東方双神録   作:ぎんがぁ!

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初めに言っておきます。
今回本当に雑ですっ! ご注意をっ!
次回からは回復すると思いますけどもっ!

ではどうぞっ!


第百三話 WIREPULLER?

妖力の残り香を辿り、雪の積もる森の上を風を切って飛んでいる。

速度はかなり上げてるし、もうすぐ追いつく筈。

さぁて、怪しい奴は一人残らず懲らしめないとね。

 

更に速度を上げようとした時、隣を飛ぶ魔理沙がボソリと呟いた。

 

「うぅ…なんか…寒くないか?」

 

「冬なんだから当たり前でしょ? 私だって寒いわよ。今すぐにでも炬燵に潜り込みたい気分」

 

「そーじゃねぇよっ。つーか気分に関してはみんな同じだろっ!」

 

魔理沙はそう言うと、マフラーで口元を隠しながら眉根を寄せて言った。

 

「そうじゃなくて……なんか、どんどん気温が下がってきてないか(・・・・・・・・・・・・・・・・)、って事だよ」

 

「気温?」

 

言われてみれば……さっきよりも首元がスースーするわね。

マフラーは巻いてあるけれど、その隙間を通る寒気の冷たさが異常だ。

冷た過ぎて感覚が麻痺していたのかも知れない。肌じゃ冷たさを感じられなくなっているし。

 

……え? 脇? 脇なんて寒く無いわよ。慣れてるからね。

 

「こんな寒い冬はもうゴメンね…早く異変を片付けないと…」

 

「そうね咲夜。丁度妖力の残り香も…………あら?」

 

……おかしい。妖力の残り香がここで途切れている。

正確には、ここら辺で漂って終わっているのだ。

 

じゃあその妖怪自身は何処へ?

 

「どうするのよ霊夢。手掛かりっぽかった妖力はここで途切れてるけど」

 

「はぁっ…どうせ姿を現わす気が無いなら紛らわしい事しないで欲しいわ。無駄足になっちゃうじゃない…」

 

「確かにな。こっちは早いとこ異変を片付けて美味しいご馳走を頬張りたいっつーのによ」

 

「本音がただ漏れね魔理沙」

 

「おっと失礼」

 

ここまで追いかけて手がかり無しっていうのは少し痛い。

あんまり時間を使いたくないっていうのに、向こうはそれも御構い無しなようだ。

 

「そもそも、結局妖力の正体は何だったのよ」

 

「あぁ確かにそうだな。妖力も途切れてるし、姿も現さないし」

 

「八方塞がりねぇここまで来ると。また別の方法で探すしかないんじゃないの? ついでに、運が良ければ妖力の正体もつかめるかもしれないし」

 

三人でそんな事を言い合っていた。

実際私たちは手詰まりの状態である。最初にチルノに聞こうと思ったことは何処かの誰かさんのお陰で出来なくなったし、こうして追いかけてきても当の怪しいヤツは姿を見せないし。

やっぱり勘に頼るしかないのかしらねぇ…。

 

三人でうーんうーんと唸りながら頭を悩ませていた。

情報が無いとはこんなに厳しいものだったか、思い知らされるわね。

 

そして、取り敢えず進もうと促そうとした直前、上の方から女性の声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「く〜ろ〜ま〜く〜」

 

 

 

 

 

 

 

「「「……………は?」」」

 

上からゆっくりと降りてくるのは、白い帽子に白い服…とにかく白ばっかりの服装をした女性だった。

私たちと同じ高度まで降りてきたところで静止し、女性が顔を上げた。

 

 

「「「……………は?」」」

 

 

「うっ、そんな痛いものを見るような目しないでよ…」

 

「「「実際かなり痛い」」」

 

「…けっこう毒舌ねあなた達…」

 

女性は変に泣くような素振りをし、少しだけ私たちから後ずさった。

そういえば…こいつから感じる妖力、さっきまで追っていたのと同じね。これは早速…聞き出すしか無いわね。色々と。

 

「で? あんた一体誰。五秒以内に答えれば見逃してあげるわ」

 

「しかも理不尽…あなた本当に人間? 実は悪魔とかじゃーー 」

 

「さーん、にーい、いーー」

 

「わー! 分かったから待ってっ!」

 

女性は両手をわたわたと振り回し、落ち着いたかと思うと咳払いをして澄まし顔で話し始めた。

つーか、とっくにもう五秒過ぎてたわね。

待ってあげるなんて私ったらなんて優しい♪

 

「コホン、私はレティ・ホワイトロック。

 

 

 

 

 

 

 

 

この異変の黒幕よ(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ〜ん、じゃあ黒幕さん、あなたを倒せば異変は終わるのかしら?」

