少年漫画のラスボスになったので異世界堪能します 作:Revak
「あ、あった」
翌日の冒険者ギルドにて。
ツルギは掲示板を前にある依頼を探していた。
そして目的の依頼を見つけ依頼書をもって受付に進む。
「すみません、この依頼を受けたいんですが……」
「護衛依頼ですね。少々お待ちください」
ツルギが持ってきたのはノートというノルドレイン連邦の国境の街への護衛依頼だ。
この依頼を受けることで一気にノルドレイン連邦に行こうと思っているのだ。
「この依頼ですとパスポートが必要になります。お持ちになっていますか?」
「え」
ツルギはまさか異世界に来てパスポートが居るとは思わず硬直した。
「その様子だともって無いようですね。この依頼は明日開始なので今日のうちにパスポートを取得してください。一時間もあれば取得できますよ」
「わかりました、ありがとうございます」
ツルギは礼を言う。
依頼の受注処理を終わらせ必要な物と明日行く場所を聞いたツルギはギルドを出た。
最初に向かうのは市役所だ。パスポートがなければ国外に行けないのだ。
ギルドを出て二十分ほど歩くと市役所に着く。
市役所の形は見慣れた物だ。
ガラスの自動ドア──当然
入口近くの相談カウンターで「パスポートが欲しいんですが」と伝える。
「それでしたら七番窓口ですね。あちらにお進みください」
「ありがとうございます」
礼を言ってツルギは七番窓口に進む。
「すみません、ノルドレイン連邦用のパスポートが欲しいんですが……」
「パスポートですね。念のために確認いたしますが旅行もしくは就業用でお間違いないですか?」
「あー、えっとノルドレイン連邦に移住するようなことをしたいので……」
「でしたら移住用パスポートになります。千セラになります」
「わかりました」
この世界、割と移住だとか旅行に関しては緩い。
といってもそれは冒険者に対してであり一般人が旅行や他国への移住をしようとすると結構な手間がかかる。
ツルギも高位の冒険者なので問題なく出来るわけだ。
(あとは寝床とか食料品だな……)
買う物が多いな、とツルギは辟易しながら買い物に挑んだ。
■
「あなたが依頼を受けてくれた冒険者ですね」
翌日の朝。グラートの街の門の外にツルギは着ていた。
そこには多数の冒険者たちと商人一行が居た。
商人のリーダー各は異形種の女だ。種族名はカプレシアという。
頭に山羊の角が生え尾骶骨からは先端がハートマークの黒いしっぽが生えている。
特徴上げるならば黒髪赤目のとんでもない美女だ。ミハカノシノツルギも美女といえるがそれを上回る美貌を持つ。
この国最高位の美女といわれても納得できてしまうような外見を有していた。
あと体が性的に美しい。
「初めまして、私はクリス。この甘楽団のリーダーです」
「えっと、ミハカノシノツルギです。長いのでツルギでどうぞ」
「よろしくお願いします。ツルギさん。紹介しましょう。このキャラバンを護衛する冒険者のリーダーの」
「リザードだ。よろしく頼むよ」
リザードは亜人種の男だ。
バステルという亜人種であり猫をそのまま二足歩行させたような外見をしている。
身長は百七十五センチほど。がたいのよい戦士であった。
バステルは
余談だがバステルは生まれた時の月齢で外見が変わるという特性を持つ。
リザードは鉄級冒険者だ。
レベルは最低でも十を超えていることになる。
(もふりてぇ……)
ツルギは二足歩行する巨大な猫という存在を前にもふもふしたくなった。
ツルギは猫派であった。
「あ、とよろしくお願いします」
ツルギは小さく頭を下げた。
「さぁ出発しよう。準備は出来ているか?」
「大丈夫です」
準備といってもツルギの場合は変えの服を用意するぐらいしかすることがない。
食事も睡眠も呼吸も疲労も無効なので二十四時間三百六十五日休まず歩き続けることも出来るのだ。
この世界には魔車というのがある。
馬ではなくモンスターに引かせる馬車の事で引いているのはモンスターの一種のスレイプニルだ。
