ウルトラマン 番外編   作:剣音レツ

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改めて新年、明けましておめでとうございます!

今年最初の投稿の2本立ての2本目は「ウルトラマンオメガ」のオリジナルストーリーです!

作者は文才は無く、ストーリー展開も少々強引な所もあるかもしれませんが、とりあえず楽しんでもらえたら幸いです!

そして宜しければ、今年も本作やその他の作品、そして、特撮ヒーロー(特にウルトラマン)大好きな私・剣音レツをよろしくお願いします!

では、どうぞ!

※ウルトラマンオメガの直近の話のネタバレも少し含まれています。


ウルトラマンオメガ番外編「ミコとドリちゃん」

とある人気のない山中。

 

深夜で陽もすっかり沈んでいるため暗くなって冷え込んでいるはずの山中にて、突如空から落下してきたものが地面に激突し、その爆発で発生した火による山火事で辺りが不穏な赤い光に染まり始める。

 

そんな中、一つの小さな生命体がその火から逃げようかと小さな羽を必死に羽ばたかせていた。

 

その背後には、首が長くコブラのような頭部に、背中から尻尾にかけて無数のトゲが生えているのが特徴の巨大生物が、夜中の山中に響く奇妙な咆哮を上げながらそびえ立っており、更にその足元にはもう一体、巨大生物が横たわっているが、それに関しては倒れたままで微動だにしておらず、更によく見てみると体は皮膚が溶解して爛れており、中の肉は抉れるようになっていて骨が剥き出しになっており、そこから血が流れているという目も当てられないほど無惨な姿となっており、目の光も完全に消えている…間違いなく息絶えているであろう。

 

更にその逃げている小型生物と、死体として横たわっている巨大生物は、大きさは違えど同じ翼が生えていたりと似てい所がある…恐らく子供の個体と大人の個体なのであろう。

 

だとするとこの2体の関係性は…?

 

それはさて置き、小型生物は、まだ子ども故に翼も小さく飛び慣れてない中、必死に羽を羽ばたかせて不規則な軌道を描きながら逃げ続けている。

 

巨大生物は、暗闇で爛々と不気味に光る目で辺りを見下ろすと、口から液体を噴射し始める。

 

それにより辺りの山火事は消火されたが、液体を浴びた木々や岩肌は瞬く間にドロドロに溶けてしまった。どうやら溶解液のようである。

 

幸い小型生物には直撃しなかったが、山火事が消えた事により辺りが一気に真っ暗になってしまう…。

 

それでも小型生物は目の前が見えない中、恐怖で泣き出しながらも羽を羽ばたかせ続けた…。

 

巨大生物はその場の地面に潜って姿を消した。

 

これは誰も知らない、宇宙からの悪魔が地球に潜入した瞬間であった…!

 

 

(OP:BRIGHT EYES)

 

 

翌朝、深夜の出来事を誰も知らないままいつものように陽が上り、人々が平和ボケしそうなくらい暖かい日光が地上を照らしていた。

 

とある田舎町も同様であり、田んぼの稲や、畑の野菜が元気よく育ちそうな感じであった。

 

そんな田舎町に住んでいるとある少女も、朝から長靴を履いて祖母の農作業を手伝っていた。

 

やがて少女は農作業が終わって道具を家の倉庫にしまいに行ったその時、倉庫裏から何やら弱った小動物の鳴き声のようなものが聞こえるのに気づく。

 

「何かあるのかな…?」

 

少女は恐る恐る声のする倉庫裏へと歩みを進める。念のため護身用として農作業に使った鍬を手に持って…。

 

やがて少女が見つけたのは、小動物…ではあるが、タヌキや猫などといったよく見かけるものではなく、目が赤く、羽が生えた未知のものであった。

 

「なんだろう?この生き物…。」

 

少女は意外と冷静にその小型生物を見つめるが、やがてその生物が自身に気づくや怯えるような仕草をしている事に気づく。

 

「あぁ、ごめん…何もしないよ。」

 

少女が慌てて鍬を隠すと、小型生物も落ち着く。そしてよく見てみると、体中汚れており、右の翼には小さな傷がある事に気づく。

 

この小型生物こそ、昨夜、襲って来た巨大生物から必死に逃げて来たものであり、恐らく深夜の山中で辺りが真っ暗で見えない中、必死にこの田舎町まで逃げて来たのであろう。

 

「いけない…すぐに手当するからね。」

 

少女は小型生物に害がないと判断すると優しく抱き上げ、小型生物も彼女が自分に害を及ぼさない事に気づいたのか、抵抗する事なく、彼女の腕の中で彼女の顔を見上げた。

 

「私、ミコ。よろしくね。」

 

 

ミコは小型生物を自身の部屋へと連れて行き、体の汚れを取って傷の手当てをした後、畑の野菜を使ったおかゆを振る舞い、それにより小型生物は元気を少しずつ取り戻して行っているようであった。

 

ある程度元気を取り戻した小型生物にミコは話しかけ始める。

 

「ねえ、あなたはどこから来たの?」

 

その問いかけに答えているのかは不明だが、小型生物は上の方を向いて連続で鳴き声を出している。

 

「空から来た…って事?」

 

小型生物が頷くような仕草を見せた事により、ミコはとりあえず納得する事にする。(実際は宇宙から来たのだが…。)

