ウルトラマン 番外編   作:剣音レツ

1 / 2
新年、明けましておめでとうございます!

今後は、新しいウルトラマンを中心に、私が気まぐれで作ったウルトラシリーズの番外編(オリジナルストーリー)はここに投稿して行こうと思います!

今年も出来る範囲で頑張って行きたいと思います!

今年最初の投稿は2本立てで、その1本目は「ウルトラマンアーク」のオリジナルストーリーです!

作者は文才は無く、ストーリー展開も少々強引な所もあるかもしれませんが、とりあえず楽しんでもらえたら幸いです!

そして宜しければ、今年も本作やその他の作品、そして、特撮ヒーロー(特にウルトラマン)大好きな私・剣音レツをよろしくお願いします!

では、どうぞ!


ウルトラマンアーク番外編「星を超えた友情の円弧(アーク)」

とある晴れた日の昼間の街。

 

ここは『星元市』という地方都市であり、ある人は通勤をしたり、ある人は公園で遊んだり、親子連れで散歩をしたりなどして皆、平和に過ごしていた。

 

そんな星元市のとある住宅街にて、とある1人の少年が、マンションの壁や近くの木などに隠れながら辺りを見渡していた。

 

その様子はまるで、今まで見た事のない、初めての場所を不思議そうに見ているようでもあり、それと同時に、何かを探しているようにも見えていた…。

 

そして、その少年のそばには、何やら人間とは違う姿の者が一緒にいた…。

 

果たして、この少年は何者なのであろうか…?

 

 

 (OP:Arc jump'n to the sky)

 

 

星元市にある雑居ビル『ニュー星元ビル』。

 

そこの3階に、とある組織の基地が存在していた。

 

それは、日本の怪獣災害の発生や被害拡大の予防を目的とし、科学調査や避難誘導等を行う組織『SKIP』(Scientific Kaiju Investigation and Prevention center)である。

 

メンバーは、SKIP星元市分所の所長『伴ヒロシ』、システム担当や機器開発を務めるプログラマー『夏目リン』、サポートロボット『ユピーザロボット』、地球防衛隊日本支部出身の特別調査員『石堂シュウ』、そして、SKIP星元市分所の新人調査員で、怪獣生物学専攻の『飛世ユウマ』で構成されている。

 

そんな彼らだが、今回は全員外に出て聞き込みなどをして調査をしている。

 

なんでも、ここ数日間、星元市のあらゆる場所で正体不明の生体反応がキャッチされていた。

 

また、シュウによると、先日、宇宙科学局が衛星軌道上で謎の生体反応を観測したという。

 

更に、ここ最近、市内のあらゆる場所にて、原因不明の殺人事件が続出している。

 

これらの事から、宇宙から来た侵略目的の宇宙人か何かが潜伏しているという可能性も考えて、街の、生体反応が確認された場所の人々から目撃情報を聞いて情報を集めるのを第一の目的に調査に出ているという事だ。

 

それぞれユウマ&シュウ、ヒロシ、リン&ユピーと3手に分かれて調査をしているSKIP。

 

聞き込みをした人々は、買い物をしている時に見かけた人や、家の窓からたまたま見えた人など様々であり、中には見かけた瞬間、思わず逃げてしまったためはっきりと姿が見れなかった人もおり、更には「あんたらの悪戯だろ?」と言いがかりをつけて来る人もいた。

 

そして、それらの目撃証言の中で、共通して多かった相手の特徴としては、“怪獣を連れた少年”という事であり、例の殺人事件もそれの仕業ではないかと疑う人物もいた。

 

ユウマ達はとある公園で一息入れる事にし、シュウは近くの自販機で買って来たコーヒーをユウマに手渡し、ユウマはそれを受け取る。

 

「証言の多さから特徴はだいたい分かりましたが、問題はそれが今どこにいるかですね。」

 

ユウマはそう言った。

 

「今の所、目撃したという情報がほとんどで、襲われたという声はありませんからね…。ユウマ君は何か知っていますか?以前現れたネズドロンになる前のエレクトリカ・ムスみたいに、人間ぐらいの大きさの怪獣の存在とか…。」

 

シュウは怪獣生物学専攻で、怪獣の知識があるユウマに問いかける。

 

「確かに、人間ぐらいの大きさの怪獣も存在します。その中には、体温の変化によって大きさが変わる奴もいれば、あと人間に対して友好的な奴もいるので。」

 

「なるほど、その友好的な怪獣が、子供と出会って仲良くなっている可能性もあると…。」

 

しかし、ユウマは証言の情報量の少なさから確証を持たなかった。

 

「でも、人間大の怪獣は他にもいろんな種類がある上に、その少年が連れていると言われてる怪獣は特徴が分からないので、どうも…。」

 

そう言いながら俯いていたユウマがふと顔を上げると、ちょうど目の前の電話ボックスを見てはっとなる。

 

その電話ボックスのガラスに、鏡写しのように現れた“ある光の巨人”が、ユウマに何かを教えるように顔をある方向に向けているのだ。

 

ユウマがその方を振り向くと、その視線の先には、木陰に隠れながらこっちを見ている少年の姿があった。

 

しかも、何やら怪獣らしき人間とは違う姿の生命体も一緒に…!

