夢現世界の災凶姫~Disastress in the Parasomnias~ 作:サッドライプ
割とちょこちょこ気持ち悪くなるミュートくんですが、どんなリクエストされても幸せになりながらそれに応えるのがプリナちゃんなので、お似合いの二人ですね。
今回は非R18チキンレース開催中。
出逢って即付き合って数日で同棲。それなんて超特急。巻きにかかったラブコメ漫画でもそうそうないんじゃね?って話なんだけど。
でもプリナちゃんは違った!俺のこと本当信頼してくれてるんだなーって、数日っていうか実際は200日以上俺のことを近くでずっと見ててそれで『一緒に暮らしても嫌じゃない』って思ってくれてて。
住む家が決まった時も、「愛の巣ですねっ」ってド直球な言葉ではしゃぐからこっちが照れまくりでも幸せ。しかもそれから、まだ短い間だけど一緒に過ごしてて不機嫌そうな顔してたことが一度もなくて、呼びかけたり近寄ったりするとぱぁっと嬉しそうに笑うのが可愛すぎて辛い。
ただ、どんなにすてきでいいこな彼女さんでも、同じ家で過ごしてると微妙に気まずくなる時間もあるもんで。
下着の洗濯?そこもちょっとは恥ずかしいけど、水を操るプリナちゃんにかかればすすぎ洗い脱水乾燥まで一瞬で終わらせるすーぱー女子力(?)。服とかシーツとかカゴいっぱいのをすぐにまっさらにしてくれるから、あとは一緒にたたむだけ。洗濯もの関係は全部おまかせ状態だから、なんかの間違いで女の子の脱ぎたてパンツが手元に、なんて少年漫画やラノベみたいな展開を体験することも今のところなかった。………いや残念とか思ってないから、うん。
でもそれより直球で、パンチ力のやばい展開ってあるよね。ぶっちゃけるとお風呂。
「………ミュート。おふろの準備、できたようですよ?」
「う、うんっ。昨日はプリナちゃんが先に入ったから、今日は俺が先に入るな!」
入る前からちょっと顔の赤いプリナちゃん以上に、俺の顔が既に真っ赤っかだと思う。
だってえっちじゃん。俺の浸かったお湯にプリナちゃんが入るのも、プリナちゃんが入ってたお湯に俺が浸かるのも!こんなえっちな入浴剤ないじゃん!!(錯乱)
男の汗のしみ込んだシャツをヒロインがくんかくんかして「変態だーッ!」ってやってるギャグものはどっかで見たことあるけど、女の子の汗が溶けたりなんか白い毛が浮いてるお湯に全身を沈めるのはもうレベルが違うじゃん。逆の立場をプリナちゃんに体験させるのもえっち過ぎるじゃん!
………かと言って一度お湯を抜くのも、大好きな彼女さんを拒絶してるみたいで嫌だし。ていうかえっちなのは嫌いじゃないし。
そんなわけで、今日も「この後プリナちゃんもこの湯舟に浸かるんだなあ」とか考えちゃいながら入浴。さすがの高級一軒家、ファンタジー異世界でもお湯が使い放題なのは助かる。この家に住み始めた初日、半年以上ぶりにお風呂に入れた時は、なんか目元がうるっとして「本当に涙もろくなってるよ俺」ってなった。
ただあんまり長風呂する方でもないし、湯舟から出て体や髪を洗おうとしたところで。
「あ、あの。お背中流します……」
「ふぁっ!!?」
もう一生聞き間違えることはない可愛い声の後、風呂場のドアが開いて閉じた。
一瞬ひやっとした空気の流れと一緒に、入ってきたのは誰より可愛い俺のカノジョで。
「プププ、プリナちゃん!?」
タオルを巻くとかそんなごまかしはゼロ。心臓のドキドキを抑えるように胸に右手を当ててるけど、もう片方の手は背中に回ってるから大事なところが全然隠れてない。
…………きれい。それしか思い浮かばない。
ほっそりしてるけど柔らかくて筋ばってるところなんてどこにもない全身。どこ触ったってすべすべなのが見るだけで分かって、ずっと日の光を浴びてない肌は雪みたいに真っ白。
