パーフェクト・インビジブル
朔久side
2日目
うるせーおっさん(名前はもう忘れた)の普通の英語の授業を半分寝ながら受け、クッソ安くて美味い食堂で爆食いし、午後はヒーロー基礎学だ。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」
担当はオールマイトらしい。てか、画風違すぎん?
「早速だが今日は戦闘訓練!!そいつに伴い………………入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた
おお。まぁ、格好から入るのも重要だしな。何かヒーロー感が出るな。
「さて、色々と要望出したが、果たしてどれくらい叶っているのか……………」
神様も全部は無理じゃない、とは言っていたが。どれ、ケースの中を確認してみるか……………あ、何か手紙が。
『全部は無理です!!短期納期でしかも難しい要望多すぎるんじゃ!!』
……………何かすんません。しかし、もっとこう、言い方に手心と言うか……………。
そう思いながらもコスチュームに袖を通す。全体的にカラーリングは白を基調としている。最初はジャケットにしようかと思ったが防御範囲の拡大の意味も込めてコートにした。
「あ、朔久!凄く似合ってるね!」
「まぁなー。透はどんなブフォエ!?」
何で噴出したか?そりゃそうだろ、理由は簡単。
ほぼ全裸である
もう一度言おう。
ほぼ全裸である
「……………あのー、葉隠さん?あなた、コスチュームは……………?」
「え?ああ、この手袋とブーツだけ!透明化の能力を活かすためにはこれが最適解だもんね!あ、創真さんにも相談に乗ってもらってこの手袋とブーツには特殊な機能があってね────」
何か色々と解説してくれてるけど何んも内容入ってこん。そうだ、俺だけが透を見えるんだった。独占欲的なアレで透にすら言ってなかったのが仇になったか…………おい、どうすりゃ良いんだよ。戦闘中とか正面からも後ろからも透の事を見れないんだけど……………見た瞬間、俺は確実に鼻血出して死ぬゥ!(エロ餓鬼)
「って、聞いてる?」
「あぁ何も……………」
「もー!て言うか、顔赤いけどどうしたの?」
「まぁ、その……………色々と興奮と言うか……………」
「……………あー、確かにコスチューム着たら興奮するよね!ヒーローになる一歩なんだー、って!」
ちげーわ、大事な所は死んでも見ないけどナイスボディに興奮してんだよ(直球)……………しかし、このままでは透が良くても俺に影響が出かねない。あと心配もする。
「なぁ、透……………流石に何も身に纏わないのは紙装甲過ぎて心配と言うか……………透過じゃないから流れ弾とかには当たるし……………ね?理由は分かるけどちっとは何か身に着けて?」
「うーん……………」
もう一押し!!
「透も女の子なんだから体に傷とか残って欲しくないし!見えなくてもね!ね?(圧力)」
「……………まぁ、確かにそうかも。うん、ちょっと考えてみる!(…………そこまで大切に考えてくれてるんだ…………えへへ)」
是非そうしてくれ(懇願)
「始めようか有精卵共!戦闘訓練の時間だ!」
と言う訳で訓練の概要をオールマイトがカンペ見ながら説明してくれた。
今回は屋内でのヒーローチームとヴィランチームに分かれて2vs2の対人戦闘訓練を行う。ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか『核兵器』を回収する、ヴィランは時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえることが勝利条件。コンビと対戦相手はくじで決めるらしい。にしても設定がこの世界だとちょっと現実味がありそう。
「ああ、愛条少年!君はくじは引かなくていいよ!」
は?(瞬間沸騰)
「理由を詳しく……説明して下さい………今、俺は冷静さを欠こうとしています………(ハイライトオフ)」
「(怖っ!しかも近っ!)勿論、ちゃんと理由はあるさ!このクラスは奇数だからね、1人余ってしまう。だから、君はシード枠みたいなものさ!対戦相手やペアは指名か立候補で選んでもらう!」
なんだ、そう言う事は早く言ってくれよ(急速冷却)
1時間半後
別室でモニターしてたのでさらっと一部感想。
第1戦→緑谷、お前マジ個性やべぇよやべぇよ(戦慄)そして爆豪はやっぱヴィランアカデミーの方がええんちゃう(名推理)
第2戦→轟、透の足を凍らせたお前を血祭りにあげてやる(過激派)
「さぁ、愛条少年!くじの結果、君はヒーローサイドだ!対戦相手とペアを指名してもらおう!」
ペアか。……………言われるまでもない。
「じゃあペアは透で」
