東方双神録   作:ぎんがぁ!

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なっっっがいです。
ええそりゃもう、今までで一番長くなりました。そして書き始めてから終わるのも一番長かったです。(つまり難産)

ひじょーに精神力を使った一話。

ではどうぞー!


第九十七話 届いた言葉

『ねぇお姉様! 一緒に遊びましょ!』

 

『ええ、良いわよ。何をする?』

 

 

 

 

 

なんで………

 

 

 

 

 

 

『お姉様、なんであの人達は怒ってるの?』

 

『………そうね、人間だから……でしょうね』

 

『……?』

 

 

 

 

 

 

なんでこんな……!

 

 

 

 

 

 

『お姉様! イヤだよ! 一緒に行こうよ!』

 

『フラン、あなたは…早く逃げて…!』

 

 

 

 

 

 

なんでコレ(・・)を思い出すのっ!

 

 

 

 

 

 

『(こ、このままじゃ…お姉様が…っ!)』

 

『フラン!! 早く!!』

 

 

 

 

 

 

思い出したくないのに! 今思い出しても仕方ないのに!

 

 

 

 

 

 

『…フラン、これからはここで過ごしなさい。ここから出ることは許しません』

 

『え……』

 

 

 

 

 

 

お姉様…お姉さま…っ!!

 

 

 

 

 

 

『いや…いやだよ…お姉様! ここから出してよ!』

 

『そん…な…お姉様に……嫌われ、ちゃっ、た…?』

 

 

 

 

 

 

イヤだイヤだイヤだっ! お姉様なんて大っ嫌い! こんなの思い出したくないっ!

 

 

 

 

 

 

『お、お願いだっ! 助けーー』

 

『ダーメ。お姉さまが来ないから、あなたで我慢するの。簡単に壊れないでね?』

 

「やめーー」

 

ドパンッ

 

 

 

 

 

 

憎くて憎くて仕方ないのっ! あんなヤツ好きな訳……

 

 

 

 

 

 

トントン

 

『お姉さーー』

 

『妹様、お食事を用意致しました』

 

『………………』

 

 

 

 

 

 

…イヤだよぉ…なんでこんなに期待しちゃうの……?

 

こんなに憎いのに…こんなに殺したいのに……

 

 

 

 

 

 

『…大好きな姉ちゃんを、か?』

 

 

 

 

 

 

ッ!!!

 

お姉様が………好き…?

 

私…が…?

 

 

 

 

 

 

違う…!

 

 

 

 

 

 

 

違う違う違う違う違う違う違うッ!!!!

 

 

私はお姉様が嫌い!

私を閉じ込めたお姉様が嫌い!!

私を裏切ったお姉様が大っ嫌い!!!

 

 

こんな事思い出すのもこの"お人形さん"が悪い! 全部悪い!!

 

 

 

 

 

こんなお人形さん…いらない!!

 

 

 

 

 

それから、ソレ(・・)を思い出す事は無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

〜双也side〜

 

少女から放たれる眼光は鋭い。ただの人間なら気絶してしまいそうな程の圧力を感じる。

さて、こんな"怪物"どうやって落ち着けるか……

 

正直言って少し厳しい。

俺が刺激しすぎた事も一因ではあるが、この娘は多分自分の気持ちにすら気付いていない。

というより、矛盾に押し潰されて自分を見失っている。

そんな状態を元に戻すのは中々難しいものなのだ。

 

荒療治でいいなら、"姉を殺したい少女"と"姉が大好きな少女"に分離させて戦わせるなんて事も出来るが、やりたくはない方法だ。

存在を分けるのには相当な霊力が必要になるし、何より"姉の事が大好きな少女"が負けた場合取り返しが付かない。

そんな展開になったら非常に困る。

そう必死に頭を回転させていると、当の少女が言葉を発した。

 

「お人形さん、もう、いらなく、なっちゃった」

 

「………………」

 

「だから…消えて?」

 

少女は先程より更に虚ろな目で呟き、指に挟んだカードを輝かせた。

 

「禁忌『フォーオブアカインド』」

 