 

「あれは…!」

 

ユウマは思わず走り始め、シュウも驚きつつもそれを追いかけ始める。

 

「ちょっと、ユウマ君…?」

 

 

ユウマ達から逃げている、彼らが探していた謎の少年と怪獣。

 

やがて彼らは、とある商店街の廃屋の裏までに辿り着く。

 

「大丈夫か?ギロ。」

 

少年は、ギロと呼ぶ一緒にいる怪獣に問いかけるが、ギロは何やら怯えるような素振りを見せる。どうやら少年と違い地球の言葉を話せないみたいだ。

 

「大丈夫。お前の事は、俺が守るから。」

 

その時、ちょうど到着したユウマが話しかける。

 

「君たちは一体、何者なんだい…?」

 

ユウマの言葉を聞き、少年はユウマの方を振り向き、警戒するように睨み始める。やがて遅れてシュウも到着した。

 

「落ち着いて。僕たちは、君たちに危害を加えたいわけじゃない。」

 

ユウマは呼びかけるが、少年はなおも警戒を解かない。

 

「僕たちは、君たちと話がしたいんだ…!」

 

呼びかけ続けるユウマに、シュウは対怪獣用銃『エレマガン』をいつでも引き抜ける体勢で囁く。

 

「ユウマくん、ここは場合によっては捕獲して連行するという手も…。」

 

「いえ、そのつもりは無いと思います。」

 

ユウマはシュウの言葉を遮るように言い、続けて喋った。

 

「この子は、ただあの子を守りたいだけだと思うんです。」

 

「しかし、今は大人しそうでも、例の殺人事件の犯人もまだ分かっていない、即ち、彼らがそれの可能性もまだあります。」

 

「確かに、まだその可能性もあるかもしれません。しかし、もしそうなら、とっくに僕たちに襲いかかっていると思うんです。それに、証言の中にいくつかあったんです。」

 

ユウマは、先ほどの聞き込みの中で、ある証言もいくつかあったのを思い出した。

 

それは、特に子供に多かった「あの2人、なんか辛そうだった。」「何かに怯えているように見えた。」「片方がもう片方を守ってるように見えた。」という事である。

 

「子供は正直で、何より想像力豊かですからね。この2人だけでなく、証言をしてくれたその子らの純粋さも信じて、一度、話をしてみたいと思います。」

 

「…分かりました。私もそれを信じて、少し様子を見てみましょう。」

 

「ありがとうございます。」

 

ユウマを信じる事にしたシュウは、しばらく様子を見る事にした。ユウマは、なおも警戒する姿勢を崩さない2人に対話を試みる。

 

「その様子だと、よっぽど色んな人から拒絶されて来たんだろうね…でも、僕たちは違う。僕たちはただ、君たちの事情を知りたいだけなんだ。場合によっては力になれるかもしれない。だから、話してくれないか?」

 

真剣にそう語りかけるユウマ。少年は、そんなユウマの顔を見ていくうちに、これまで自身達を拒絶していた者たちとは違うものを感じて来たのか、徐々警戒してにこわばっていた表情が和らぎ始める。

 

「僕は、飛世ユウマ。君は?」

 

「…僕は…ボック…。」

 

ユウマの問いかけに、ようやく口を開いた少年は『ボック』と名乗った。

 

「そしてこいつは、ギロ…。」

 

ボックはギロの事も紹介した。

 

そして、ボックは事情を話し始める。

 

「僕たちは、難民としてこの地球に来たんだ…。」

 

ボックは元々、小熊座の星に住んでいた少年、所謂宇宙人である。

 

だが、そこに凶悪な宇宙人が率いる怪獣軍団が攻め入って来て、多くの住人が殺され、自身の親もなんとか助かりはしたが負傷をしてしまったという。

 

そこでボックは、身の安全のため、そして誰かに助けを求めるために小熊座を離れ、その先で、同じくその怪獣軍団に襲われたギロ星から逃げて来たギロ(ギロ星獣の子供個体)と出会い、一緒に逃げて行くうちにこの地球に辿り着いたという。

 

「…そうだったんだ…。」

 

事情を聞いたユウマは、彼らの想像以上の過酷な境遇に言葉を失う。

 

「やはりですね…。」

 

「やはりとは…?」

 

シュウの気になる発言にユウマは問いかける。

 

実はユウマがボック達を追いかけている最中、防衛隊から連絡が入り、いくつかの人々からカブトムシのような容姿の怪獣、牛や熊を合わせたような容姿の怪獣、そして、口から針を吐く怪人の目撃情報も入っていたという。

 

そして、謎に殺害された人々の遺体の何人かを調べてみると、体に無数の針が刺さってる者や、巨大な爪の生えた腕で殴られたような傷跡なども見られた事から、その目撃された怪人、怪獣たちの仕業では無いかという可能性も浮上して来た。

 

そして、シュウ達が発見した者たち(ボックたち)は、その目撃情報に出て来た特徴とは全く違う姿をしているという事もあって、シュウもその時点で彼らを信じようという気持ちが芽生え始めていたのである。

 

ユウマの気持ちに応えて彼らから事情を聞く時間を与える事にしたのも、そういう事だったのだ。

 

「シュウさん…あなたも、最初からこの子達を信じるつもりで…。」

 

「ユウマくんがやろうとしている事を、私もやる事にした。それだけです。」

 

「「まずは信じる事」ですね。」

 

2人は笑顔で見つめ合った。

 

ボック達の事情を知ったユウマは、改めて彼らに語りかける。

 

「しかし、その怪獣軍団って一体何者なんだろう…?」

 

その時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来る。

 

「きっと、それは殺し屋怪獣軍団だと思います。」

 

その言葉を聞いたユウマ、そしてシュウは振り向くと、ヒロシとリン、ユピーが、その言葉を言った男性を連れて合流している所だった。

 

その男性を見たユウマは少し嬉しそうな表情になる。

 

「ヌマタさん…!」

 

「久しぶりですね。」

 

『ヌマタ』というその男性は、親指、人差し指、中指を立てて手首を回すハンドサインをする。

 

彼の正体は『茸狩宇宙人クロコ星人』であり、普段は人間の姿でヌマタと名乗って『あけぼの荘』という旅館で働いており、ユウマ達SKIPとはそこでの調査を通じて知り合っている。

 

「ボックくん、それにギロくんも、久しぶりですね。」

 

「ヌマタさん…!」

 

ヌマタはボック達にもそう声をかけ、ボック達も少し嬉しそうに反応する。

 