めっちゃ嬉しそう。可愛い(可愛い)まぁ、確かに瞬殺されてたから見せ場欲しいよね。しかし、あれは初見で反応するのは相当ムズかっただろうな。俺がいれば何とか出来たかもだが……………。
「ペアは葉隠少女だな。それで、対戦相手はどうする?」
「……………2人が良ければ爆豪と轟で」
オールマイトが2人に確認を取るがおkとの事。……………さて、じゃあ仕込みでもしておきますか。
「ま、ちっとは楽しませてくれると良いがな。特に爆豪」
「ア“ァ!?舐めたこと言ってんじゃねぞコラ!!」
「えーでもさぁ……………さっきも
「……………ぶっ殺す!!」
……………
「では、双方スタンバイに入ってくれ!!」
「朔久、さっき爆豪君にはわざと煽ったでしょ?自分にヘイトを集中させる為に」
5分間のセッティングタイムの間、見取り図の記憶や通信機のテスト、柔軟をしていると透からそんな事を言われた。流石、よく分かってらっしゃる。
「心理戦という名の戦いは既に始まってる訳よ。今の爆豪君は透の事なんて眼中にないんじゃない?」
まだ2日目だが爆豪の事は大体分かった。一言で言うと、才能はあるが短気かつ自分本位でプライドが高い奴だ。初戦を見る限り緑谷とは何か因縁的なのがある模様。だから、しっかりそこにもしっかり触れて点火させた。これで10中8・9、俺を真っ先に狙いに来る。高校生と言えどまだ子供。ちょろいものだ…………だから、彼とは
「透、俺はね……………プライドが高い奴をへし折ってやるのがだぁい好きなんだよ(愉悦部)」
「うわー、出たブラック朔久だ。……………でも、それ爆豪君の為でもあるんでしょ?」
「……………さぁね」
さて、そろそろ時間だ。
「透、作戦とか何も話してないけどこの状況の場合はお互いどういう動きが最適解か分かるな?」
「当然!一緒に創真さんから色々と教わったもんね」
考える事は一緒か。流石は俺の幼馴染。以心伝心なのは心強い。
『では、屋内対人戦闘訓練スタート!』
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1F
爆豪は核爆弾の防衛を轟に放り投げて朔久を探索していた。
「(あのクソ野郎……………死なない範囲でぶっ殺す……………!)」
案の定、殺意マシマシで上の階から1Fまで探索してきた爆豪。ここに来るまで朔久の姿は見当たらなかった。
「チッ、どこにいやがる!俺をおちょくって楽しんでんのか、あのクソ野郎!」
イラつきながらも辺りをくまなく散策する爆豪。彼は知らない。既にチェックメイトが迫っていることに。背後から手袋とブーツが音もなくいきなり
「さっさと出てきやがれ………テメェを完膚なきまでに叩きのm」
バチッ!!
「がッ…………!!」
いきなり首元に電流が流れる。一瞬で勝負は付いた。
「(あり得ねぇ………いつ背後を取りやがった!?気配も殺気も何も……………!!)」
薄れゆく意識の中、爆豪は見た。宙に浮かぶ手袋を。そこで漸く気が付いた。この訓練において最も警戒すべきが朔久ではなかった事に。自分が
「…………………」
爆豪が床に倒れ込む寸前で手袋がコスチュームを掴んで止める。そして確保証明のテープを巻き終えると再び手袋とブーツは音もなく姿を消した─────。
地下モニタールーム
「マジか…………爆豪が一瞬でやられたぞ!しかもやったのは愛条じゃなくてまさかの葉隠か!」
「俺達の時は一瞬で終わったから分からなかったけど…………葉隠さん、凄いな」
これには切島や尾白だけでなく全員が程度にばらつきはあれど驚いていた。
「気配を完全に消して背後を取り、相手に最後まで気付かれる事なく一撃……………容易な事では無いですわ。相当なスキルを隠し持っていたのですね」
「やるわね、透ちゃん」
八百万や蛙吹からも透に対して称賛の声が上がる。オールマイトも透に称賛する。
「葉隠少女は自身の個性を最大限に活かせていてGreatだ!!さぁ、この後彼らがどう動くのか見ているんだぞ!!」
透side
それは創真さんとの訓練を開始してから2カ月くらい経った日の事。今日は朔久が家の用事でお休みでマンツーマン指導をして貰っていた。
「うーん、色々と教えてみたけど………………葉隠さんって格闘系の才能はクソ雑魚ナメクジだね!センスない!(直球)」
「言い方!…………まぁ、私も薄々感じてたけどー…………」
朔久と違って私にはその方面の才能は無かった。素人くらいなら通用するレベルらしい。となると、私が役に立てるのは偵察とかなのかな。そう尋ねてみると─────
「いや、そうでもないよ。ばっちり戦闘面でも君は活躍できる」
「でも、格闘とかの才能は無いってさっきディスられたんですけど…………」
まぁ、事実なんだけどね!悔しいけど!
