遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』   作:ふわ×フワ

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 デュエル研究会とはなんぞや。

 怒涛の一日(遊八君視点)が終わり一旦日常回だぞ。平穏な内はね、定期的に挟まないとね。
 地の文少なめだけど面倒くさがったとか、力尽きたとか、そんな事は無い。決してないのよ、信じてちょうだい。

 ダイスラリー楽しい。あと少しで終わっちゃう。ん? 続きっすか? んなのもう書き終わって…ない⁉︎



No.9 デュエル研究会結成!

 

 

 早朝、目を覚ました遊八がむくりとその身を起こす。

 

 「んん…んー、くぁぁー」

 

 取りきれていない疲れ、体が少し重く感じる。だが悪くは思わない。この重さが、昨日の出来事が現実であった事を自覚させてくれる。

 カーテンを開け光を取り入れる。まだ少しぼやける視界に陽光が突き刺さった。覚醒。

 

「あう…んーグググッと、はい。おはよーございますっと」

 

 リビングに行って朝食を準備。大体は夕飯の残りなのだが、今日はなんだか気分が良さげ、お昼の弁当も込みでちゃんと作り始める。

 

 1人の朝はとっくに彼にとって日常と化した。家族の時間はさて、いつが最後だったか…前世が無ければ今頃不良だったかもしれない。お金に困る事は無いのだが、やはり食事は大事だ。衣食揃って礼節を知る…築根遊八の愛は、幼少に貰った親の愛とデュエルモンスターズ、そしてご飯でできている。

 

「よし! んじゃあ今日も頑張るぞい! っと…母さん、行ってくる」

 

 朝食を食べ終え、諸々の準備を完了した遊八は登校前、玄関に置いてある家族写真に微笑みかける。記憶を思い出すきっかけとなったかつての事故。そこで彼を庇ってこの世を去った母に、行ってきますを言うのだ。そして、写真の前に置いてあるネックレスを付けて外に出る。

 今日も暖かな光が世界を照らす。ネックレスの先、付けられている指輪に模られた金盞花が、光を受けて輝いた。

 

 

 ——ハートランド学園。

 

 疲れの残る体でなんとか授業を乗り切った遊八は今、友達との時間を堪能していた。

 

「あのさ、何か遊八の奴ずっとニコニコしてんだけど」

「気にしちゃダメだ。特に会話してなくてもこれなんだから」

 

 そんな遊八に陸人とその友人は呆れていた。

 

「適応早いね陸人くん」

「優希クンや、これまで散々やってきた相手と会話できてる君も大概凄いと思うな、オレは」

「そ、そうかな」

「俺が言うのも何だが、確かに凄いことだと思うぞ……おい、遊八。お前もいい加減喋れや」

 

 二人が気弱な少年、唯野優希(ただのゆうき)を褒める。少々後ろめたさを滲ませながら。

 さて、肝心の主人公は……。

 

「これが、友というものか……へへ」

 

 だらしない。ダメそうだ。

 

「もう放っておこう。優希、デュエルの時間だ。昨日の内容。忘れてないよな?」

「っ! 何か知らんとこで話が進んでる。仲間外れは悲しいよ僕」

 

 遊八、ようやく正気に戻る。デュエルの話には敏感だ。

 

「お前そん時凌牙先輩といたろ。タイミングが悪かったってやつだ」

 

 詳細を話すつもりはない様子。すると陸人の友人が遊八にこそっと内容を伝えてくる。

 

「いやね、昨日遊八クンが凌牙先輩についてった後にさ、陸人の奴相当悔しかったのかオレら巻き込んで特訓始めてさぁ」

「おい」

 

 陸人が友人を咎めるも気にせず続ける。今度は耳打ちではなく堂々と。

 

「あの中じゃ陸人が一番強いもんだから、いつの間にか陸人が先生やっててさー」

「うん。それで実はね、その時に課題を出されたんだよ。活躍させたいカードと、それと相性の良いカードを見つけることって」

 

 優希も自分に出された課題内容を教え、二人の話を遊八は頷きながら聞いていた。

 

「なるほどなるほど、そう言う話だったのか」

「強くなって驚かせてやるつもりだったんだが、しゃーないか。一人でやっても行き詰まりそうな気がしたからな、力を借りようと思ったわけなんだが…」

 

 結局この有様、と肩を竦める陸人。

 

「いやいや、教えるのだって大事なことでしょ。自分に足りないもの、忘れてたことを見つけられるかもしれないし」

「それもそう、か……せっかくだ、お前にも協力して貰おうか」

「へ?」

 