光が強まり、見えなくなる程度に輝いたあと小さくなると、そこには少女が四人(・・)で俺を見下ろしていた。

そして、まるで息を合わせたように同時に、さらに一枚宣言した。

 

「「「「禁忌『レーヴァテイン』」」」」

 

「っ!! うわっ マジかよ!!」

 

同時に発動したレーヴァテインは、一本の剣を四人で振り回すとかではなく、四人それぞれに一本ずつ顕現した。

 

……今思い出した。 これは弾幕勝負じゃねぇ。

 

「「「「消えてっ! お人形さんっ!!」」」」

 

「単なる殺し合いじゃねぇか!!」

 

振り下ろされる四人の剣の間を縫い、瞬歩でかろうじて避け、飛び上がった。

普通の服ならば火が燃え移って焼けるだろうが、俺のガウンは特別製。そんな事態には至らなかった。

っと、そんな事より集中しないと。

 

正直に言って、この人数差で剣を交えるのは辛いものがある。

少々無理をして相手しないと、落ち着かせるどころか俺が斬られて終わる。情けなんてあった物ではないだろう。

あまりやった事は無いが、俺は霊力を無理に使い、もう片手にも万象結界刃を発動させた(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「「早く!!」」

 

「「死んでよっ!!」」

 

「ぐうっ!」

 

四人が四方から振り下ろしてきた。

速度的に考えて、その隙間を通ろうとすれば斬り返して来るだろう。その選択はできない。

俺は万象結界刃を交差させ、受け止めようと試みた。

 

(ッ!! 力っ、強っ…)

 

吸血鬼ってのはこんなに力が強いのか…! このままじゃ吹っ飛ばされる!

少女四人の力は想像以上に強いもので、気を抜けばすぐさま飛ばされ、そして追撃されるだろう、と容易に想像できた。

この人数差で受けに回ると、最悪反撃の隙すら見つけられず一方的にやられる可能性もある。是が非でも切り抜けなければ…!

 

一人で四人を相手するには手が足りない。二刀流も大分扱えると思っているが、こうも力が強いとそれも霞んでくる。

そうなると……刃を増やすしかないか。

俺は霊力の解放度合いをもう少し上げた。

 

「お前ら……落ち着けっ!!」

 

「「うわっ」」

 

「「きゃあっ!!」」

 

解放した霊力を使い、追加で二本の結界刃を発動。それで四人の内二人の剣を弾き、もう二人はどうにかして力尽くで弾いた。二人になると段違いに剣が軽くなり、四人よりはだいぶ楽だった。

しかし、目から何か熱い物が流れる感覚を覚えた。

やっぱりこれでは脳を使い過ぎる。相棒(・・)がどれだけ高性能だったか思い知らされるな。

 

とそんな事より、怯んでいる今の内に一人でも数を減らしておかなければならない。

四人で攻められては、この娘をどうしたら落ちつけられるか、なんてとても考えていられない。

三人になっても辛いには変わりないが、それは言葉の綾というヤツだ。

 

「取り敢えず一人っ!!」

 

「ッ!」

 

結界刃で弾かれた一人に瞬歩で迫る。さすが吸血鬼と言うべきか、少女はそれを目で追って反応していたので、目眩まし兼隙作りの為に片手では弾幕を放った。

 

「アステロイド・拡散誘導弾(スプラッシュハウンド)!!」

 

拡散した大量の弾が、少女を球状に包む様に囲み、迫った。魔理沙はこれで力尽きたが…この娘はそうもいかない。

 

「甘いよっ!!」

 

手に持つ大剣を振り回し、いとも簡単に弾幕を掻き消していった。これじゃ目眩ましにはなっていなかったかも。

 

でもまぁ、隙は作れた。

 

「オラァッ!!」

 

その少女の隙を目掛けて迫り、一閃。

少女は身体がズレ落ちる前に妖力となって消えた。

まず一人、次だ!

