児のこの子好きになっちゃう!!(チョロい)

 

「ねぇねぇ、さく君はアニメとか好きなんだよね?おすすめとかあったら教えて!」

 

「そうだな…………今やっているのだと…………」

 

今放送中のアニメとかを紹介するのを興味津々な様子で葉隠さんが聞いてくれる。嬉し、マジ天使。某銃フェするあいつの気持ちが何か分かった気がする……………結婚しよ(完堕ち)

 

「透、そろそろ帰るわよー」

 

盛り上がっていると葉隠さんのお母さんがやって来る。ちなみに、葉隠さんのお母さんも同じく透明人間なのだがこちらは顔とか見えぬ。まぁ、娘さんがくっそかわいい(デビ〇マン)のだ、お母さんも美人なのだろう。

 

「えー。さく君ともっと話したいよー!」

 

もうマジでプロポーズしようかな(掛かり気味)

 

「…………ま、幼稚園でも会えるし家も近いじゃん?またいつでも遊びに来て、どうぞ(迫真)」

 

「良いの?やったー!」

 

「(アーイキソイキソ(尊死)」

 

死に掛けながらも取り合えず見送る為に玄関まで一緒に行く。

 

「じゃ、また明日なー」

 

「うん!……………あ、そうだ。さく君、私の事は透で良いよ」

 

「あ、きゃ?良いの?」

 

「うん。だって友達だもん!」

 

「じゃあ……………透」

 

そう呼ぶと満足そうに透は笑う。この笑顔は脳内のフォルダにしっかりと保存した。永久保存だ。バックアップ(?)も取った。

 

「じゃあ、さく君ばいばーい!」

 

透とお母さんを見送り終えて俺は自分の部屋に戻る。そして、神様に静かに電話する。

 

「神様、相談の延長でこの溢れ出る想いを2時間ほど語りたいんだけど聞いてくんね?」

 

『え、嫌だけど(即答)』

 

この後、3時間付き合ってもらった。

 

to be continued…………




取り合えず原作には次々回から入る気がします(たぶん)
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