 思いの外あっさりと遊八の言葉を受け入れ、更には協力を求めてくる陸人。遊八は面食らった。

 

「お前のデュエルの腕は信頼できるからな。それにお前のことだ、ライバルが増えるのは望むところじゃないか?」

「そりゃね。相手を一方的に圧倒するのも悪くはないけど、やっぱ手に汗握るデュエルを見たいし、したい」

「だったらいいよな?」

「もちろん」

 

 遊八、快諾。

 

(告知はまだだけど近々WDCが開かれる。勝ち残るのを考えりゃ協力は控えるべきかもだが、僕はそんなリアリストじゃないし、目的はそこには無いし、そもそもそんなん関係無くしない理由が無い。いや勝ち残りはしたいけどね……WDCか、アンナに会えるタイミングはそこしかない…)

「遊八クン? どうかしたかい?」

 

 少し考え込む遊八。彼を気に掛けた陸人の友人が声をかける。

 

「ん? あーいや、ちょっと考え事をね。昔の知り合いの事で…」

「あら、そうかい。必要なら相談してくれな」

「今は大丈夫。けどそうだね。何か困ったらそうするよ」

「お前らー、早く来ないと置いてくぞー」

 

 気づけば教室の扉の前で優希と陸人が待っていた。

 

「はいよー。んじゃ行こうぜ」

「そうだね…よーしっ! デュエル研究会、活動開始ー!」

「デュエル…研? なんだそれ」

 

 遊八の唐突な命名に?を浮かべる一同。

 

「僕たちのグループ名さ。あった方がいいかなーって」

「イイじゃん。オレそれ賛成ー」

「ま、いいか。それにシンプルでわかりやすい」

「えっと、ボクも良いと思う」

 

 ノリの良い陸人の友人を皮切りに、満場一致で可決。

 

 デュエル研究会、結成。

 ハートランド学園デュエル部とは別の非公認…と言うより、ただの仲良しグループの名称程度でしかない。だがその実力は本物。紆余曲折あった者たちだが、全員がデュエル好きで構成された実力派デュエルグループである。

 今はただのクラス内のツートップが率いるグループ程度だが、いずれは学内にも名を轟かせる……かもしれない。

 

 そんなこんなで適当な空き教室に移動、最初の活動が始まった。

 

「まず優希君。君の課題の答えを聞かせて貰おうか」

「うん。実のところボクはこれって言うのはまだ見つかってないんだ。レアカードも全然持ってないしね。ただ、だからこそみんなが持ってそうな通常モンスターを活躍させられないかなって、今のところは……」

「最初はそんなんで良いか…ベースがあるだけで纏まりやすくなるからな。さて、じゃあここから更に詰めていこうか」

 

 聞いた内容に合わせて少し考え、みんなでカードを出し合う。

 

「そうだねぇ、通常メインならこれはおすすめ。あとサポートは多めになるかなぁ。うーん」

「効果モンスターを全く使わないって訳じゃないんだろ? だったらこんなのはどうだ?」

「ほほぉ、流石だねぇ。とてもあんなデッキ組んでたやつとは思えないよ」

「俺に勝ってから言いたまえよ。中身が何であれ勝てりゃ関係ないのさ」

「ぐぐっ、事実ぅ。こればかりはオレじゃダメか、頼んだ遊八」

「どんな構築なのさ…中身気になるんだけど」

「気にせんでいいっての…あ、すまんトイレ。一旦席外す」

「あいさ〜」

「あいさー?」

「んなことよりさ、実は僕、良いカードを知っててねぇ…クククッ」

「「わー、悪い顔…」」

 

 その後も、優希のデッキを中心にあれこれ考え、なんだかんだワイワイしながら進む研究会。そして……。

 

「色々言ったけど、最終的にデッキを組むのは自分自身だからね。構築タイムってことで悩んできなー」

「うん。頑張る」

 

 優希がデッキ構築のため一時離脱。

 

「んで? 陸人君のデッキが酷いらしいけど、どんなんなの?」

 

 話をほじくり返す。身近な実力者のデッキが酷いとなれば気になるのも仕方ない。

 

「特徴を挙げるなら全属性混合。全然勝ててるし問題無いと思ってたんだがな」

「なるほどねー」

 

 ざっと自分の知識と擦り合わせてみる。

 

(全属性混合…俺の知識不足かもしれないけど、この時ってほとんど無かった気がする。HEROぐらいか? あと少し経てば征竜がってぐらいか。あれは属性ってよりドラゴンの印象だけど)

「どうだ?」

「いや、できなくはないけど雑多になりかねないよなぁって考えてた」

「言われてみればまあ、パッと見そんな感じに見えるかもな」

 