実はヌマタは、以前、仲間と共に様々な星のキノコを採取するための旅をしていた際、小熊座、そしてギロ星にも訪れた事があり、その際に2人と知り合ったのだという。

 

その事から2人の事を知っていたヌマタは、彼らを捜索していたヒロシ達とたまたま出会った際、既に聞き込みで、1人の少年と1匹の触角が生えた怪獣が一緒にいるという情報を得ていたヒロシ達から何か知っているかと問われ、その特徴を聞いてもしやと思って急遽捜索に協力する事にしたのだという。

 

そしてそのヌマタの予感は、見事に当たったという事である。

 

思わぬ再会も束の間、ヌマタはボック達を追っている謎の怪獣軍団について話し出す。

 

なんでも以前から、宇宙の殺し屋と言われている『殺し屋宇宙人ノースサタン』が、宇宙で配下にした怪獣たちと共に殺し屋怪獣軍団を結成し、宇宙のあらゆる星で破壊と殺戮を生き甲斐に行動をしているという。

 

ヌマタも以前、たまたま茸狩りで訪れた惑星に現れた事で遭遇してしまった事があり、なんとか仲間と逃げる事に成功したのだという。

 

「その後も奴らは行動範囲を広げて行き、それと共に、やがて宇宙人間で噂が広がって行きました。そんな奴らが、まさか今度はこの地球に来ていたなんて…。」

 

ヌマタの証言により、ボック達の無実がほぼ確定的になった。

 

「これで君たちは悪くない事が分かった…完全な場所で匿うから、怪獣軍団は僕たちに任せて。」

 

ユウマはそう言うが、それを聞いたボックは改めて顔をしかめ始める。

 

「ユウマさん達は信じてくれたし、その言葉もありがたい…でも、やっぱり地球人はまだ信用できないよ…。」

 

ボックは地球に辿り着いてここ数日、地球人に助けを求めようと何度か接触しようとしたのだが、ギロという異形の生物を連れている以上、ほとんどの人達に気味悪がられ、警戒されて拒絶されて来ており、それによる傷心から、例えユウマ達みたいに優しくしてくれる人が現れても、他の地球人は信じてくれない、そういう気持ちがまだ拭えずに葛藤しているのだ…。

 

それを聞いたユウマは、ボックの肩に手を当てて諭すように語り始める。

 

「君はさっき、僕たちの事を信じて事情を話してくれた。それは僕たちだからじゃなくて、君の中に、地球人を信じたい気持ちが芽生え始めたからじゃないのかな?」

 

ユウマの言葉にボックははっとなる。ユウマは話を続ける。

 

「時間はかかるかもしれない。でも、地球人もきっと、君たちを受け入れてくれるはず。それを、少しずつでいいから、今一度、信じてみないか?」

 

次にヌマタが言った。

 

「私も最初は驚かれました。でも、あけぼの荘の女将さん達は、私を受け入れてくれた。そして、SKIPの人たちも…。きっと、ボックくん達を受け入れてくれる地球人も、現れると思いますよ。」

 

説得を受けて行くうちに、ボックは再び信じるか信じないかの狭間で葛藤を始めたのか、手を震えるほど強く握り始め、ギロはそんなボックの様子を心配そうに見つめる。

 

「まずは信じる事。例えばまずは、困ってる子供を助ける、そういう地道な事から始めるのもアリじゃないかな?」

 

ユウマの言葉に、ボックは顔を上げてユウマの顔を見つめ始める。

 

彼の言葉が、響き始めているのであろうか…?

 

 

その時、いつの間にか胴体だけの『ピー』の姿になっていたユピーは、ドローンとなって何処かへと調査に向かっていた『ユー』からの情報を得てそれを伝え始める。

 

「ユーからの情報だよ!何やら口から針を吐く怪人が人を襲い始めてるみたい!既にシュウが救助と応戦を始めてる!」

 

「針を吐く怪人…間違いない、遂に見つけたか…!」

 

ピーの言葉に、ヒロシは待ってましたと言いたいかのような反応をする。

 

実は、ユウマ達がやり取りをしている間、こことは別の場所に謎の生体反応がキャッチされ、ヒロシはこっそりとシュウとユーにその捜索を頼んで向かわせていた。

 

そして、2人はその正体に接触する事が出来、ユーから得た情報から、ボック達を追って地球に来たノースサタンではないかと言う確信を持ったのだ。

 

「やっぱり、この子達を狙って地球に来てたのね…!」

 

リンは驚きを隠せない。

 

「とにかく、我々もそこに向かおう!」

 

ヒロシの言葉により、SKIP一同はその現場に向かい始める。

 

 

その頃シュウは、襲われそうになった人を逃した後、人間体のノースサタンと交戦していた。

 

しかし、毒ガスと共に無数の針を吐くノーサタンに接近する事が出来ず、なんとかそれらを避けながらビルの壁に隠れた後、そこからエレマガンを撃つのが精一杯であった。

 

「これでは仕留められない…!」

 

シュウがそう言うのも束の間、ノースサタンは確実に仕留めようとシュウの方へ歩みを進めて行く。

 

その時。

 

「走れ!ユウマ!」

 

そう叫びながら、衝撃吸収能力を有したキャップを被り、防弾・防毒・耐熱・防寒性能を備えたパーカージャケットを着込んだユウマが、シュウに迫るノースサタンの目の前に立ち塞がり、SKIPの小型装備である超音波威嚇装置『ソニッター』を向けて超音波と共に閃光を放つ!

 

至近距離からそれを受けたノースサタンは怯んだ事により一瞬動きが止まり、その隙にシュウがエレマガンの弾丸を放って頭部に命中させる!

 

ノースサタンを牽制した2人は、辿り着いていた他のSKIPの面々と合流し、こっそりついて来ていたヌマタやボック達は、その様子を少し離れた安全な場所から見守っていた。

 

「大丈夫?シュウ。」

 

「えぇ、ちょっと擦り傷を負っただけです。」

 

心配そうに聞くユピーにシュウは答えた。

 

 

ノースサタンは体勢を立て直すと、逆上したのか、その場で巨大化をして悪魔を思わせる怪獣のような姿になる!

