夢現世界の災凶姫~Disastress in the Parasomnias~   作:サッドライプ

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 サブタイがそこそこヒドい………まあ昔あいりすペドフィリア(原作名あいりすミスティリア)とかいう幼女主人公だからって2秒でてきとーに考えたヒドい作品名もあったしへーきへーき。

 ミュートくん視点で書くと語彙力的にド直球でR18になってしまうか全くエロくない文面になってしまうので、プリナちゃん視点でR17.5くらいのチキンレースやります。
 VBLクラファン開始記念に、清楚姫ペンギンの時の空気感で。




全裸リボン

 

「はいって、いいですよ」

 

 ドアの向こう、部屋の外で待ってもらっていた愛しい人に呼びかける。

 自身の声ながら驚くほど―――そして呆れるほどに湿り気を帯びた声音だった。

 

 歓楽街の娼婦の客引きですら、ここまで酷く(さか)ったメスの声は出さないだろう。金目当てですらなく“行為”そのものが目的なのだから、ある意味彼女達よりも卑俗と言える。『姫』として生まれた自身がそのような端女(はしため)に成り下がったことに、震えるほどの高揚すら覚えていた。

 

 全ては愛のため。ミュート専用の『理想のおよめさん』として心身ともに捧げ、初夜を越える。裸体を飾る黄色いリボンは結納品の熨斗(のし)紙に等しく、「もう私はとうにあなた様のものなのだから、好きに使ってください」というメッセージだった。

 黄色いリボン。エルザの考えたとおり、“今はまだ”ミュートをイメージする際に最も相応しい色合いで、故にその色で幾重にも巻き束ね縛られた『プリナ』はあなた様の為だけのものと、視覚に鮮烈に訴えかける。

 

 媚びるどころの話ではない、全身全霊を明け渡すも同然の振る舞いに躊躇(ためら)いはなかった。大事にしてくれる、愛でてくれる、幸せにしてくれる。ならば何を勿体(もったい)ぶるというのか。

 あの遺跡で幾夜も語ってくれた素敵な恋物語、そして現実に共に過ごす中で期待よりもなお深い幸せを与えてくれた『理想以上のだんなさま』。彼に愛される日々がプリナの脳を焦げ付くまでに焼き、心をドロドロに(とろ)かし、魂を穴だらけになるまで撃ち抜いて―――まだ足りない。

 

(もっと、もっと、もっと、もっと!!『プリナ』を、壊してくださいませ?)

 

 ぐちゃぐちゃに踏みにじられ、理性も正気も尊厳も跡形もなく砕け散り、残るのは彼に都合のいい、彼の最も好む形の、彼に愛される為だけの『理想のおよめさん』。そういうものになりたいから。それ以外のものなんて要らないのだから。

 

 

「プリナ、ちゃん……!?」

 

 

「うふふ。はい、『プレゼントはわたし』ですよっ♡」

 

 

 ベッドの上でぺたんと女の子座りをして、ハグをねだるように両手を差し出す。

 わざとゆるく縛っているリボンだから、身じろぎする度に少しずつずり落ちる。“先端”までぴんと張った乳房、陰の濃いへその下、そういったはしたない部分が徐々に(あら)わになっていく。もちろん隠す素振りなど一切見せないまま、ひたすらに求愛のポーズを維持する。

 

「ぁ、ぅ……ッ!?」

 

 何度か入浴を共にし、まっさらな裸体を目にしたこともあるというのに。

 ドアを開けた体勢のまま、視線以外の全てを固まらせる彼の初心さが胸を締め付けてたまらない。

 

「あはぁっ♡もっと、見て?近づいて見て?わたしだけを、見て?」

 

「プリナちゃん。プリナちゃん――っ」

 

 愛しい彼の眼の焦点が、リボンに包まれた裸体のいたるところをなぞる。見られた部分が火照りを増していき、比喩ではなく視線が熱を帯びていると錯覚しそう。

 