 

「お母さんはどこ? はぐれちゃったの…?」

 

ミコは次の質問をするが、それを聞いた途端、小型生物は少し瞼を閉じて俯き、悲しそうな表情になる。

 

「あぁ、ごめんね。変な事聞いちゃったね…無理しなくていいよ。」

 

それを見て何かを察したミコは慌てて謝り、小型生物の頭を撫でて落ち着かせた。

 

「じゃあさ、私と友達になろうよ。」

 

ミコのその言葉を聞いた小型生物は、顔を見上げてミコを見つめ始める。

 

そして彼女の優しい表情、自身を撫でる手の温もりを感じたのか、戯れるように勢いよくミコに飛び付き、ミコも笑いながら両手で抱いた。

 

「ちょっと近いよ〜!」

 

笑ってそう言いながら小型生物を抱いて撫でるミコ。

 

「じゃあ、あなたの名は、ドリちゃんで。」

 

ミコは小型生物をそう名付ける事にした。ドリちゃんもその名前を気に入ったのか、顔を上げて元気よく鳴き声を上げた。

 

因みに名前の由来は、鳴き声とは別に「ドリ、ドリ」という声を発するからである。

 

 

明らかに未知の生物であるドリちゃんを大して臆する事なく受け入れ、1人ぼっちで寂しい気持ちになっている事も察して寄り添う事が出来た少女『ニシキミコ』。

 

何故それが出来たかと言うと、実は彼女、以前も未知の生物と交友した事があるのだ。

 

母親を病気で亡くし、父親も海外へ単身赴任なためにここ田舎町の叔母のササコに引き取られる形で引っ越したのだが、当初は母親を亡くしたショックや今までと違う環境に慣れない事から心を閉ざしており、その時に『オオヘビヌシノミコト』という生物と出会い、孤独な者同士である事もあって仲良くなり、秘密裏に交友していた。

 

やがてミコトのとある特性により自身が生命の危機に瀕するが、そこで出会った“ある男”との出会い、そして、心を閉ざしてる間も変わらず寄り添い続け、ミコトが暴走した際に自身を助けようとした叔母ササコの姿を見た事により心を開き、彼女の農作業を手伝うようになり、本来の明るく優しい性格も取り戻した。

 

恐らくこれらの経験から、ミコは未知の生物に対する耐性がある程度身に付き、孤独を感じてる者に寄り添う事も出来るようになったのであろう。

 

 

ドリちゃんと友達になったミコは、以前のミコトみたいにドリちゃんと触れ合い、時には農作業や、そこで採れた野菜を洗う作業の手伝いもしてもらうようになり、そうして行くうちに、仲の良さはより深まって行き、やがて家族の一員みたいな関係になって行った。

 

 

だが、そんな微笑ましい交友が田舎町で行われている一方、そこから離れた場所では凄惨な事件が起こっていた…!

 

なんでも一日ごとに街、それも人口密集地が破壊され、多くの人々が殺されるという事件である。

 

被災地の子供達の中には恐怖で泣きじゃくっている者や、恐らく殺されたであろう親を探しながら泣いている者もいた…。

 

果たしてその犯人は…?もしかして、以前ドリちゃんを襲っていた巨大生物が関係しているのであろうか…?

 

 

ミコとドリちゃんはそのような事も露知らずに交友を続けて、1週間が経った。

 

この日、農作業が午前中にいつもより早く終わり、天気もいいため、ミコはちょっとした気分転換のため、田舎町から少し離れた山へと散歩に出かけた。

 

もちろんドリちゃんを連れて。

 

「今日もいい天気だね。」

 

笑顔でそう言うミコに、ドリちゃんは元気よく「ドリ!」と鳴いて返事をした。

 

ミコは飛んでついて来るドリちゃんを時折抱いて休憩させつつ、他愛もないやり取りをしながら山道を歩き続けた。

 

 

この先、自身たちも目撃する凄い事が起こるとも知らずに…。

 

 

やがてある程度上まで登ると、駐車場や無人の休憩所などがある広場に辿り着き、更にガードレールから外は広大な景色が広がっており、遠くまで広がる緑の山々、麓の小さな田舎町などが見渡せていた。

 

「見てドリちゃん、綺麗だね。」

 

ミコとドリちゃんは疲れを癒そうと綺麗な景色を見渡していた。

 

だが、やがてミコはその景色の中であるモノに目が止まる。

 

とある山の平地に、巨大なスピーカーが4つ、線を結ぶと長方形を描く形で数百メートルの距離を置いて立っているのだ。

 

「なんだろう?あれ…最近出来たのかな…?」

 

ミコが巨大スピーカーを不思議に思っていたその時、ミコとドリちゃんのすぐ後ろの駐車場に、ドローンのようなプロペラの付いた小型の飛行機が上空からゆっくり降下して来て着陸し、その際に起こった風に吹かれたミコはその方を振り向く。

 

「なんなの?あれ…。」

 

見た事ない飛行機の突然の登場に驚きを隠せないミコ。やがてその飛行機から搭乗していた3人の若者が降りて来る。

 

「とりあえずライトビートルはここに止めときゃいいだろ。」

 

「そうね。ここからなら作戦の様子もよく見えるし。」

 