 

近くに居たもう一人に向けて再び瞬歩。今度は目で追うどころか最初から構えていたので、さっきの手は使えない。

剣一本ならそのまま斬り合った方がいいか。

再び手に万象結界刃を発動し直し、振り被った。

 

が、

 

「「「甘いって言ったはずだよ!!」」」

 

一人に迫り、もう少しで刃が届くというところで重なった言葉。

少女の後方から大量の弾幕が飛んできて、俺の進行を阻んだのだ。

幸い万象結界刃は発動し終えていたので、弾幕に関しては捌ききる事が出来る。

だがさっきの状況の裏返しか、少女はそこで出来た俺の隙に付け込み、大剣を振り抜いたのだ。

 

ガードはしたが踏ん張りは効かず、吹き飛ばされる。

 

 

でも手ぶらで吹っ飛ばされるのはもったいない。

 

 

「アステロイド・全弾臨界放火(オーバーフルバースト)っ!!」

 

飛ばされている状態で、唯一のスペルカードを唱えた。

俺の場合、スペルは一枚使い切ったら負けになるが、これは弾幕勝負ではないので躊躇いなく放てる。

様々な射種の入り乱れた弾幕は、少女二人分の弾幕をどうにか押し切り、二人目の少女を妖力に帰す事に成功した。

 

しかし、そんな事は意に介さずと言ったように残りの二人が攻めてくる。向こうは俺を殺す気しか無いらしい。

 

「ちぃ! 厄介なスペルだな!!」

 

残りの二人は、後方で弾幕による援護と前衛での接近に分かれてきた。

後方支援は厄介だが、少女の剣捌きは失礼ながら素人そのもの。俺が捌けないほどでは決してない。

弾幕には気をつけながらも、これなら考え事が出来る。

 

さて、色々と整理してみよう。少々攻撃が苛烈過ぎた所為で情報が(まば)らだ。

 

まずこの少女。

この娘は心が壊れているようでおかしくなっている。

その原因は、"大好きな姉を殺したい。でも大好きだから殺せない"という気持ちの矛盾。

その精神的ストレス発散のためにオモチャ(生物)を姉に見立てて殺していたが、それもいつの日にか限界が訪れ、心が押し潰されてしまった。

 

ーーという所だろうか?

姉に恨みを持っているようなので、この娘をあの部屋に閉じ込めたのは恐らく姉本人。

しかし、ここで引っかかる事が一つ。

 

 

……あの部屋に度々訪れていたらしい妖怪(・・)の事。

 

 

実を言うと、あの部屋に入る前に思った事は埃に関する事だけではない。

微弱ながら、妖怪の発する妖力も感じたのだ。

 

少女の言葉から、度々訪れている妖怪とは実際に会っては居ないはず。つまり、そいつは中を覗ける小さな穴からそっと見守っていたという事になる。

閉じ込めた奴を見守る。そんな事をする理由は一つしかない。

……この娘の事が心配だったからに他ならないだろう。

 

"この館にはたくさんの妖怪が住んでいる"

 

そう言われればそれで終わってしまう仮説ではある。

でもその条件を肯定させない証拠がある。

 

それは、階段で感じた妖力が少女のそれによく似ていた、という事。

 

霊力、魔力、神力、そして妖力には、扱う人それぞれに違いがある。

"力"とは個人情報に等しい。強いて言うなら気質も関係している為、家族などは似たり寄ったりになる事が多いのだ。

つまり、頻繁に訪れていた妖怪はこの娘の姉、という事だ。

 

閉じ込めたのに心配する姉。

大好きなのに恨んでいる少女。

矛盾だらけのこの関係。

恐らく、それらを繋ぐ要因があるに違いない。

それを二人がちゃんと理解し合えば、この姉妹の歪んでしまった関係は治るはずである。

今やるべき事は、この娘に自分の気持ちを受け止めさせる事だな。

 

…ひとまず整理は完了。

本番はこれから…この娘に自覚させる事から。

 

前衛の少女が振り下ろした剣を受け止め、わざと弾かずに鍔迫り合いを始めた。

 

「お前、本当に姉ちゃんを殺したいのか?」

 

「当たり前っ! 私を裏切ったお姉様なんかいらない!」

 

「ならなんですぐに殺しに行かない? そこの大穴を開けたように、出ようと思えば出られたはずだろ?」

 