八つ足の馬であり能力は馬の八倍の癖に食事量は八分の一で済むという飛んでも種族だ。
非常に高く一頭で家が買えるぐらいには高い。
それが二頭。荷台を引いている。
他に荷台が三台あり合計四つの荷台があった。
ほかの荷台は馬が引いている。
「さぁ、行きましょう」
クリスがそういうと魔車の御者台に乗って運転を始める。
荷物が多いため移動速度は十五キロ程度だ。
普通の人間の足ならついていけないがこの世界の冒険者は鍛えてるため余裕でついていける。ツルギも当然ついていけている。
それどころか追い越さないように注意して進む。
一週間歩き続けた後宿場町に一泊しその後また一週間歩くことでノートに辿り着く。
気を引き締めていこう。
そう思い気合を入れてツルギは進んでいった。
■
──何もなかった。
丸一日歩き続けたが特に何もなかった。
モンスターの襲撃も馬車のトラブルも何もなかった。
そして夕方になり一行は野営することになった。
「ツルギは初めての野営だろう? 一人で出来るか?」
リザードが心配そうに話しかけてきた。
「大丈夫です。説明書付きの野営セット買ったので」
「おお、ちょっといい奴じゃないか」
ツルギが買ったのは七万ほどのキャンプセットだ。
使い方も店員に聞いたので設置方法はわかる。
「え~と……」
ツルギは下の手で説明書を開き上の手でテントを設置していく。
てきぱきと手際よく設置する。ミハカノシノツルギの技能はこんなところでも役に立った。
「晩飯はどうする?」
リザードが問いかけてくる。
「ご一緒してもいいですか?」
「ああ、構わないとも。短い間とはいえ旅の仲間なのだから」
「ありがとうございます!」
ツルギは食事の準備をしている者たちに近づく。
「果物とかもって来たんです。デザートに使ってください」
ツルギは己の影の中からある袋を取り出す。
ツルギは適当にリンゴとかバナナとか梨を買ってきていた。
「おお、これはありがたい。ザルゴは歓迎するよ」
バステルの種族は基本一人称が己の名である。
この後楽しい食事会をした。
その後問題なく夜は更け、ちゃんとツルギは結界を張った上で就寝した。
■
太陽の元キャラバンは進む。
四日が経った。
道中問題もなく、一行は順調に進んでいた。
モンスターの襲撃もない。平和そのものだった。
モンスターといっても知性がある。
そのため露骨に武装した大人数の集団を襲うなんて言うことはしない。
更に今の一行にはミハカノシノツルギが居る。
明らか強者の気配を垂れ流すミハカノシノツルギを前にモンスターたちは戦うという選択肢をとることはなかった。
「……ん?」
ふと、ツルギは平原の向こう側に人影を見た。
「どうしました?」
クリスがそう尋ねてくる。
「……何か見えた気が、というか……あれ、増えてきた」
「総員警戒!」
リザードが叫び武器を構える。
ツルギも薙刀と短剣を右の上の手と下の左手に生成し持つ。
クリスが魔車を止め、降りる。
「あれは……オーガとゴブリンの群れだな……なぜ走ってこっちに向かってくる?」
見ればモンスターの集団だった。
オーガが六体にゴブリン二十体という中規模の群れだ。
だがモンスターたちはみな一様に必死の形相で何かから逃げるように走っている。
「どうします?」
「このままだとキャラバンとぶつかる……
「わかった!」
人間の男の
だがまだ距離があって魔法でも届かない。
「あ、俺がやりましょうか?」
「む、ツルギは遠距離攻撃も出来るのか?」
「えぇ、このようにできます」
ツルギは己の頭上に百の武器を生成する。それと同時にいつもの手に武器を生成する。
剣、大剣、短剣、槍、薙刀、戦槌、モーニングスターなどの多数の武器だ。
「いけ」
ツルギは薙刀を指示を出すよう振るう。
百の武器がモンスターの群れに向かって飛んで行った。
武器に付与した効果は空間斬。
空間事相手を斬るという相手の防御能力の一切を無視する攻撃だ。
