今回で双也くんの能力が判明します!
強いて言うならもう少しあるんですけど。
ではどうぞ!
俺は鼻をくすぐるいい匂いで目を覚ました。リビングに行くと永琳が朝飯を作ってくれていた。見たこともない料理だが匂いでわかる。コレは絶対美味い。
「ふわあぁぁ… おはよう永琳」
「ええ、おはよう双也。思ってたより早いのね。お昼くらいまで寝ているのかと思ったけど」
「ばかにするなよ。これでも俺は現役の高校生だったんだぞ?」
「こうこうせい?」
「あいや、何でもない」
危ない、とっさに前世の事が口から出てしまった。
転生の事が知られると面倒くさくなるだろうしね。
面倒事が嫌いなんだおれは
永琳は未だ首をかしげているが諦めたようで朝飯を食べ始めた。
「ところで双也、今日は空いてるかしら?」
「空いてるも何も、ここに来て1日目だぞ?予定なんかある訳ないじゃん」
「そう、それなら今日は"修行"するわよ」
「ほー修行か。そりゃおもしろそ……」
………は?修行?………え?
「えと…どういうことかな?説明してくれる?」
「もちろんするわよ。でもとりあえず朝ごはん食べてちょうだい。冷めちゃうわ」
「は、はい…」
俺は永琳の言う通り、納得しないながらも朝飯を食べ進めた。お、やっぱコレ美味い。
食べ終わったのを見計らって永琳が話始めた。
「それじゃ7時頃になったら稽古場に来てちょうだい。その時に説明するわ」
「いや道がわか----」
「はい」
俺が言い終わるより先にボタン付きの鍵を渡してきた。
2度目なんだから把握はしてるか。永琳だもんな。
そこで永琳とは別れた。7時までは仕事をしてくるようだ。
俺は暇なので家でゴロゴロしていた。そりゃあ居候がこんな事してていいのかとも思ったさ、でもね?する事がないんだもん。
7時に近くなってきたので稽古場へ行く事にした。稽古場では永琳がすでに待っていた。
「ごめん永琳。待たせたかな?」
「いえ、そんな事は無いわ。気にしないで」
会話が完全に恋人になっているが、気にしないにした。
修行に支障が出たらまずいし。
「それじゃあ始めるわよ。まず説明からね。最初に覚えてもらうのは"能力"よ」
「能力?」
「ええ。昨日ツクヨミ様に呼び止められたでしょう?実はね、あの時ツクヨミ様に、"あなたに能力を覚えさせるように"と命令されたのよ。正直あなたに能力があるかはわからないわ。唯の人間に見えるもの」
なるほど、能力か。確かに東方の世界ならばあるだろうな。俺は転生した身だし、竜神が何か付けてくれてると思うけど…
そう考えていると永琳が顔を近づけてきた。え!?ちょ、なに!?
「え、永琳!?」
「そんなに赤くならないで!私まで恥ずかしくなってくるでしょう!?能力見るから、そのままでいて!」
そういっておでこをくっつけてきた。心なしか永琳も若干顔が赤い。その状態で約10秒。もうヤダ死にそう、恥ずか死にそう。
俺がこの状態に耐えられなくなってきた頃、永琳はやっとおでこを離した。……若干顔を引きつらせて。
「えと、どうしたの?」
「……予想外だわ…まさかこんな能力があるなんて…もしかしてツクヨミ様は見抜いていたのかしら…」
なんかブツブツ言っている。焦れったいので大きな声で呼んでみた。
「永琳!!」
「ひゃあ!! え!?あ、ごめんなさい、取り乱したわ」
今までの永琳からは想像も出来ない可愛らしい声が出た。コッチまでびっくりする。
「えっと、能力ね? 良く聞きなさい」
「うん」
「あなたの能力は"繋がりを操る程度の能力"よ」
? なんだそれ?よく分かんない能力だな…繋がりを操るって、つまりどういうこと何だろうか
「わかんないって顔してるわね。無理もないわ。簡単に言うと"結合と遮断を操る程度の能力"よ。あらゆる物や概念を結合させたり、一つの物を遮断して分けたり。両方を同時に発動させる事もできるみたいね。正直言って反則級よ、こんなレベルの能力見たことない」
「くっついているものを分けたり、またくっつけたり出来るってことか。まぁ確かに、それなら繋がりを操ってるな。でもなんかショボくないかそれ?」
一つの物を分ける、くっつける。それの何がすごくて引きつっているのだろうか?
「あなた自分の能力なのに何もわかってないわね。いい?具体例を出すけど、遠くにある的に向かってパンチをすると、当然拳は届かないわ。」
「そりゃそうだな」
「でも結合の能力を使って"拳圧"と"的"を繋げるとすると、拳は遠くの的にも命中するようになるの」
「おお、それはすごいな!」
遠くの的にも攻撃出来る。つまり当てられない物は無いって事じゃんか!やった!竜神ありがと!
