遊戯王ZEXAL 転生決闘者『築根ゆうや』   作:ふわ×フワ

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 連続投稿四日目!

 オリカの件、ありがとうございます。アンケートはまだしばらく置いておくので、まだの方も是非投票よろしくお願いします。
 今私の脳内にある方針は三つ
 一つ、オリカ無し
 二つ、該当話の通常ver、オリカありverの二つを投稿
 三つ、うるせー!知らねー!好きにやらせろぉ!
 三は論外として、一か二のどっちになるでしょう。まあまだ先の話ですから、じっくりと考えるとします。

 最後に、誤字報告や感想などなど、深く感謝申し上げます。



No.21 爆走列車襲来⁉︎

 

      

 影との遭遇から少し経ち、遊八はあるホテルの外にいた。

 

「……なんで僕ぁここにいるのか。しかもここ、かなりお高い所じゃない? 外なのに落ち着かないよぉ」

 

『わかりきった事を聞くでない』

 

「そりゃそうなんだけどさぁ」

 

 成美に引っ張られ、あれよあれよとここまで来てしまった。

 

「よくよく考えりゃおかしいよな。家事を学ぶってのに、わざわざ荷物持ってくるか? 最低限はもう持ってただろうし……」

 

 教えるのは教えるのだが、その後普通に解散するものと思っていた。しかし、デュガレスに指摘されたのだ。『何故荷物を取りに戻るのか』と。

 遊八には乙女の事情など、微塵もわからぬ。これまでそんな事を考える余裕など無かったのだから。故に何かあるのだろうと、軽く流していたのだが……。

 

「考えても考えても、多分すら出てこない。本当に家に泊まるつもりか?」

 

『今更取り消しなどできんだろう。受け入れるのだな。それとこれ、忘れ物だ』

 

 前日の内に掃除を済ませていた事。遊八は心底安堵した。後はもうなるようになれだ。

 

「これ、パック…? あ、さっきの影か。つーか、デュガレス。折角話せるようになったのに、あんまり出てこないよな」

 

 開催してすぐは周囲をよく観察していたし、ちょくちょく会話はあった。とはいえ、そう多くはなかったので、少し不思議に思っていた。

 

『アストラルと遊馬。彼らを側から見れば、他がどう思うかのう』

 

 その身近な例は適切であった。

 遊八やその友人たちは受け入れているが、彼ら…正確には遊馬の様子は、よくよく考えなくても変な人だ。

 

「見えない何かと話してりゃ、まあそうか……気遣いに感謝」

 

『うむ。まあ我が多少疲れるのもある』

 

 通常とは異なる状況なため、まだ慣れていないとの事。

 

「あー、そっか。なんかごめん」

 

『なにを謝る必要がある。その自責思考。我にはどうにも理解が及ばぬな』

 

「これはもう癖みたいなもんだよ。前世からの……直せるなら直したいけどね」

 

 大体前世の所為だ。

 転生してから十余年。もう忘れている記憶はあれど、染みついた思考パターンは、簡単には無くせない。

 

『前世…か。見させてもらった。よくあの生き地獄を耐え抜いたものだ』

 

 デュガレスが見た中に、彼の味方はいなかった。誰もが彼を貶めていた。それは、彼自身も同じだった。

 一枚のカードが、その手に渡るまで……。

 

『あの環境を、デュエルモンスターズだけで乗り越えられるものだろうか…我は今でも信じられんよ』

 

 唯一の味方、意思なき友。しかし彼を支えるのに十分とは、とても思えない。

 

「そりゃ辛かったさ。カードたちが無かったらと思うと……想像したくないね」

 

 過去を想う。かつてのカードたちはどうなっただろうか……。

 そこでふと、ある疑問が浮かぶ。

 

「ねぇデュガレス。僕の記憶にさ、カードをくれた人っていない?」

 

『おらなんだな。逆に聞くが、いると思うのか? ……待て、どういう事だ』

 

 逆に問いかけ、その異質さに気づく。

 

「……だよな」

 

 カードを与える人がいない。ならば、何故遊八は…前世の彼は、カードを持っていた?