服の上からならこれまで何度も抱きついたり抱きしめてくれたから、“ふにっ”って最高の触感を伝えてくれるのを知ってる胸のふくらみの先っぽとか、形は完璧だけど意外に“もちっ”ってしてるからおひざに座ってくれると感触まで究極なおしりとふとももとか、反対側のおまたの―――もうここはどう言い表せばいいのか全然見当つかない。『脳殺』って言葉の意味がおばかな俺の頭にもこれでもかというくらい分からせられた。
そして、そんなプリナちゃんのハダカが視界に焼き付いて、………そのまま俺は全力で反対側を向いていた。
いや、違うんだよ(誰にともなく言い訳)。そりゃそのままあのすさまじくえっちなプリナちゃんの全裸を見続けたら俺の脳が持たないってのは確かにあったけど、ヘタレたとかそんなんじゃなくて。
「ミュート、かゆいところはないですか?」
「触られてるところが気持ちいいのしか分かんない…頭がしあわせ……」
「ふふ、よかったです」
シャンプーしてくれてる。プリナちゃんが。
背中をタオルで優しく擦ってくれただけでも、ありがとうを何千回言っても足りないくらい感謝感激なのに。
「わしゃわしゃー♪」
「ぉぅふ……」
あのやわっこい指で頭皮もみもみ。泡を髪になでつけながら前も上も横も後ろもていねいに洗ってくれてる。のーみそが溶けそう。だって頭蓋骨はさんで1~2センチしか離れてないところをずっとプリナちゃんの指が触りまくってるんだぜ?しかもはだかのまま、両手使ってるから今はぜんぜん何も隠れてないはずで。こんなのエッッッッッッッチじゃん!!!!
最高。いやプリナちゃんといちゃつくたびにそんな感想出てる気がするけど本当に最高。ただ残念なのは、どれだけていねいにやっても男のシャンプーなんて数分で終わってしまうことで。
「流しますよー」
合図した後で、風呂桶からさーっ、とお湯を落として泡を洗い流してくれる。ばしゃあ、じゃないあたり優しさを感じるのほんと嬉しい。
幸せ過ぎて起きたまま夢でも見てるんじゃないかって気分で、プリナちゃんにありがとうだけ言ってふらふら風呂場を出る。さっきまでわしゃわしゃしてくれてた髪をタオルで乾かしながら、あこがれをなんでも叶えてくれる理想の彼女さんに対する想いが気の抜けたつぶやきで漏れた。
「プリナちゃん、ほんとすき……」
『わたしもだいすきですよ、ミュート!』
「~~~~っっ」
返事はお風呂から聞こえてきたから、いつもよりエコー掛かってた。
…………。
プリナとミュートには、一方通行のコミュニケーションだったとはいえ二百日以上をずっと二人っきりで過ごした時間がある。それも毎日毎日、自分という恋人と何をしてどんな風に愛し合ってどういう反応をして欲しいのか、熱烈に語ってくれた素敵で幸せで絶対に忘れられない濃密な時間が。
故、こと彼の内面の性格や趣味嗜好、思考様式についてはそれこそ生みの親よりも知悉していると彼女は自負している。
とはいえ何事も知識を実践に移す際には問題が起こるもので。
(『全身に泡を付けてお互い洗いっこ』したり、『一緒にお湯に浸かりながらはだかでぎゅー』はまだ難しかったみたい)
背中と髪を洗って流すだけでがちがちに固まってしまった初心な少年を微笑ましく思いつつも、彼が語ってくれた『恋人とやりたいこと』の続きをあのまま実践すると、いちゃつくどころではなくなるだろうなという未来がプリナには見えてしまっていた。
期待していた展開まで辿り着けなかった形だが、原因である彼に別段失望などはしていない。むしろこの■■と化した肉体にミュートが意識を失いそうなほど欲情し興奮してくれたのなら、これに勝る歓喜があろう筈もない。