 

「終わらないわね。雪女は冬に乗じて暴れるだけよ」

 

「よーし二人とも、この黒幕倒してさっさと次の黒幕探しに行くわよー」

 

「そーだな。パッパと済ませるぜ」

 

「何人も黒幕がいるなんて面倒ねぇ…」

 

「ちょ、ちょっとちょっと!」

 

私は大弊を、魔理沙は八卦炉を、咲夜はナイフを構えた所でレティが静止を促してきた。

なんか焦っているようにも見える。

どうでもいいから早くしてくれないかしら黒幕さん。

 

「私黒幕だって言ってるのになんでそんなに扱いが雑なのよ!?」

 

「だって…あんた黒幕じゃないでしょ」

 

「黒幕は自分で黒幕って言わないぜ」

 

「黒幕を倒しても異変が終わらないなんて冗談じゃないわよ」

 

「気にしていた事を……」

 

何より、よく当たる私の勘が言っている。

"黒幕はこいつではない"と。

まぁ証拠が揃ってるから勘に頼るまでもない訳だけど。

 

…あら? ならなんでコイツは黒幕のフリなんて?

 

疑問をそのままに聞いてみると、レティは胸を張って言ったのだった。

 

「さっき言ったでしょ? 雪女は冬に乗じて暴れるだけ。冬真っ只中に起きた異変の黒幕が雪女じゃないなんて、それこそおかしくないかしら?」

 

「いや、その理屈こそおかしいだろ」

 

「珍しく魔理沙に全く同感」

 

冬に起きた異変が全部雪女の所為だなんて、どんな神経してたら思いつくのか…。この幻想郷は頭のおかしい奴が多い。

 

「仮にあなたが黒幕だとして、なにか騒ぎを起こしたのかしら?」

 

頭のおかしい雪女に咲夜が問いかける。

 

「う〜ん…チルノに、復讐する為の知恵と力を貸してあげたわ。あの子の寒気を強めてあげてね」

 

「アレやっぱりあんたの仕業ね…面倒なことしてくれるわ」

 

「その様子だと苦戦したみたいねぇ♪」

 

「苦戦はしてないけど、何かと聞き出せなかったり結果的に今の無駄な時間を過ごしたり……とにかく大事な大事な私の時間が奪われているのよ。あんたの所為でね」

 

威嚇のつもりで霊力を解放する。

ついでに封魔針とお札も構え直す。

私に倣ったのか、後ろの二人も構えたようだ。

 

「というわけで退治決定よ。今更謝ってもーー遅いからっ!」

 

お札と針を大量に放った。

 

さあ、弾幕ごっこ開始よ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま、もう勝ちも同然だけどね。

 

 

 

「そんな攻撃食らうはず……って、あ…あら?」

 

私のお札と針を撃ち落そうと、レティも弾幕を放った。

しかし…その表情からは余裕が消えていった。

 

それはなぜか。そんなのは決まっている。

 

「なんでそのお札弾幕を避けてくのよっ!(・・・・・・・・・・)

 

「そういうお札だから、ねっ!」

 

更に追加で、全く同じ札を投げつける。

針は相殺されたりしたが、本命はお札だから問題ない。

 

このお札は、先々代が残した書物を覗いた時に見つけた、"投げれば自動で妖怪を追尾して炸裂する札"を改良した物だ。

相殺目的に向かってくる弾幕を避け、同時に追尾して炸裂するという優れものである。

改良に成功したって事で、"私すごい…!"って少しだけ悦に浸った事もあるが、こんな複雑な札を一から作った先々代の技術力には到底及ばない。

そういう意味では、実力の差を突きつけられたみたいで少しだけ嘆息した。

 

レティは、避けていく札に対応する事は出来ずに札の直撃を食らった。

連鎖的に炸裂していく。

 

「うわぁ…えげつねぇ…」

 

「やっぱり鬼畜だったのねこの巫女…」

 

「誰が鬼畜よ! 誰がえげつないよっ! そんな事言ってないであんた達も構えなさい! 速攻で片付けてやるんだから!」

 

「へいへい」

 

「私達必要…?」

 

私がさらに札を投げていく中で、二人も愚痴りながらスペルを構えた。

 

「ちょっ、ま…痛いっ!」

 

「うっさい! 黒幕は潔く撃沈しなさい!」

 

爆発の中からレティの悲痛な声が聞こえてくる。

でも容赦はしない。

妖怪はすべからく私たちの手によって撃墜されるべきなのだ。

 

「行くぜェ…黒魔『イベントホライズン』!!」

 

「幻符『殺人ドール』」

 