「
おお!何かカッコいい!……………あれ?
「でも、
「…………じゃあ、ゲームをしよう。20m位離れた所から僕に近づいてどこでも良いから手で触れてみて。スタート地点は20m以内ならどこからでも良いけど、寸前で僕が手を掴んで止めるよ。勿論、個性とかは何も使わない。触れられたら高いスイーツでも奢ろうかな」
ほほーう?言ったね。個性とか使わないなら創真さんもただの人間。意図は分からないけど、透明人間を少し侮りすぎてるって事を証明してみせるよ!
「じゃあ、いつでもどうぞー」
と言う訳で、ゲームスタート。私は創真さんの背後からスタートする。
「(私の姿は完全に見えない。なら、足音立てずに近づけば余裕で勝てる!)」
と言う訳でどんどん距離を縮めていく。創真さんはその間微動だにしない。ついに距離は2mの所まで来た。背後から来るのを警戒してると考えて、敢えて正面から。
「(貰った────!)」
ガシッ
「はい、捕まえた」
「え!?」
う、嘘!?肩に触れようとしたら掴まれた…………何で、見えない筈なのに!
「音を立てなければ気づかれないと思っていたのだろうけど、足音は僅かに聞こえていたし気配を隠せていなかったよ。と言う訳でスイーツはなしだねぇ」
「ま、負けたー!」
悔しいぃ……………あ、でも待って。つまりは?
「そっか!足音や気配とかを完全に消せれば─────!」
「
私は完璧で究極の透明人間だ!
「と、言う訳で葉隠さんは『完全なる透明人間』になる為の特訓をメインにシフトするよ。音を立てない歩き方に走り方、殺気や闘気を出さないようにする等々。そう簡単にマスターできるものではないからね」
「うん!……………あ、ところで一撃必殺の部分は?」
「雄英には被服控除があるんだろ?そうだな……………一瞬で思いつくのだと、手袋に光学迷彩機能と誰が相手でも死なない程度に気絶させるスタンガン機能の搭載を要望で出せばいい。この世界の科学力なら恐らくそれくらい出来るだろう。あとはまぁ、音を完全に吸音する光学迷彩機能付きのブーツとか?まぁ、先の事だし受かってから考えると良いさ」
「(ありがとー、創真大先生!お陰でこうして活躍できてる!)」
内心そう喜びながら足音を立てないようにビル内部を手早く探索する。さっきみたいに轟君がビルごと凍らされたら私は終わるかも。だけど、さっき轟君はたぶん障子君のお陰で私達がビルの中に確実にいると分かったからあの戦法で来た。でも、今回は私が戦闘になる前に爆豪君を仕留めた。だから、私がビルの中に入っている事に気付いてない、もしくは確証がないからあの戦法は使ってこないと踏んだけど─────たぶんビンゴみたい。
「(───見つけた)」
4階のフロアの真ん中。核の前で陣取ってこっちを見てる。勿論、私には気づいていない。うーん、にしてもこうして真正面から見ると轟君もかなりイケメンだね。
まぁ、朔久には及ばないけど!
