遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』   作:ふわ×フワ

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 連続投稿一日目なのだ!

 前回投稿時点で気づいていなかったのですが、なんと……
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 ありがとうございます。ありがとうございます。とても励みになります。めちゃんこ嬉しい。あまりの嬉しさに闇の扉を開いて、未来をその咆哮とともに導けそうなくらいです。
 私、宇宙創造の鍵になります。



No.18 祭りの始まり

 

      

 WDC当日。ハートランドにて——

      

「おはようございます諸君」

 

「相変わらずだな遊八」

 

 研究会メンバーが一堂に会し、談笑しながら開催宣言を待つ。

 

「始まったらみんなどうすんだ?」

 

 堅護がそれぞれの動向を聞く。

 

「俺はまぁそこら辺ぶらついてるよ」

 

 焦らず、ゆっくりと相手を探す陸人。

 

「うーん、僕は……」

 

 昨夜あれだけ意気込んでいた遊八はと言うと。

 

「この初日は、どうしてもやっておきたいことがあってね。先にそれだけ終わらせときたい」

 

 道中で会った奴は相手するけど。と付け足し、寄り道を宣言。その拳には自然と力が入っていた。

 

「そっか、じゃあオレと優希クン以外は別行動か」

 

「おや? そうなの」

 

「うん。実はボクね。あのⅣからデュエルのお誘いがあったんだ!」

 

 『Ⅳ』…現極東エリアチャンピオン。そして——。

 

(この時期ってまだ敵だろ? やばくねどうしよう)

 

 原作を知る身からすれば止めたいところだが、こればっかりはどうしようもなかった。

 

(本性がどうのこうの言っても信じてはもらえないだろうし、いい感じの言い訳が思いつかない)

 

 表向きは紳士的。裏の顔を知る者は限られている。

 止めるのは諦めて、時間次第で割り込もうか考える遊八だった。

 

「へぇ、気になるな。俺も見たいが、時間は?」

 

 陸人がこの話題に食いつき、時間を確認。遊八は内心でガッツポーズした。

 

「時間は——」

 

 メッセージ画面を開いて見せてくれる。

 

(うわっ、わかんねぇ。行けるかな)

 

 遊八の用事は、正確な時間がわからないため、記憶しておくに留めた。

 

「くっ、行けるなら見に行きたいが…!」

 

「俺は行こうかな。ありがとな。じゃあ昼頃また合流するか」

 

「んじゃあ、その予定で。よーし! それじゃあみんな頑張ろうな!」

 

「うん。緊張するけど、頑張る!」

 

 円になり、みんなで手を重ねる。

 

「結成したばっかだが、デュエル研究会の初陣だ。気張ってくぞ」

 

 陸人が鼓舞する。

 

「もちろん。みんな準備はバッチリだね」

 

 遊八の言葉に頷く一同。

 

「俺たちのデュエルはこっから始まる! デュエル研究会! デュエル開始ィィィ!!」

 

 遊八が音頭を取り、彼らの戦いの始まりを告げた。

 

「「「おおー!!!」」」

 

 ほぼ同時に、Mr.ハートランドからの開催宣言が行われた。

 

「っし! じゃあ僕は行ってくるね」

 

「ああ、俺も行くか。堅護、優希。また後でな」

 

「うん、また…」

 

「じゃあ行くか優希クン!」

 

 それぞれが喧騒の中を行く。

 

 

 打ち上がる祝砲は雷管も同然。辺りを見渡せば、もうそこかしこでデュエルが始まっている。

 かつてない熱狂に沸き立つ人々の声は、決闘者たちの燃える闘志に、油の如く注がれる。

 

 それはどうやら、人だけではないようだった。

 

『中々見どころのある者達ばかりではないか』

 

 値踏みするように人々を見やるデュガレス。

 

 晴れ渡った空、燦々と輝く太陽の下、決闘者たちが次々と戦い始め、行き交う人々の視線を集める。

 個性溢れる彼らのカードたちも、どこか生き生きしている。遊八にはそう感じられた。

 

