遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』 作:ふわ×フワ
連続投稿一日目なのだ!
前回投稿時点で気づいていなかったのですが、なんと……
お気に入りが100件に…!
ありがとうございます。ありがとうございます。とても励みになります。めちゃんこ嬉しい。あまりの嬉しさに闇の扉を開いて、未来をその咆哮とともに導けそうなくらいです。
私、宇宙創造の鍵になります。
WDC当日。ハートランドにて——
「おはようございます諸君」
「相変わらずだな遊八」
研究会メンバーが一堂に会し、談笑しながら開催宣言を待つ。
「始まったらみんなどうすんだ?」
堅護がそれぞれの動向を聞く。
「俺はまぁそこら辺ぶらついてるよ」
焦らず、ゆっくりと相手を探す陸人。
「うーん、僕は……」
昨夜あれだけ意気込んでいた遊八はと言うと。
「この初日は、どうしてもやっておきたいことがあってね。先にそれだけ終わらせときたい」
道中で会った奴は相手するけど。と付け足し、寄り道を宣言。その拳には自然と力が入っていた。
「そっか、じゃあオレと優希クン以外は別行動か」
「おや? そうなの」
「うん。実はボクね。あのⅣからデュエルのお誘いがあったんだ!」
『Ⅳ』…現極東エリアチャンピオン。そして——。
(この時期ってまだ敵だろ? やばくねどうしよう)
原作を知る身からすれば止めたいところだが、こればっかりはどうしようもなかった。
(本性がどうのこうの言っても信じてはもらえないだろうし、いい感じの言い訳が思いつかない)
表向きは紳士的。裏の顔を知る者は限られている。
止めるのは諦めて、時間次第で割り込もうか考える遊八だった。
「へぇ、気になるな。俺も見たいが、時間は?」
陸人がこの話題に食いつき、時間を確認。遊八は内心でガッツポーズした。
「時間は——」
メッセージ画面を開いて見せてくれる。
(うわっ、わかんねぇ。行けるかな)
遊八の用事は、正確な時間がわからないため、記憶しておくに留めた。
「くっ、行けるなら見に行きたいが…!」
「俺は行こうかな。ありがとな。じゃあ昼頃また合流するか」
「んじゃあ、その予定で。よーし! それじゃあみんな頑張ろうな!」
「うん。緊張するけど、頑張る!」
円になり、みんなで手を重ねる。
「結成したばっかだが、デュエル研究会の初陣だ。気張ってくぞ」
陸人が鼓舞する。
「もちろん。みんな準備はバッチリだね」
遊八の言葉に頷く一同。
「俺たちのデュエルはこっから始まる! デュエル研究会! デュエル開始ィィィ!!」
遊八が音頭を取り、彼らの戦いの始まりを告げた。
「「「おおー!!!」」」
ほぼ同時に、Mr.ハートランドからの開催宣言が行われた。
「っし! じゃあ僕は行ってくるね」
「ああ、俺も行くか。堅護、優希。また後でな」
「うん、また…」
「じゃあ行くか優希クン!」
それぞれが喧騒の中を行く。
打ち上がる祝砲は雷管も同然。辺りを見渡せば、もうそこかしこでデュエルが始まっている。
かつてない熱狂に沸き立つ人々の声は、決闘者たちの燃える闘志に、油の如く注がれる。
それはどうやら、人だけではないようだった。
『中々見どころのある者達ばかりではないか』
値踏みするように人々を見やるデュガレス。
晴れ渡った空、燦々と輝く太陽の下、決闘者たちが次々と戦い始め、行き交う人々の視線を集める。
個性溢れる彼らのカードたちも、どこか生き生きしている。遊八にはそう感じられた。
「そりゃ世界中から集まってんだからな。だからほら…」
遊八の目の前にも、一人の少年が立ちはだかった。
「そこのお前! ボク様の最初の相手になってもらうのだ!」
(ボク様……)
『これはこれは、威勢のいい童が来よったのう』
歳は遊八より少し下。特徴的な一人称と、身なりから恐らく良いとこのお坊ちゃん。
中々キャラの濃さそうな人物だなぁ。などと思いながら少年に問いかける。
「構わないけど、理由を聞いてもいいかい?」
「ふふふ。良いのだ。それは……」
「それは?」
「女神様からのお告げなのだ!」
「は?」
勿体ぶって出てきたのが『女神様』とは……ふざけているのか、ヤバい奴なのか。
「ボク様は大真面目なのだ! 女神様から授かったカードで、必ず優勝するのだ!」