 

すると、それに続くかのように激しい地響きと共に土砂を巻き上げながら1匹の怪獣が、そして上空からも1匹の怪獣が現れる!

 

巨大化したノーサタンに続いて現れた2体の怪獣。地中から現れたのは『牡牛座怪獣ドギュー』、上空から現れたのは『宇宙昆虫サタンビートル』である!

 

殺し屋怪獣軍団は、ここで一気にSKIP、そして住人を皆殺しにしようとしているのだ!

 

SKIPは急遽、人々の避難誘導を始めるが、逃げる人々を嘲笑うように、サタンビートルは頭部の角や脇腹からのミサイル、ドギューは鋭い爪の生えた剛腕、そしてノースサタンは口から毒ガスと共に発射する無数の槍を使い、暴れ回り始める!

 

既に防衛隊に連絡済みのシュウは、地上からエレマガンで応戦して行くが、とてもそれだけでは止まる気配がない…!

 

SKIPは人々の避難誘導が完了し、ヒロシとリン、ユピーはヌマタやボック達も急いで避難させようと促し始めるが、やがれそれらに気づいたノースサタン達は、一緒にいるSKIP諸共、狙っていたボック達を殺そうと攻撃を始める!

 

ノースサタンの槍、サタンビートルのミサイル、ドギューのビルを殴って破壊する事で発生する瓦礫などが飛んで来る中、SKIPの面々はボック達を庇いながら必死に逃げて行く…!

 

自分達が襲った星から逃げて来たボック達を地球まで執拗に追いかけ回し、まるで濡れ衣を着せるかのように無関係な地球人を襲って行き、そして今、巨大化した姿で確実に仕留めようと、必死に逃げる姿を見て楽しむかのように少しずつ距離を縮めながら迫って行く殺し屋怪獣軍団…どこまでも悪辣な奴らである。

 

やがて、ギロが転んでしまった事により、ボックをはじめ一同は急いで起き上がらせようとするが、その間にもノースサタン、ドギュー、サタンビートルの殺し屋怪獣軍団は、そんな彼らを嘲笑うようにどう殺してやろうかと考えてるかのようにゆっくりと歩みを進めて行く…!

 

 

「はっ、危ない!」

 

ボック達を救うため、ユウマは『ウルトラマンアーク』への変身を決心する!

 

 

ウルトラマンアーク。それはユウマが、高度な文明を持つ星がひしめき合う銀河から派遣された光の使者『ルティオン』と一体化する事で変身する光の巨人である。

 

 

ユウマは取り出した六面体のキューブ状のアイテム『アークキューブ』のスイッチを押して起動させた後、腕を胸の前でクロスさせた後に広げる事で光と共に体内から変身アイテム『アークアライザー』を出現させて手に取る。

 

そしてアークアライザーにアークキューブを装填し、横、縦の順で回転させて絵柄を揃えた後、両手持ちで前に突き出して神秘の光を解放する!

 

すると光と共にユウマの背後に現れたルティオンの上半身が、アークの姿になりながらハグをするようにユウマに覆い被さった後に眩い光に包まれ、その光の中からウルトラマンアークが右拳を突き出して飛び出す!

 

「シュワッチ!」

 

現れたアークは、背後からドギューに飛び蹴りを喰らわし、それによりドギューは前にいたサタンビートル、ノースサタンと順に巻き込んで倒れる事で、3体はドミノ倒しとなった。

 

アークは着地をすると、ゆっくりと膝を伸ばして立ち上がった後にファイティングポーズを取り、立ち上がった3体もアークに狙いを変える。

 

現れたアークが殺し屋怪獣軍団と対峙している間、SKIPはボック達と一緒に避難を再開していた。

 

そして、アークと殺し屋怪獣軍団の、3対1の戦いが始まった!

 

まず最初に頭部の角を突き出して突進して来たドギューをアークは飛び箱の要領で避けると、ノースサタンと組み合う。

 

アークはノースサタンが繰り出すパンチやキックなどをかわしたり手刀でいなしたりして行き、一瞬の隙を突いて胸部に水平チョップを喰らわし、掴みかかってそのまま一回転しながら投げて体制を崩した後、前蹴りを胸部に叩き込んで後退させる。

 

尚もノースサタンの反撃は続くが、アークはノースサタンが振るって来た右腕を左腕で受け止めて右の手刀で叩き落とした後、腹部にパンチを決め、怯んだ隙に体落としで地面に叩きつけた。

 

その時、ドギューが突進攻撃を仕掛け、それを受けたアークは少し後退するがすぐさま体勢を立て直す。

 

そしてドギューとサタンビートルはそれぞれ別方向から攻撃を仕掛け、ドギューは爪を活かしたパンチ、サタンビートルは頭部の角を振るう、突くなどして攻撃を仕掛け、アークはそれを避ける、手刀で弾き返すなどしていなして行き、サタンビートルにミドルキックを打ち込んで怯ませると、ドギューの角を掴んでサタンビートルの方に投げてぶつけると、そのままドギューに両足蹴りを叩き込む事で2体をドミノ倒しの要領で倒した。

 

だが、アークが2体の相手をしている隙にノースサタンは毒ガスと共に槍を放ち、アークはそれを咄嗟にかわすが、直後にノースサタンのタックルを喰らい、吹っ飛んだ先にいたドギューに羽交締めにされ身動きが取れない所にサタンビートルの角の突刺を何度も喰らうが、なんとかサタンビートルを蹴って後退させた後にドギューの足を踏み、それによりドギューが痛がり始めて羽交い締めにしている腕の力が弱まった隙に腹部に肘打ちを2発、顔面に右拳の裏拳、腹部に後ろ蹴りを畳み掛ける事で羽交い締めから流れ、直後に前転する事で更に距離を取る。