「そりゃ世界中から集まってんだからな。だからほら…」

 

 遊八の目の前にも、一人の少年が立ちはだかった。

 

「そこのお前! ボク様の最初の相手になってもらうのだ!」

 

(ボク様……)

 

『これはこれは、威勢のいい童が来よったのう』

 

 歳は遊八より少し下。特徴的な一人称と、身なりから恐らく良いとこのお坊ちゃん。

 中々キャラの濃さそうな人物だなぁ。などと思いながら少年に問いかける。

 

「構わないけど、理由を聞いてもいいかい?」

 

「ふふふ。良いのだ。それは……」

 

「それは?」

 

「女神様からのお告げなのだ!」

 

「は?」

 

 勿体ぶって出てきたのが『女神様』とは……ふざけているのか、ヤバい奴なのか。

 

「ボク様は大真面目なのだ! 女神様から授かったカードで、必ず優勝するのだ!」

 

 本人は至って真面目な様子。なんであれ、まだ時間はある。断る理由は無い。

 遊八はデュエルディスクを装着し、名を名乗る。

 

「僕は築根遊八。君は?」

 

船石 甲(ふないし こう)なのだ」

 

 思ったより普通の名前だった。

 

「そ、よろしくな甲。お互い初戦、負けたら終わり、悔いの残らないデュエルにしよう」

 

「ボク様に負けは無いのだ」

 

 よほど腕に自信があるようだ。出場者ならば当然なのだろうが。

 

「そうでなきゃ面白くない……その鼻っ柱、へし折ってやるよ」

 

『我は見守るとするかの。頑張るのだぞ、遊八』

 

「当然」

 

 お互い準備万端。記念すべき最初のデュエルの開始だ。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 甲    vs  遊八

 LP 4000   LP 4000

 

「ボク様の先行! ドロー!」

 

 意気揚々とカードを引く。彼の実力やいかに……。

 

「〈アスピスクール〉を召喚するのだ!」

 

『アスピスクール』☆4 ATK/300

 

「待てやおい!」

 

 召喚されたのは、なんとも言えない表情の魚。見ているだけで気が抜けそうだが、遊八はそれどころではなかった。

 

「なんなのだ。サレンダーには早すぎるのだ」

 

「あーいや、そのカードどこで手に入れた?」

 

 気になったのは入手方法。

 そう。この『アスピスクール』は、まだこの時代に無いカード。元ネタの魚は……どうだったか。遊八は覚えていない。が、とにかく存在しないカードが何故あるのか……。

 

「言ったのだ。女神様から授かったって。これはその一枚なのだ」

 

 またしても女神様。遊八は頭を抱えたくなった。

 

「宗教勧誘はお断り願いたいんだけどなぁ」

 

「だから! ボク様は大真面目なのだ!」

 

 このままでは進まなくなりそうなので、仕方なく受け入れる。もしかしたら、自分の見た夢と似た何かを経験したのだろう。そう考える事にした。

 

「わかった。止めてすまなかった。続けてくれ」

 

「ま、ボク様の心は海のように広いから、許してやるのだ」

 

「……」

 

 色んな意味で面倒な相手に当たってしまったものだ。

 

「デュエルを続けるのだ。〈アスピスクール〉が召喚した時、手札からレベル6以下の魚族を特殊召喚するのだ。〈光鱗のトビウオ〉を特殊召喚!」

 

『光鱗のトビウオ』☆4 DEF/1000

 

「これでレベル4が2体。来るか?」

 

「その通り。見せてやるのだ。女神様から授かった、ボク様の最強カード!」

 

「……!」

 

 早くも登場する切り札。未知なる存在に、警戒心が高まる。

 

 

「ボク様は! レベル4の〈アスピスクール〉と〈光鱗のトビウオ〉で、オーバーレイ! 2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! 現れよ〈No.52〉!」

 

 煌びやかな甲殻を持つ、巨大な蟹が姿を現す。

 

