遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』 作:ふわ×フワ
前回の後書き。オリキャラに未ocg云々って、なんか変な事言ってる…。
そもそもエクシーズトレジャーが未ocgで何度か使ってんのに、今更ではないか? アニメ効果のギフトもある。
まーいいでしょう。誤字脱字や設定の矛盾は直しますが、そうでない失敗は残すとします。戒めにも思い出にもなるから。
さてさて今日からWDC……の!はずでしたがあ!
予定を変更して番外を挟みます。詳しくは後書きにて↓
Ⅰ・『No.76』
彩葉家の親子対決の翌日。WDCのエントリーが開始された日の事である。
この日、デュエル研究会とナンバーズクラブは再び集まっていた。理由は明白。陸人のナンバーズだ。彼の両親を巻き込まぬよう、日を改めたのである。
「と、言う事で始まりました。第二回デュエル研究会会議。本日の議題はこれ、〈No.76〉でございます」
「急にボケんじゃねぇ、俺らを置いてくな」
遊八の一声で開始された会議。
別にこんな固っ苦しい事してないので、陸人がツッコミを入れて流れを戻す。
「とりあえずはい、これナンバーズね。遊馬…てかアストラルの方か。が集めてんだろ?」
何の躊躇いも無く遊馬に渡す陸人。一夜明けたが、やはり取り憑かれてはない。
「おう。これに記憶が入ってるらしいんだ」
受け取る。アストラルも現れ、それを観察する。
『……違和感があると思っていたが、なるほど。これはナンバーズではない』
「え、ナンバーズじゃない⁉︎」
遊馬が叫ぶ。仕方のない事だ。どこからどう見てもナンバーズにしか見えないのだから。
「じゃあこれは何なんだよ?」
一同が見守る中、遊馬はアストラルに聞き返す。
『わからない。だが、どうやらこれは、見た目からエネルギーまで、そっくりそのままのコピー。偽物のようだ』
「偽物……」
「偽物? あ、じゃあもしかして……」
遊馬の呟きに反応した遊八が、デッキから一枚のカードを取り出した。
「これと同じ?」
『No.5』。デュガレスから偽物と断じられたカードだ。
「報連相!」
「はいっ! すいませんでしたっ!」
その情報を一切知らなかった彼らを代弁するように、陸人が叫ぶ。昨日の自己紹介後に、少なからず情報共有をしていたのだが、何故言わなかったのか。
「ほうれん草?」
「野菜じゃないよ。報告、連絡、相談の略だよ」
話の腰を折らないよう、素早く遊馬に補足する優希。
「いやー、偽物だし関係無いかなーって思って」
「それはそうかもだが…まあいい。そのカードはどうなんだ?」
観察。
『同じだな。エネルギーには差はあるが、この二枚は同一の存在と見て間違い無い。よくここまで精巧なコピーを作ったものだ』
ルーツは同じ。となれば……。
「ここで、こちらのメモをどうぞ。デュガレスからです」
「お前…」
「これは今日集まるからそん時にって!」
デュガレスからのメモ。これまで観察から得られた情報をまとめたものだ。
『なるほど。異世界で作られたカード。役割は力の吸収、及び供給。基本的には器として機能しているのか。供給時には異世界からエネルギーを…』
メモ程度の情報だが、十分だ。先んじて情報収集していたデュガレスに感謝する。
『(だが、やはり目的がわからない。吸収だけなら、まだ予想がつきそうだが、何故供給までしている?)』
プラスもマイナスも無い。これでは目的など皆目見当もつかない。
『現状言えるのは、所有している事そのものに意味がある。か…』
以上を踏まえ、陸人に問われるのは、偽のナンバーズを持つか否か。
「持つ事に意味があるカード。それが俺の為になるかどうか。正直利用されるだけで、俺に恩恵は無さそうだが……」
悩む。持つ事によるデメリットはあるかもしれない。逆にメリットはありそうにない。いや、力を供給してくれるのならあるのか?
