遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』 作:ふわ×フワ
連続投稿四日目!
オリカの件、ありがとうございます。アンケートはまだしばらく置いておくので、まだの方も是非投票よろしくお願いします。
今私の脳内にある方針は三つ
一つ、オリカ無し
二つ、該当話の通常ver、オリカありverの二つを投稿
三つ、うるせー!知らねー!好きにやらせろぉ!
三は論外として、一か二のどっちになるでしょう。まあまだ先の話ですから、じっくりと考えるとします。
最後に、誤字報告や感想などなど、深く感謝申し上げます。
影との遭遇から少し経ち、遊八はあるホテルの外にいた。
「……なんで僕ぁここにいるのか。しかもここ、かなりお高い所じゃない? 外なのに落ち着かないよぉ」
『わかりきった事を聞くでない』
「そりゃそうなんだけどさぁ」
成美に引っ張られ、あれよあれよとここまで来てしまった。
「よくよく考えりゃおかしいよな。家事を学ぶってのに、わざわざ荷物持ってくるか? 最低限はもう持ってただろうし……」
教えるのは教えるのだが、その後普通に解散するものと思っていた。しかし、デュガレスに指摘されたのだ。『何故荷物を取りに戻るのか』と。
遊八には乙女の事情など、微塵もわからぬ。これまでそんな事を考える余裕など無かったのだから。故に何かあるのだろうと、軽く流していたのだが……。
「考えても考えても、多分すら出てこない。本当に家に泊まるつもりか?」
『今更取り消しなどできんだろう。受け入れるのだな。それとこれ、忘れ物だ』
前日の内に掃除を済ませていた事。遊八は心底安堵した。後はもうなるようになれだ。
「これ、パック…? あ、さっきの影か。つーか、デュガレス。折角話せるようになったのに、あんまり出てこないよな」
開催してすぐは周囲をよく観察していたし、ちょくちょく会話はあった。とはいえ、そう多くはなかったので、少し不思議に思っていた。
『アストラルと遊馬。彼らを側から見れば、他がどう思うかのう』
その身近な例は適切であった。
遊八やその友人たちは受け入れているが、彼ら…正確には遊馬の様子は、よくよく考えなくても変な人だ。
「見えない何かと話してりゃ、まあそうか……気遣いに感謝」
『うむ。まあ我が多少疲れるのもある』
通常とは異なる状況なため、まだ慣れていないとの事。
「あー、そっか。なんかごめん」
『なにを謝る必要がある。その自責思考。我にはどうにも理解が及ばぬな』
「これはもう癖みたいなもんだよ。前世からの……直せるなら直したいけどね」
大体前世の所為だ。
転生してから十余年。もう忘れている記憶はあれど、染みついた思考パターンは、簡単には無くせない。
『前世…か。見させてもらった。よくあの生き地獄を耐え抜いたものだ』
デュガレスが見た中に、彼の味方はいなかった。誰もが彼を貶めていた。それは、彼自身も同じだった。
一枚のカードが、その手に渡るまで……。
『あの環境を、デュエルモンスターズだけで乗り越えられるものだろうか…我は今でも信じられんよ』
唯一の味方、意思なき友。しかし彼を支えるのに十分とは、とても思えない。
「そりゃ辛かったさ。カードたちが無かったらと思うと……想像したくないね」
過去を想う。かつてのカードたちはどうなっただろうか……。
そこでふと、ある疑問が浮かぶ。
「ねぇデュガレス。僕の記憶にさ、カードをくれた人っていない?」
『おらなんだな。逆に聞くが、いると思うのか? ……待て、どういう事だ』
逆に問いかけ、その異質さに気づく。
「……だよな」
カードを与える人がいない。ならば、何故遊八は…前世の彼は、カードを持っていた?