最初に降りた鞄を提げた男性『ホシミコウセイ』と、その次に降りたタブレットを持った女性『イチドウアユム』がそうやり取りした後、最後に降りた、青い五角形のクリスタルの付いたペンダントをかけている長髪の男性『オオキダソラト』がやる気満々で発言する。

 

「今度こそ、奴を誘き出してやっつけようぜ。」

 

ソラトを見た瞬間、ミコは「はっ…!」と反応し、思わず声をかける。

 

「ソラトさん…!?」

 

ミコが名前を呼ぶと、聞き覚えのある声にソラトも即座に反応して振り向く。

 

「…ミコ…?ミコなのか…?」

 

その問いかけにミコは笑顔で無言で頷いた。

 

「おぉ、久しぶりだな!元気してたか?」

 

「ソラトさんこそ。」

 

 

ミコは以前、オオヘビヌシノミコトの一件の際にソラトと交流した事があり、所謂彼とは知り合い同士である。

 

ミコはソラトとの思わぬ再会を驚きつつ喜んだ後、コウセイとアユムにも挨拶をした。

 

「ササコおばさんとも仲良くやってるか?」

 

「今じゃ毎日農作業を手伝ってるよ。」

 

「そうか、きっと立派な野菜が育つんだろうな。」

 

「また出来たら、ソラトさん達にも送るよ。」

 

「本当か?そりゃ楽しみだぜ!」

 

するとコウセイがソラトとミコの会話に入り込む。

 

「あれ?ソラト野菜嫌いじゃなかったのかよ?」

 

「いつ?そんなわけないだろ?」

 

「なんだよ前はあんなに苦いとか言ってたくせに。」

 

「ミコの野菜は特別だ。それに、お前が調理するのなら美味いのは確実だろ?」

 

「な、なに勝手に俺が調理するって決めてんだよ…!」

 

コウセイはそう言いながらもどこか満更でもない感じであった。

 

ミコはそんな2人の他愛もないやり取りを笑って見つめていた。

 

「じゃあ、私は先生に作戦の段取りを確認して来るね。」

 

そう言うとアユムは、静かに通話しやすい場所に移動するためにその場を離れる。

 

「作戦…?一体、何を始めるの?」

 

「怪獣を誘き出して、眠ってもらって、その隙に叩き潰す作戦だ。」

 

「へ…怪獣…?」

 

ソラトの発言にミコは驚きと困惑が入り混じった反応をした後、彼女の後ろに隠れてたドリちゃんも驚きと共にソラト達の前に姿を現してしまう。

 

「うわっ!?」「なんだこいつ?」

 

「あぁっ、ドリちゃん!」

 

急に姿を現したドリちゃんにソラトとコウセイが驚いている隙に、ミコは怯えるように身構えて震えるドリちゃんを急いで抱き寄せる。

 

「怪獣って…もしかしてこの子も何か関係あるの…?」

 

ミコの問いかけに、まだ驚きを隠せないながらもコウセイはソラトに問いかける。

 

「いや、そいつは見た事ないが…ソラト、何か知ってるか?」

 

ソラトは右掌をドリちゃんに向けてしばらく見つめた。

 

「違う、こいつはガモスじゃない。ザンドリアスだ。しかも子供。」

 

ソラトはドリちゃんの正体を言い当てた。ドリちゃんは『だだっ子怪獣ザンドリアス』という怪獣の幼体である。いわば『ベビーザンドリアス』だ。

 

「安心しろ、こいつは何も関係ない。」

 

「良かった…良かったねドリちゃん。」

 

ソラトの言葉にミコは安心し、ドリちゃんの頭を撫でる。

 

「しかし、ザンドリアスは本来、親子で宇宙を放浪して生活するはず…それがなんで子供だけ地球に来てるんだ…?」

 

「そうなのか?確かになんでだろう…?」

 

ザンドリアスの習性を知っているソラトはそう問いかけ、それを聞いたコウセイも不思議に思い始める。

 

「ひょっとして、地球を通り過ぎようとした時に何者かに襲われたとか…?」

 

コウセイの考察を聞いて可能性あると感じたソラトはドリちゃんに問いかける事にした。

 

「なぁ、先日、首が長くてトゲトゲした怪獣に襲われたりしなかったか?」

 

その問いかけを聞いた瞬間、ドリちゃんの脳内にフラッシュバックした…!

 

1週間前の深夜、暗闇の山中でそれと思われる怪獣に襲われて必死に逃げた事を…!

