夢現世界の災凶姫~Disastress in the Parasomnias~ 作:サッドライプ
ネット小説読むのも書くのももう長いけど、「恋愛対象でない女の子とアダルトショップに行って、ヒロインに着せる最高にエロい衣装を探す」話なんて商業含めて見た記憶ないなあ。
良い子の諸君!「今まで誰もやらなかったこと」は大抵は先人が「思いついたが問題点が分かり切っていたので没にしたこと」なのがほとんどだぞ!(自虐)
別に創作界隈に限ったことじゃなく、一般社会で「ぼくがかんがえた最高に斬新なアイディア」をドヤ顔でぶち上げるアホはそこそこ居るが、大抵はとっくに検討済で却下された内容で、披露した相手は「お前程度が考えつくことをなんで他の人間が考えられないと思ってるんだ?」って思ってることがほとんどだぞ!(愚痴)
「そういえば、この店の名前のデュクレイってのもどっかで聞いた気がするんだよね」
エロショップの店員―――パリドゥムさんが持ってきたスケスケ下着の数々を、白刃取りでもすんのかってくらい真剣な見切りの目つきで漁るエルザ。そこから目を逸らすっていうか現実逃避する為に、他に客もいないんで暇になった店員さんに話題を振る。
すると彼女はどこか嬉しそうに、ちょっとだけ唇をゆるめて答えてくれた。
「それはもう、この店のオーナーのデュクレイ先生はこの街一番の遺宝鑑定士ですから。ミュートさんも会ったことがあるはずです」
「え?……うーん、そんなすごい人、会ったかな……?」
「『あの子の持つアイテムちゃん達はまさに宝の山。叶うならかばんの中に飛び込んで隅々まで泳いで中身全部に頬ずりしながら一年中鑑賞したいくらいですわ。おーほっほっほっ!!』
――――と、先生は言っていましたけど」
「………なんか、頭が」
そんなクセの強いお嬢様口調でしゃべる女の人に会ったことは確かにない。代わりにそんなクセの強いお嬢様口調でしゃべる、縦ロールの髪型が見事なマッチョのオカマはこの街に来た初日に遭遇したけど。あんなん忘れられるはずがないけど。
そっかープリナちゃんですらあぜんぼーぜんするしかなかったあのお嬢カマがこの店のオーナーかあ。なんか変なところで繋がるなあ。
ていうか学園ものラノベでメインヒロインしてそうなクールな黒髪ロング美少女が、表情変えないまま超クセの強いしゃべり方のモノマネすんのインパクトあるわやっぱり。本人にウケ狙ってる意識なさそうなのが余計にじわる。
「え、ていうかそんなすごい人がなんでこーいうお店のオーナーやってんの?」
「………。仕方なかったのよ」
当然の質問をぶつけると、パリドゥムさんは今度はどこか悔しそうにしながら重い口調で話し始める。
「先生の本店の武具店は、そもそも小売りをするような安い商品はもう扱ってない。ギルドから紹介された一部のパーティーにだけ信用取引をする必要があるものなの。
それで余った店舗スペースを、先生はこうして魔道具店として弟子の私に任せてくれた。先生は普段ギルドの協力鑑定でただでさえ忙しいのもあったとはいえ、小身の頃から苦楽を共にした愛着のあるこの店を、ね」
「いい話だと思うけど……それがなんでエロショップに?」
「売れなかったの。本店用以外で仕入れる遺宝や魔道具も、ふらりと店先に来て買い物をするような客に手の届くような安い品ではなくなっていたわ。かと言って買う余裕のある上流の富裕層は、自分の伝手でお得意の商人から必要なものを買い付ける。やっぱり店舗営業には向いてなかった」
「商売ってやっぱり難しそう」
「そうよ。でも今は支店とはいえ、先生の大切なお店を
「………つまり?」
「――――エログッズよ」
「っ……!」
ごめんそのクール系美少女のシリアス顔でそんなこと言われて吹きそうになった。本人は大真面目に言ってるのが分かるから必死に我慢したけど。
「まずは木の張り型なんて比較にならない軟性素材で、かつ振動しながらうねる挿入棒と、同じ素材で男性器を摩擦する筒の二つを開発したわ。先生のところに流れてきた遺宝から着想を得て、ね」
「ごめん俺そんなドロップアイテムが手に入るダンジョンとか絶対行きたくない」