「いたはずなんだよ。僕に優しくしてくれた人が、少なくとも一人は……そして、その人が俺の始まり。僕の希望になっていた…はずなんだ」
遊八の一人称。普段使う『僕』ともう一つ、主にデュエル中、自信が欲しい時に使う『俺』。
普通、こんな使い分けをするだろうか。全く無いとは、人生経験の少なさ故に断言できないのだが、彼の中では、目上の相手や畏まった場で使う『私』などとは、わけが違うように思えたのだ。
前世において、彼の意思の悉くは封殺され、自称する事など無かった。そんな彼は、何故一人称を二つ使い分けようと思ったのか。前世の記憶の穴から想像し、導き出した結論は——
『俺』と自称する、自信に溢れた強い味方がいた。
『なるほどのう。しかし、そんな大事な記憶を忘れるものか?』
「それもそうなんだよね。僕の人格形成に関わる記憶でかつ、あの地獄のような日々に齎された蜘蛛の糸。忘れようがないはずで、あった気がするのに、思い出せないんだ。モヤモヤが晴れないっていうか、なんていうか……」
遊戯王に初めて触れた時の記憶。カードに触れたその一瞬と感情だけでなく、もっとはっきりした情景まで思い出せれば、きっと気の所為だと思っただろう——彼の、生きる希望を生み出した時の記憶なのだから。
『(これは、隠された記憶がありそうだ。何者かが、意図的に隠した記憶が……)』
遊八を利用しようとする何者かがいる。この事実はほぼ確定と見ているデュガレス。未だ見当もつかない目的にも、彼の記憶の異変は関係ありそうと考える。
しかし、二人の考察の時間はここまでだ。
「お待たせしました。遊八君」
成美がホテルから出てきた。それを確認したデュガレスはカードの中、自らの精神世界に引っ込んだ。
「ん? ああ成美さん。いえ、お気になさらず……あの、確認なんですけど——」
瞬時に平時の調子に戻って、気になっていた事を聞こうとする。
——その時である!
「成美さん——っ!」
謎の砲弾が遊八の目の前に着弾! 生存本能的な何かによって間一髪、成美を庇い爆発を回避した!
「なにがっ——」
瞬間、脳裏に過ぎる前世で見たアニメの記憶。
周囲を確認して、ある人物を探す。
(遊馬は! 小鳥は! 空を見ればアンナの姿が見えやしないか!)
爆煙が邪魔でよく見えない。とりあえず成美が無事かを確認する。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ。ですが、今度は何が……」
怪我は無い。一先ずホッとした。
「僕にも何が何だか……とりあえず移動を——っ⁉︎」
再び砲撃。
「成美さん! こっち!」
「あっ…はい!」
成美の手を取り、逃げる。
(どういうこったよ! もしこれがアンナの仕業なら、軽い原作崩壊だなぁ!)
本来なら、神月アンナの襲撃を受けるのは遊馬のはず。それが崩れ自分に向かうのは、遊八としては都合が良いが、巻き込まれる人がいるなら話は別だ。
「待てえぇぇ! こらあぁぁ!」
声が聞こえる。性別は女。聞いたこともある。これは確定だ。
「だったらその物騒な砲撃を止めてくれませんかねえ!」
「断る!」
何度目かの砲撃。どうにか合間を縫って避ける。
「ああああもう! なんでだよおおおおお!」
逃げる。逃げる。逃げる。遊馬たちを見つける。巻き込む。逃げる。
「ごめん遊馬! 小鳥!」
「なあ! これは一体何なんだよ!」
「……一つ、僕は今狙われている。二つ、たまたま遊馬を見かけた。三つ、申し訳程度の軌道修正」
訳がわからなかった。遊馬たちからすれば、理不尽でしかない。
言っておくと遊八もよくわかってない。原作に無いこの事態。何故自分なのかの答えが知りたい。
「お詫びはする! だから僕を見捨てないでくれ! 支えが欲しい!」
「遊八君! 多分足枷を増やしただけです!」
表現が悪いが、巻き込んだのは悪手だと言っている。
「大丈夫! 遊馬くんは自分の身を守れるし! 小鳥ちゃんは遊馬が守る!」
勝手な事を言う。内心パニックなのは理解するが、擁護は難しい。
「あ、貴方は?」
「星守成美です!」
簡潔に自己紹介。
「俺を無視するなあああ!」
フライングランチャーの砲撃。
「はあい! 少し呑気過ぎましたあ!」
正直言って泣きたい遊八だった。
……
「はぁ、はぁ……ここまで来れば——」
「そこまでだぜ! お前たちはもう逃げら——うわっとと…うわあっ!」
落ちた。バランスを崩して、フライングランチャーから。
「うん、知ってた」
流石に、空を駆ける相手からの逃走は無茶であった。
「いってて…もう逃さないぜ! 覚悟はいいか!」
「いや、ごめん。全然理解できない。どうしてこうなった?」
「相変わらず往生際が悪いな。九十九遊馬!」
「え、俺ぇ⁉︎」
唐突に名前を呼ばれた遊馬。
「違う! お前じゃねぇ!」
しかし人違いらしい……。
「僕…なんだね?」
「そうだ! お前だ遊馬!」
……沈黙が走る。
「僕遊八。築根遊八」
「え?……あ」
またしても沈黙。
(もしかして、名前だけ間違てるパターン……?)