それに今日は初めて互いに裸を見せ合ったことで閾値を超えたのだろうが、これから何度も入浴を共にすれば少しずつ慣れてくれることだろう。他にもまだまだまだまだ『恋人とやりたいこと』が山積している中、幸せを噛みしめる余裕もないまま焦って初回を無為に消化するなど勿体ないにも程があるので、強行しようなどとは思わない。
(でも本当の問題はその先のこと)
つい先ほどまで愛する人が入っていた湯船の中。少しぬるくなった水温の中でカラダの火照りと疼きを愉しみながら、少女は浮かされたような思考を先に飛ばす。
―――愛し合う者同士が行きつく求愛の最たるモノ。まぐわい、交尾、性交。
「あなた様は、どんな女を犯したいのですか?」
彼が語ってくれた『恋人とやりたいこと』の中に、流石にそういった明け透けな話はなかった。それこそ『全身に泡を付けてお互い洗いっこ』したり『一緒にお湯に浸かりながらはだかでぎゅー』が最も際どい部類に入る程度。
羞恥心や見栄などもあるだろうが―――そもそも具体的に語れるほどの経験がないのだろうとプリナは看破していた。あとは愛情と欲情を混同することに嫌悪感を感じる、童貞らしい潔癖思考も。
勿論彼が他のオンナを知らないのは嬉しいことでしかない。だがプリナとて他の男を知らない―――知りたくもないが―――以上、これに関しては全く未知の領域になってしまう。
元々血統を次代に繋ぐことを義務付けられた生まれとして、遠い昔に『挿して
それでも、不安はない。焦燥も。
まだ彼は慣れていないだけ。同じ家に住んで、少しずつお互いに裸を見せ合うことが当たり前になっていけば、きっとその時語ってくれる筈だ。『恋人とやりたいこと』の更にその先で、自分という恋人と何をしてどんな風に愛し合ってどういう反応をして欲しいのか。
少し恥ずかしがりでやきもち焼きだけど好意は強く漏れる女の子のまま『嬉し恥ずかし』がいいのか。
それとも何も知らない純粋無垢なお姫様を獣欲の滾るままに蹂躙したいのか。
逆にすっかり快楽の虜となって発情した女からひたすらに求められたいのか。
子を甘やかす母親のように優しくどこまでも深く抱擁されながら果てたいのか。
端女のように従順かつ卑屈になった女から媚びて奉仕されたいのか。
恥を捨て去った淫売として下品な仕草で情欲を煽って欲しいのか。
なんだっていい。なんだってやる。それが彼の『理想のおよめさん』なら、どうなったって幸せなのだ。
だから不安はなく、より求められることへの期待しかない。焦燥もなく、ただ遠くない未来のその時を想い沸き立つものがあるだけ。
彼と出逢うためとはいえ、生まれ堕ちてより千と十余りもの無駄な歳月を過ごしてきたのだ。それを思えば彼と満ち足りた同棲生活をしながら待つ程度、何を鬱屈する必要があるものか。
「あなた様は、どんな女を犯したいのですか――♡♡♡」
湯煙に湿るバスルームの中で、欲情に濡れた雌の声が外に漏れることなく反響していた。
>洗濯もの関係は全部おまかせ状態
なおプリナちゃんが後から風呂に入る日は、バスタオルは一枚しか洗濯されないらしい。
>女の子の脱ぎたてパンツが手元に
ちなみにリクエストすれば、スカートたくし上げどころかその場で脱いで両手で拡げて『当たってた部分』をアピール、なんてドスケベ羞恥プレイでもにこにこしながら(勿論恥ずかしがりながら、とか嫌そうな顔で、とかのオプションも可)やってくれるプリナちゃんである。流石にミュートくんがそこまで吹っ切れることはないだろうけど。
>半年以上ぶりにお風呂に入れた
プリナちゃんは封印されてたから約千年ぶりの入浴―――いえ、他意はないですが。
>「あなた様は、どんな女を犯したいのですか?」
その発言が既にどすけべなプリナさんせんばつばつさいかっこしょじょ。