魔理沙からは極太のレーザーが、咲夜からは連射される大量のナイフが放たれた。

もちろん私の札による攻撃も続いている。つまりレティは今動けない状態にある訳で。

 

「えっちょ、痛っ…スペル二つは洒落にならーー」

 

「吹っ飛べェェエ!!」

 

 

 

ドォォォォオオン…

 

 

 

魔理沙の怒号と共に、似非黒幕(レティ)は光とナイフの波に消えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で? あんた本当に何も知らないの?」

 

「ホントよ! さっきから言ってるじゃない! 私は雪女だから、異変に乗じて暴れてただけなのよ!」

 

「じゃあ何か? ただ黒幕っぽくなりたかったからチルノにあんな面倒な力まで与えたと?」

 

「アレはただチルノの報復を手伝ってあげただけよ! 何か悪い!?」

 

「はぁ〜…ったくこの雪女は……」

 

私達の弾幕によって気絶したレティを叩き起こし、その様子を見ていた魔理沙たちに鬼畜鬼畜言われながら始めた尋問。

からかっているだけなのは分かっているけれど、あまりに真に迫る言い方に拳を震わせ、殴りたいのを必死に我慢しながら尋問したというのに……

 

 

 

「私異変の原因については何も知らないのっ!」

 

 

 

……この始末である。

 

もういっそコイツを殴ってやろうか。

いや、そうしたらまた魔理沙たちに鬼だの鬼畜だの言われるに決まっている。

ここは堪えないと……。

 

全く、からかうにしても私の兄貴分の方がもう少し優しかったわよ。

……まぁ、もう何年も会っていない訳だけど。

 

「はっ、情報も何も持ってない黒幕たぁ笑わせてくれるぜ」

 

「うるさいわね。トドメの美味しいところだけ掠め取ってった癖に」

 

「ああなんだとぉ!? なら私と一対一でやるか!?」

 

「今年はもう疲れたからまた来年相手してあげるわ」

 

「おい、なんで負けたくせに上から目線なんだよお前!」

 

(……自分がトドメを差されたのにそれを"美味しいところ"って……悲しくないのかしら…?)

 

魔理沙たちが熱くなってきたところで、私は仲裁に入った。

一時の怒りでまた弾幕勝負を始められては、結局私の時間が取られる事に変わりないからだ。まさに本末転倒。

 

少し不満気な魔理沙を一瞥し、レティに話しかけた。

 

「それでだけど、原因は知らなくとも何か気になったこととかあるんじゃないの? 仮にも冬の妖怪なんだから」

 

「"仮に"は余計よ。正真正銘冬の妖怪です。………え〜っと…」

 

レティは手を顎に添え、考え込む素振りをすると、急にパッと顔を上げた。

その表情は"あ、そういえば!"と言っている。

 

「そう言えば、ここらの寒気を感じてて思ったんだけど…」

 

「何?」

 

レティはゆっくりと手を上にあげ……空を指差した。

 

「なんだか、空の方は全然寒気を感じない……どころか、私が眠くなるくらい暖かいのよ」

 

「空だけ暖かい?」

 

魔理沙たちに目配せをする。

彼女たちも、それには心当たりが無かったようだ。

となると……

 

「次に行く場所は決まったわね」

 

「…だな。空だけあったかいとか、どう考えてもおかしいしな」

 

「何か、流れみたいな物は無いのかしら?」

 

「あると思うわよ。空は全体的に暖かいけど、その暖かい空気にも流れはあるみたいね」

 

レティのアドバイスに、私達は顔を見合わせ、頷き合った。

やっと異変解決の糸口が見つかったようだ。

 

「じゃ、早速行って解決して、炬燵に直行よ!」

 

「おうよ!」

 

「ええ!」

 

私達はテンションを上げながら、レティの指差す空へ舞い上がった。

 

 

 

 

 

「いや、異変解決したらもう春だと思うんだけど……」

 

 

 

 

 

彼女の呟きは、残念ながら私たちの耳には届かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その頃 双也side〜

 

「あれ? ここら辺に穴があると思うんだけどなぁ……」

 

「…春度を感じられないとこうなるのですね……」

 

 

春度を辿ろうと考えていた二人は、冥界への侵入口を探して幻想郷の空を彷徨って(迷って)いたのだった。

 

 

「あ"〜見つからねぇ!!」

 

「まぁまぁ、もう少しじっくり探しましょう?」

 

 

二人が結界の穴を見つけるのは、もう少し後の事…。

 

 

 

 

 




筆が本当に進まなくて書き溜めが無くなりそうなぎんがぁ!です。どうも………。

ではでは。
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