「っ! それは…」

 

まず揺さぶりをかける。心が定まった状態では気持ちを動かすことは出来ない。

"この娘が姉の事を好いている根拠"を使って崩していく。

 

「本当は殺したくないんだろ? 大好きな姉ちゃんをさ」

 

「うるさいっ!!」

 

「ぐっ!」

 

少女は剣に渾身の力を込め、鍔迫り合いの最中に俺を叩き落とした。

どんな力を持っていればそんな事が出来るのか不思議なくらいだが、今そんな事には構っていられない。

俺が落とされた先には、弾幕を放っていた少女が待ち構えており、既に攻撃態勢に入っていたからだ。

 

…チャンス

 

「特式四番『白槍(はくそう)雷棘(らいきょく)』」

 

破道の四『白雷』の特式鬼道、『白槍・雷棘』。

それは対象を停滞する白い雷で貫き、その雷自体をその場で炸裂させる鬼道だ。

出もかなり早い鬼道の為、未だ攻撃態勢のままだった少女は呆気なく貫かれ、炸裂によって消し飛んだ。

そしてやっとの事でスペルブレイクだ。

弾幕勝負ではないが、フォーオブアカインド攻略だ。

 

邪魔をするものが無くなってただ飛ばされていた俺は、うまく身を翻して床に着地した。

 

顔を上げ、迫ってくる少女に更に声をかける。

 

「俺が部屋に入った時、お前は"お姉様"って呼んでいた! それは姉ちゃんを求めてる証拠なんじゃないのか!?」

 

「ち、違う! あれは殺したい気持ちが逸っただけ! 求めてなんて無い!」

 

炎剣を受け止める。

目の前にある虚ろな少女の目をまっすぐ見て語りかけた。

 

「嘘だ。本当に殺したい相手が来たなら、あんな風に嬉しそうな声、出るはずがない」

 

「っ………ち、違うっ!!」

 

またもやとんでもない力で剣を振り抜いた少女。

俺は少し身体が浮かされたが、もう何度も飛ばされているためいい加減慣れた。

少しだけ離れたところに着地する。

 

「違う違う違う違う違う違うッ!! 私はお姉様が嫌い! 私を嫌ったお姉様を、私が嫌って何が悪いのッ!?」

 

少女は頭をブンブン振るい、違う違うと必死に叫んでいた。まるで気持ちに気付くのを嫌がっているように。

更に、言葉を放つ。

 

「……お前、姉ちゃんが何度もお前の部屋に来ていたこと、知ってるか?」

 

「ッ!? そ、そんな訳…無い!! 私を閉じ込めたのはお姉様なんだよ!? 私が嫌いになって、要らなくなったから閉じ込めた! お姉様が…来るはずないっ!」

 

 

叫ぶ少女の瞳は激しく揺らいでいた。

心での葛藤が、それだけ激しいという事だ。

凄まじい剣戟で、少女は一刻も早く俺を黙らせようと必死になっていた。

そして……俺は、核心に迫るであろう言葉を言い放った。

 

 

「嫌いな訳じゃ、なかったら?」

 

「…………え…?」

 

 

少女の炎が、弾け飛んだ。

 

 

「姉ちゃんがお前を閉じ込めた理由が、お前を嫌いになったからじゃなくて、もっと別に…そうせざるを得ない理由だったら…って事だ」

 

「そ、そんな…訳…お、お姉様…は、あの時(・・・)の…私を、見て…嫌いに……」

 

「嫌いになったのなら、閉じ込めたあとも様子を見に来る筈がないだろ? よく感知してみな。この辺りにも、妖力の残り香が残ってるはずだぞ」

 

「え…?」

 

少女の身体は少しばかり震えていた。

それでも静かに押し黙り、神経を張り巡らせる。

少しすると、少女の目は一杯に見開かれ…………目に沢山の涙を溜め始めた。

 

「ほ、本当……だ…お姉様、の…力…感じるよ…」

 

流れていく大粒の涙。

ポタポタと落ち、どんどん地面を濡らしていく。

 