 

「いたはずなんだよ。僕に優しくしてくれた人が、少なくとも一人は……そして、その人が俺の始まり。僕の希望になっていた…はずなんだ」

 

 遊八の一人称。普段使う『僕』ともう一つ、主にデュエル中、自信が欲しい時に使う『俺』。

 普通、こんな使い分けをするだろうか。全く無いとは、人生経験の少なさ故に断言できないのだが、彼の中では、目上の相手や畏まった場で使う『私』などとは、わけが違うように思えたのだ。

 前世において、彼の意思の悉くは封殺され、自称する事など無かった。そんな彼は、何故一人称を二つ使い分けようと思ったのか。前世の記憶の穴から想像し、導き出した結論は——

 

 『俺』と自称する、自信に溢れた強い味方がいた。

 

『なるほどのう。しかし、そんな大事な記憶を忘れるものか?』

 

「それもそうなんだよね。僕の人格形成に関わる記憶でかつ、あの地獄のような日々に齎された蜘蛛の糸。忘れようがないはずで、あった気がするのに、思い出せないんだ。モヤモヤが晴れないっていうか、なんていうか……」

 

 遊戯王に初めて触れた時の記憶。カードに触れたその一瞬と感情だけでなく、もっとはっきりした情景まで思い出せれば、きっと気の所為だと思っただろう——彼の、生きる希望を生み出した時の記憶なのだから。

 

『(これは、隠された記憶がありそうだ。何者かが、意図的に隠した記憶が……)』

 

 遊八を利用しようとする何者かがいる。この事実はほぼ確定と見ているデュガレス。未だ見当もつかない目的にも、彼の記憶の異変は関係ありそうと考える。

 しかし、二人の考察の時間はここまでだ。

 

「お待たせしました。遊八君」

 

 成美がホテルから出てきた。それを確認したデュガレスはカードの中、自らの精神世界に引っ込んだ。

 

「ん? ああ成美さん。いえ、お気になさらず……あの、確認なんですけど——」

 

 瞬時に平時の調子に戻って、気になっていた事を聞こうとする。

 

 ——その時である!

 

「成美さん——っ!」

 

 謎の砲弾が遊八の目の前に着弾! 生存本能的な何かによって間一髪、成美を庇い爆発を回避した!

 

「なにがっ——」

 

 瞬間、脳裏に過ぎる前世で見たアニメの記憶。

 周囲を確認して、ある人物を探す。

 

(遊馬は! 小鳥は! 空を見ればアンナの姿が見えやしないか!)

 

 爆煙が邪魔でよく見えない。とりあえず成美が無事かを確認する。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え、ええ。ですが、今度は何が……」

 

 怪我は無い。一先ずホッとした。

 

「僕にも何が何だか……とりあえず移動を——っ⁉︎」

 

 再び砲撃。

 

「成美さん! こっち!」

 

「あっ…はい!」

 

 成美の手を取り、逃げる。

 

(どういうこったよ! もしこれがアンナの仕業なら、軽い原作崩壊だなぁ!)

 

 本来なら、神月アンナの襲撃を受けるのは遊馬のはず。それが崩れ自分に向かうのは、遊八としては都合が良いが、巻き込まれる人がいるなら話は別だ。

 

「待てえぇぇ! こらあぁぁ!」

 

 声が聞こえる。性別は女。聞いたこともある。これは確定だ。

 

「だったらその物騒な砲撃を止めてくれませんかねえ!」

 

「断る!」

 

 何度目かの砲撃。どうにか合間を縫って避ける。

 

「ああああもう! なんでだよおおおおお!」

 

 逃げる。逃げる。逃げる。遊馬たちを見つける。巻き込む。逃げる。

 

「ごめん遊馬! 小鳥!」

 

「なあ! これは一体何なんだよ!」

 

「……一つ、僕は今狙われている。二つ、たまたま遊馬を見かけた。三つ、申し訳程度の軌道修正」

 

 訳がわからなかった。遊馬たちからすれば、理不尽でしかない。

 言っておくと遊八もよくわかってない。原作に無いこの事態。何故自分なのかの答えが知りたい。

 

「お詫びはする! だから僕を見捨てないでくれ! 支えが欲しい!」

 

「遊八君! 多分足枷を増やしただけです!」

 

 表現が悪いが、巻き込んだのは悪手だと言っている。

 

「大丈夫! 遊馬くんは自分の身を守れるし! 小鳥ちゃんは遊馬が守る!」

 

 勝手な事を言う。内心パニックなのは理解するが、擁護は難しい。

 

「あ、貴方は?」

 

「星守成美です!」

 

 簡潔に自己紹介。

 

「俺を無視するなあああ!」

 

 フライングランチャーの砲撃。

 

「はあい! 少し呑気過ぎましたあ!」

 

 正直言って泣きたい遊八だった。

 

 

……

 

 

「はぁ、はぁ……ここまで来れば——」

 

「そこまでだぜ! お前たちはもう逃げら——うわっとと…うわあっ!」

 

 落ちた。バランスを崩して、フライングランチャーから。

 

「うん、知ってた」

 

 流石に、空を駆ける相手からの逃走は無茶であった。

 

「いってて…もう逃さないぜ! 覚悟はいいか!」

 

「いや、ごめん。全然理解できない。どうしてこうなった?」

 

「相変わらず往生際が悪いな。九十九遊馬!」

 

「え、俺ぇ⁉︎」

 

 唐突に名前を呼ばれた遊馬。

 

「違う! お前じゃねぇ!」

 

 しかし人違いらしい……。

 

「僕…なんだね?」

 

「そうだ! お前だ遊馬!」

 

 ……沈黙が走る。

 

「僕遊八。築根遊八」

 

「え?……あ」

 

 またしても沈黙。

 

(もしかして、名前だけ間違てるパターン……?)