 

アークは怒りを露わにして迫って来るドギューに背を向けたまま、手を眼前に翳す事で出現させたアークの目を模した剣『アークアイソード』を手に取り、振り向きざまに振り下ろす斬撃を叩き込んでダメージを与え、次に後ろから迫って来たサタンビートルの角での突進を背を向けたままアークアイソードの背面受けで受け止めた後、振り向きざまに袈裟懸け、横一直線に斬撃を決めてダメージを与え、更にアークアイソードを左手の逆手持ちに持ち替えた後そのまま右手の先から光弾『アークテラショット』を放ってノースサタンに当てる。

 

3対1という不利な状況ながらも、トリッキーかつ軽快な戦闘スタイルで的確に攻撃を当てるなどして戦って行くアーク。だが、殺し屋怪獣軍団も負けていなかった。

 

アークは再度サタンビートルに斬撃を決めようとアークアイソードを振り下ろすが、サタンビートルは羽を広げて飛び立つ事で回避する。

 

空を飛び回るサタンビートルを撃ち落とそうとアークはアークテラショットを放つが、サタンビートルはそれを縦横無尽に飛び回りながらかわして行き、やがてアークを挑発するように低空飛行でアークに迫って行く。

 

アークは低空飛行で迫って来るサタンビートルにアークアイソードを振り下ろすがサタンビートルはそれをかわして高く飛び立つと、逆に脇腹からのミサイルの雨あられをアークに浴びせ始める。

 

アークが怯んだ隙にドギューは接近すると、アークの腕を殴る事でアークアイソードを手放させた後、アークに数発パンチを打ち込み、怪力を活かして放り投げて地面に叩きつけた。

 

なんとか立ち上がったアークにノースサタンは槍を連射し始める。するとアークは何かに気づいたように一瞬首を振った後、咄嗟に長方形の光の防壁『アークギガバリヤー』を展開し、バリヤーに無数の槍が刺さってヒビが入る中なんとか踏ん張るが、やがて槍と同時に発射された毒ガスにより前方の視界が遮られる。

 

アークがふと後ろを振り向くといつの間にか後ろに回り込んでいたノースサタンの張り手を頭部に喰らい、更にパンチを2発、頭突きを喰らって後退するが、なんとか体勢を立て直してポーズを取る。

 

アークは上空のサタンビートル目掛けて虹色の光輪『アークエクサスラッシュ』を放つが、サタンビートルは頭部の角で輪投げのようにそれを受け止めるとそのま角を振るう事で砕いた後、逆に口からの毒ガスをアークに浴びせ、それを浴びて苦しむアークに低空飛行の体当たりを叩き込み、吹っ飛ばされたアークは地面に落下する。

 

「イヨワッ!」

 

殺し屋怪獣軍団の連携攻撃により苦戦するアーク。カラータイマーは赤く点滅を始める。

 

その間、なんとか安全な場所まで逃げていて戦いを見守っているヒロシとリン、ユピー、ヌマタ、そしてボックとギロ。

 

だがその時、ボックはあるものに気づく。それは、親と逸れて逃げ遅れたであろう女の子が、足がすくみ、涙目になっている状態で動けなくなっている姿だった。

 

そう、アークは戦闘の途中でその子の存在に気づき、思うように力を出せずにいたのだ。

 

逃げ遅れた女の子を発見しながらも、まだ人間を信用できないでいるのかボックも躊躇うように少し下を向く。

 

だがやがて、先程のユウマの言葉を思い出す。

 

 

「まずは信じる事」を。

 

 

「走れ、僕…!」

 

意を決したボックは一言そう言うと、危険を承知で女の子を助けるために走り始め、それを見たギロも思わず後をつけて走り出す。

 

ヒロシとリン達は驚きながらも危険だから戻って来るように声を上げるが、ボック達は迷わず行き続け、女の子の元に辿り着く。

 

2人は肩を貸して女の子を起き上がらせようとする。

 

女の子は最初、見知らぬ2人、特に人間とは姿が違うギロに怯えるような素振りを見せるが、やがて2人が一生懸命になって自分を助けようとしているのに気づき、表情が和らいで行く。

 

「ありが…とう。」

 

女の子は辿々しくも感謝の言葉を言い、それを聞いた2人も無言で笑顔になる。

 

その様子を見ていたヒロシ達も、さっきまで人間を信用出来ないでいたボック達が勇気を持って踏み出した事、そして、地球人から感謝されている様子を見て、安心するような笑みを浮かべる。

 

しかし、ボック達に気づいたノースサタンはアークへの攻撃を止め、彼らを殺そうと迫り始め、それに気づいたボック達も急ぎ始めるが、ノースサタンはそんな彼らを嘲笑うようにどんどん距離を縮めて行く…!

 

「はっ、危ない!」

 

リンが思わず叫んだその時、何処からか飛んできた弾丸がノースサタンの頭部に命中し、ノースサタンはその方を振り向く。

 

「私もいる事を、お忘れなく。」

 

そこには、エレマガンを構えるシュウがいた。

 

更に、ようやく到着した防衛隊の戦闘機からの援護射撃も受けて更に注意を逸らされる。

 

「ここは、ユピーにお任せ!」

 

ノースサタンの注意が逸れた所でユピーは、タイヤの付いた膝と脛を地に付けて走行モードとなり、走行してボック達の元に辿り着く。

 

「さぁ、乗って!」

 

ユピーの言葉を受け、女の子はユピーに乗って移動を始め、ボック達と共にヒロシ達が待っている安全な場所に到着する。

 

カラータイマー点滅状態で肩で息をしているアークに、リンは叫ぶ。

 

「アーク!この子はもう無事よ!」

 

その言葉を受けたアークは、リン達の方を振り向いてSKIPの面々とボック達、そして女の子が安全な場所にいる事を確認し、無言で頷く。

 