本人は至って真面目な様子。なんであれ、まだ時間はある。断る理由は無い。
遊八はデュエルディスクを装着し、名を名乗る。
「僕は築根遊八。君は?」
「
思ったより普通の名前だった。
「そ、よろしくな甲。お互い初戦、負けたら終わり、悔いの残らないデュエルにしよう」
「ボク様に負けは無いのだ」
よほど腕に自信があるようだ。出場者ならば当然なのだろうが。
「そうでなきゃ面白くない……その鼻っ柱、へし折ってやるよ」
『我は見守るとするかの。頑張るのだぞ、遊八』
「当然」
お互い準備万端。記念すべき最初のデュエルの開始だ。
「「デュエル!!」」
甲 vs 遊八
LP 4000 LP 4000
「ボク様の先行! ドロー!」
意気揚々とカードを引く。彼の実力やいかに……。
「〈アスピスクール〉を召喚するのだ!」
『アスピスクール』☆4 ATK/300
「待てやおい!」
召喚されたのは、なんとも言えない表情の魚。見ているだけで気が抜けそうだが、遊八はそれどころではなかった。
「なんなのだ。サレンダーには早すぎるのだ」
「あーいや、そのカードどこで手に入れた?」
気になったのは入手方法。
そう。この『アスピスクール』は、まだこの時代に無いカード。元ネタの魚は……どうだったか。遊八は覚えていない。が、とにかく存在しないカードが何故あるのか……。
「言ったのだ。女神様から授かったって。これはその一枚なのだ」
またしても女神様。遊八は頭を抱えたくなった。
「宗教勧誘はお断り願いたいんだけどなぁ」
「だから! ボク様は大真面目なのだ!」
このままでは進まなくなりそうなので、仕方なく受け入れる。もしかしたら、自分の見た夢と似た何かを経験したのだろう。そう考える事にした。
「わかった。止めてすまなかった。続けてくれ」
「ま、ボク様の心は海のように広いから、許してやるのだ」
「……」
色んな意味で面倒な相手に当たってしまったものだ。
「デュエルを続けるのだ。〈アスピスクール〉が召喚した時、手札からレベル6以下の魚族を特殊召喚するのだ。〈光鱗のトビウオ〉を特殊召喚!」
『光鱗のトビウオ』☆4 DEF/1000
「これでレベル4が2体。来るか?」
「その通り。見せてやるのだ。女神様から授かった、ボク様の最強カード!」
「……!」
早くも登場する切り札。未知なる存在に、警戒心が高まる。
「ボク様は! レベル4の〈アスピスクール〉と〈光鱗のトビウオ〉で、オーバーレイ! 2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! 現れよ〈No.52〉!」
煌びやかな甲殻を持つ、巨大な蟹が姿を現す。
「この姿、この輝き。これぞボク様に相応しいモンスター。〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉!」
『No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング』★4 DEF/3000
「……守備3000。しかもナンバーズか」
(本物か偽物か…デュガレス。よく観察してくれよ)
偽物であろうと、恐るべき力を持つカードだ。油断はできない。
「カードを2枚伏せてターンエンドなのだ。ふふふ…倒せるかな? ボク様のモンスターを」
「倒してやるさ。俺のターン!」
ナンバーズの登場により、負けられない理由が増えた。が、焦らず全力を尽くしに行く。
「ドロー!」
(もうちょい楽勝かと思ったんだけど、しゃあない)
「とにかくあまり手札が良くない。死んではないが、ささっと入れ替えるか。手札より2枚の魔法カードを発動する。〈手札抹殺〉、〈超再生能力〉」
単純な実力なら、そこらの相手には負けないつもりでいた。少しばかり慢心が芽生えていたかもしれないと、遊八は自覚し、改める。
足下を掬われてからでは遅い。ここで気づけて良かった。
「〈超再生能力〉は、手札から捨てられたドラゴン族と、手札・フィールドからリリースされたドラゴン族の数だけ、エンドフェイズにドローするカード。〈手札抹殺〉は、お互いに手札を全て捨て、その数ドローするカード。俺は4枚捨てる」
(これでエンド時三枚ドロー確定!)