 

 この隙に、大きく息を吐き出しながら原作でデュエルしていた場所だと確認。

 

「で、なんで僕は狙われたのさ。神月アンナ……」

 

 自分に注目させた上で、理由を問う。

 

「神月アンナ?」

 

「あっほら、いたじゃない。神月アンナ。二年前に転校しちゃったけど、いつも男子と喧嘩して、いじめられてた子を守ってた。あのアンナよ」

 

「そんな奴いたっけ?」

 

 思い出した小鳥と、ピンと来てない遊馬。アンナはちょっとイラついた。が、一旦堪えて問いに答える。

 

「決まってるぜ。復讐だよ!」

 

「「復讐?」」

 

 小鳥遊コンビに浮かぶ疑問符。

 

「築根遊八! 俺は、お前のことが……す、スキ……ゴニョゴニョ」

 

「……なんて?」

 

 真面目に聞こえなかったので聞き返す。

 理由を知っているなら聞かなくたって。そう思うだろうが、詳細にまで変化がない事を確認したいだけなのだ。

 

「だから! お前のことが、ダイスキ…なんだよ!」

 

「もしかして」

「あの子は」

 

 小鳥、成美の二人は何か察した様子。

 

「あーもうなんなんだぁ」

 

 遊八は頭を抱えたくなった。細かい展開、セリフの一つ一つを覚えてなどいないので、致命的な勘違いをしてやいないか不安なのだ。

 

 そして明かされるアンナの想い……と嫌がらせとしか言えない行為の数々。

 

 靴を接着剤で固める。 Dパッドに落書きする。水着に切れ目を入れる。おにぎりに石を入れる。

 

「はー、そうですか……」

 

『これが人間の愛情か。私の理解を超えている』

 

 この場で唯一の部外者である成美は、アンナの心情を察しつつも、額を押さえ天を仰ぐ。

 アストラルは、この愛の形を理解できず首を振る。

 

(やっぱひでぇ内容だわ。最後のとか歯ぁ折れるかと思ったよ。思っくそ泣いたからね)

 

 眉間を押さえて、苦い表情の遊八。

 あの頃は、今より全然弱かったなぁ。などと思い返す。そんな遊八に、アンナの苛立ちは高まる。

 告白は続く。

 

 転校が決まり、アンナは遊八に告白しようと呼び出したのだが……。

 

「お前は来なかった…俺の気持ちは知っていたくせに……」

 

「いやそれは(アニメ知識が無かったら)知らなかった」

 

「嘘だ!」

 

「本当だよ! むしろそれで好かれてるなんて、どうすれば思えるのさ!」

 

 次に内心を明かすのは遊八。

 

「僕はさ、あれ凄く嫌だった…アピールの方な」

 

「——っ!」

 

 正面からぶつけられた言葉に、アンナはショックを受ける。

 薄らとした知識は、アンナの行動全てを予測するには足りなかった。そもそも人生のやり直しに必死だった当時の遊八は、そこまで意識が行かず、最初の嫌がらせで深く傷ついた。後に思い返して、ようやくアンナの好意を思い出したのだ。

 

「何でこんな事されなきゃいけないんだろうって、僕が何をしたんだって、そう思ってた」

 

 胸を抑え、当時の感情を呼び起こす。今でも苦しくて、泣きそうになる。トラウマが疼く。

 その思いはアンナに届いているはずだ。彼女は、ハッとした表情をして、俯いた。

 

「アンナの話を聞いて、今もう一度考えれば、僕の気を惹こうとしたんだろうなってわかるけど。あの時はそんな事、考えつきもしなかった」

 

 アンナは真っ直ぐな性格をしている。だから真っ直ぐぶつけた。それが最適だと確信しているから。

 

「それだけ僕は辛かった。苦しかったんだよ」

 

「それは……っ、ごめん…なさい……」

 

 そんなつもりじゃないのは、遊八も理解している。アンナの申し訳なさそうな顔を見て、今すぐにでも許して終わりにしたい気持ちになる。けれど、ここで終わらせるにはまだ、足りなかった。

 

「アンナ」

 

「……なんだ?」

 

「デュエルだ」

 