そのアークの表情は、どこかユウマの嬉しさも滲み出ているようであった。

 

さっきまで地球人を信じられないでいたボック達が、自ら決心して地球人の女の子を助け、そして感謝された…彼らがそういう大きな一歩を踏み出したからだ。

 

 

「もう遠慮はいらない! 元気莫大で、暴れまくれ!」

 

ヒロシの、まるで言い慣れてるかのように言ったその言葉を聞いたアークは、再度頷いた後にノースサタン達の方を向き直し、少し考えるように首を横に傾けた後、何か閃いて同時に垂直に戻し、それと同時に額のクリスタルが光を放つ。

 

これはアークが窮地に陥った際に取る行動であり、それにより想像力を解き放って逆転の戦法を生み出す『アークトリッキーテクニック』である。

 

アークはノースサタンが放った槍を前転して避けると同時にアークアイソードを拾い上げ、再度アークギガバリヤーを展開する。

 

そしてアークアイソードにアークキューブを装填して両目と額の前に合わせる事で、ソードにセットしたキューブから光線『アークソードビーム』を放って目の前のバリヤーに当てる事で、光線はバリヤーの面積分にまで極太となって放たれ、それを受けたノースサタン達は光線の直撃と、周囲に連続で起こる爆発によるダメージにより転倒する。

 

更にアークは額のクリスタルを発光させた後、そこから『ウルトラマンアークギャラクシーアーマーキューブ』を出現させて起動させ、カラータイマーから出現させたアークアライザーに装填して横、縦の順に回転させて絵柄を揃える事で神秘の光を解放する。

 

すると、紫色で、銀河系のように渦を巻いた形状が特徴の神秘の物体・ギャラクシーオブジェクトが現れ、それが分離してアークの胸部と肩部、両腕、両足と順に鉱石のような鎧『ギャラクシーアーマー』として装着され、アーマーの装着が完了したアークは同じくギャラクシーオブジェクトから分離した4つの羽根状の物体『アークフェザー』を周囲に飛ばしながら構えを取る。

 

ギャラクシーアーマーを装着したアークにノースサタンは再度、毒ガスと共に無数の槍を放つが、アークはアークフェザーのうちの2つをそれに目掛けて飛ばし、残りの2つで正円の時空の門『アークフェザーサークル』を形成してそこに入る。

 

アークフェザーが複雑な軌道を描きながらノースサタンの槍を相殺して行く中、ドギューとサタンビートルは自身たちに飛んで来た2つのアークフェザーを撃ち落とそうと腕や角を振るったりするが、同じく複雑な軌道を描きながらアークフェザーはそれをかわして行く。

 

やがてサタンビートルの前でアークフェザーサークルを形成し、アークはそこから上半身を現すと同時にサタンビートルにアッパーを打ち込み、続けて連続パンチを浴びせる。

 

サタンビートルが腕を振るって反撃して来たのをアークフェザーサークルに入り込む事で回避した後、再度2つのアークフェザーになってドギューの突進を回避して背後に回り込み、再度アークフェザーサークルを形成してそこから下半身を出してドギューに連続蹴りを浴びせた後、両足蹴りで吹っ飛ばした。

 

再度アークフェザーサークルに入って2つのアークフェザーとなって飛び、ノースサタンの槍を相殺していた2つのアークフェザーと合流すると、ノースサタンの目の前でアークフェザーサークルを形成し、そこから飛び出すと同時にノースサタンに飛び蹴りを浴びせて吹っ飛ばした。

 

アークフェザーを使った攻撃に翻弄された3体は合流すると横並びになってアークと対峙し始め、アークは4つのアークフェザーを合体させて現した短刀状の武器『アークギャラクサー』を手に取る。

 

 

(BGM:Arc jump'n to the sky)

 

 

アークは額のクリスタルから『ウルトラマンアークソリスアーマーキューブ』と『ウルトラマンアークルーナアーマーキューブ』を出現させると、それぞれが太陽の鎧『ソリスアーマー』と月の鎧『ルーナアーマー』を纏ったアークとなり左右に立つ。

 

これはギャラクシーアーマーの能力で、自身の分身『アークドッペルゲンガー』を作り出す技『トリプルドッペルゲンガー』だ。

 

3人のアークは同時にファイティングポーズを取り、それに反応するように3体の怪獣も咆哮を上げ、遂に3人のアークVS殺し屋怪獣軍団の最後の決戦が始まる!

 

ソリスアーマーのアークはドギュー、ルーナアーマーのアークはサタンビートル、そしてギャラクシーアーマーのアークはノースサタンと、それぞれ戦い始める!

 

 

ソリスアーマーのアークとドギューのタックルが同時にぶつかり合い、周囲に土砂が巻き上がる程の衝撃が走った後、両者は怪力を活かした格闘戦を展開し始める。

 

当初は両者のパワーは互角と思われたが、アークは胸のソリスコアを輝かせる事で攻撃力、防御力を増大させ、ドギューの頭部の角を活かした頭突き攻撃を胸部のアーマーで防ぎ、続けてドギューが両手の爪で目潰しを仕掛けて来たのを両腕を正面に構えて防ぐと、両腕を覆う手甲『ソリスナックル』を活かしたパンチを胸部に2発、顔面に1発喰らわせた後、頭上に両腕を叩きつける『ソリスハンマーナックル』を叩き込んで地面に叩きつける。

 

 

ルーナアーマーのアークとサタンビートルは縦横無尽に飛び回りながら空中戦を繰り広げており、サタンビートルは脇腹からミサイルを連射し、アークはそれを円盤型の武器『ルーナソーサー』を投擲して相殺して行く。

 

サタンビートルは今度は口からの毒ガス攻撃に切り替えるが、アークはそれをルーナソーサーから発生させた光の竜巻『ルーナトルネードソーサー』に閉じ込めて消滅させた後、一瞬の隙を突いてサタンビートルに高速飛行で急接近して手持ちのルーナソーサーの一撃を叩き込んで吹っ飛ばす。