「この姿、この輝き。これぞボク様に相応しいモンスター。〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉!」

 

『No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング』★4 DEF/3000

 

「……守備3000。しかもナンバーズか」

(本物か偽物か…デュガレス。よく観察してくれよ)

 

 偽物であろうと、恐るべき力を持つカードだ。油断はできない。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドなのだ。ふふふ…倒せるかな? ボク様のモンスターを」

 

「倒してやるさ。俺のターン!」

 

 ナンバーズの登場により、負けられない理由が増えた。が、焦らず全力を尽くしに行く。

 

「ドロー!」

(もうちょい楽勝かと思ったんだけど、しゃあない)

「とにかくあまり手札が良くない。死んではないが、ささっと入れ替えるか。手札より2枚の魔法カードを発動する。〈手札抹殺〉、〈超再生能力〉」

 

 単純な実力なら、そこらの相手には負けないつもりでいた。少しばかり慢心が芽生えていたかもしれないと、遊八は自覚し、改める。

 足下を掬われてからでは遅い。ここで気づけて良かった。

 

「〈超再生能力〉は、手札から捨てられたドラゴン族と、手札・フィールドからリリースされたドラゴン族の数だけ、エンドフェイズにドローするカード。〈手札抹殺〉は、お互いに手札を全て捨て、その数ドローするカード。俺は4枚捨てる」

(これでエンド時三枚ドロー確定!)

 

「ボク様は2枚」

 

「「ドロー!!」」

 

 速攻で手札を入れ替える。

 

「墓地の闇属性、〈ダークストーム・ドラゴン〉を除外して、〈輝白竜 ワイバースター〉を特殊召喚」

 

『輝白竜 ワイバースター』☆4 DEF/1800

 

「モンスターをセット。カードを1枚伏せてエンドフェイズ。〈超再生能力〉の効果。このターン捨てられたドラゴンは3体。よって3枚ドロー。ターンエンド」

 

 守りを固め、ターンを渡す。

 

「やっぱりボク様のモンスターは倒せないようなのだ。ボク様のターン、ドロー!」

 

 反撃が無かったからか、彼の自信は鰻上りだ。

 

「このまま押し切ってやるのだ。〈ウミノタウルス〉召喚!」

 

『ウミノタウルス』☆4 ATK/1700

 

「〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉の効果発動なのだ! ORUを一つ使い、守備力を0に、攻撃力を3000にする! 攻撃表示に変更!」

 

 効果を使うと同時に、その鋏が巨大化する。

 

「バトル!〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉で〈ワイバースター〉を攻撃なのだ!」

 

 巨大な鋏が竜を砕く。

 

「くっ、フィールドから墓地へ送られた〈ワイバースター〉の効果! デッキから〈暗黒竜 コラプサーペント〉を手札に加える。更に自分モンスターが戦闘で破壊されたことで〈異界の棘紫竜〉、それがドラゴン族だったため〈霊廟の守護者〉の効果発動!〈棘紫竜〉は手札から、〈霊廟の守護者〉は墓地から、自身を特殊召喚する!」

 

 破壊をトリガーに、逆に展開する。

 

『異界の棘紫竜』☆5 ATK/2200

『霊廟の守護者』☆4 DEF/2100

 

「ぬぬっ、〈ウミノタウルス〉セットモンスターを攻撃!」

 

 僅かにたじろいだが、勢いを削ぐには至らず、更なる攻撃を行う。しかし——。

 

「残念。俺のセットモンスターは——」

 

『蒼血鬼』☆4 DEF/1700

 

 ウミノタウルスがその得物を振りかぶるも、飛び出した蒼き蝙蝠の牙が受け止め、破壊するには至らない。

 

「ぐぬぬ、仕方ないのだ。バトル終了。同時に〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉は守備表示になるのだ。ターンエンド。攻撃力と守備力もここで元に戻るのだ」

 

 鋏は元の大きさに戻り、頑強な甲羅を盾にするように構える。

 

