東方双神録   作:ぎんがぁ!

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転生オリ主のお決まりPart2!!

今回は無双するの前半だけなんで、ご了承下さい。

それではどうぞ〜


第十三話 開戦、諏訪大戦

「準備はいいか、諏訪子」

 

「うん。覚悟はもう出来てるよ」

 

諏訪子の修行を開始してからもう一ヶ月たった。遂に開戦の日だ。諏訪子も一ヶ月前より見違えるように強くなった。これなら神奈子とも張り合えるだろう。

俺は諏訪子に話しかけながら、大和の方角から伝わってくる膨大な神力と霊力を感じていた。

 

「稲穂も避難したな。じゃあ行ってくる。頑張れよ諏訪子」

 

「うん。いってらっしゃい双也。神奈子に勝って、ここで帰りを待ってるよ」

 

「ああ!」

 

俺は霊力を感じる方角に向かって"自分を繋げた"。

コレは、飛び道具に標的を繋げるとホーミング弾になる原理を利用したモノだ。

俺自身を飛び道具と見立てて移動したい場所に繋げると、その力によって引っ張られて瞬間移動の様に移動する事が出来る。

と言うことで大和の大群の前に来た。みんな俺が突然現れて驚いている。一人を除いて。

 

「一ヶ月ぶりだな双也。降伏でもしに来たのかい?」

 

「んな訳ないだろ。コッチにも作戦があってね。神奈子、お前には諏訪子と一騎討ちしてもらう」

 

「…嫌だと言ったら?」

 

「そうだな…ここでお前含めて全員相手してもいいが、俺が神奈子を倒しても正直あんまり意味が無い。大将同士でやらないとな。

それに、お前らにとっても俺とやるより諏訪子とやった方が勝率はあると思うが?」

 

「………………」

 

神奈子は黙っている。対談の時に力の差が分かったんだろう。恐らくコッチの話には乗る。あとは残りの奴らだな。

俺の力を知らないから一気に向かって来るだろうし、どうするかな…

そう考えているとやっと神奈子が口を開いた。

 

「…分かった、一騎討ちするとしよう。あの神力のあるところだな?」

 

「ああ」

 

神奈子はかなりの速さで駆けて行った。向こうでもすぐに始まる。こっちもおっ始めますか!

俺は霊力を全開にして両手に結界刃を発動した。

 

「さてお前ら、全力で相手してやるから遠慮なくかかってこい!」

 

 

 

こうして諏訪大戦が始まった。

 

 

 

「「「うおおおおお!!!」」」

 

俺が開始宣言した瞬間、予想どうり全員で襲ってきた。

ふむ…まぁでも、人妖大戦の時より数は少ないし、一気に行くか!

 

「神鎗『蒼千弓』」

 

俺は宣言すると、左右に約五百本ずつ針の様な結界刃を並べて発動させた。それを一斉に前方へ射出。青白い千の矢は、大和の兵達を貫きながら飛んで行く。

人妖大戦の時よりも霊力が格段に上がったので、こういう無茶な使い方も出来るようになった。…ホント、白双也に感謝だな。

中には上手く避けた者もいるが大体三分の一は削ったかな?

 

「ん、思ったより残ってるな」

 

「貴様ぁぁ…我ら大和朝廷を舐めるなよ!!」

 

大和の兵達はむやみに突っ込んでも勝てないと判断したのか、矢での後方支援と剣や槍での前衛に分担してきた。流石、戦い慣れてるな。

後ろから延々と矢を放たれるのも厄介だし、ここは一気に!

 

「っ!?お前どうやって…」

 

「さぁ?自分で考えろ!」

 

俺は後方支援をしている兵のど真ん中に瞬間移動し、両手の結界刃で腕や弓をことごとく斬っていった。

中には剣を持った兵もおり、隙をついては斬りかかってくる。

 

「そこだぁ!!」

 

「っとあぶねぇ!」

 

俺は兵の攻撃をギリギリで避けて上に飛んだ。

そして間髪入れず霊力弾を大量に作り出す。

 

「チェックメイトだ」

 

霊力弾をマシンガンの様に放ち、戦場をなぎ払っていく。

殺傷能力は抑えてあるが、起き上がってくるものは居なかった

 

「ふむ、中々やるな」

 

…筈なのだが。

一人だけ平然としている者が居た。見ればわかる、他の兵より何倍も強い。つーか神力大分大きいんだけど…

 

「あんた大和の神か?そこらの兵より大分強いみたいだけど」

 

「そうだな、名乗っておこう。我の名はタカミムスビ。またの名を八神創顕(やがみそうけん)と言う。アメノワカヒコを破ったのはお前だな?ちょいとお前と戦ってみたくなってな。手合わせ願おう」

 

「……そうか、俺は神薙双也。諏訪に居候してる現人神だ」

 

俺も自己紹介した。正直気を抜いては居られない力を感じるので警戒は解かずに言った。つーかタカミムスビ?とんでもないのが出てきたな。神話じゃ皇祖神とか言われてなかったっけ?

そんな事など意に介さず、創顕は少し驚いた顔をしている。なんだ?

 

「ほう!人間と聞いていたが、お前があの現人神か!どうりで強いわけだな!ならば相手にとって不足なし、お前も全力で来い!

分かっているぞ?戦いの最中に、お前が人を殺すまいと急所を避けていたのは。だが…」

 

「がッ!」

 

 

 

 

「そんな事では我には勝てん」

 

 

 

 

瞬間、俺は創顕のパンチによって吹っ飛ばされた。

くそっ なんだこのパンチ!威力がシャレになんねぇ!

