俺は《付与術師》の栄吾、これは自慢だが、ダンジョン配信をしているとあるAランクパーティの1員だ。
「栄吾、お前はこのパーティから追放だ!」
パーティリーダーで昔からの腐れ縁である《剣士》の檜木が俺に追放を告げる。他のパーティメンバーは俺の追放に反対する気の奴はいないようだ。長い間俺はパーティに貢献し続けたつもりではあるのだが。
「…何故だ?」
「わかりきったことを…お前は永続バフとやらでパーティに貢献し続けたらしいが…」
そう、俺の特殊スキルは『永続バフ』。ただの
「そのバフが役に立たねえんだよッ!」
永続バフを発動するのに条件は特にない。クソダサい詠唱がいるとか、生贄がいるとか、踊るとか、
それに加え、自分の
もしや、檜木たちは途切れないバフ込みの能力を自分の実力と思い込んでいるのだろうか。
…いや。長々と自分のスキルについて話したが、正直なところ俺が追放される理由はわかっている。
「0.5%がなんだってんだよ!!」
…あー、うん。『永続バフ』での上昇量がカスなんだ。RPGとかやったことあるやつならわかると思うがバフってものはよほど低くても5%くらいはある。
ようは、ゴミ。要らない。
「…待て、だが付与術師として俺はデバフも」
「霊子が魔法使いから
「えっへへ…」
なにわろとんねん霊子。
というか急にキレるじゃんコイツ…こわ…
霊子始めとした他のパーティメンバー…というかハーレムか?も檜木に心酔してるから庇ってくれないだろうなあ。
「《剣士》のお前にはギリ負けるけど俺は近接戦闘もできるし、気持ち程度のデバフも配れるからサブアタッカーとして…カツヤクガ…」
「━━━ッ、!《狂戦士》の響、《侍》の凛、そして《剣士》の俺!近接戦闘役は十分だ!バフも《聖女》の聖良がてめえとは比べものにならねえレベルなんだよ!」
(うーんそれはそう)
このパーティに俺の存在意義どこ…?
つーか凛は俺の妹だから庇ってくれても…だめ?目も合わせてくれねえやこりゃ駄目だ。
無愛想だけど俺にベッタリだったんだけどなあ(現実逃避)。
「そーいうワケっすよ栄吾サン!さっさと出ていくっス!」
檜木に話題に出されなかったからって出しゃばんな紬。
お前は《重騎士》なんだからこの話で話題にはならんだろ。
「選別だ、さっさとこのパーティから出ていけっ!」
「ひっでえ」
ジャラジャラと鳴る選別を顔に放り投げられ……いや待てこれ硬貨しか入ってなくね?ある程度蓄えはあるからいいけど…
後日。
【速報】Aランクパーティの蒼穹、全滅
…んん?
檜木と愉快なハーレムメンバーはなんでもないダンジョンで全滅したらしい。俺には関係ないことだ…と思ったが重症の凛の介護をすることになった。だる…
その上檜木たちのファン?からお前が檜木たちに永続デバフを付けたんだろって言い掛かりで粘着された。これは知人がなんとかしてくれたが…
あいつらが全滅したことで、もしや俺の《永続バフ》はめちゃくちゃ強力だったのでは?と思い易しいダンジョンで試してみたが、そんなことはなかった。
まあ、あいつらはなんでもないダンジョンで全滅する程度だったんだろうなあ…
栄吾
外面は非常に良い男。女性ファンの5割は栄吾目当て。能力も高くデバッファーの付与術師でありながらAランクパーティに属する戦闘職の檜木に近接戦闘でギリ負ける程度の実力は有している。
特殊スキルの永続バフには他者が付与したバフと統合される効果があり、他者のバフを永続化出来ると言ってもいい。(本人も知らない効果)
檜木
パーティリーダー。栄吾に劣等感を抱いている男。特殊スキルは『魅了』。
聖良
栄吾・檜木とは幼馴染。バフと回復が出来る聖女。バフの効果は非常に高いが効果時間が相応に短い。