 

ドリちゃんはあの時の怖さを思い出したのか泣き出し始め、ミコはそんなドリちゃんを改めて優しく抱き寄せる。

 

「ああ、嫌な事思い出させたな、無理しなくていいぞ。」

 

ソラトは咄嗟にドリちゃんに謝罪した後、コウセイの方を向く。

 

「間違いない、ガモスの仕業だ。」

 

「ああ、こんな無関係な罪のない怪獣まで襲っていたなんて…!」

 

2人は自分たちの目標の怪獣『残酷怪獣ガモス』への怒りを改めて燃やした。

 

「ガモスって…?」

 

「生き物を痛ぶったり殺したりするのを楽しむ、最低な奴だ。」

 

ミコの問いかけにソラトは答え、続けてドリちゃんにも向けてこう言った。

 

「安心しろ、奴は俺たちが絶対に倒す。」

 

ソラトのその言葉と、それを言ってる時の真剣な表情を見て、ドリちゃんは少し安心したのか泣き止み始める。

 

「おっ…?お前ら。」

 

するとコウセイの鞄の中から3匹のメテオカイジュウ『レキネス』『トライガロン』『ヴァルジェネス』が飛び出し、其々ドリちゃんを慰め始める。

 

レキネスは「もう大丈夫だ」と言わんばかりにドリちゃんの肩に手を置き、トライガロンは「俺たちに任せろ」と言わんばかりに右前足で自身の胸を叩き、ヴァルジェネスは両腕の翼の部分でドリちゃんの涙を拭いてあげていた。

 

ミコはドリちゃんを元気付けるメテオカイジュウ達を不思議そうに見つめている。

 

「この子達は…?」

 

「えっ、えーと…なんて言うか…。」

 

「ミコで言うドリちゃんみたいなもん。」ソラトはすかさずコウセイをフォローした。

 

「そ、そうそう!俺たちと、友達になった怪獣たち!」

 

コウセイのその言葉が嬉しかったのか、メテオカイジュウ達は元気よく一斉に吠えた。

 

ミコちゃんにメテオカイジュウ達を見られてしまった事により一瞬焦ったコウセイだが、ミコは以前に怪獣との交流がある。そして今も怪獣と友達になっているという事から、彼女なら秘密を守ってくれるだろうと判断したのだ。

 

「コウセイくん、ソラトさん、もうすぐ作戦開始の時間です。」

 

「分かったアユ姉。」

 

「よし、いっちょやるか!」

 

戻って来たアユムの言葉にコウセイとソラトは返事をして気合を入れる。

 

「ミコは、ドリちゃんと一緒に安全な場所へ隠れとけ。」

 

「分かった…気をつけてね。」

 

「おぅ!」

 

ソラトはミコにサムズアップをした後、コウセイとアユムと共に作戦準備に入る。

 

 

今回の作戦は、怪獣対処チーム『NDF』(National Defence Force)と『怪獣特別対策隊』(略:怪特隊) の中の科学者の『ウタサユキ』をリーダーとした『ウタ班』の共同で、1週間ガモスの行方を追いつつ、奴の行動パターンなどを分析しながら練られたものである。

 

ソラト達はそのウタ班のメンバーであり、それ故に今回、作戦に参加しているのだ。

 

ガモスは一日に人口が密集している街を一つ破壊するという、怪獣にしてはかなりの計画的な破壊行動をしていた。

 

それに加えて地中を素早く潜る事も出来るため居場所の特定はかなり難航していた。

 

そこで、その破壊された街を確認して行った結果、一日ごとに破壊された街と街の間には一定の距離が置かれている事が判明し、それを追って行き、本日、次にガモスが破壊するであろう街とその到着時間を割り出し、その街と前日破壊された街の間のちょうど中間地点で、人気がほとんど無い山中でもあるこの場所にガモスを誘き出して撃滅するという作戦を執行する事にしたのだ。

 

まず、ガモスが通過する寸前のタイミングで、設置したスピーカーから、録音していた街の喧騒を発し、それに釣られてガモスが地上に現れた所に、麻酔ミサイルを打ち込んで眠った、もしくは動きが鈍った所に、対怪獣用試作徹甲弾を頭部に打ち込んで倒すというのが作戦の流れである。

 

巨大スピーカーも使う事から、かつて『殲滅創世体ゾヴァラス』に対して行われた『ヤタノ作戦』も踏襲していると思われる。

 

またこの作戦は、相手を弱らせた隙に一気に叩く事から、スサノオノミコトがヤマタノオロチに酒を飲ませて酔い潰れた隙に退治したという神話から『スサノオ作戦』と名付けられた。

 

ウタ班の役割としては、その班の活動拠点である太陽倉庫で待機するサユキの指揮の下、アユムはガモスの推定到達時間のカウントと作戦開始の合図、コウセイは作戦区域の避難出来てない人の捜索と避難指示、そしてソラトは、何故か怪獣の知識がそれなりにあって“怪獣博士”とも呼ばれている事から、作戦中のガモスの様子の随時報告である。

 

 

それぞれの配置についたソラト達。アユムはタブレットを見ながらガモス到達のカウントを始めた事により一層緊張が走る。

 

ドリちゃんと共に安全な場所まで移動したミコも、固唾を飲んで見守っている。

 

「…来る…!」

 

ソラトもガモスの気配をより近くに感じ始めたのか、鼻をクンクンさせながらそう言った。

 

やがて地中を掘り進むガモスが近づいて来た事を知らせる地響きが起こり始める。

 

「ガモス到達推定時間まであと、1分!」

 

残り1分になった事でより現場に緊張感が走り、そして残り10秒になるとアユムは1秒ずつカウントを始める…!

 

「5、4、3、2、1…来ます!スサノオ作戦開始!」

 

時間が来た事によりタブレットから鳴るアラームと共にアユムは作戦開始を告げる!