この隙に、大きく息を吐き出しながら原作でデュエルしていた場所だと確認。
「で、なんで僕は狙われたのさ。神月アンナ……」
自分に注目させた上で、理由を問う。
「神月アンナ?」
「あっほら、いたじゃない。神月アンナ。二年前に転校しちゃったけど、いつも男子と喧嘩して、いじめられてた子を守ってた。あのアンナよ」
「そんな奴いたっけ?」
思い出した小鳥と、ピンと来てない遊馬。アンナはちょっとイラついた。が、一旦堪えて問いに答える。
「決まってるぜ。復讐だよ!」
「「復讐?」」
小鳥遊コンビに浮かぶ疑問符。
「築根遊八! 俺は、お前のことが……す、スキ……ゴニョゴニョ」
「……なんて?」
真面目に聞こえなかったので聞き返す。
理由を知っているなら聞かなくたって。そう思うだろうが、詳細にまで変化がない事を確認したいだけなのだ。
「だから! お前のことが、ダイスキ…なんだよ!」
「もしかして」
「あの子は」
小鳥、成美の二人は何か察した様子。
「あーもうなんなんだぁ」
遊八は頭を抱えたくなった。細かい展開、セリフの一つ一つを覚えてなどいないので、致命的な勘違いをしてやいないか不安なのだ。
そして明かされるアンナの想い……と嫌がらせとしか言えない行為の数々。
靴を接着剤で固める。 Dパッドに落書きする。水着に切れ目を入れる。おにぎりに石を入れる。
「はー、そうですか……」
『これが人間の愛情か。私の理解を超えている』
この場で唯一の部外者である成美は、アンナの心情を察しつつも、額を押さえ天を仰ぐ。
アストラルは、この愛の形を理解できず首を振る。
(やっぱひでぇ内容だわ。最後のとか歯ぁ折れるかと思ったよ。思っくそ泣いたからね)
眉間を押さえて、苦い表情の遊八。
あの頃は、今より全然弱かったなぁ。などと思い返す。そんな遊八に、アンナの苛立ちは高まる。
告白は続く。
転校が決まり、アンナは遊八に告白しようと呼び出したのだが……。
「お前は来なかった…俺の気持ちは知っていたくせに……」
「いやそれは(アニメ知識が無かったら)知らなかった」
「嘘だ!」
「本当だよ! むしろそれで好かれてるなんて、どうすれば思えるのさ!」
次に内心を明かすのは遊八。
「僕はさ、あれ凄く嫌だった…アピールの方な」
「——っ!」
正面からぶつけられた言葉に、アンナはショックを受ける。
薄らとした知識は、アンナの行動全てを予測するには足りなかった。そもそも人生のやり直しに必死だった当時の遊八は、そこまで意識が行かず、最初の嫌がらせで深く傷ついた。後に思い返して、ようやくアンナの好意を思い出したのだ。
「何でこんな事されなきゃいけないんだろうって、僕が何をしたんだって、そう思ってた」
胸を抑え、当時の感情を呼び起こす。今でも苦しくて、泣きそうになる。トラウマが疼く。
その思いはアンナに届いているはずだ。彼女は、ハッとした表情をして、俯いた。
「アンナの話を聞いて、今もう一度考えれば、僕の気を惹こうとしたんだろうなってわかるけど。あの時はそんな事、考えつきもしなかった」
アンナは真っ直ぐな性格をしている。だから真っ直ぐぶつけた。それが最適だと確信しているから。
「それだけ僕は辛かった。苦しかったんだよ」
「それは……っ、ごめん…なさい……」
そんなつもりじゃないのは、遊八も理解している。アンナの申し訳なさそうな顔を見て、今すぐにでも許して終わりにしたい気持ちになる。けれど、ここで終わらせるにはまだ、足りなかった。
「アンナ」
「……なんだ?」
「デュエルだ」
過去に決着をつけるため設定した目標は、アンナを……恐怖を超える事。そのために、この世界らしくデュエルで決着をつけ、その中で分かりあおうと決めていた。
自分勝手かもしれない。それでも今は、自分の思いを貫き通す。