「そしてもう一つ、遮断の能力。こっちはもっとすごいわ。"視線"を遮断したりすれば当然あなたは見えなくなるし、"原子"を遮断とするならありとあらゆる物を切ることが出来るわ。例を上げればキリがないけど…とんでもないわね」
おいおい、本当に反則級じゃねぇか。俺みたいなヤツがこんな能力持ってていいのか?
説明を聞けば聞くほど俺まで顔が引きつってきた。すごいもん授かったもんだなぁ
俺が能力を理解するのを確認すると永琳は出口へ歩いて行った。
「ちょ、永琳!?何で帰ろうとしてんの!?」
「ごめんなさいね?ちょっと規格外過ぎて私の手におえないわ。修行は自分でやってちょうだい。」
「はぁ!?」
「大丈夫よ。相談には乗ってあげる。修行に付き合うのは無理と言ってるだけよ。じゃあ先に帰ってるから」
えぇぇー…永琳本当に帰っちゃった… ふぅ、しょうがないか。まだ8時頃だし、切り替えて頑張ろう。
〜二時間後〜
「ハァ…ハァ……ふぅ」
俺は能力をいろいろ試していた。初めは発動の仕方がわかんなかったので、取り敢えず"空気"同士を繋がれと念じてみた。そしたら手のひらにうっすらと輪郭を持つ半透明の玉が出来、そしてそれを投げる事も出来た。着弾点ではポンッ!っと音がなったのでホントに空気で出来てたみたいだ。なるほど、こういう風に繋げると集めることができるのか。
いろいろ試してわかったのだが、どうやら「拳圧を届かせる」みたいな使用法には、その二つの間に何か媒体が必要なようだ。この場合は空気。「拳圧を空気伝いで的に繋げる」みたいな感じだ
(あれ…そういえば…何でこんな修行してるんだ?)
俺はふと疑問に思った。永琳はツクヨミの命令を受けたから例外として、ツクヨミはなぜ俺に能力を覚えさせようとしてるんだ?ツクヨミには、俺は移住したいから来た、と告げてある。
(ただ移住したいヤツに能力……?)
何かひっかかる感じがした。もしかして俺の正体は見抜かれているのだろうか?でも見抜いた上でこうさせているのだから何か意味があるんだろう。
今は流されるしかなかった。
「神の目は欺けない…か。」
俺は一人、修行を再開した。
と、そこへ声をかける者が。
「あの、すいません」
「ん?」
俺は声の聞こえた方へ振り向いた。そこには腰まで届く様な長い紫髪を黄色いリボンでポニーテールに結び、ワイシャツの上に胸から伸びた紅衣を纏う少女がいた。
「何か用?」
「あ、いえ、家の道場で知らない方が稽古してるなと思ったので、声をかけさせていただきました。」
おっと、道場主だったようだ。これは挨拶しないとな。
多分これからも使わせてもらうだろうし
「すいません。俺は神薙双也と言います。八意永琳と言う人に連れられてココに来ました。」
「ああ、永琳様のお知り合いの方でしたか。私は綿月依姫と言います。以後、お見知り置きを」
おお、すごい礼儀正しい。前世ではこんな人は周りに居なかったから結構新鮮に感じた
…はて、綿月?どっかで聞いたことある気がする…
まぁいいや、どうせ東方関連だろう
「あの、永琳様とはどういう…」
「ああはい、説明しますね」
〜少年説明中〜
「というわけだ。」
「なるほど、ツクヨミ様のことは気になりますが、そういうことでしたら」
事の顛末を話した。出会った時からここで何をしていたかまで。能力の事までは言わなくてもいいかなと思ったが、迷うくらいなら言ってしまえと言う結論に辿り着き、全部話した。
因みに説明の途中で敬語はやめて欲しいと言われたから普段通りにした。なんかフレンドリーな人多いね。それとも何か違和感があるのだろうか
「あの、提案があるのですがいいでしょうか?」
「ん?提案?」
「はい。聞いた感じ、あなたはとても強い能力をお持ちの様です。強い能力には暴走するリスクも考えられるので早く力を付けた方がいいと思うのです。」
「まぁそうだな」
「はい。なので少しでも早く能力を操れるよう…」
私と一緒に稽古しませんか?
この言葉から始まった依姫との稽古。正直言ってかなりキツかった。今日の内では依姫の足を動かせる事すらできなかった。ちょっとショック。
その夜、永琳にココってフレンドリーな人多いね、と言ったら全て察したようで、
「それはどうかしら。私が思うに、双也の外見で敬語はなんとなく気持ち悪いからだと思うけど」
と、返された。俺はしばらく動けなかった。永琳…そんな風に思ってたのか…
今日はかなり濃厚な1日だった気がする。明日の稽古に向けて、俺は眠りについた。
ちなみに、双也くんの東方知識はどの程度かというと、
「動画を見てたら興味を持ったので、ちょいちょい見ていてキャラ設定が少しわかる」程度です。なので主に小説などに出ていた依姫や豊姫のことはあまり知りません。うろ覚えです。
ではでは。