モンスターたちに武器が命中していく。
綺麗さっぱり斬られたりモーニングスターで頭部がはじけ飛ぶ。
「おぉ……強いな」
「まぁ、白金級なのでこれぐらいはできないと」
「うぅむ……見誤っていたかもしれんな」
リザードはツルギの戦闘力の評価を上方修正する。
気配からして強いのはわかっていたがこれほど強いのは想定外だ、と。
「よし、死体はどうします?」
「耳をそごう。ギルドに持っていけば換金してくれるぞ」
「じゃあ取り分どうします?」
「む、そんなの君が全もちでいいだろう。倒したのは君なんだから」
「いやいや、仮でも今パーティ組んでるようなもんだから分け合いましょうよ」
「むぅ……ならばそちらが七、リザードたちが三だ」
「こっち多くないです?」
「これ以上はまけんぞ」
「う、わかりました」
そういうとツルギとリザードたちは剥ぎ取りに動こうとする。
──瞬間、ツルギの耳に羽ばたきの音が聞こえた。
「止まって!」
ツルギはこれまでにない真剣な表情と声でそう叫んだ。
その言葉によってリザードたちは止まる。
「──上だ! 空だ!」
ツルギがそう叫ぶと全員空を見る。
──そこには怪物が居た。
体長二十メートルという巨体。
赤の鱗に覆われた体。
長い首を持ち頭部には赤いの二対の角。
丸太以上に太い腕に赤い翼が別である。
瞳は透き通るような青色。
──そこにはまごう事無きドラゴンが居た。
「ど、ドラゴン?! なぜここに?!」
百年前は竜はそう珍しいものじゃなかった。
魔王軍によって竜種が支配されており竜が我が物顔で空を支配していたのだ。
だが魔王は倒され、魔王についていた竜は全て自由を手にしたのだ。
竜とて好き好んで魔王に支配されていたわけではない。最強の竜王イージュスールが魔王によって支配されていた為従っていただけに過ぎない。
そのため魔王が死に(実際には死んでないが)竜王が自由になれば当然竜たちも人を襲うことはなくなった。
今では竜たちは西の果ての竜の谷で平穏に暮らしているはずだ。
そのはずなのに、竜が空を飛んでいることにツルギ以外混乱する。
「そうか、あのドラゴンがオーガたちを追い詰めていたのか!」
何かわかった風に
その言葉に全員納得する。あの必死の形相で逃げていたとなると相当の相手である。
取りあえずツルギは百の武器を消してからリザードに問いかける。
「えっと、倒してきましょうか?」
「ドラゴンを倒す?! 冗談じゃない! 出来るものか!」
リザードの祖先は竜と戦って死んだ。竜の力強さはよく知っている。
「なら……会話できるかわかりませんけど、会話してここから引いてもらうとか……」
「出来るわけがない! 相手はドラゴンだ! 今すぐ逃げねば!」
「落ち着け」
クリスがリザードの頭を叩いた。
「く、クリスさん」
「ツルギ。君に任せた。説得か討伐か……好きな方を選んでくると言い」
「わかりました!」
そういうとツルギは空を飛んでドラゴンの元まで飛んだ。
「えーと、そこのドラゴンさん! なんでこの辺を飛んで──」
「定命の者! 死ね!」
定命とは生あるものの事を指す。
死の概念が適応される者の事であり悪魔や天使以外の殆どの種族が該当する。
そして上位の竜に死はない。
肉体的な死はあっても魂が死ぬことはなく時間経過で復活することが出来るのだ。といっても復活に百年近くかかるが。
この竜、ヴァルザールも百年前に勇者によって倒された竜の一匹だ。
ヴァルザールはほかのドラゴンと違い進んで魔王軍に協力していた竜であり、邪竜に分類される。
ヴァルザールは口に炎をためる。
そして放出。ファイヤブレスとなって放たれた。
「うわっ!」
ツルギは炎をまともに受けてしまう。
全身が炎に包まれる。
それを見ていた地上の者たちはやはりドラゴンにはかなわぬと絶望しかける。
だが炎が消えた後、無傷のツルギが出てきたことで希望を抱いた。
「けほっ。炎すっちゃった……ていうか服燃えてるし!」
(ていうかいってぇ!)