 不本意ながらも自分のデッキの印象を受け入れる陸人。

 

「マジかよ、よくそれで今の戦績を叩き出せるね」

「結果として、これまで客観視出来てなかったわけだ。そうなるとお前に負けたのはいいきっかけだったわけだ」

 

 敗北を糧により高みを目指す。変わったのは遊八だけではないのだ。

 

「てなわけで俺も少しデッキを見直してきた。これまでのデッキの改良と、属性を絞っての新たな二個を加えて三個のデッキの出来上がりさ」

「ほほう。なら優希が戻ってきたら実戦かな?」

「そうするか」

 

 そのまま優希を待つ流れになり、その間大会映像を見てあーだこーだ言い合うのだった。

 

(この二人、ホント変わったねえ。オレは嬉しいよ)

 

 若干置いてかれつつある友人クン。今後の出番は無いだろうが、きっと後方腕組みポジションになっているだろうと思われる。

(え、出番無いの⁉︎ それは酷いよ〜)

 我慢して欲しい。

 

「戻ったよ。とりあえずは纏まったから、デュエルお願いしてもいいかな?」

 

 優希が戻って早々にデュエルを申し出る。

 

「なら俺が相手をしよう。いいな? 遊八」

「もちろん。そういう話だったからね」

 

 対戦相手は彩葉陸人に決定。早速校内の開けた場所へ移動する。

 

「んー、使うのは…これにしようか」

 

 デュエルディスクにデッキをセットする陸人。

 

「ふうー。よろしくお願いします」

 

 少し緊張気味な優希。

 

「もっとリラックスしてもいい。今までと違って普通のデュエルだからな」

「頭ではわかってるんだけど、ね。ちょっとまだ心の整理が…」

 

 それを聞いた陸人が申し訳無さそうに目を伏せる。

 

「それは、多分俺のせいなんだろうな」

「いや、そんな事…元々の性格もあるから」

 

 陸人の言葉を完全に否定はせずとも、フォローはする。

 

「そういや昨日の今日で、お前とはまだちゃんと和解出来てなかったな。すまなかった……よし。全部ぶつけろ」

「え?」

「今のお前ならできるだろうから言う。これまで溜めてた…溜めさせちまった鬱憤を全部ここでぶつけてこい。全部受け止める」

 

 自分から言う話ではないかもしれない。そう思いつつも陸人は提案する。

 しばし無言、優希が答えるのを待つ。

 

「……正直、もうどこかで友達だと思っていたんだ。デッキ構築を一緒に、それも真剣に考えてくれて、カードもくれてさ。単純だよねボク…でも、だからこそちょうどいいや。その提案、ボクからじゃ絶対言い出せなかっただろうしね。覚悟してもらうよ!」

 

 陸人を指差し宣言する優希は、いい笑顔をしていた。

 

「みんなして心が広いんだよ…ふふっ、望むところだ」

(それに遊八が言うには、想いの力ってのは意外と馬鹿にならないらしいからな。全力を見せて貰おうか)

 

 陸人もまた笑顔で応える。

 

 研究か、仲直りか、最早どちらが名目かわからない…いや、そのどちらとも目的としたデュエルのスタートだ。





 研究会じゃなくて優希君育成会になりかけてる気がする…。
 友人クンの名前あった方がいいか? 研究会メンバーだしあった方がいいか。一応考えておこう。皆様も何か案があれば遠慮なくどうぞー。
 
 陸人君のデッキについて。
 この時期の複数属性混合デッキだとどんなのがあったか、是非とも有識者の皆様に教えて頂きたく…一応次回の構成はできてるんすけど、今後参考にするかもって事でお願いします…自分で調べろですって? そうっすね、はい。

 次回は初めての主人公以外のデュエル回。デュエル研究会がその名を轟かせるかは私、そして皆さんの反応次第って事で、お楽しみに。
 今日はおまけもあるよ。


・TIPS
【金盞花の指輪】
 築根遊八の母が付けていた。モチーフがカレンデュラ(金盞花)なのは、遊八の父が好きな花だから。元々、花の色に合わせてイエローゴールドだったのが色落ちしてしまい、黒ずんでいる。でもまだ少しだけ残っている。

【優希のデッキ】
 デュエル研究会の記念すべき最初の活動テーマになった。デッキを構成するのは優希のカードだけでなく、遊八、陸人、友人クンからプレゼントされたカードも入っている……もう、見返りなど要求される事は無い。彼らがこれから紡いでいく友情、その始まりにして、優希のかけがえのない宝物の一つ。
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