 瞳。あなたを見つめるための。

 唇。愛を囁き、接吻するための。

 髪。あなたに擦りつけ、匂いを移すための。

 腕。あなたを抱きしめ、触り尽くすための。

 脚。あなたに絡みつき、ニガサナイための。

 首。いつでもあなたの方を向いているための。

 腹。もっと上を見ていいの。下でもいいの。でもここも十分気持ちいいわ。

 胸。あなたの欲情を煽るための。あなたを気持ちよくするための。

 

 そして、あなたを受け容れるための。あなたに蹂躙されるのを待っているのは。

 

「見て、見て、見て…っ♡♡♡」

「………っ」

 

 言葉を紡ぐことさえできず、ふらふらとこちらに吸い寄せられて来る愛しい人。甘い香りで餌をおびき寄せる人喰い花、自分がそんな魔物になったかのような錯覚を憶える。

 

―――ああ、やっぱり私はバケモノだった。

 

 あなた様をしゃぶり尽くして、(むさぼ)り尽くして、骨の髄まで侵し尽くす。下品で、下劣で、下衆びた欲望の塊。

 なのに疑うことすらしないで、息を荒げて至近距離で食い入るように見つめてくる、無警戒な愛しい愛しいエモノ。

 

 

 そんなに無防備なのだから、何を奪われたっていいってことですよね?

 私の全てをあなた様に差し上げるのですから、あなた様の全てを“いただいて”かまわないのですよね?

 

 

「ハァ、ハァ、は、ァ……ッ!!」

「はあ、はっ、はっ、はっ……!」

 

 

 興奮に支配された(ケダモノ)の呼吸が重なる。メスの側は、むしろ積極的に同期させている。性欲を、支配欲を、愛欲を、相手も抱いているのだからとその全てを肯定するために。

 あるいは、彼を押しとどめる理性の鎖を緩めるために。仕方ない構わない問題ない、彼女の側から求めてきたのだからと―――彼を崖から落とし、『プリナ』という名の海に沈めて二度と浮かび上がらせないために。

 

 口づけしそうで触れない距離で、見つめ合いながら荒い呼吸をぶつけ合う。肺の空気が彼の吐いた息で満たされるのに恍惚としながら、腕は既にくたりと垂れ下がっている。決して自分からは触らない。

 だって、プレゼントの包装を、まだほどいてもらってないのだから。

 

 

 

「さわって?」

 

「―――ッ!プリナ、ちゃん!!」

 

 

 

 乱暴に押し倒される。震える手で引っ張られたリボンが、結び目がほどけてはらりと落ちる。差し出した肢体を、まずは感触を確かめるように掻き抱かれる。密着した面積が広過ぎて、興奮した肌がびりびりと電気信号をショートさせる。

 

「~~~~~っ♡♡♡♡」

 

 いつでもプリナを大切に優しく気遣ってくれたミュートの理性を()がし、欲望に暴走する姿を引き出した。その事実だけで頭が沸騰しそうになるくらいの悦楽に満たされる。

 あの遺跡で封印から解放された直後、彼に告白されて承諾の返事代わりに初めて口づけを交わした時と同じかそれ以上。だがプリナは耐えた。こんな前戯ですらない段階で果てるなど勿体ないにも程がある。

 

「―――ねえ。愛していますよ、ミュート」

 

 だからそれがとどめになると分かっていながら、濡れた声で甘く愛を囁き、口づけた。

 

 

 

 結果叩きつけられる、彼が異世界に迷い込んでより溜め込んできたこれまでの全て。

 プリナは当然のように、全てを受け容れてワラッテいた。

 

 

 

 だって全部全部、ただただキモチよかっただけなのだから。

 ひたすらに幸せなだけの時間なのだから。

 

 

 

…………。

 

 燃え上がった時間が終わり、喘ぎ声もいきる声も果てる声も収まる頃に。

 