「最初は用途を聞いて大笑いした客が悪ふざけや話のネタに買っていくのがメインだった。でも男女ともに実際に試した客から好評が広まったみたい。風俗店に行くよりもよっぽど安価かつ手間なく、そしてともすればもっと気持ちいい、と。要望を聞いて品目に追加したぬるぬる液と合わせて、今では大人気商品として当店の売り上げの柱よ。あなたもいかが?」
「過去語りにいきなりエログッズの営業トーク入れられても困る」
「あ、ぬるぬる液5本ください」
「エルザ!?」
「お風呂場で全裸ぬるぬるえっち、興味ないです?」
「……っ!………、……。………~~ッ。興味、あります」
「今認めるのにすごく葛藤したわね」
「ですです」
「あーあー聞こえないー」
「他にも客の要望やアドバイスで、ソロで使う人用に官能小説や春画も棚に並べるとか。あなた達みたいなカップル向けに、先生の伝手で裁縫職人と提携してセクシー衣装を置くとか。あと実際に風俗店で使われている小道具を魔道具として開発し直して取り扱っていて、
俺とエルザがカップルだって誤解されてる。いや当たり前なんだけど。カップルじゃないのに男女で一緒にエロショップに来てエロ用品漁ってる現状がむしろなんなんだって話なんだけど。
「色々工夫してすっご。……でもよかったの?オーナーの先生は、自分の店がアダルトショップになるのは」
「『存分におやりなさい。愛する人同士がその愛を全身全霊で確かめ合い、パートナーにまだ巡り合えない孤独な夜には自分を慰める。商人としてそのシーンに更なる幸福を届け、一助となることになんの
―――先生はそう言ってくださったわ」
「ねえそのローテンションな口調だけモノマネは芸風なの?」
「?」
「や、自覚ないならそのままでもいいと思うけど」
変な笑いが出そうになるの、俺だけかもだし。
オーナーも心が広いし良いこと言ってるのはなんとなく分かるけど、縦ロールマッチョのオカマっていうビジュアルイメージが強すぎて素直に感心しづらい。パリドゥムさんは素直に感動して尊敬してるあたり、これも俺の心が汚れてるだけなのかもしんないけど。
まあでも、人に歴史ありってやつじゃないけど、アダルトショップにも色々ドラマがあったんだなーって、いい話が聞けたと思う。
そう、話のオチがひと段落したところで、現実逃避も終わるわけで。
「いい話でした!――――それではミュートさん、話の間におすすめを厳選しておいたので、気合入れて選んでいきましょう!」
わんこ系美少女シスターとクール系美少女店員の前で、カノジョに着せたい至高のスケスケエロ衣装を答えていく非常にアレな時間が始まってしまうわけで。
ぜ、善意が……にこにこ笑顔なエルザのくもりのない善意がイタい……!
――――。
「毎度ありがとうございました。今後ともご
「はいです!」
「………(ちーん)」
買い物が終わって(エロ本選定もさせられた。しかも「他の女の人のハダカに興奮するの禁止ですよっ」とかいう理不尽ルール。どうしろと)店を出た時の俺は、ほくほく顔のエルザと対照的に、あの遺跡サバイバルでもそうそうなかったレベルで疲れ切った顔をしてたと思う。
――――じゃ、じゃーんっ。どうですか、ミュート。……ふふっ、なんだかハダカより恥ずかしいですね?
まあ、そんな疲れが吹き飛ぶくらいの価値が厳選スケスケエロ衣装のプリナちゃんと、厳選エロ本シチュ再現プレイにはあったわけだけど。
あとついでに全身こすりつけ合うお風呂場ぬるぬるえっちも最高でした。
この小説はR15ですが健全です。
タグにある悶絶系ラブコメってこういうことですか分かりません(おい作者)
>クールな黒髪ロング美少女
ブルアカの調○とか俺ガイルの雪○下とかよう実の堀○とかのビジュアルで、真剣にエセDJやお嬢カマのモノマネをやったり「――――エログッズよ」とか言ってるの想像してどうぞ。……なんかセミナーの二人が必死に堪えてる中ヒ○リおばーちゃんが腹筋崩壊して爆笑してる絵面は見えた。
>そんなドロップアイテムが手に入るダンジョン
モンスターからバ○ブやオ○ホがドロップするなんて、どんなダンジョンなんでしょうね(すっとぼけ)