「ボク様は2枚」
「「ドロー!!」」
速攻で手札を入れ替える。
「墓地の闇属性、〈ダークストーム・ドラゴン〉を除外して、〈輝白竜 ワイバースター〉を特殊召喚」
『輝白竜 ワイバースター』☆4 DEF/1800
「モンスターをセット。カードを1枚伏せてエンドフェイズ。〈超再生能力〉の効果。このターン捨てられたドラゴンは3体。よって3枚ドロー。ターンエンド」
守りを固め、ターンを渡す。
「やっぱりボク様のモンスターは倒せないようなのだ。ボク様のターン、ドロー!」
反撃が無かったからか、彼の自信は鰻上りだ。
「このまま押し切ってやるのだ。〈ウミノタウルス〉召喚!」
『ウミノタウルス』☆4 ATK/1700
「〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉の効果発動なのだ! ORUを一つ使い、守備力を0に、攻撃力を3000にする! 攻撃表示に変更!」
効果を使うと同時に、その鋏が巨大化する。
「バトル!〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉で〈ワイバースター〉を攻撃なのだ!」
巨大な鋏が竜を砕く。
「くっ、フィールドから墓地へ送られた〈ワイバースター〉の効果! デッキから〈暗黒竜 コラプサーペント〉を手札に加える。更に自分モンスターが戦闘で破壊されたことで〈異界の棘紫竜〉、それがドラゴン族だったため〈霊廟の守護者〉の効果発動!〈棘紫竜〉は手札から、〈霊廟の守護者〉は墓地から、自身を特殊召喚する!」
破壊をトリガーに、逆に展開する。
『異界の棘紫竜』☆5 ATK/2200
『霊廟の守護者』☆4 DEF/2100
「ぬぬっ、〈ウミノタウルス〉セットモンスターを攻撃!」
僅かにたじろいだが、勢いを削ぐには至らず、更なる攻撃を行う。しかし——。
「残念。俺のセットモンスターは——」
『蒼血鬼』☆4 DEF/1700
ウミノタウルスがその得物を振りかぶるも、飛び出した蒼き蝙蝠の牙が受け止め、破壊するには至らない。
「ぐぬぬ、仕方ないのだ。バトル終了。同時に〈ダイヤモンド・クラブ・キング〉は守備表示になるのだ。ターンエンド。攻撃力と守備力もここで元に戻るのだ」
鋏は元の大きさに戻り、頑強な甲羅を盾にするように構える。
「俺のターン、ドロー! よし、覚悟はいいな?」
「……?」
「そのナンバーズ。突破させてもらう!」
そう宣言する遊八。
彼の盤面は維持、どころか逆にカードが増えている。ここから一気に巻き返しに出る。
「〈ワイバースター〉を除外して、〈暗黒竜 コラプサーペント〉を特殊召喚。更に〈アステル・ドローン〉を召喚」
思い出される彩葉家の親子対決。あの怒涛の展開は、遊八に強い刺激を与えた。
(あれくらいのソリティアは、今だと中々できないけど、俺にも不可能じゃない)
「〈コラプサーペント〉、〈アステル・ドローン〉、〈霊廟の守護者〉でオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
(前世を思い出せ。効果を覚えて、組み合わせて、盤石の盤面を作り出す。以前からやってた事だ。負けてなんかいられるか!)
「降り立て! 友との絆、勇気の証!〈覚醒の勇士 ガガギゴ〉!」
『覚醒の勇士 ガガギゴ』★4 ATK/2950
勇ましき戦士、友情のカードが立つ。だが、まだまだこんなものでは終わらない。
「〈アステル・ドローン〉を素材にした事で、1枚ドロー! 更に手札の〈黄血鬼〉の効果! エクシーズ召喚した時、手札から特殊召喚!〈蒼血鬼〉の効果! 自分フィールドに存在するORUを取り除き、墓地のレベル4アンデット族を特殊召喚!〈紅血鬼〉!」
「まだやるのだ⁉︎」
三体素材の大型エクシーズを召喚したと言うのに、まだ展開する遊八に愕然とする甲。
「当っ然!」
交戦的な笑みで返す。勝利へのピースはまだ揃っていないのだから。
「〈蒼血鬼〉と〈黄血鬼〉でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 顕現せよ〈No.60〉! 時司りし悪魔よ、結ばれし契約の下、我が手に未来を齎さん!〈刻不知のデュガレス〉!」
『No.60 刻不知のデュガレス』★4 ATK/1200
『出番のようだな』
老練の悪魔。主からの号令により姿現す。
「一つだけ聞くよ。あのナンバーズは?」
『偽物』
「了解。デュエル続行」
軽いやり取りで終わる。どうせやる事は変わらないのだから。
「〈紅血鬼〉の効果! フィールドのORUを一つ、俺は〈クラブ・キング〉から取り除き、自身のレベルを一つ、攻撃力を300上げる! リバースカード〈リビングデッドの呼び声〉! 墓地の〈アステル・ドローン〉蘇生!」