ツルギはすーすーすることで己が全裸になったことを把握した。
ドラゴンの炎は千二百にも達する。
その炎を受ければ当然肌が焼ける。
全身大やけどの重傷だ。今すぐ病院に行っても手遅れといわれるだろう。
乳首も肌も焼けただれ見るも無残な姿になっている。
しかし次の瞬間肌が治っていく。
ミハカノシノツルギは強靭な肉体を持つ。故に薄皮一枚焼かれるだけで済んだのだ。
そしてその怪我も再生能力で治っていく。
更には黒い輪が回転し炎に対し耐性を会得し始める。
「やるぞごらぁ!」
ツルギは雄たけびと共に突進した。
ヴァルザールが腕を突き出しツルギの薙刀の振り落としを防ぐ。
「むっ!」
ツルギは己の薙刀によって斬れないものがあるとは思ってなかった。
何せ鋼鉄すらたやすく両断する武器を製造できるのが万剣胎動の力なのだ。
という事は相手は最低でも鋼鉄を上回る強度を持つという事。当然だ、相手は竜なのだから。
ヴァルザールのレベルは七十五。竜全体の中で三番目の力の持ち主だ。
ならば本気を出さねばならぬと今度は妖力を使って力を向上させる。
素の肉体能力でも人知を超えているがそこの強化術を上乗せすればさらに能力は向上する。
互いに空中を上下左右全方位に飛翔する。
そして衝突。ツルギの薙刀によってヴァルザールの鱗が斬られる。
何度か衝突を繰り返した後、ツルギは距離をとる。
左下の手の短剣を振るう。
雷が六つ招来しヴァルザールに直撃する。
続いて妖力弾を斬撃上の形にして放つ。斬撃というか三日月上だ。
何十という妖力弾はヴァルザールに直撃し胸に大きな傷を作った。
「定命の者が!」
ヴァルザールは怒り叫ぶ。
そして傷がわずかにだが徐々に治る。
竜は強靭な生命力を持つ。自己治癒速度も高いのだ。
これは再生能力などの異能ではなく生物が元来持つ自己治癒能力が高いというだけなので特定の属性や武器で再生を阻害することは出来なかったりする。
「おら死ね!」
ツルギは足りない語彙力で罵倒しながら薙刀を振るう。
それに対しヴァルザールは竜の詰めを振るう。
爪と薙刀が衝突する。
固い金属同士がぶつかった嫌な音が響く。
そして徐々に薙刀が押し進む。竜の爪を斬って進んでいるのだ。
「なんだと?!」
ヴァルザールは己の爪が斬られたことに驚き驚愕の声を上げる。
ならばと口を開いてファイヤブレスを放つ。
街一つ焦土に出来る炎の吐息によってツルギは再び全身が炎に包まれる。
だが炎が消えた後に残るは少しだけ肌が焼けただけのツルギだ。
既に五十パーセント以上の炎耐性を会得している。再生能力を含めれば既にヴァルザールのファイヤブレスは脅威ではなかった。
「ならば!