 

スサノオ作戦が開始された事により、まずは設置された4つのスピーカーから街の喧騒の音が発せられる。

 

「さぁ、上がって来い…!」

 

逃げ遅れた人の捜索が終わってソラトと合流していたコウセイがそう呟いてちょっとした後、地響きがさっきよりも強まり始める。ガモスが地上に上がって来ている証拠だ。

 

「ガモス、まもなく地上に現れます、麻酔ミサイルの発射準備を…え…?」

 

アユムは動揺により思わず言葉を止めてしまう。

 

なんとスピーカーの設置された地面からガモスが現れるどころか、白い液体が噴水のように吹き出始め、それがスピーカーを一本ずつ浴びせて溶かして行く…!

 

「どうなってんだよあれ!?」

 

コウセイも驚きを隠せず、不測の事態に各々の動揺や混乱が止まらない中、何かに気づいたソラトは報告を始める。

 

「きっと、偽の音に気づいて地中から攻撃し始めたんだ!」

 

ソラトの考察通り、ガモスはスピーカーから発せられた街の喧騒が偽物だと気づき、地上に出る事なく地中から溶解液・アトミックリキダールを吹きつけて音源であるスピーカーを溶かし始めたのだ!

 

「て事はあいつ、地上に出る気はないのか!?」

 

「きっと、スピーカーを破壊し終えたら、目的の街への進行を再開するだろう…!」

 

コウセイの問いかけにソラトは冷静に答えた。

 

だが、ここで逃してまたしても犠牲者を増やすわけにはいかないという事で、NDFはガモスを炙り出すために、攻撃として使うつもりだった徹甲弾の第1波を撃つ事が決まった!

 

放たれた弾丸は風を切る音を発しながら飛んで行き、ガモスが地中からの溶解液でスピーカーを全部溶かし終えたタイミングでその地面に命中して爆発する!

 

すると地響きを起こし、激しい土砂を巻き上げながらガモスがその姿を現す!

 

ガモスは自身の進行を邪魔された怒りもあるのか、咆哮を上げた後、周囲の木々や岩などに溶解液を吹きかけて次々と溶かし、近くの小屋や小さな岩山などを蹴って破壊するなどして暴れ始める!

 

その様子を見たドリちゃんは、またしてもかつての夜がフラッシュバックしたのか怯えるようにミコにすがり始め、ミコはそれを落ち着かせるために頭を撫でながら作戦を見守り続ける。

 

ガモスが地上に姿を現した事により今度は麻酔ミサイルを発射したNDF。やがてミサイルはガモスの頭上で爆発し、それにより恐らく麻酔薬と思われる白い粉か煙のようなものが広がってガモスの体を包み始める。

 

すると麻酔が効き始めたのか、ガモスは少しふらつき始める。

 

「よし!効いて来てるぞ!」

 

コウセイが喜んでる間に、やがて第2波として飛んで来たもう1発の麻酔ミサイルが頭上で爆発して煙を浴びた事により、ガモスの動きは眠気から完全に鈍り、さっきよりも覚束ない足取りになっており、今にも倒れそうである。

 

それを確認したNDFは、トドメの一撃として確実に急所を撃ち抜くためにガモスの頭頂部をロックオンして、第2波の徹甲弾を発射する!

 

 

だが、数々の星を渡って殺戮の限りを尽くして来た残酷怪獣は、ここでは止まらなかった…!

 

 

ガモスはミサイルにもなる背中や尻尾の棘を複数発射し始め…なんと、全部自分自身に浴びせ始める!

 

「なんだと!?」

 

コウセイが驚愕する中、体中に棘ミサイルが命中して爆発して行くガモス。すると、動きがさっきまで麻酔ミサイルで鈍ってふらついていたのが嘘みたいに活き活きとしたものに戻っていた!

 

「ガモスは自分を攻撃して、その刺激で眠気を覚まさせたんだ…!」

 

ソラトはガモスが眠気覚ましとして自分自身を攻撃したという事を考察し、そのいかれ具合に戦慄が走る。

 

やがてNDFが発射した第2波の徹甲弾がガモス目掛けて飛んで来るが、すっかり元気に戻ったガモスはそれに目からの破壊光線を放って命中させ、徹甲弾は上空で爆発した…!

 

「そんな…!」

 

ガモスの予想を遥かに超えた知性の高さにより、作戦があっという間に破綻してしまった事に、アユムは呆気に取られている。

 

「先生、一体どうすれば…。」

 

何かに縋るようにサユキに連絡を入れるが、サユキの返答は意外なものだった。

 

「No problem!諦めるのはまだ早いよアユム。」

 

「…へ…?」

 

「まだ希望はある…。」

 

果たしてサユキの言う希望とは…?

 

 

スサノオ作戦を跳ね除けたガモスは、得意げに咆哮を上げて暴れようとしている…!

 

だがここで、遂に2人の男が覚悟を決める!

 

「こうなったら仕方ない…コウセイ!」

 

「ああ、ここで逃げられるわけにはいかないしな!」

 

ソラトとコウセイはそう掛け合った後、コウセイは鞄から四肢を畳んだ状態の“スリープモード”で待機しているレキネスを取り出し、そしてソラトは、頭部に沿って右手を振りかぶる事で現れた変身アイテム『オメガスラッガー』を手に取る!

