魔法科高校の帰還者   作:テトマト

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2話の投稿が抜けていたので投稿してます。
話数がずれていたので修正してます。


お詫びに夜にもう1話投稿しようと思います。


第6話

昼休み。

生徒会室に入ると、七草先輩のほかに、風紀委員長の渡辺先輩、それから見覚えのない先輩が二人いた。

机に向かっていた小柄な先輩と、背の高い先輩。どちらも生徒会の腕章を付けている。

「いらっしゃい。紹介するわね」

真由美先輩が、指先で順番に示す。

「会計の市原鈴音ちゃん。こっちは書記の中条あずさちゃん。通称――あーちゃん」

「会長! あーちゃんって呼ばないでください!」

小柄な先輩――中条あずさ先輩が、顔を赤くして抗議する。

「……会計の市原鈴音です。よろしくお願いします」

「え、えっと……書記の中条あずさです。よろしくお願いします」

「藤丸立香です。よろしくお願いします」

「マシュ・キリエライトです。よろしくお願いします」

達也と深雪もそれに続く。

「司波達也です」

「司波深雪です」

真由美先輩が壁際の自動配膳機を指さした。

「みんな、お昼どうする? 配膳機もあるけど」

「頂きます」

「私も」

達也と深雪が返事をする。

「藤丸くんとマシュちゃんは?」

「私たちは、お弁当を用意しています」

マシュが鞄から包みを取り出すと、真由美先輩の目がきらっと光った。

「手作り? すごいわね!」

それぞれが昼食を広げ、自然と席が落ち着く。

箸の音が混じり始めたところで、真由美先輩が何気なくマシュの弁当を覗き込むように言った。

「ねえマシュちゃん。藤丸くんの分も作ってるの?」

「はい。正確には、一緒に作っています」

「え、藤丸くんも?」

「俺はちょっと手伝ってるだけで、ほとんどマシュだよ」

マシュが小さく頷く。

真由美先輩が目を丸くした。

「えっ……“一緒に作ってる”ってことは、藤丸くんとマシュちゃんって――一緒に住んでるの?」

「はい。そうですが」

マシュがあっさり答えた瞬間、場が一瞬だけ静かになった。

渡辺先輩が箸を止め、達也も目線だけを上げる。

真由美先輩が、悪気なく首を傾げる。

「……付き合ってるの?」

「?」

藤丸が不思議そうに首を傾げる。

「いいえ」

マシュも即答した。

「つ、付き合ってなくて同棲……?」

あずさ先輩が真っ赤になって慌てる。

「え、えっと……不純なのは……だ、だめですっ」

「ち、違います!」

藤丸が思わず声を上げた。

「そういう関係でもないですから!」

「はい。先輩とは、そういう関係ではありません」

マシュが真面目な顔で補強するので、余計に誤解が増えそうになって、藤丸は一瞬だけ頭を抱えたくなる。

「お互い同意の上なら、不純ではないだろう」

達也が平然と言った。声はいつも通りなのに、どこか意地が悪い。

「達也、意外と性格悪いな」

藤丸がジト目を向ける。

達也は表情を変えない。

「事実を述べただけだ」

真由美先輩がくすっと笑って、ぱん、と軽く手を叩いた。

「はいはい、話が逸れたわね。ごめんごめん。――続きはまた今度、ね?」

その“また今度”が一番危ないやつだ、と藤丸は思ったが黙っておいた。

「じゃあ、食べましょう」

改めて箸が動き出す。

真由美先輩が改めて藤丸たちの弁当を見て、素直に声を上げた。

「わぁ……藤丸くんたちのお弁当、美味しそう」

「はい。マシュは料理がすごく上手いんですよ」

藤丸が自分のことみたいに自慢すると、マシュが少し恥ずかしそうに目を伏せる。

「……恐縮です」

「ねえ、一口もらってもいいかしら?」

「いいですよ」

藤丸が弁当を差し出すと、真由美先輩はだし巻き卵を一切れ口に運んだ。

「……なにこれ!? すごい美味しい!」

「ありがとうございます。そのだし巻き卵は、紅閻魔さん直伝のレシピで作ったんです」

褒められて、マシュが少しだけ誇らしげに言う。

「紅閻魔さんって誰?」

真由美先輩の当然の疑問に、マシュは慌てて補足した。

「す、すみません。私の料理の師匠です。昔、色々とお世話になりまして……」

「師匠……料理の……」

真由美先輩が面白そうに頷く。

そのやり取りを、渡辺先輩が静かに見ていた。

「……マシュ。よければでいいんだが、そのレシピを教えてもらうことはできるか」

「もちろん構いません。後でお教えしますね」

マシュはそう言って、渡辺先輩の手元へ目を向ける。

「渡辺先輩も、ご自身で料理をされるんですね」

「……意外か?」

「いえ。その手を見れば分かります。普段、包丁を握っている手ですから」

渡辺先輩は少しだけ目を逸らし、手を控えめに引っ込めた。

それから、しばらくは食事の時間になった。

配膳機のトレーが返される音、弁当箱の蓋が閉まる音。誰かが小さく「ごちそうさま」と言って、空気が一度落ち着く。

――そして、真由美先輩が“会長の顔”に戻る。

「じゃあ、本題に入ろうか」

 

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