「俺のターン、ドロー! よし、覚悟はいいな?」

 

「……?」

 

「そのナンバーズ。突破させてもらう!」

 

 そう宣言する遊八。

 彼の盤面は維持、どころか逆にカードが増えている。ここから一気に巻き返しに出る。

 

「〈ワイバースター〉を除外して、〈暗黒竜 コラプサーペント〉を特殊召喚。更に〈アステル・ドローン〉を召喚」

 

 思い出される彩葉家の親子対決。あの怒涛の展開は、遊八に強い刺激を与えた。

 

(あれくらいのソリティアは、今だと中々できないけど、俺にも不可能じゃない)

「〈コラプサーペント〉、〈アステル・ドローン〉、〈霊廟の守護者〉でオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

(前世を思い出せ。効果を覚えて、組み合わせて、盤石の盤面を作り出す。以前からやってた事だ。負けてなんかいられるか!)

「降り立て! 友との絆、勇気の証!〈覚醒の勇士 ガガギゴ〉!」

 

『覚醒の勇士 ガガギゴ』★4 ATK/2950

 

 勇ましき戦士、友情のカードが立つ。だが、まだまだこんなものでは終わらない。

 

「〈アステル・ドローン〉を素材にした事で、1枚ドロー! 更に手札の〈黄血鬼〉の効果! エクシーズ召喚した時、手札から特殊召喚!〈蒼血鬼〉の効果! 自分フィールドに存在するORUを取り除き、墓地のレベル4アンデット族を特殊召喚!〈紅血鬼〉!」

 

「まだやるのだ⁉︎」

 

 三体素材の大型エクシーズを召喚したと言うのに、まだ展開する遊八に愕然とする甲。

 

「当っ然!」

 

 交戦的な笑みで返す。勝利へのピースはまだ揃っていないのだから。

 

「〈蒼血鬼〉と〈黄血鬼〉でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 顕現せよ〈No.60〉! 時司りし悪魔よ、結ばれし契約の下、我が手に未来を齎さん!〈刻不知のデュガレス〉!」

 

『No.60 刻不知のデュガレス』★4 ATK/1200

 

『出番のようだな』

 

 老練の悪魔。主からの号令により姿現す。

 

「一つだけ聞くよ。あのナンバーズは?」

 

『偽物』

 

「了解。デュエル続行」

 

 軽いやり取りで終わる。どうせやる事は変わらないのだから。

 

「〈紅血鬼〉の効果! フィールドのORUを一つ、俺は〈クラブ・キング〉から取り除き、自身のレベルを一つ、攻撃力を300上げる! リバースカード〈リビングデッドの呼び声〉! 墓地の〈アステル・ドローン〉蘇生!」

 

「一体いつまでやるつもりなのだ…」

 

 少し嫌になってきた甲。だがこれは勝負だ。どちらかが勝つまで終われない。

 

「君を倒せると確信するまで」

 

 魔境OCG次元より、悪魔は来たる。

 甲は恐怖した。

 

「〈アステル・ドローン〉は、エクシーズ素材とする時、レベルを5として扱える。俺は、レベル5の〈紅血鬼〉、〈異界の棘紫竜〉と、〈アステル・ドローン〉でオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 顕現せよ!〈No.5〉!」

 

 噴き出す瘴気。亡者の世界より、死を呼ぶ竜が現れる。

 

「黄泉より出でよ朧なる竜! 亡者喰らいてその身一つに力束ねよ!」

 

『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』★5 ATK/3000

 

「攻撃力、3000…で、でもまだ並んだだけなのだ!」

 

「……〈アステル・ドローン〉を素材にしたのでドロー。〈ダブルサイクロン〉で〈リビデ〉と右の伏せを破壊……」

 

「ぎゃっ、ぐぅ。でもまだ1枚あるのだ!」

 

 気丈に叫ぶ甲を無視して、遊八は考える。

 

(あれ? これデュガレスで攻撃力倍にすれば、ナンバーズ無視して勝てね? しかも今引いたこのカード。より確実になったぞ……)