 

サタンビートルは再度ミサイルを乱射して反撃に出るが、アークはそれを飛び回りながらかわして行き、やがてサタンビートルの周囲を質量を持った残像を無数に生み出すほどの速さで円を描くように飛び回り始め、サタンビートルが周囲を見回りながらそれに混乱し始めた所にそのまま残像たちと共に一斉に飛び蹴りを叩き込み、それを受けたサタンビートルはたまらず大きく吹っ飛んだ。

 

飛び回りながら体勢を立て直そうとするサタンビートルに、アークはルーナソーサーを投擲して攻撃する技『ルーナスピニングソーサー』を放ち、複雑な軌道を描きながら飛ぶルーナソーサーはサタンビートルの羽根、そして頭部の角を切断し、それにより飛行能力を失ったサタンビートルは地面に落下した。

 

アークはルーナアーマーを解除すると、体を円弧を描くように捻った後に腕を十字に組んで必殺光線『アークファイナライズ』を放ち、それを浴びたサタンビートルは爆発四散した。

 

 

ソリスアーマーのアークはなおも格闘技でドギューを圧倒して行き、右腕のソリスナックルで炎を纏った強力な一撃を与える『ソリスナックルインパクト』を繰り出し、ドギューの頭部を殴って吹っ飛ばすと同時に角をへし折った!

 

今こそトドメとばかりにアークは再びアークアイソードを手に取ると、それにソリスアーマーキューブを装填して必殺技『ソリスソードエクスプロージョン』を発動し、周囲に燃える太陽のようなエネルギーフィールドを発生させながら炎を纏ったアークアイソードでドギューを脳天から真っ二つに切り裂き、斬られたドギューは真っ二つになった体が燃える炎のような断面を見せながらそれぞれ左右に倒れた後大爆発した。

 

 

(BGM:ウルトラマンアークのテーマ)

 

 

サタンビートル、ドギューと撃破され、残るはノースサタンのみとなり、ギャラクシーアーマーのアークと一騎打ちを展開する。

 

アークはノースサタンのパンチやキックをアークギャラクサーで防ぐ、跳ね返すなどしていなして行った後、袈裟懸け、横一直線、跳躍しながら1回転して遠心力を付けての斜め振り下ろしとアークギャラクサーで3連続で斬撃を決め、斬撃が決まる度に火花が飛び散る。

 

ノースサタンも負けじとアークの鎧を纏っている胸部にパンチやチョップを打ち込むが、頑丈な最強の鎧を纏ったアークには通用せず、逆にアークは跳躍してのローリングソバットを腹部に決め、続けて縦に構えたアークギャラクサーから三日月状の光線『ギャラクサーショット』を連続で放って浴びせ、ダメージを与えると共に後退させる。

 

アークと距離を取ったノースサタンはアーク目掛けて毒ガスと共に槍を噴射し始める。

 

無数の槍が迫る中、アークは少し俯いて精神統一のように静止した後、顔を上げて真正面から高速で突撃し始める!

 

もはやギャラクシーアーマーに槍は通らず、次々と鎧で弾き返しながらアークはノースサタンに急接近してすれ違いざまに横一文字に一刀両断する『斬鬼流星剣』を決める!

 

これは、かつて共に戦った『宇宙侍ザンギル』に伝授された技である。

 

強力な斬撃技を喰らったノースサタンは、時間差で頭部の2本の角が切断されて地面に落下し、そして胴体には切断された証として横一直線の光る線が走り、動きが止まる。

 

今こそトドメだ!

 

アークはアークギャラクサーにギャラクシー、ソリス、ルーナと順にアークキューブを装填してアークギャラクサーにエネルギーを溜めた後、アークギャラクサーを持ったまま腕を十字に組んで必殺光線『ギャラクサーファイナライズ』を放つ!

 

最強の必殺光線はノースサタンの体を貫き、やがてノースサタンの体は大爆発して砕け散った。

 

 

(BGM終了)

 

 

アークの大勝利に戦いを見守っていた一同は一斉に歓喜し始める。「アークが勝ったよ〜!」と無邪気に喜ぶユピーに、それに対して頷くなどして同調するような仕草も見せるリン、そしてどこかで見たようなガッツポーズを見せるヒロシ。

 

彼らから少し離れた場所のシュウも、力を抜くように一息しながらエレマガンを懐にしまった。

 

そして、ボックの顔にも笑顔が戻っており、自分たちを狙う者がもういない事にギロも安心しているようであった。

 

恐怖の殺し屋怪獣軍団を撃破したアークはアーマーを解除した後、SKIPとボック達の方を向いて無事を確認して一度頷いた後、上を向き、両腕を揚げて飛び立つ。

 

「シュワッチ!」

 

アークが飛び立った後、その場には大きな虹色の円弧(アーク)が残っていた…。

 

 

やがてアークから元に戻ったユウマはSKIP、そしてボック達に合流する。

 

先程助けた女の子も無事、母親と再会する事が出来、一同、特にボック達に手を振ってお礼を言いながら母親と手を繋いで帰路を歩き始め、それを見てボックは少し嬉しそうに手を振って見送った。

 

「怪獣たちは、アークがやっつけてくれたね。これでもう大丈夫。」

 

ユウマが笑顔でそう言った後、ギロは純粋に喜ぶような仕草を見せるが、ボックは少し考えた後、こう切り出した。

 

「まだ、完全に地球人を信じ始めたわけじゃない…。」

 

一瞬、一同は困惑するような表情になるが、ボックは続けてこう言った。

 

「…でも、例えどんなに時間がかかっても、いずれその気になれる気がする。」

 

ボックは、先程助けて感謝してくれた女の子が、母親と一緒に笑顔で帰路を歩いているのを見ながらそう言い、ユウマ達は改めて笑顔になった。

 