「一体いつまでやるつもりなのだ…」
少し嫌になってきた甲。だがこれは勝負だ。どちらかが勝つまで終われない。
「君を倒せると確信するまで」
魔境OCG次元より、悪魔は来たる。
甲は恐怖した。
「〈アステル・ドローン〉は、エクシーズ素材とする時、レベルを5として扱える。俺は、レベル5の〈紅血鬼〉、〈異界の棘紫竜〉と、〈アステル・ドローン〉でオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 顕現せよ!〈No.5〉!」
噴き出す瘴気。亡者の世界より、死を呼ぶ竜が現れる。
「黄泉より出でよ朧なる竜! 亡者喰らいてその身一つに力束ねよ!」
『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』★5 ATK/3000
「攻撃力、3000…で、でもまだ並んだだけなのだ!」
「……〈アステル・ドローン〉を素材にしたのでドロー。〈ダブルサイクロン〉で〈リビデ〉と右の伏せを破壊……」
「ぎゃっ、ぐぅ。でもまだ1枚あるのだ!」
気丈に叫ぶ甲を無視して、遊八は考える。
(あれ? これデュガレスで攻撃力倍にすれば、ナンバーズ無視して勝てね? しかも今引いたこのカード。より確実になったぞ……)
ウミノタウルスを忘れていた遊八。脳内にて計算開始。
2950×2=5900 or 3000×2=6000
どちらも1700引いたところで4000を超える。
「スゥー…ごめん。やり過ぎた。ちょっと気分が昂っちゃって…へへ」
「へへ。じゃないのだ!」
怒り心頭。好き勝手やられればこうもなろう。遊八も流石に悪いと思った。
「てな訳で、一撃で仕留めてやる。〈デュガレス〉の効果発動!」
地に描かれる時計は、亡者束ねる竜に更なる力を授ける。
「ORUを二つ使い、俺のモンスター1体の攻撃力を倍にする。対象は〈デス・キマイラ〉!」
『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』ATK/3000→6000
「ひっ」
睨み付ける竜の眼。恐怖に震える甲。
「ごめんね。すぐ楽にしてあげるから。バトル!〈デス・キマイラ〉で〈ウミノタウルス〉を攻撃!」
そんなつもりは無いのだが、まるで悪役だ。
「ま、まだ負けないのだ! 罠発動!」
恐怖に抗い、罠を起動する。こちらは主人公陣営か。
「〈
(攻守逆転。あれ? この場合ってデス・キマイラの攻撃力どうなんだっけ? たーぶーん0だな。よし)
「速攻魔法発動!〈禁じられた聖槍〉!〈デス・キマイラ〉の攻撃力を800下げ、他の魔法・罠の効果を受けなくする」
「なっ! それじゃあ」
「攻守逆転はしない。対して〈ウミノタウルス〉はどうだ?」
『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』ATK/6000→5200
『ウミノタウルス』ATK/1700→1000
「あ、あぁ…」
「…ほんとごめん。攻撃続行! 喰らえ、〈デス・キマイラ〉!」
抵抗虚しく、ウミノタウルスは破壊される。
「うわああああああ!!!」
甲 LP 4000→0
YUYA WIN
「ナンバーズは貰ってくね」
気を失っている甲から、申し訳ない気分になりながらもナンバーズを回収。同時に甲が目を覚ます。
「ん、んん…はっ! ボク様は何を…確か女神様からのお告げを聞いて、何か貰った気が…そしたらデュエルして……負けた!」
(ナンバーズは記憶から抜けたか。んで一人称は素なんだね)
起き上がった甲は、WDC参加者の証であるハートピースを、遊八に手渡す。
「デュエルはボク様の負けなのだ。だからこれ、受け取るのだ」
「うん。確かに受け取った。これから先は、君の分も頑張るよ」
負けた者の思いも背負い、勝者は歩む。遊八のそれには罪悪感も混ざるが……。
「当然なのだ! ボク様に勝った以上は、勝ち残ってもらわないと気が済まないのだ!」
それだけ言って、踵を返す甲。
「お、おう。それじゃあな」
勢いに押されながらも、遊八は返事する。
と、甲が突然立ち止まり、振り返った。
「ボク様は強くなって、いつかお前にリベンジしてやるのだ! 首を洗って待っているのだーー!」
リベンジを力強く叫んで走り去って行く。将来が楽しみな決闘者だった。
『あれで心が折れぬか。まだまだ青いが、それ故期待が持てる。お主も足下を掬われんようにな』
「わかってるさ」
遊八もまたその場を後にする。一番の目的を果たすために。
(待ってろよアンナ。今日必ず、君との過去を清算する)
そういえばいた。あった。で負けた記憶はいくつもある。調子に乗りすぎてもまた同じく。
視野は広く、欲張りすぎず。これ大事。