 

 ウミノタウルスを忘れていた遊八。脳内にて計算開始。 

 2950×2=5900 or 3000×2=6000

 どちらも1700引いたところで4000を超える。

 

「スゥー…ごめん。やり過ぎた。ちょっと気分が昂っちゃって…へへ」

 

「へへ。じゃないのだ!」

 

 怒り心頭。好き勝手やられればこうもなろう。遊八も流石に悪いと思った。

 

「てな訳で、一撃で仕留めてやる。〈デュガレス〉の効果発動!」

 

 地に描かれる時計は、亡者束ねる竜に更なる力を授ける。

 

「ORUを二つ使い、俺のモンスター1体の攻撃力を倍にする。対象は〈デス・キマイラ〉!」

 

『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』ATK/3000→6000

 

「ひっ」

 

 睨み付ける竜の眼。恐怖に震える甲。

 

「ごめんね。すぐ楽にしてあげるから。バトル!〈デス・キマイラ〉で〈ウミノタウルス〉を攻撃!」

 

 そんなつもりは無いのだが、まるで悪役だ。

 

「ま、まだ負けないのだ! 罠発動!」

 

 恐怖に抗い、罠を起動する。こちらは主人公陣営か。

 

「〈反転世界(リバーサル・ワールド)〉!フィールドのモンスターの攻守を逆転するのだ!」

 

(攻守逆転。あれ? この場合ってデス・キマイラの攻撃力どうなんだっけ? たーぶーん0だな。よし)

「速攻魔法発動!〈禁じられた聖槍〉!〈デス・キマイラ〉の攻撃力を800下げ、他の魔法・罠の効果を受けなくする」

 

「なっ! それじゃあ」

 

「攻守逆転はしない。対して〈ウミノタウルス〉はどうだ?」

 

『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』ATK/6000→5200

『ウミノタウルス』ATK/1700→1000

 

「あ、あぁ…」

 

「…ほんとごめん。攻撃続行! 喰らえ、〈デス・キマイラ〉!」

 

 抵抗虚しく、ウミノタウルスは破壊される。

 

「うわああああああ!!!」

 

 甲 LP 4000→0

 

  YUYA WIN

  

  

「ナンバーズは貰ってくね」

 

 気を失っている甲から、申し訳ない気分になりながらもナンバーズを回収。同時に甲が目を覚ます。

 

「ん、んん…はっ! ボク様は何を…確か女神様からのお告げを聞いて、何か貰った気が…そしたらデュエルして……負けた!」

 

(ナンバーズは記憶から抜けたか。んで一人称は素なんだね)

 

 起き上がった甲は、WDC参加者の証であるハートピースを、遊八に手渡す。

 

「デュエルはボク様の負けなのだ。だからこれ、受け取るのだ」

 

「うん。確かに受け取った。これから先は、君の分も頑張るよ」

 

 負けた者の思いも背負い、勝者は歩む。遊八のそれには罪悪感も混ざるが……。

 

「当然なのだ! ボク様に勝った以上は、勝ち残ってもらわないと気が済まないのだ!」

 

 それだけ言って、踵を返す甲。

 

「お、おう。それじゃあな」

 

 勢いに押されながらも、遊八は返事する。

 と、甲が突然立ち止まり、振り返った。

 

「ボク様は強くなって、いつかお前にリベンジしてやるのだ! 首を洗って待っているのだーー!」

 

 リベンジを力強く叫んで走り去って行く。将来が楽しみな決闘者だった。

 

『あれで心が折れぬか。まだまだ青いが、それ故期待が持てる。お主も足下を掬われんようにな』

 

「わかってるさ」

 

 遊八もまたその場を後にする。一番の目的を果たすために。

 

(待ってろよアンナ。今日必ず、君との過去を清算する)

 

 





 そういえばいた。あった。で負けた記憶はいくつもある。調子に乗りすぎてもまた同じく。
 視野は広く、欲張りすぎず。これ大事。
 
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