竜は魔法にも優れる。ヴァルザールは第八環魔法まで使いこなす一流の使い手だ。
竜王は知られてないが第十環魔法すら行使する。
ヴァルザールの攻撃速度が上がる。
ツルギはどうにか薙刀と短剣、空いている手で防ぐ。
音が遅れて響く。
刃と拳が衝突し合う。
ツルギは体に斬撃を受けダメージが蓄積する。
だが徐々に黒い輪、黒輪が回転し耐性を会得し再生能力で傷が治っていく。
「むぅ!」
竜は優れた探知能力を持つ。己の攻撃に耐性を会得しつつあることをヴァルザールは知覚した。
「ならば!」
ヴァルザールは真上に飛翔しツルギの攻撃を避ける。
「逃がすか!」
ツルギは万剣胎動の力で千の武器を作り出す。
武器に自動追尾を付与し、更に着弾で爆発の力を与える。
千の武器がヴァルザールを襲う。
「こざかしい!」
ヴァルザールはファイヤブレスで武器を融解させんとする。
だが今度はツルギが本気で作り妖力で強化した武器だ。破壊はされない。
千の武器によってヴァルザールの体に傷がつく。
その隙をついてツルギがヴァルザールに襲い掛かるがツルギはヴァルザールの腕で殴り飛ばされた。
「受けてみよ! 我が炎を!」
ヴァルザールは口に魔力をため炎をこれまで以上に貯める。ダメージを覚悟のタメだ。
収束されるは青い炎。全てを焼き尽くす炎だ。
一日三回しか使えない究極の炎属性のブレス。<蒼炎の吐息>だ。
これはある程度相手の炎耐性を貫通してダメージを与えれる。ミハカノシノツルギの会得した炎耐性もこれで貫通出来る。
極台の、小さな太陽ともいえるサイズの青い炎の塊がツルギに向かって射出された。
(回避! いや、避けたらキャラバンに直撃する! 受け止めるしかない!)
ツルギは即座に結界術でバリアを張る。
障壁を何十も展開する。下手な城門などよりもよほど堅牢な結界だ。
結界と炎が衝突し──いとも容易く結界が砕かれた。
「クソ!」
ツルギは自己強化に全振りする。
青い炎が身を包む。
(いたい、いたいたいたいたいたいたい! なんでおれがちくしょう痛い! なんで! どうして!)
なぜ自分が痛みを受けねばならない。なぜ自分が苦しまねばならなぬと思いながら炎を受け続ける。
「ふん。死んだか」
炎が消えた後、そこには焼死体があった。
手足は焼けて焦げとなって落ち、焦げ付きて肉が焦げた嫌な臭いがする。
がばっと、焼死体の口が動いた。
「まだだ!」
背中の輪がでかくなり、急速に炎に対し耐性を会得する。
更に痛みに対する耐性さえ会得し始める。
「馬鹿な!」
己の炎で焼けなかった相手などいない。たとえ魔王にすら通じるという自負があるヴァルザールは驚愕に動きを止めた。
因みに魔王にすら通じるというのは事実だ。といっても瀕死になるだけで魔王は死にはしないだろうが。
ツルギは上の右手を再生させ壊れてしまった薙刀を新しく作る。
今度付与した薙刀には空間斬の効果を付与する。
「オンドリャァァァァ!」
声にならぬ叫びと共に突撃する。
「く、来るな!
ヴァルザールは炎の弾幕を展開する魔法を唱えた。
これにより何百という炎の玉がツルギに向かって放たれる。
(回避──いや突撃!)
己の耐性会得の力を信じたツルギは炎の弾幕に向かって突撃する。
当然、着弾、命中する。
炎のダメージが入るが微々たるものだ。さらに耐性会得の力が加速し炎ダメージがほとんど入らなくなる。
ダメージを受けつつ突撃。
ヴァルザールは選択を間違えた。
もっと戦いようはあった。例えばヴァルザールが習得している
だがその発想に至らず己の力に奢り鍛錬も修練も欠かしたヴァルザールは愚かであった。
ついにミハカノシノツルギがヴァルザールの前まで移動し──
「オオオオオ!」
ツルギはヴァルザールの体を腰から真っ二つに両断した。