東方双神録   作:ぎんがぁ!

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まさかの元旦での投稿w
みなさんあけましておめでとう御座います!今年も双神録頑張っていきます!

もう完全にお決まりの展開ですね。もっとオリジナリティがあったほうがいいかな……


それでは、始まりぃ〜!


第八話 現状把握

「双也、お前が人妖大戦で妖怪を皆殺しにしてから…………もう一億年は経ってるんだよ」

 

 

 

 

 

 

諏訪子の口から放たれた衝撃の事実。それを聞いて俺は……

 

「………きゅうぅ」

 

「ああ!双也さん!?お気をしっかり!」

 

目の前が真っ白になった。ていうか気が飛びそうになった。一億年!?なんでそんな歳月を一瞬にして超えちゃってるんだよ!

そう自分にツッコミを入れる中、またしても疑問が出てきた。しかも今度は幾つか一気にだ。

 

「……本当に一億年経ってるならなんで俺は生きてるんだ?現人神っていうのは人間でもあるんだよな?」

 

「それについては私も考えてたんだけど…思い返してみれば、双也は最初に出会った時神力を持ってたよね?て事は神格化してたって事だから、一億年寝てても大丈夫だったんじゃない?」

 

そういえばそうだった。俺は起きてから現人神に戻ったから最初は神力を持ってたな…ん?待てよ?もしかして大戦の最後に戻ってから倒れてたりしてたら俺はずいぶん昔に死んでたってこと?…………ちょっと複雑だけど運に助けられたって事か。よかった…

俺が次の質問をしようとした時、意外にも俺が疑問に思っていたことを諏訪子が口に出した。

 

「ずっと気になってたんだけどさぁ、双也は何でそんなに霊力高いの?私に匹敵するどころかもう超えてるんだけど…」

 

「あ、俺もそれを気にしてたんだ。起きたら霊力が百倍近くになってるし、諏訪子なら何か分かるんじゃないかと思ってたけど、そうでもないのか」

 

「当たり前だよ。いくら神って言っても全知全能じゃないんだし、強いて言うならイザナギ様とか…あと龍神様くらいだよ。そんなのは」

 

竜神と聞いて反応しそうになったが、押し留めた。知られたら面倒ごとになるに決まってる。

と、その事は頭の片隅に追いやって、霊力が増した理由について考え始めた。諏訪子達も首を傾げている。

 

(霊力……高めるには瞑想が一番だったけど…そもそも寝てたんだし瞑想なんて…)

 

俺は寝ている間に話していた白双也の言葉を思い出した。

"起きた時の為にちょっとゆっくりやってるだけだよ!"

そう言っていた。あの時はゆっくりと言うより自分の情報を振り返る様に細かくやっていた。

…………細かく、振り返る?

 

「あ〜う〜、やっぱりわかんない!コレは双也自身で考えるしか無いんじゃないの?……双也?」

 

「…あ〜、わかったかも諏訪子。多分俺は寝ている間、ずっと瞑想してる様な状態だったんだよ」

 

「瞑想?確かに力を高めるには一番効果が高いけど、寝てたんでしょ?それとも夢でなんかあったの?」

 

意外にも諏訪子は核心に近いことを言ってきた。流石は神、その勘は並じゃ無いってことか。

俺はそう思いながら諏訪子達に精神世界であった事を説明した。ついでに能力の事も。流石に天罰神の能力については引きつっていたが、なんとなく納得したようだ。

 

「ふ〜ん。つまり、その白双也が双也自身の事を振り返る様に質問してたお陰で、自分を見つめ直す様な瞑想の形になって、一億年の間力が上昇し続けたってことね。感謝しなきゃ、白双也に!」

 

「自分に感謝してもな……まぁそうだな。いつかまた精神世界に行けたら言っとくさ」

 

諏訪子は完全に理解したようで、よかったね!って感じで笑みを向けてくる。よし、霊力の事は片付いたな、次だ!

俺は浮かんできた疑問の中である意味最も心配していた事を聞いてみる。

 

「なぁ諏訪子、一億年前に俺やツクヨミが住んでいた町の行方については何か知らないか?」

 

そう、町がどうなったか。あの後は完全に廃墟になったとはいえ、あの技術だ。今のこの国を見るに受け継がれてはいないようだが、やっぱり気になる。

しかし案外あっさりと、諏訪子の口から答えが出てきた。

 

「ああ、あの町?アレなら昔この星に大きな隕石が落ちた時に消えてなくなったよ。なんか狙ったように町の真上だったけどね」

 

「い、隕石?」

 