「デュエル?」
「うん。アンナの気持ちはわかった。僕を傷つける気が無いのも、今は知ってる。ごめんなさいも聞いた。僕はそれを受け入れたい」
ただ、と付け加え、一呼吸する。
「まだ許すには、僕の心が追いついてない。だからデュエル。僕が好きなのは、知ってるでしょ?」
「ああ。だから俺もデュエルを始めた……」
「なら丁度いいや……アンナ。もう一度言う。デュエルだ。元々アンナの目的は僕への復讐。僕をぶちのめすには絶好の機会。復讐するなら、デュエルでしろ!」
やはりデュエル。デュエルは全てを解決する。
焼け石に水だが、展開を大きく崩さないためでもあった。
「わけわかんない……」
小鳥は呟く。デュエルで復讐という展開に、理解が及ばなかった。
「遊八…けど……」
自分の行動の結果、想い人の心に傷がついた。その事実が、アンナの調子を崩していた。
「あの時、僕が行かなかったから傷ついたんでしょ?」
「……っ、そうだ」
遊八の思いに押し返されたが、あの怒りはまだ完全には消えていない。
「でもまだ僕は謝ってないし、今は謝る気は無い! つまり、その怒りは正当なものだ」
謝罪の意が無い事を強調した発言。
「まさか、わざと怒らせている?」
そこに違和感を感じたのは成美。出会って間もないが、遊八はこんな事を言う人とは思えなかった。
「何でそんな事を?」
「そうだぜ。またあんな風に追いかけられたくねぇよ」
意図を読めない。成美は考える。
「デュエルは嘘をつきません。デッキ、そしてプレイングには、その人の心が表れます」
『デュエルでわかり合おう。と言うことか』
「そっか! デュエルをすれば、みんな仲間だからな!」
合点がいったように声を上げる遊馬。
「まったく、遊馬ったら…」
発言こそ呆れているが、そうなら嬉しい。と思っている小鳥。
「みんな仲間……なるほど。まさにそれでしょうね」
遊八とのデュエルを思い出す成美。全力を尽くし、観衆たち含め皆を笑顔にした、あのデュエルを……。
(尤も、ここまでする必要があるかと言うと……いえ、遊八君なりの考えがあるのでしょう。私は部外者です。余計な口出しは無用、としましょう)
遊八の発言を受けて、アンナの怒りが沸々と蘇りつつある。自分の悪い部分は認識した。しかし——
『謝る気は無い!』
自分の思いを汲み取ってくれなかったのだ。謝った自分がバカらしく思えた。
アンナの心にエンジンがかかる。
「そうだな……いいぜ! その代わり、俺が勝ったら、お前は俺がもらう!」
「お、おう……」
怒りに燃えても、好意は消えていないようだった。まあ想定内だ。原作通りの提案であるから。多分。
「ふぅ、いいよ! じゃあ僕が勝ったら、うーん……あ、そうだぁ! あれだ! 付き合ってもらおっかな」
その言葉を咀嚼するアンナ。すると——
「……へ⁉︎」
ボンっ! と、顔が赤くなった。
「あ、無自覚ですね。間違い無いです」
「はぁ、遊八君ってば……」
遊八の発言に、アンナの想像する意図は無い。それに気づいた女子たちは呆れた。
因みに遊馬は、その横で疑問符を浮かべている。
「ん? 僕、何かおかしな事言ったか?まぁいいや」
アンナの勘違いに気づかず、遊八は挑発するように最後の一言を叫んだ。とびっきりの宣戦布告を。
「僕は君に勝つ! 絶対ね」
話数が20を過ぎて、ようやく登場神月アンナ。
遊八君。たまに思い出したようにしか名前を出さないから、いきなり感はある。もっと描写しろと、そう言いたい…書くの私だ……。
力量不足を感じる。だが言い訳はしない。この事実を受け止め、それでも続けて行くんです。私の二次創作ライフを。
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