遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』 作:ふわ×フワ
アニメ一挙配信がついにVRAINS最終回まで…自分が遊戯王を始めたきっかけの一つでして、かなり思い出深い作品なんですよ。これで終わりかと思うと、どこか寂しく感じます…またやってほしいなぁ。
(VR二次も書きたいけど、自分には書ける気がしない)
こんなんじゃ満足できない主は、満足を求めてクラッシュタウンへ向かった。
さて、今回のデュエル。実はだいぶ前から考えてまして…棋譜の段階でおよそ一月。主人公vs主人公。勝敗どうしようかでずっと悩んでた。
『「「「デュエル!!!!」」」』
異世界より来たる決闘者の対決。その口火を切ったのは——
『先行はこちらだ! 行くぞ遊馬!』
「ああ! 俺のターン、ドロー!」
アストラルだ。その分身として、遊馬が最初の一枚を引き抜いた。
『モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ』
指示の通りにカードをプレイする遊馬。アストラルの声は彼と遊八以外には聞こえない為、宣言も忘れずにする。
流石は絆を深めた二人だ。最低限の言葉でも通じ合っている。遊馬のタクティクスが上昇しているのも相まって、簡単に倒せる相手ではない。
「俺はこれでターンエンド」
「ならこっちの番だな。優希君」
「うん。ボクのターン、ドロー!」
しかし、遊八たちも負けてはいない。絆の強さはこれからだが、強い決意と生来のセンスで対抗する。
「まずはこれだ。〈極氷獣ブリザード・ウルフ〉召喚」
遊八の宣言と同時に、優希がカードを置く。
あらゆる熱をも奪い去る極低温。青き体表に、白銀の結晶を纏う獣が飛び出した。
『極氷獣ブリザード・ウルフ』☆4 ATK/1400
(未来のカードがどんな活躍をするか…まずはセットモンスターだが)
一瞬の思考。遊八は相手のカードを予想する。
(今のアストラルのデッキは遊馬と共有。ならそのモンスターはある程度予想はできる。ゴゴゴゴーレムだろうな)
絶対の確信ではない。しかし遊馬たちを支える頼もしいモンスターの一体。その姿、幾度となく画面の向こうに見たのを記憶している。だが——。
「楽しむならメタ読みは厳禁か。バトル!」
小さく呟き、思考を棄てる。そのまま攻撃を宣言した。
「〈ブリザード・ウルフ〉でセットモンスターを攻撃!」
冷気を纏い迫る突進。
「俺が伏せてたのはコイツだ!」
『ゴゴゴゴーレム』☆4 DEF/1500
それを止めたのは、遊八の予想通りのモンスター。頑強な体で突進を受け止め、逆に弾き返した。
優希 LP 4000→3900
「うぐっ、数値負け」
「あちゃー、やっぱ1400って微妙な数値よね。もう100欲しいわ」
ライフは削られたが、まだまだ序盤。この程度のダメージは軽く受け流す。
「ま、予想はできてた。コイツの本領はこれからよ。カードを3枚伏せて、ターンエンド!」
守りは十分。堂々のエンド宣言で、ターンは遊馬たちへ。
「俺のターン、ドロー!」
『ガンバラナイトを召喚。そのままホープをエクシーズ召喚だ』
「おう! 俺は〈ガンバラナイト〉を召喚。そして、〈ガンバラナイト〉と〈ゴゴゴゴーレム〉でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 現れろ!〈No.39 希望皇ホープ〉!」
『No.39 希望皇ホープ』★4 ATK/2500
光より現れる希望の使者。白き翼に勝利を託す。
『バトルだ!』
「〈希望皇ホープ〉で、〈ブリザード・ウルフ〉に攻撃! ホープ剣スラッシュ!」
輝ける剣の一閃。当然、遊八たちにこれを受ける気は無い。
「この瞬間、〈ブリザード・ウルフ〉の効果発動。その攻撃を無効にし、手札からレベル4以下の水属性1体を特殊召喚だ。来い、〈ブリザード・ドラゴン〉!」
凍てつく咆哮は、ホープの攻撃を止め、新たな仲間を呼ぶ。
『ブリザード・ドラゴン』☆4 ATK/1800
「攻撃を防いで、しかもモンスターまで呼びやがった!」