「プリナちゃん……、その、だいじょうぶ?」

「ふふ。だいじょうぶじゃないです」

「ぅっ」

「幸せ過ぎて、壊れちゃいました♪」

「~~~っ、本当にもう、可愛すぎかっ!!」

 

 べっとりとした諸々の体液に浸りきった黄色いリボンが散乱するベッドの上で、一枚のシーツに共にくるまりながら密着してじゃれ合う恋人同士。

 

 ころころと笑うプリナの肢体はその表情と裏腹に、生乾きの唾液や汗などで妖しく濡れてかり、(ついば)まれたり押さえつけられた肌の赤みが全身に及ぶ。仮に涙ながらに凌辱されたと主張して十人が十人疑うことのないであろう有様だった。

 そんな痕跡を見(とが)めて後悔と自己嫌悪を感じるミュートの内心を察していながら、敢えて指摘して解きほぐすことはしなかった。

 

(『もっと優しくしてあげていれば』なんて、それがミュートのいいところですが)

 

 別段どんな抱かれ方でも文句はない。愛してくれているのだからどんなやり方でも喜んで受け入れるだけだが、強いて言うなら、今胸に湧き上がっている気持ちは大事にして欲しかった。

 

 愛する人とより深く繋がり、快楽を共に与え合う(よろこ)び……だけでなく。

 

 

 心の底から尊いと想ったモノを自らの手で汚した罪悪感、背徳感、愉悦の湧出。

 取返しの付かない毀損(きそん)が、己の立てた爪痕が、今後永遠に相手に残り続けるのだという満足感、達成感、独占欲の満たされる至福。

 

 

 その暗くて粘っこくてドロドロしている、今まさにプリナも同じように感じている気持ちを大切に大切にして欲しかった。

 

 ただの優しい甘さなんて物足りない。舌が()けつくくらいの苦さだから禁断の蜜なのだ。

 純潔を交換し合った、この人は()童貞(処女)を卒業した、それだけで止まれない、物足りない、もうこれなしでは居られない。そんな麻薬めいた衝動を後生捨てられないようになって欲しかった。

 

 ああ、さながら人食い花という(たと)えは間違っていなかったのだろう。蜜ならいくらでも垂れ流せるのだからと、啜って、飲み干して、どんどん後戻りできなくさせる。

 

「えへへ。ねえ、ミュート?」

「なあに、プリナちゃ……むぐっ、れるるっ!?」

 

 

「んむぅ……れろれろ、はふ、ぁ…。

 どうしましょう、私ミュートのせいでとてもいやらしい女になってしまったようなのです」

「ぅ、わあ……っ」

 

 

 舌を絡めて押し付けて、離れたと思ったら互いの唇に唾液の糸を繋げる淫靡なキス。

 あなた様のせいで―――自尊心という名の理性と獣欲という名の本能を両方くすぐりながら、魔女はワラう。

 

 

「あなた様のお気に召すまま、もっと深く濃い睦み合いを。全部ぜーんぶ、私でやり尽くしてくださいませ、ね?」

 

 

 明度を下げた室内灯を逆光にして、幸福と混乱と羞恥と興奮が飽和して固まってしまった少年を妖艶に見下ろして。

 

 『花のような笑顔』を貼り付けた皮の下、陶酔に蕩け笑む淫魔の顔で。

 プリナはいかに愛する彼を望む在り方へと(いざな)うべきか、その算段ばかりを弾いていたのだった。

 

 





 B以上の直接的な行為の表現や描写はしていないからセーフ!
 この小説は18歳未満の方が読んでも性癖に何の悪影響も発生しない健全な作品です!!

>肌の赤みが全身に及ぶ
 無防備にガ〇ダムエクシアに斬りかかられて「あ、血が出た」レベルの耐久性を誇るプリナちゃんの肌が変色しているという。
 うん、ミュートくん違う意味でもプリナちゃん以外の女の子抱いちゃダメっていうかエルザでギリギリっていうか。全身骨グシャグシャ肉ブチブチプレイはリョナとかそういう問題ですらないからね。

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