「……これは俺が持っていよう。カードは使ってこそ意味がある。それに、現状扱いには困るだろ? 遊馬たちは本物に集中してくれ」
意味は自分で決める。それが陸人の選択だった。それともう一つ——。
(このカードに何かあるなら、俺だけでなく、遊八の身にも何か起こるもしれない。もしもの時、あいつ一人に背負わせちゃならない。これにはきっと意味がある)
友の力になる為。
「そういやそれさ。どこで手に入れたの? 俺は取り憑かれてた人を倒したからだけど」
問うのは遊八。経緯が気になる。
「夢だ」
「夢?」
何か心当たりがあるかもしれない遊八。
「そこで影みたいのを倒して、起きたらあった。んでこれは、元々真っ黒だった」
確信した。遊八も同じ夢を見ている。
「その夢ってさ、もしかして滅びた世界だったり?」
「よくわかったな…まさか!」
また一枚、遊八が取り出した。
「僕も見たんだー。それ」
「ぐっ…お前…いや俺も言わなかったし…」
とりあえず、遊八には情報共有を徹底するよう言い聞かせた。
『(どうやら彼らにも、何か使命があるのかもしれないな。だが、今私が力になる事はできない。二人を信じるしかないようだ……)』
黒く塗り潰されたカード。二人同時に見た夢の意味は何なのか。
謎は深まるばかりだ……。
Ⅱ・夢で手に入れたカード
下校時。遊八は陸人に気になっていた事を聞く。
「そいや陸人さ、例の夢見た後さ、ナンバーズ以外にもカード手に入れた?」
「あー、手に入れたよ。それがどうした?」
「いや、どんなカードがあったのかなと。僕は——」
いくつかデッキから抜き出して見せる。
「なるほど。やっぱり、全体的にカードパワーは高めっぽいな。俺は——」
陸人が見せたのは『征竜』だった。
「他にもあったが、特に目を引いたのはコイツらだった」
二属性の親と子。どうやら四属性全ては揃っていないようだ。
「なるほどね。僕たちのデッキを強化できるパーツや、汎用カードがメインっぽい」
「それとナンバーズだろ。俺の今までのデッキじゃ、グラディエールは出せなかった」
それは即ち、ナンバーズを出せるパーツも与えられている。という事。
「そっか。じゃあ僕のも……」
「だろうな。素材に見当はつくか?」
「僕が戦った影のと同じなら、レベル4の水属性二体。レベルだけなら追加は要らないけど……」
遊八が手に入れた中には、水属性のレベル4が計三体。
「都合が良すぎるな」
怪しむ陸人。当然の反応であり、遊八もこれには同感だった。
「そうだね。でも今はこれがあった方が良い。少なくとも僕はね」
「ナンバーズ・ハンターだっけか? に、目をつけられてんだったな。なら確かに、力は必要か」
「そういうこったね」
主観的には、今の遊八に特殊な力は無い。魂という例外はあれど、デュエルにおいては役に立っているとは思えなかった。
(偽のナンバーズ云々には、俺の魂関係無さそうだしな。多分陸人も同じ状態のはずだから)
親子対決で見せたあの強運は、中々起こるものではない。約十枚の大量ドローが、あそこまで噛み合うだなんて、それこそ物語の主人公くらいだ。
(主人公は遊馬。そしてアストラルだ。僕らは…サブキャラくらいか)
モブ。その考えは捨てた。あの壮大な物語に組み込まれるのは困るが、ナンバーズを手にして、ある程度因縁ができてしまった。これでモブは無理があった。なんなら偽物まである。とっくに本史から歪んでいる。
(……はっ! わかったぞ! この歪みを解消する物語の主人公が陸人で、僕も巻き込まれるんだ! いやそれもそれで怖いわ!初見攻略しろってか! 人生そんなもんだわ! くそぁ!)