 過去に決着をつけるため設定した目標は、アンナを……恐怖を超える事。そのために、この世界らしくデュエルで決着をつけ、その中で分かりあおうと決めていた。

 自分勝手かもしれない。それでも今は、自分の思いを貫き通す。

 

「デュエル?」

 

「うん。アンナの気持ちはわかった。僕を傷つける気が無いのも、今は知ってる。ごめんなさいも聞いた。僕はそれを受け入れたい」

 

 ただ、と付け加え、一呼吸する。

 

「まだ許すには、僕の心が追いついてない。だからデュエル。僕が好きなのは、知ってるでしょ?」

 

「ああ。だから俺もデュエルを始めた……」

 

「なら丁度いいや……アンナ。もう一度言う。デュエルだ。元々アンナの目的は僕への復讐。僕をぶちのめすには絶好の機会。復讐するなら、デュエルでしろ!」

 

 やはりデュエル。デュエルは全てを解決する。

 焼け石に水だが、展開を大きく崩さないためでもあった。

 

「わけわかんない……」

 

 小鳥は呟く。デュエルで復讐という展開に、理解が及ばなかった。

 

「遊八…けど……」

 

 自分の行動の結果、想い人の心に傷がついた。その事実が、アンナの調子を崩していた。

 

「あの時、僕が行かなかったから傷ついたんでしょ?」

 

「……っ、そうだ」

 

 遊八の思いに押し返されたが、あの怒りはまだ完全には消えていない。

 

「でもまだ僕は謝ってないし、今は謝る気は無い! つまり、その怒りは正当なものだ」

 

 謝罪の意が無い事を強調した発言。

 

「まさか、わざと怒らせている?」

 

 そこに違和感を感じたのは成美。出会って間もないが、遊八はこんな事を言う人とは思えなかった。

 

「何でそんな事を?」

 

「そうだぜ。またあんな風に追いかけられたくねぇよ」

 

 意図を読めない。成美は考える。

 

「デュエルは嘘をつきません。デッキ、そしてプレイングには、その人の心が表れます」

 

『デュエルでわかり合おう。と言うことか』

 

「そっか! デュエルをすれば、みんな仲間だからな!」

 

 合点がいったように声を上げる遊馬。

 

「まったく、遊馬ったら…」

 

 発言こそ呆れているが、そうなら嬉しい。と思っている小鳥。

 

「みんな仲間……なるほど。まさにそれでしょうね」

 

 遊八とのデュエルを思い出す成美。全力を尽くし、観衆たち含め皆を笑顔にした、あのデュエルを……。

 

(尤も、ここまでする必要があるかと言うと……いえ、遊八君なりの考えがあるのでしょう。私は部外者です。余計な口出しは無用、としましょう)

 

 

 遊八の発言を受けて、アンナの怒りが沸々と蘇りつつある。自分の悪い部分は認識した。しかし——

 

『謝る気は無い!』

 

 自分の思いを汲み取ってくれなかったのだ。謝った自分がバカらしく思えた。

 アンナの心にエンジンがかかる。

 

「そうだな……いいぜ! その代わり、俺が勝ったら、お前は俺がもらう!」

 

「お、おう……」

 

 怒りに燃えても、好意は消えていないようだった。まあ想定内だ。原作通りの提案であるから。多分。

 

「ふぅ、いいよ! じゃあ僕が勝ったら、うーん……あ、そうだぁ! あれだ! 付き合ってもらおっかな」

 

 その言葉を咀嚼するアンナ。すると——

 

「……へ⁉︎」

 

 ボンっ! と、顔が赤くなった。

 

「あ、無自覚ですね。間違い無いです」

 

「はぁ、遊八君ってば……」

 

 遊八の発言に、アンナの想像する意図は無い。それに気づいた女子たちは呆れた。

 因みに遊馬は、その横で疑問符を浮かべている。

 

「ん? 僕、何かおかしな事言ったか?まぁいいや」

 

 アンナの勘違いに気づかず、遊八は挑発するように最後の一言を叫んだ。とびっきりの宣戦布告を。

 

「僕は君に勝つ! 絶対ね」

 





 話数が20を過ぎて、ようやく登場神月アンナ。
 遊八君。たまに思い出したようにしか名前を出さないから、いきなり感はある。もっと描写しろと、そう言いたい…書くの私だ……。

 力量不足を感じる。だが言い訳はしない。この事実を受け止め、それでも続けて行くんです。私の二次創作ライフを。

オリカ使用はOK?

  • 絶対に許さねえ!ドン・サウザンドォ!
  • 我が事実を、書き換えた(敵のみ)
  • リ・コントラクトユニバース!(味方のみ)
  • 最強決闘者の決闘は全て必然(創造OK)
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