『ホープより攻撃力が低い代わりに、より強力な効果がついている。と言ったところか…だがホープはナンバーズ。ナンバーズを自ら縛った今、彼はどう破るつもりだ』
これまで何度も、勝利を共にしてきたホープへの信頼。それは、向かい合う少年に宿る余裕への警戒を、より高める材料へと変わる。
『カードを1枚伏せて、ターンエンドだ』
静かに、確実に、次の手を見極める。
「相手は早くもエース召喚だ。こっちも応えてやんなきゃね」
「もちろん、そのつもりだよ。ボクのターン、ドロー!」
未だ予想のつかぬ相手。深まる笑みに、緊張が高まるのを感じる。
「良い引きだ優希君。〈アステル・ドローン〉召喚」
『アステル・ドローン』☆4 ATK/1600
「それじゃあこっちもエース召喚と行こうか。優希君、力を借りるよ」
その言葉で、遊八と優希の次の手が一致した。優希は迷わず首肯する。
「ボクは、レベル4の〈ブリザード・ウルフ〉、〈ブリザード・ドラゴン〉、〈アステル・ドローン〉でオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! これがボクと遊八くんを繋ぐ、友情のカード。〈覚醒の勇士 ガガギゴ〉!」
鍛え抜かれた逞しい肉体。纏う鎧は陽光を受けて光輝く。目覚めし勇気の声に応えて今、戦士は立つ。
『覚醒の勇士 ガガギゴ』★4 ATK/2950
「うおー! カッコいいぜ! やるな、二人とも」
『ああ、効果は無いが、攻撃力はホープを超えた。だがナンバーズは——』
「ナンバーズはナンバーズでしか破壊できない。それを忘れる俺じゃないさ」
『—ッ!』
遊八のその目は、しっかりとアストラルを捉えている。アストラルは確信した。彼はカイトと並び、これまで会った中で最強クラスの実力者だと……。
「手札より、魔法カード〈エクシーズエナジー〉発動。〈ガガギゴ〉のORUを一つ取り除き、〈希望皇ホープ〉を破壊する」
ガガギゴのORUが一つ消え、迸るエネルギーが拳に宿る。それをホープめがけて撃ち放つ。だが、それがホープに届く事は無い。
『読めている! 遊馬!』
「おう! 罠発動〈エクシーズ・リフレクト〉! 自分のモンスターエクシーズ1体が効果で破壊される時、その効果を無効にして、相手に800のダメージを与える!」
ホープを守る障壁が、ガガギゴの放ったエネルギーを跳ね返し、優希へと向かう。
優希 LP 3900→3100
「大丈夫? 遊八くん」
「この程度安いもんよ。さて、次はどうかな!」
発生した衝撃から遊八が庇い。ダメージを感じさせる事なく次なる手を打つ。
「速攻魔法〈エクシーズ・インポート〉。自分エクシーズ1体と、その攻撃力以下の相手モンスターを対象に、その相手モンスターを自分モンスターのORUにする。対象は当然ホープだ!」
「何だって⁉︎」
カードから伸びる光に捕らえられ、ホープはガガギゴに吸収された。
『突破手段は一つだけではなかったか…いや、ここは二手使わせたとしておこう』
ホープの本領を活かせなかったが、貴重な除去カードを使わせたと考え、気持ちを切り替える。
「これで壁となるモンスターは消えた。直接攻撃と行こうか!」
『クッ、これは受ける』
遊馬 LP 4000→1050
ガガギゴの拳が遊馬を撃ち抜き、吹き飛ばす。だが、遊馬たちもただでは終わらない。
『今だ!』
「罠発動!〈痛恨の訴え〉! 相手の直接攻撃でダメージを受けた時、相手フィールドの最も守備力の高いモンスター1体のコントロールを得る!」
今度はガガギゴが奪われる。ライフにこそ大きな差はできたが、一進一退の攻防が繰り広げられていると言っていいだろう。
「これ以上できる事は無いか…ターンエンド!」
遊八たちの場に盾となるモンスターはいないが、そこに焦りは見えない。
『(堂々としているな…次私たちが更なるモンスターを召喚すれば、そのライフは無くなりかねない。となれば伏せカードか。もしかすると、コントロールを奪ったのは悪手だったかもしれないな。対処可能なカードが無いのが悔やまれる。仕方がない。ここは盤石の体制を整えるとしよう)』
その理由をアストラルは分析。ならばと、攻撃を防がれる前提で動く。
『方針は決まった。遊馬、こちらのターンだ』