 

 

オオキダ・ソラト。その正体は宇宙から来た赤き光の巨人『ウルトラマンオメガ』である。

 

本来は宇宙観測員であり、例え“目覚めの刻”が訪れてその星の怪獣と人間の生存競争が始まったとしても、怪獣も人間も等しく観測対象である事から特定の生命体に肩入れしてはいけない立場であったが、地球を観測していた際、月でゾヴァラスと戦い、奴がヴァルジェネスを操り、ヴァルジェネスハルバードで仕掛けた攻撃を受けた事で地球に落下し、それと共に記憶を失った。

 

その後、ソラトの姿でコウセイをはじめとする地球人たちと出会い、彼らと交流しつつ、地球を守る意味を見出すため、そして記憶を取り戻すために戦い続けている。

 

 

「レキネス!」

 

コウセイは手に持ったスリープモードのレキネスを天に突き揚げて叫ぶ。

 

するとレキネスは畳まれていた四肢、そして尻尾が展開して怪獣型の“カイジュウモード”へと変形し、咆哮を上げながら光の粒子と共に巨大化する。

 

 

ソラトは胸に提げているペンダント『メテオホルダー』から五角形の流星のクリスタル『オメガメテオ』を引き抜いてオメガスラッガーに装填した後、スラッガーのウイングを展開させる。

 

そしてオメガスラッガーを、持った右腕を反時計回りに大きく回した後に天高く揚げると展開されたウイングの部分が眩い光を放つ!

 

オメガスラッガーのウイング部分がプロテクターとして胸部に装着され、そこから徐々にソラトの体がオメガの姿へと変わって行き、変化が完了した所で両腕を胸の前でクロスさせた後に広げる事で力を溜めた後、五角形の眩い光から、右手は平手、左手は下の方で軽く曲げたポーズで『ウルトラマンオメガ』が飛び出す!

 

「シュワッ!」

 

 

ガモスは近くのアユムとミコ、ドリちゃんに気付き、彼女らを惨殺しようと歩みを進め始める…!

 

残酷怪獣の肩書きは伊達ではなく、例え相手が女性や子供でも容赦しないのだ!

 

アユムはミコ達を先導しつつ逃げ始めるが、もうすぐ近くにまで迫って来ていたガモスが溶解液を浴びせようとする…!

 

 

だがそこに、現れたレキネスの尻尾の一振りがガモスの頭部に命中し、それにより怯んだガモスに更に現れたオメガが飛び蹴りを胸部に決めて吹っ飛ばす事でアユム達と引き離す。

 

オメガとレキネスは合流して横並びになると、いきなり蹴られた事で怒りを露わにするガモスと対峙する。

 

アユム達もオメガ達の登場に安心な表情を見せる。

 

「あの時の巨人と、怪獣…?」とミコ。

 

「ウルトラマンオメガ。そしてあの怪獣も、味方よ。」とアユム。

 

 

レキネスと共にガモスと対峙しているオメガは、右掌をガモスに向けてじっと見つめ始める。

 

これは、戦闘前に相手の行動や特徴を観測する動作『オメガスコープ』である。

 

観測を終えたオメガは拳を握ってファイティングポーズを取り、レキネスも気合いを入れるように咆哮を上げる。

 

ガモスは先手必勝とばかりに背中や尻尾から無数の棘ミサイルを、オメガとレキネス目掛けて一斉に放つ。

 

「レキネス!念動力だ!」

 

コウセイの指示を受けたレキネスは念動力『レキネスキネシス』を発動し、周囲の無数の岩を浮かべて一斉に飛ばし、同じく無数に発射されたガモスの棘ミサイルを相殺させて行く!

 

両者の激しい飛び道具の雨あられのぶつかり合いにより連続で生じる爆発の中をオメガは縦横無尽に駆け抜け、やがてそこを突破してガモスに接近すると、走る勢いも乗せた右拳の一撃をガモスの顔面の左側面に決める!

 

ガモスは両腕を振るって殴る反撃に出るが、オメガはそれらをいなして行き、胴体に2発パンチ、袈裟懸けのチョップの後にもう1発パンチを打ち込み、片足を地に付けた状態のローリングソバットを決め、更に跳躍しての側転蹴りを頭部に決める。

 

ガモスは反撃として大きく一回転してオメガの足元目掛けて尻尾を振るうが、オメガはそれを跳躍してかわすと、ガモスにヘッドロックを決めてしばらく押さえ込む。

 

ガモスはそれを振り解くと再びオメガに殴りかかるが、オメガはそれをしゃがんでかわすと同時にその後ろで待機していたレキネスが尻尾の一撃、頭部の角による刺突を決め、更に念動力を自身にかける事で宙に浮いて両足蹴りを叩き込む。

 

起き上がったオメガは、頭部から取り出して手に持っていた宇宙ブーメラン、オメガスラッガーによる斬撃を決め、更に前蹴りを打ち込む事で後退させる。

 

オメガとレキネスの連携攻撃によりガモスは弱って来たのか若干ふらつき始めていた。

 

オメガは一気にトドメを刺そうとオメガスラッガーを手にガモス目掛けて走り始める。

 

…しかし、ガモスはオメガが至近距離まで近づいて来た所に目からの破壊光線を放ち、それをモロに浴びたオメガはダメージにより勢いが止まってしまう。実はガモスは弱ったふりをしてオメガが近づいて来るのを狙っていたのだ!