気付くと創顕はすでに俺の頭上を取っていた。

 

「どうした双也よ、そんなものか?」

 

創顕の周りに神力を纏った沢山の矢が作られていく。

そしてそれを全て放ってきた。

 

「くっ! 魂守りの張り盾!」

 

俺は間一髪で張り盾を発動し、致命傷は避けた。神力を纏っていた所為か全てを斬り落とす事は出来ず、何発かは身体に掠った。イテェ…

俺は傷口を繋げて治癒しながら立ち上がる。

創顕は何故か追撃せずにこちらを見ながら立っていた。

 

「そういえば能力の紹介がまだだったな。我の能力は"神器を創造する程度の能力"。神力を使って武具を生み出す能力だ。我の武具は神器ゆえに並みの強度ではない。だから…… 殺す気でかかってこい」

 

創顕から凄まじい神力が溢れてきた。手ェ抜いて急所避けてたりしたらやられるな…

俺は先手必勝とばかりに旋空を放った。

しかし

 

「ほう、刀なのに飛び道具も出せるのか」

 

創顕は手に神剣を作り出し、何食わない顔で受け止めた。

だがこれは予想通り、神器と聞いたときに簡単には斬れないと割り切っていた事だ。

間髪入れずに瞬間移動で懐に潜り込む。コレには創顕も驚いた様で隙が出来た。そこを逃さずに斬る!

 

「貰ったッ!!」

 

「ぐっ」

 

創顕は反射的に片手に小手を作って防御した。しかし俺の結界刃も、神器をも斬れるように霊力をかなり込めた物だ。刃は小手ごと創顕の腕を斬り裂いた。

 

「なんのぉっ!」

 

しかし流石は神、怯む事もほとんどせずに真剣で斬りかかってきた。俺は攻撃のすぐ後だったのでうまく踏ん張れないと判断し、両手の刃で受け止めた。しかし懐が空いたのを創顕が見逃す筈もなく、上空に蹴り上げられた。

 

「これで最後だ、双也よ!!

神剣『天元両断の大太刀』!!」

 

創顕は超巨大な太刀を創り出すと、それで突きを放ってきた。突きと言っても切っ先が非常に大きいので、当たれば真っ二つになってしまうだろう。それ程の大太刀だ。

俺は空中で体制を立て直し、こう叫んだ。

 

「勝つのは俺だ!!

大霊剣『万象結界刃』!!」

 

その刃を握りしめて大太刀に突っ込んだ。

俺が発動したのは、簡単に言えば全力で霊力を込めた結界刃だ。作りは単純だが威力は絶大。膨大な俺の霊力のほとんどを込めて発動したのだ。刀身は60cmくらいだったのが2m程にまで伸び、切れ味もこの世のどんな結合も断ち切れる程になっている。"万象一切を斬り伏せる"という意味を込めてつけた名だ。

 

互いの刃はぶつかり合い、競り合う。しかしそんな状態も長くは続かず、間も無く片方の刃が斬り裂かれた。

衝撃で巻き起こった土煙がだんだんと晴れていく。

 

「全く、諏訪にはとんでもないヤツが居るモノだな」

 

「褒め言葉として受け取っておくよ。俺の勝ちだな、創顕」

 

創顕は肩から腰まで深く入った切り傷から血を噴き出し、その場に倒れた。戦いに勝利したのは俺。万象結界刃を解除して創顕の下に歩み寄る。

 

「何故…治しているのだ…?」

 

「俺が今まで急所を避けてた理由を考えろ。……殺しはあまりしたくないんだ。遺された奴らがどんな気持ちになるか知ってるからな」

 

俺は創顕の傷口を繋ぎながら言った。何故治すかなんて言ったら殺したくないからに決まってる。人妖大戦で思い知った事だから。こいつにも必ず繋がりを持つ人達は居る。そういう人達を悲しませたくないのだ。

 

「よし、治ったぞ。あとは自由にしろ。俺は諏訪子達を----!?」

 

「……何故ここにいるのです?"アマテラス様"」

 

「あらあら、負けてしまいましたかタカミムスビ。まぁ仕方ないでしょう」

 

俺は驚愕した。俺が膨大な神力を感じて振り返った場所には、白や赤と言った明るい色の衣を纏う美しい神、アマテラスが立っていた。たしかアマテラスは参戦しない筈、なんでここに居るのか。もしかして負けそうだからって乱入しにきたのか!?……それなら条件違反だ、天罰下してやる…

俺は無意識にアマテラスを睨んでいた。

それを見てアマテラスは、

 

「もう…そんなに睨まないでくださいよ。私は戦いにきたのではありませんよ?戦の条件に違反したら罪ですからね、貴方には勝てません」

 

「ならなんでココに来たんだ?」

 

「それはですね…」

 

俺は次の瞬間、さっきとは別の意味で驚愕した。

いや肩透かしを食らったと言った方がいいかな…

 

 

 

 

「双也、貴方とお友達になろうと思って!」

 

 

 

 

「「………………は?」」

 

俺と創顕は声を揃えて間の抜けた声を出した。

お、お友達?おともだちって…お友達の事だよな?

…………え?

 

この場にはしばらく静寂が走っていた。

 




自分のネーミングが恥ずかしい……

私の中ではアマテラスは天然お姉さんなイメージです。空気読まない所とかね。


ではでは。

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