「すぐには無理かもしれないけど、君たちを受け入れてくれる地球人もきっとたくさん現れる。私を受け入れてくれた、あけぼの荘の女将さん達みたいに。」

 

ヌマタのその言葉に、ボック達は笑顔で頷いた。

 

「現に君たちは、異星の者同士で友達になってるじゃないか。だから、地球人とも絶対に仲良くなれる。」

 

ユウマのその言葉を聞いたボックとギロは、少し驚くように、意外そうにお互いを見つめた。

 

これまでは、お互い同じ殺し屋怪獣軍団から逃げてる者同士として、利害の一致として一緒に行動してるだけのつもりだったのだろう。

 

だが、その殺し屋怪獣軍平が滅びた今、ユウマの言葉を受けた事により、自分たちは今、どういう関係なのかを考え始め、やがてボックは恐る恐る聞き始める。

 

「…僕と…これからも友達でいてくれる…?」

 

それを聞いたギロは、もちろんと言わんばかりにボックの手を握り、ボックは改めて笑顔になった。

 

2人は正式に友達になったのである。

 

その様子を、他のSKIPの面々、そしてヌマタも、笑顔で見つめていた。

 

やがてボック達は、もうじき地球を離れて自身の星に帰る事を話し始める。

 

「これで僕たちは、安心して自分の星に帰る事が出来ます。帰ったら同胞たちに、あなた達みたいな素晴らしい地球人がいたという事を伝えたいと思います。いつかまた地球に来た時、より多くの地球人と友達になるために。」

 

ギロも、相変わらず地球人の言葉は喋らないが、鳴き声とジェスチャーで同じ気持ちである事を伝える。

 

「我々も、いつまでも待ってるからな。」とヒロシ。

 

「またいつでも遊びにおいで。」とリン。

 

「ユピーも待ってる!」とユピー。

 

「私も、あけぼの荘で、きのこスープ作っていつでも待ってますから。」とヌマタ。

 

「宇宙人には、さっきの奴らみたいに悪い者もいっぱいいる…。」

 

以前、狡猾な宇宙人に同僚を殺された事があるシュウはそう言った後にこう言った。

 

「ですが、少なくとも君たちは、いい者たちなのは間違い無いでしょう。」

 

そう言った後、シュウは懐から何かを取り出し、2人に差し出した。

 

「これは、お近づきの印として。」

 

…差し出されたのは…2本の缶コーヒーであった…しかもブラック…。

 

それを見た一同は、ボック達をはじめ、皆困惑の表情になる。

 

「この子達にはまだ早いんじゃないん…?」

 

リンが、苦笑混じりにそう言った。

 

「…え…?」

 

シュウは、自身がコーヒー好き故に少々ズレた事をしているという自覚がないのか、あどけなく反応した。

 

 

やがて日が暮れて来た頃、SKIPやヌマタはボック達と別れの言葉を言い合った後、帰路につき始めた。

 

ユウマも同様にボック達と別れ、彼らが見えなくなるまでにある程度歩いた後、他のSKIPの面々が他愛もない会話をしながら歩く中、こっそりとその場を抜けて人気のない場所に行く。

 

「じゃあ帰ろうか、ギロ。」

 

ボック達もそろそろ帰ろうとしたその時、突然、自身達を照らす眩い光が現れ、ボック達は少し驚き、眩しさに顔を手で覆いながらもその方を振り向く。

 

そこには、改めて現れたウルトラマンアークが自身達を見つめていた。

 

「もしかして…送ってくれるの?」

 

ボックのその言葉に、アークはゆっくりと頷いた。アーク(ユウマ)は、彼らをある程度安全な場所まで送って行く事にしたのだ。

 

アークはアークトリッキーテクニックを発動し、アークギガバリヤーを縮小してカプセル状にして、そこにボックとギロを入れると、カプセルを右手で持ち、左腕を揚げて飛び立つ。

 

「シュワッチ!」

 

アークに運んでもらう形で地球を飛び立ったボック達は、楽しそうに地球の景色を見下ろしながら、手を振って地球に別れを告げた。

 

そして、ボックは心の中でこう言った。

 

 

いつか必ず、彼ら、そして彼らの同胞が、地球人とより仲良くなれる日が来るであろう。

 

彼らが、今回の件を通じて芽生えた、「将来、他の星の者だろうと関係なく仲良くなっている」という前向きな想像を忘れない限り…。

 

 

(ED:ミチカケ)

 

 

〈完〉




読んでいただきありがとうございます!

私なりのアークのオリジナルな1話を作ってみたいなという気持ちで制作しました。

登場怪獣は、アークが放送開始された年(2024年)に50周年を迎えた『ウルトラマンレオ』から選出しました。


ウルトラマンアークは、今時では珍しい昭和ウルトラマンを彷彿とさせるシンプルなデザインに衝撃を受けましたし、トリッキーな戦闘スタイル、想像力を働かせて逆転するというバトル展開も見てて楽しかったですね。

また神秘性も、喋れはするけどたまにだけで、声も落ち着いた感じで、どこかコスモス辺りを彷彿とさせる程よいものでそこも好きでしたね。

アークアーマーもどれもかっこよくて魅力的なものばかりでしたね、因みに私はソリスアーマーが特に好きでした。

作風も全体的に優しいもので、人間関係もそれほどギスギスしてなくて、SKIPのメンバーも皆、主人公のユウマに優しくていい人ばかりでしたね。

登場怪獣もブレーザーに引き続き大半が新規怪獣で、そこも見てて楽しかったですし、まさかのキングオブモンスが再登場したのも衝撃でしたね。

因みに個人的にザンギル好きだったので再登場してくれたの嬉しかったです。

あと、劇場版に登場したギルアークも超かっこよくて好きになりました。


後書きが長くなってしまって&勝手に興奮してしまって申し訳ありません。


今年も時間を見つけては作品を制作して行こうと思いますので、宜しければ今年もよろしくお願いします!


感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。