叫んだ。内心で物凄い叫んだ。
人生というゲームは、誰もが先を知らずにプレイする。むしろ前世を持つ遊八は、かなり有利な条件下にあるのだ。これで不平不満を唱えるのは他のプレイヤーに失礼である。
(多分)過酷な運命に、遊八は嘆いた。
「——い、——うや。遊八!」
「っはい!」
「どうしたよ、ボーッとして」
思いの外自分の世界に入り込んでいたようだ。
「やー、色々考察してみたけどさっぱりだね……お互い頑張ろっか」
「? お、おう」
なんとも穏やかで、儚い笑みだった。
運命に翻弄される少年たちの日々は続く。いつか来るその日まで——。
Ⅲ・遊八の大会前夜
WDCの開催決定が決まってから、僕たち研究会メンバーは、たまにナンバーズクラブも交えて準備を進めた。
応募締切を過ぎて、遊馬がエントリーをしていないと一騒ぎしていたが、どうにかなったらしい。
そんなこんなで、みんなとパックを剥き、デュエルタクティクスを磨きながら、自分のデッキとにらめっこする日々を送っていた。
「課題だった妨害はいくつか追加できた。上級多めで重いけど、ドロソや手札交換できるカードもその分積んでる。後は僕のコンディション次第。緊張するな」
デッキ調整は完璧。健康的な生活を心がけたので体調も万全。滞りなく準備を終えた。ハートピースも当然手元にある。
「いよいよ明日から……。大丈夫。できる事は全部やった」
ここまでの準備期間を思い返して、中々充実していたと感じる。これまで友達らしい友達がいなかったから、その日常は宝石のように、いやそれ以上に思えた。
「ありがとな。俺はみんなのお陰でここまで来れた」
前世からの心の支えであるカードたちに、目一杯の感謝を伝える。
『今世は僕、ではなかったか?』
「そうだけどさ。俺って一人称は——ゔぇっ⁉︎」
一人だった部屋に声が響く。
驚いたが、瞬時にそれが聞き覚えのあるものと認識した。
『思いの外早く調整が終わっての。問題無く、声は届いておるようだ』
「デュガレス…びっくりさせないでよぉ」
大会を前に、デュガレスとの意思疎通が可能になった。
毎日のようにカードに感謝を伝えていたのだが、それが助けになっていたらしい。
「ほへぇー。心を通じ合わせるって、こう言う事を言うんだね」
『そうだな。我らは常に、遊八の味方だ。安心して力を振るうといい』
「うん。ありがとう」
これならきっと、カードの実力を最大限に引き出せる。
心強い友の声に、僕は喜んだ。
『しかし、あの陸人と言う少年。彼は強いな』
「ほんとにな。あの日から急に強なってんの。明日のために本命は秘密で、サブのデッキでデュエルしてたんだけど、勝率僕より高くてさー。びっくりだよ」
WDC当日に備えてデッキを調整する傍ら、もう一つデッキを用意して何度かデュエルし、知見を深め合っていた。そこで陸人が、ナンバーズクラブを交えての総合戦績で一番となったのだ。その勝率驚異の九割。
親子対決を経て一皮剥けた陸人は、一年生の中なら最強と目されている。
『これは負けてはおられんな』
「ああ、俺と陸人は二回やって一勝一敗。まだ差はない。こっから更に強くなって最強の座を手にしてやるぜ!」
大会のモチベーションはバッチリある。寄り道こそするが、腕を更に磨く良い機会。大きく意気込んだ。
『また変わったのう』
「え、あ、いやその方がなんか、なんて言うか…とにかく! 強くなった気分になるんだ!」
(そういやなんで俺なんだっけ? 前世での一人称だったから。と思っていたけど…そもそも前世でなんて自称してたっけ? 何か、何か忘れてる気が…)
何か思い出そうとして、できなかった。この感覚の正体は何なのだろう…。
『そうか。と、ほれ、もう寝なければ寝坊してしまうぞ』
時計には[23:00]と表示されていた。
「いっけね。歯磨きしてねぇや。急いでしなきゃ」
『では我は先に休むとしようかの』
「そっか。んじゃお休み」
……
こうして、大会前日は静かに終わる。遊八、そのライバルたち、まだ見ぬ強敵たちも、皆が羽を休め、来たる戦いに備えている。
そして——。
——WDC当日。
これより激闘の日々が…幕を開ける。
GWは連続投稿!
てな訳で、今回が番外なのはキリ良くスタートしたいからです。
来週5/2(土)より五日連続で本作をお楽しみ下さい!
行けるの? 本当に? 絶対?
……で、できない約束は…し、しない主義…だ!(現在、二話とデュエル構成が二つ)