夢現世界の災凶姫~Disastress in the Parasomnias~ 作:サッドライプ
ここらでプリナちゃんの過去編とかやろうかと思ってましたが、性格のいい登場人物に限って誰一人救われない陰惨胸糞ド鬱ストーリーを十話近くやることになりかねないので断念。とある国の公王家関係の人物設定紹介だけで各自補完してくださいということで。
概要はあとがきにまとめたので、設定集とか読んでられるか!という読者さんは最下部にジャンプしてね。はいどーん。
S・ソブリナス
異形はびこる絶死のダンジョンの奥底に封印されていた、ただの『プリナ』と名乗る謎多き少女。その正体は千年前の伝説の英雄。世界の危機に復活し民を救済する―――とされているが、彼女はそんなことに一切興味がない。封印された過程からして、
そんな中で何もないただ一人の少女としての自身に好意を向け、愛する人と結ばれて幸せに過ごす素敵な未来をたくさん語ってくれたミュートこそが、彼女の唯一の心の光である。そう、たった一つだけの、価値のあるもの。
封印されていたそもそもの理由として、
………ありえない想定ではある。プリナがただの女の子として、愛する人と睦み合う幸福な暮らしを続けている限りにおいては。
S・ニューモニア
『英雄』の妹。愛称はニア。
残された僅かな正気でただ姉の幸せを願いながら湖底に沈んでいったが、第三の闇セプシスに姿を変えて復活。姉の恋人を見定めた後、最後にもう一度だけ会いたい、「幸せになって欲しい」「恨んでいない、大好きです」という千年越しの遺言を伝えると決め、滅びを知りながら活動を開始した。
―――血を分けた妹をその手にかけた災凶姫の心の傷。彼女の正気に残っていた唯一の未練を払い、完全にブレーキを取り去ってしまうことなんて。そんなの、■と同じく『世界を壊す闇』となった妹にとってはどうでもよかった。
S・アンギノーサス
『英雄』の父であり、当時のストレプト国州公王。控えめに言って化け物を超えた化け物でしかない彼女をきちんと一人の娘として見守っていた割と聖人。王族として民に尽くす義務を教え込んではいるものの、娘が『ただの
しかし彼女の圧倒的な力に惹かれた狂信者達が勢力を強めると、彼らにその行動を疎まれ『娘を妬みその足を引く愚王』の烙印を押されて暗殺される。意見が対立していたとはいえ決して嫌っていなかった父の突然の死を告げられ動揺する娘に、『喜んでください!これであなたは自由です』と善意の笑顔で語る者達―――後にストレプト公王家を
S・ミティス
『英雄』の母。穏やかで物静かな王妃であり、娘に慈愛と誠心を説いてその人格形成に大きく影響を与えた。だが公王暗殺事件後、理不尽に嘆き
『英雄』である娘から疎まれた“愚王の悪妻”に王宮での居場所などある訳もなく、何一つ守ってもらえる後ろ盾がなくなった太后はほどなくして夫の後を追うこととなる。毒で霞む意識が見せた幻として、かつて夫や娘と幸せだった一家の思い出に耽りながら孤独に沈んでいくのだった。
現実を見ていない女ではあった―――だが、彼女の忠告を破り憤激に身を浸した娘達は怪物に堕ちている。果たして彼女は愚かなだけだったのだろうか?
S・サリヴァリウス
継承権とは程遠いが王家の係累で、『英雄』の遠縁。高貴な身でありながら民の為に力を奮う姫姉妹の姿に心を打たれ忠誠を誓っていた。聖なる護りを
だが、信仰する英雄姫の近くに侍るイケメンが許せなかった
最期の瞬間にのみ正気を取り戻し、「御手を
その後彼の死の経緯は
S・コンステラトゥス
公王側室、つまり『英雄』の義母。熱狂的な支持と信仰を集める義娘を疎み、自らの息子を王位に付ける為に正室の子である英雄姫の狂信者を手引きして暴走させた。だがその結果は賢しらな醜母の思惑を軽く超え、公王暗殺という大凶事へと発展する。
「宮中に不和を招いた失点を作るつもりだっただけ」という言い訳など通用する訳もなく、王殺しの片棒を担いだ形になる弱みを握られ狂信者の言いなりになった彼女の望みは一応叶う。自ら産んだ子の系譜が代々公王家正統となる代償に、子孫全てが聖教派閥の
晩年は誰にともなくうわごとで謝罪を繰り返しながら、迷妄の果てに息絶えた。その死に顔は国母という地位と裏腹に、安息とは程遠かったという。
S・ボーヴィス
コンステラトゥスの息子、つまり『英雄』の義弟。狂信者達にとって都合のいい人形として玉座に縛られた空虚な王。だが自らの国を何一つ思い通りに出来ない屈辱に満ちた本人の内心と裏腹に、『英雄』の去りし動乱の時代から安定をもたらした賢王として語り継がれている。愚王に貶められた先代との比較、操り手である聖教会の思惑―――為政者に対する評価など、所詮そんなものである。
S・フィオジェネス
珍妙で騒がしいなキャラ揃いだが実力派のCランクパーティー『ワンダーブラッド』のリーダー。その身はストレプト国州公王家正統、すなわちプリナの親族の遠い末裔。そうでありながら彼が長じる前に予言された『救世主の復活』の年が訪れるため、聖教派閥からは“用済みの王家”、特に狂信者達からは“分不相応な野心を抱く前に粛清しなければならない対象”とすら見られており、未来の王として扱われることは一切なかった。それどころか救世主の再臨を阻害しかねない邪魔な
連れ立った異母妹二人を抱えて明日の命の保証もない駆け出しの
さしあたっては偉大なる英雄ソブリナスの事績でもなぞろうかと最強の
S・インターメディウス
現ストレプト国州公王にしてフィオ達の父。千年にわたって国を支配してきた聖教の王族教育は実に洗練されており、無気力で自分では何も決められない玉座の置物として完成している。
その徹底具合たるや、千年紀を迎え『英雄』が帰還すれば自分は用済みになって消されると理解しながら、それを仕方ないと諦めて動こうともしないほど。子供や親類全て皆殺しになろうとも、である。
フィオ達がその洗脳を受けなかったのは、『約束の年』を自分達の生きている時代に迎える見込みでテンションの跳ね上がっている聖教徒達が、英雄を据えるべき玉座に触れる王族を邪魔者というか害虫扱いで睨んでくるためである。こんな大人達に囲まれた子供がそれまでと同じやり方で都合よく洗脳されてくれる訳がなかったというのは、ある意味皮肉ではある。
※以上。
一部千年前じゃない連中も居ましたが、ここで明かされた以上は本編でさして重要な設定ではありません。ずっとミュートくんとプリナちゃんが潜伏して『あれ、千年目なのに英雄様復活しないじゃん』からの公国大混乱→内乱とかの展開だったら意味あったんですけど、そのルートがもうなくなっちゃったので。
ともあれ千年前の出来事としてはこんな感じです。美少女が可哀想な目に遭うのは苦手な作者なのでここまでやっても十分なのかは分かりませんが、とりあえず『どこにでもいる悲劇のヒロイン』が背負った悲しい過去としてはこれで全部ということで勘弁してください。
居るか不明ですが曇らせ好きの方は、意見を違えても愛する家族だった父を暗殺されて愕然とする英雄姫ちゃんとか、母は父を愛していなかったのだと思ってあんまりだと涙をこぼす英雄姫ちゃんとか、
愛する人を見つけて曇らせもちゃんと晴れてるから問題ないな、ヨシ!!