「よし来た! 俺のターン、ドロー!」
『これならば…っ! 遊馬、2体目のナンバーズを召喚するぞ』
「て事は、これだな! クリボルト召喚!」
『クリボルト』☆1 ATK/300
出てきたのは、パチパチと小さく放電する可愛らしいモンスター。ここから強力モンスターが呼び出せるとは、とてもじゃないが思えない。
「遊八くん。これは?」
「うーん。思い出せん。何か専用カードがあった気がすんだけどなぁ」
前世の記憶も完全では無い。今世も把握しきれていない。だが、この嫌な予感だけは間違いない。
——
「あー、あったな。コストを考えれば、ガガギゴは良い的って訳だ」
「つまり…?」
陸人は気付く。そこから、脳内に描く展開をより確信に持っていくために、質問を投げる。
「ナンバーズは1枚だけか?」
「いや、まだあるけど…まさか!」
「2体目のナンバーズを…⁉︎」
鉄男が質問に答え、そこから次々と気付きが伝播する。
確信。ここから少しずつ、遊八たちは苦しくなって行くだろう。
——
答え合わせをするように、遊馬は展開を始める。
「俺は〈クリボルト〉の効果発動! フィールドのORUを取り除き、その数一つにつき1体、〈クリボルト・トークン〉を特殊召喚する。〈ガガギゴ〉が持つ三つ全て取り除き、3体のトークンを特殊召喚! 更に、手札から魔法カード〈ボルテージサモン〉を発動!」
「——ッ! それだ!」
遊八もここで思い出す。未OCGの強力カード。大量展開を可能にするクリボルト専用カードの存在を。
「このカードは、自分フィールドの〈クリボルト・トークン〉を全てリリースし、その数だけ、デッキからレベル4以下のモンスターを特殊召喚する! 来い!〈ズババナイト〉!〈ライライダー〉!〈ガガガマジシャン〉!」
『ズババナイト』☆3 DEF/0
『ライライダー』☆3 DEF/0
『ガガガマジシャン』☆4 DEF/0
「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効となり、攻撃力、守備力が0になる」
「一度に3体も…これって」
「ああ、ちょっとマズいかも」
このターンを凌ぐだけなら問題無い。しかしその後はどうだろうか。
(手はある。でも引けなきゃ無いに等しい。厳しい戦いになるかもな)
仕方ない事と思えど、ナンバーズ縛りを後悔しつつある。
優希への負担を抑えつつ、勝利のピースを拾い集める。覚悟は決まった。
「よっしゃ来い!」
「言われなくても! 俺はレベル3の〈ズババナイト〉、〈ライライダー〉でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!〈No.17 リバイス・ドラゴン〉!」
『No.17 リバイス・ドラゴン』★3 ATK/2000
現れる二体目のナンバーズは、遊馬が初めて対峙したもの。三対の翼をはためかせ、邪悪な眼が遊八たちを睨みつける。
「〈リバイス・ドラゴン〉の効果発動! ORUを一つ使い、攻撃力を500アップする! バトルだ!」
「このバトルフェイズ開始時、墓地の〈ブリザード・ウルフ〉の効果発動! 自身を攻撃表示で特殊召喚! 更に罠だ。〈威嚇する咆哮〉! このターン相手は攻撃宣言できない!」
「くっ、これじゃバトルはできねぇ」
一切の反撃も許しはしない。ライフが尽きるのは論外。ボードアドバンテージでも差をつけてはならない。遊八の表情は引き締まる。ここまでが遊びだったわけでは無い。だが、より本気で、限界ギリギリまで…否、アストラルという最強決闘者の一角を相手に、自身の限界を超えるべく挑む。内に眠る力の一滴まで搾り取るつもりで……。
『(雰囲気が変わった。本気になったか…ならばこちらも、それに挑ませてもらおう。イレギュラー!)』
「俺はこれでターンエンド!…すっげぇぜ二人とも! 全然攻撃が届かねえし、ナンバーズ相手に一歩も引けを取らない。俺たちも負けてらんねぇ。さあ来い!」
デュエルはこれより終盤へと向かい、より激しさを増す。勝利の女神は、どちらに微笑むのか……。
「ああ、言われずとも。行くよ優希君。俺たちのターンだ」
「うん!」
「「ドロー!!」」