 

ガモスは怯んだオメガを2発殴った後、両手で頭部を掴んで後方へと放り投げた。

 

ガモスは今度はレキネスの方を向いて再び棘ミサイルを無数に発射し、レキネスも再度念動力を発動して周囲の岩を飛ばして応戦する。

 

しかし、その隙にガモスは口から溶解液を放ち、レキネスはそれを咄嗟に横にそれてかわすが、少量を左腕に受けて負傷してしまう。

 

怪我をして怯んだレキネスにガモスは接近すると、その負傷箇所を執拗に殴って攻撃し始める。

 

オメガはレキネスを援護しようとガモスの背後から向かおうとするが、それに気づいていたガモスは背後のオメガに棘ミサイルを乱射して近づけないようにする。

 

ガモスはレキネスをある程度痛めつけた後、掴んでオメガの方へと投げ飛ばした。

 

 

ガモスの高い攻撃力に加え、知能の高さ、手段を選ばない姑息な戦法により、徐々に追い込まれて行くオメガとレキネス。

 

戦いを見守るアユム達も心配そうな表情になって行く。

 

「あいつ、どこまで悪賢いんだ!」

 

そう言うコウセイは、メテオカイジュウ使役による体力の消耗により息を切らし始めていた。

 

戦いで優位になったガモスは、得意げに吠えながら再びオメガ達に使って行こうとしていた。

 

 

…しかし、ガモスは戦っている相手に気を取られていて気づいていなかった…自身の左右斜め前方で、2台のアンカー搭載車が待機しているという事を…!

 

「Now's your chance!」

 

サユキのその合図により、2台の車から対怪獣アンカーが発射され、ガモスの腹部に突き刺さる。

 

そしてそこから一斉にモスキート音が鳴り始め、その瞬間ガモスはもがき苦しむような動きを見せ始める。

 

「なんだ…!?」

 

「これは一体…?」

 

突然の出来事に驚きを隠せないコウセイとアユム。それはオメガ達もそうだった。

 

「やっぱり、効果は絶大ね。」

 

サユキは不適な笑みでそう言った後、アユム達に説明を始める。

 

 

実はここ1週間、ガモスの行方を追いつつ、現地の人の目撃情報も聞きながら行動パターンを見て行くうちにある事に気づいた。

 

それは、ガモスは自動ドアのある建物には近づかず、破壊するにしても溶解液か棘ミサイルという飛び道具を使っていたという事。

 

そして、ガモスがいくつかその自動ドアのある建物に近づいた際、ガモス脳波に多少の乱れが生じていた事。そしてその建物を調べてみると、どれも常時モスキート音が鳴っている発生装置が設置されていた事が分かった。

 

これらの事から、ガモスは特定の高周波の音が苦手ではないかという事を突き止め、仮にスサノオ作戦が失敗した時の第2の作戦が、NDFとサユキによって秘密裏に準備されていたのだ。

 

その作戦とは、嘗て『爆進細胞怪獣エルドギメラ』にも使用した対怪獣アンカーに小型スピーカーを内蔵してガモスの体に打ち込み、そこにNDFの研究チームが調整したモスキート音を鳴らす事で弱体化を狙うというものだ。

 

そしてその作戦は見事に成功、ガモスは苦手な高周波の音をゼロ距離で聞かされている苦しみでのたうち回っている…!

 

因みにアユムも研究チームの1人として参加していたのだが、彼女は麻酔ミサイルなどの方の調整に参加していたため、この作戦の事は知らなかった。

 

 

ガモスはなんとか力を振り絞って自身に刺さっているアンカーを引き抜いて投げ捨てるが、さっきよりも動きが鈍っており、今度はフリではなく本当に弱体化しているようであった。

 

「流石はサユキさん…!」

 

思わぬ援軍のおかげで希望が見えたコウセイは元気を取り戻し、サユキに感心しつつ立ち上がる。

 

「ガモスの脳波は乱れたまま、今がチャンスだわ。」

 

タブレットを見てガモスの弱体化を確信したアユムの表情にも明るさが戻った。

 

オメガとレキネスも、精神統一をするようにゆっくりと構えを取って行く。

 

「みんながチャンスを作ってくれた…!」

 

コウセイはそう言った後、ガモスの方に鋭い視線を向ける。

 

「おいお前!よくも尊い命を次々と奪ってくれたな!ここからは徹底的に行くぞ、ソラト!」

 

 

(BGM:アンブレイカブル)

 

 

オメガは反撃開始の狼煙とばかりに、両腕を胸の前で肘を折って水平にした後に腕を回してL字を描くポーズを取ってエネルギーを溜めた後に十字に組んで必殺光線『レティクリュート光線』を放ち、それが直撃して爆発してダメージを受けたガモスは後方へと転倒する。

 

「行くぞ!レキネス!」

 

コウセイが目を青く光らせてそう叫ぶと、レキネスは咆哮を上げた後、体を変形させて剣状の武器『レキネスカリバー』へと変化し、オメガは『レキネスメテオ』をオメガスラッガーに装填して展開し、青い光を放つオメガスラッガーの背後でオメガスコープのポーズを取る。

 