地球の歴史の中で思い当たる節はあった。恐竜の絶滅の原因になったと言われる隕石。狙ったようにってのは気になったが、おそらくツクヨミか誰かが仕向けたんだろう。ツクヨミだってバカじゃない。あの技術が後世に残ったらマズイ事くらい分かってるだろう。あのまま技術が進み続けたらいつか人間自身が技術に依存して衰え、そして絶滅してしまうだろう。それは人間にとっても神にとっても避けなければならない。神たちがそういう事の分かる奴らでよかった。

話に一区切りついたところで、話に付いて行けなくてず〜っと黙っていた稲穂が俺にとってはとても重要な質問をしてきた。

 

「と、ところで双也さん!今夜の宿はどうするおつもり何ですか?」

 

「あ!忘れてた!そういや泊まる場所ないな…まぁ頑張れば野宿でも行けるけど…」

 

「それはダメです!!現人神と言っても双也さんの身体は人間なんですから!ちゃんと安心できる場所で夜を明かすべきです!」

 

野宿でも大丈夫と言ったら、俺が仰け反ってしまうくらいに稲穂が身を乗り出してダメと言ってきた。早苗に似てやっぱりお人好しだな。いや、早苗が稲穂に似てるのか。取り敢えず体制が厳しいから戻って欲しい。

と、この会話を聞いていた諏訪子が驚きの発言をした。

 

「あ!じゃあさ、ウチに住めば良いんじゃない?」

 

「「……………え?」」

 

俺と稲穂は声を揃えて言った。え?こいつ本気で言ってんの?出会って間もない俺を自分家に泊めようとしてんの?ちょっと普段の生活が心配になってくる。

 

「モチロンただってわけじゃないよ!双也は起きたばっかりだから知らないだろうけど、今の時代はね、戦争に勝つことで土地や民を増やしてるんだよ。私はあんまり得意じゃないからそんなにやらないんだけど、最近戦争を申し込まれる事も多くてね…断るわけにもいかないし、困ってたんだ」

 

「……………それで?」

 

「双也にはそういった戦争の時に出張って戦果を上げてもらうよ!働かざるもの食うべからず、それを条件に住まわせてあげる。それだけの力と功績があれば戦力になる事間違いなし!国も安泰!万々歳!」

 

満面の笑みで万歳して飛び跳ねる諏訪子。正直可愛い。

最初は複雑な顔をしていた稲穂も今は納得したように頷いている。ホントにそれでいいのか?年頃の女性だろう?

そうしてなんやかんやで話は進み、結局俺が折れて承諾する事でこの話し合いはお開きになった。

ふと思った事だが、戦争があるまで俺ってする事無いのかな…?……いや、そんな事はないか。そうだとしても何か手伝おう。

そのあとは、稲穂に勧められたので風呂に入る事にした。一億年の間寝ていたのではきっと汚れが溜まっているだろうから、だそうだ。ふむ…きっと稲穂は良い妻になるだろうな。

 

「いいですか諏訪子様!神様ともあろうお方がそんな事をしていては民に顔向けできませんよ!!」

 

「あ〜う〜…ごめんなさいって稲穂〜 許してよ〜…」

 

風呂から上がるとなんだか騒がしい。諏訪子が怒られているようだ。神に説教する稲穂もすごいと思う。ってそうじゃなくて。

 

「どうしたんだ?」

 

「あ!双也さん聞いてください!双也さんがお風呂に入ってる時に諏訪子様がイタズラしようと入り込もうとしてたんです!双也さんからも何か言ってください!」

 

「許してよ稲穂〜!もうしないってばぁ〜!」

 

「それは私じゃなくて双也さんに言ってください!」

 

どうやら俺が風呂に入ってる間に何かイタズラを企んでいたようだ。まぁ何も起こってないからいいんだけど。

 

「まぁまぁ稲穂、結局未遂で終わってるんだからもういいよ。もう夜だし、あんまり怒鳴らないほうがいい」

 

「双也ぁ〜!」

 

俺は走ってきた諏訪子を手で止めると笑顔で言い放った。

 

「でも諏訪子、次ホントに何かやらかしたら……」

 

 

 

天罰下してやるからな♪

 

 

 

諏訪子の笑みは一瞬にして恐怖に塗り変わった。後ろで稲穂も苦笑いしている。コレでもう何かされることはないだろう。

その夜。俺は割り当てられた部屋でふつーに寝たが、諏訪子は俺の笑顔が心底怖かったらしく、稲穂と一緒に寝たそうだ。次の朝には満面の笑みで起きてきた。意外と単純なんだな。

 

 

そうして諏訪大国での新しい生活が始まった。

 

 




私は諏訪子のファンではありませんが、笑顔で万歳して飛び跳ねる諏訪子を想像したらとても可愛かったですw

諏訪子のセリフで「龍神」と出てきましたが、変換ミスではありません。私は投稿前に何度か読み返すのでそういうミスはほぼ無いと思ってください。もしそんな所があったら何かあるという可能性も……?

ではでは。

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