ただただ涙を流して立ち尽くす少女に、俺は近寄って頭を撫でた。

 

「お前の姉ちゃんは、お前の事を嫌ってなんかない。何か理由があって、ああしなくちゃいけなかったんだよ。きっとそうだ」

 

「……っ…」

 

「本当は大好きなのに、無理に恨む必要は無いんだ。その理由も、今無くなった。これ以上苦しむ必要も、無くなったんだ」

 

捻じ曲がった黒い物を落とし、少女はコシコシと流れる涙を拭っていた。

でもそれでも、大粒の涙はポタポタと滴っていた。

涙声ながらに、少女はゆっくり言葉を紡ぐ。

 

「信じっ…られない…ずっと、ずっと…お姉様に、嫌われてるって…思ってた、から…っ」

 

「なら、聞いてくるといい。姉ちゃんが、どうしてお前を閉じ込めなくちゃいけなかったのか、二人で話してこい。そうすれば、また姉ちゃんと仲良く出来るさ。きっとな」

 

少女が泣き止むまで、俺はただ優しく、彼女の頭を撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、コイツを霊夢の所に連れて行けと?」

 

「ああ。よろしく頼むよ」

 

「よーし分かったぜ。じゃあ早速箒に乗りな………ってなるかバカッ!!」

 

綺麗にノリ突っ込みを決めた魔理沙。

その様子を見て、少女はポカンとしている。

 

「え…乗せてくれないの?」

 

「ちげーよ! お前じゃなくてコイツに言ってんだよ! やっと戦闘音が無くなって駆けつけたと思ったらいきなり"コイツ霊夢んとこまで送れ"とか! 私はパシリか!?」

 

なんだ俺に言ってたのか。お前とかコイツとか色々代名詞が多かったから分からなかった。

っていうか嫌なのか? 箒だって別に一人用って訳でもないだろうに。

 

「いいじゃんか。どうせ霊夢のトコまでは行くんだろ? 後ろにこの娘を乗せるだけだ。何も変わんないだろ」

 

「変わるわ! 箒って不安定だからバランスとるのが難しいんだよ!」

 

「一人差なんてそれこそ五十歩百歩だろ」

 

「お前なぁ…っ!」

 

魔理沙の表情は怒りからだんだんと呆れに変わってきた。

なんだかんだ言ってもちゃんと引き受けてくれるだろうから、少し真面目に頼めばAll OKだろう。

 

「つーか、それならお前が連れてけばいいだろ? 私が運ぶ必要性は無いじゃんか」

 

「いや、俺はちょっとここで用事があるんでな。ついてはいけない」

 

「……………はっ、しょうがねぇなぁ」

 

「助かる」

 

そう受け答え、ブツクサと文句を言っている魔理沙を見送った。

まぁ、格上のパチュリーに勝った直後にコレは少し酷だったか…と心にもない後悔を抱いてみる。

 

 

…………さて。

 

 

「もう……ダメだわ…」

 

全身に入れていた力を一気に抜き、その場に倒れた。

後頭部とか背中とかを打ち付けたが、そんな事は正直言って二の次だ。

 

「あぁ〜……脳…使い過ぎた…」

 

先程の、"ここに用事がある"と言うのはまっかな嘘だ。

本当の所は、もう動いて戦えるだけのコンディションではなくなったというのが理由だ。

 

初っ端の少女の連続身体破壊、その時に使った霊力と、痛みに耐える精神力。

戦闘に於ける無理な霊力の使用、許容を超えた能力の行使。

 

詰まる所、脳にあまりにも負担をかけ過ぎたのだ。

 

その反動が今返ってきた。

身体中が痛くて動けないし、目や口からも熱い液体が流れていくのが分かる。

意識も朦朧としてるのが今の現状だ。

 

(このままくたばる訳には……いかないんだけどなぁ…)

 

重くなる瞼を受け入れる中、最後に見たのは銀色に輝く何かだった。

 

 

 

 

 




こうしてフランちゃんは姉の真意を知るのでした。
あくまで"知るだけ"ですがね。

少し雑でした…改善の余地アリです。

ではでは。

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