そんな事を考えながら私はその場を離れて1Fへ。爆豪君はまだ気絶していた。起きられて騒がれても面倒なので後は朔久に任せよう。
「…………朔久、爆豪君は倒したよ。あと、核も見つけた。4階の真ん中のフロアで、ビルの真正面から見て右から4つ目の窓の所。核は部屋の真ん中にあって、轟君は正面を警戒してる」
朔久side
「りょーかい。透はそのまま待機で。俺が失敗した時はプランBでよろしく」
『うん。まぁ、どうせ失敗しないだろうけどね』
よく分かってる。…………にしても、流石は透だ。爆豪を無力化し、隠密偵察で情報収集もコンプリート。MVPは透で確定だな(確信)
あの気配とか全部消して接近するスキルは俺相手だと透が見えてるからあんま意味ないんだけど、透明化の個性もあって他の人からすれば脅威だろうな。
「さて、終わらせるか」
ずっと核がある向かい側のビルの屋上にいた俺はラブパワーを纏う。それに伴ってコスチュームの各所にある金属装甲が展開して露出部が赤く光る。これは排熱の役割を果たす。ラブパワーを使ってると体温が熱くなるのでこの機能を要望したのだ。
足に力を込めて、屋上の淵から凄まじい勢いでビルの4F部分に向けて飛び出す。
「『ラブアタック─────』」
「!!」
ガラスが割れる音と伴に轟が後ろを向いて驚愕の表情を浮かべる。だが、すぐさま氷を展開する辺り反射神経は見事だと褒めてやりたいところだが────1手遅れたな。
「『───脚式!』」
「ガハッ!」
ラブパワーを纏った蹴りで氷の壁も粉砕しつつ、轟も吹き飛ばして壁に叩きつける。蹴りの反動を利用して大きく後ろにジャンプして核にもタッチする。はい、終了。
『ヒーローチーム、WIN!!!』
「ふー…………大丈夫?手を貸そうか」
「……………いや、大丈夫だ」
結構良いのが入ったと思うんだがタフだな。
「……………爆豪はどうした?戦闘の音が一切聞こえなかったが」
「うちの透が気絶させたよ。まだのびてるんとちゃう?」
「!?」
『あの爆豪をマジか?』って顔してるけど、大マジなんだよなー。(VTRを)見たけりゃ見せてやるよ(震え声)
「2戦目に戦った時は分からなかったろ?透はふつーに凄いからな。正直、侮ってただろ?」
「…………ああ、俺の認識が間違ってた。葉隠は強いな」
「ふふーん、分かれば良いんやで(上から目線)」
「(何か凄く嬉しそうだな……………)」
清々しい気分で迎えた放課後。自己紹介も兼ねて一部の皆さんで訓練の反省会をしていた。なお、爆豪は皆が引き留めたけど黙ってさっさと帰った。今日は1人でお布団大反省会でもして、どうぞ。♰悔い改めて♰(迫真)
「にしても凄かったな葉隠!まさか爆豪を倒しちまうなんて!」
「透明とは言えよく爆豪に気づかれずに接近できたね!」
えー、確か切島と芦戸さんか。透をべた褒めしてくれて嬉しいぞ。見なよ………俺の透を(メダ〇スト)
「えへへ………まぁ師匠の教えが良かったから!ねー?」
「ねー」
「お、2人には師匠がいるのか!何かアツいな!」
まぁ本人はクール系だがな。にしても、今日の訓練は有意義だった。皆の個性の概要は大体分かったし。組んだら戦術の幅が広がりそうな人もいたし。そういう人も、そうでない人も等しく交友関係を築いておくとしよう。これから長い付き合いになるかもだしな!
「そういや愛条は何で対戦相手に爆豪と轟を指名したんだ?何か理由でもあるのか?」
「まぁ、何か強そうだったし……………それに、爆豪君を2度もへし折ったらさぞ気持ち良いだろうなぁって。実際、気持ち良かったです(ドS)」
「「「「えぇ………(引き気味)」」」」
「………この教室には悪魔が1人いるな」
常闇の言葉に誰もが頷くのだった。なんでさ(衛〇士郎)
to be continued…………
葉隠、お前がナンバーワンだ!の回でした。
葉隠→神様の指導でチートレベルで隠密能力がパワーアップ。手袋やブーツもスタンガン機能や光学迷彩機能(時間制限アリ)、吸音機能が追加されて原作と比べるとかなり強化。
朔久→見なよ、俺の透を……(脳が焼かれる音)
爆豪や轟を含めた他の皆さん→葉隠への認識を改めた