オメガは横一直線に振った左腕に沿ってレキネスカリバーの刀身を伸ばし、その後オメガスラッガーはレキネスの角を模した青い形状になり、左胸、左肩、両手首にレキネスが変化した鎧『レキネスアーマー』を纏い、レキネスカリバーを手に持って構えを取る。

 

オメガはレキネスカリバーを右肩に担いだ状態でガモスに駆け寄りながら飛び蹴りを打ち込み、ガモスが反撃で連続で放って来たパンチをレキネスカリバーで悉くいなして行き、袈裟懸け、横一直線と続けて斬撃を放ち、次にガモスが大きく振るって来た尻尾攻撃を刀身で受け止めた後、そのまま背中に横蹴り、上から振り下ろした斬撃を連続で決めてダメージを与える。

 

レキネスカリバーによる切れ味は抜群で、斬撃が決まる度に火花が飛び散る。

 

ガモスは飛び道具の反撃に切り替えて無数の棘ミサイルを放つが、オメガはレキネスカリバーの柄の先端から念動力『レキネスカリバーキネシス』を発動して自身の目前まで来ていた棘ミサイルを全て静止させ、逆にレキネスカリバーを前に突き出す動作と共に一斉にガモス目掛けて発射する!

 

自身の攻撃で逆に攻撃される事に対する動揺もあってガモスは自身に飛んで来る棘ミサイルの雨あられをなす術もなく受けて行き、その隙にオメガは勢いよく走って接近しながら、刀身に青白い稲妻を纏った斬撃『レキネスカリバーサンダー』を叩き込み吹っ飛ばした!

 

 

レキネスアーマーは青い光と共にオメガの体から消滅する事でレキネスはコウセイの元に戻る。

 

「トライガロン!」

 

続いてコウセイはスリープモードのトライガロンを天に突き揚げて叫び、トライガロンはカイジュウモードへと変形し、咆哮を上げながら光の粒子と共に巨大化する。

 

ガモスは現れたトライガロンに溶解液を噴射するが、トライガロンはそれを持ち前の俊敏な動きで回避して行き、やがて走って接近すると同時に両前足の爪による斬撃を叩き込み、続けてガモスの腹部に前足のパンチを交互に繰り出し、右前足の爪による斬撃を足元に決めて体勢を崩した所に更に後ろ足でのキックを打ち込む。

 

ガモスはオメガとトライガロン目掛けて再び棘ミサイルを放つが、オメガはトライガロンの上に乗り、トライガロンはオメガを乗せたまま縦横無尽に駆け回って棘ミサイルを避けて行き、やがてそのままガモスに接近すると、オメガは手に持ったオメガスラッガーでガモスにすれ違いざまに斬撃の一撃を決めてダメージを与える!

 

オメガはトライガロンから飛び降りた後、『トライガロンメテオ』をオメガスラッガーに装填して展開し、トライガロンは鉤爪状の武器『トライガロンクロー』へと変化する。

 

オメガはガモスが放って来た目からの破壊光線を連続後方宙返りでかわしながら黄色い光と共に鎧を纏って行き、やがて3回目の後方宙返りを決めた際の上空にて、オメガスラッガーは黄色くトライガロンの角を模した形状になり、右腕及び右胸、左足首にトライガロンが変化した鎧『トライガロンアーマー』の装着が完了し、トライガロンクローを装備した右腕を天に揚げてポーズを決めると、上空から降下しながら落下の勢いを利用したトライガロンクローでの強烈な一突きをガモスに叩き込む!

 

次にオメガは残像を残すほどの高速移動をしながら連続で斬りつける『トライガロンクローマキシマムーブ』でガモスを数回斬りつけた後、再度接近して右腕を振るってトライガロンクローによる斬撃を2発決め、ガモスが反撃で放った右フックをしゃがんでかわすと同時にアーマーの付いた左足のキックを腹部に打ち込み、更に下からアッパーカットの要領で振り上げたトライガロンクローの一撃を叩き込んで大きく吹っ飛ばした!

 

 

トライガロンアーマーは黄色い光と共にオメガの体から消滅する事でトライガロンはコウセイの元に戻る。オメガのカラータイマーは赤く点滅を始めており、コウセイも再び疲弊し始め、息が荒くなる。

 

苦手な高周波の音を聞かされて弱体化した上にオメガとメテオカイジュウの猛攻を受けながらも、尚も立ち上がるしぶとさを見せるガモス。きっと底知れぬ破壊欲が、破壊と殺戮を嗜好の楽しみとする奴を突き動かすのであろうか…?

 

 

「アンカー頼んだぞ!ヴァルジェネース!!」

 

コウセイはスリープモードのヴァルジェネスを天に突き揚げて叫び、ヴァルジェネスはカイジュウモードへと変形し、縦横無尽に飛びながら咆哮を上げて光の粒子と共に巨大化する。

 

現れたヴァルジェネスはガモスに飛行して接近しながら体当たりを決め、更に両足でのキックを胸部に打ち込むと同時にその反動を活かして後ろに飛んで距離を取る。

 

オメガはヴァルジェネスの右足に右手で捕まり、ヴァルジェネスはそのまま上昇した後、空中からオメガは左手の先からスラッシュ光弾『オメガスラッシュ』、ヴァルジェネスは五角形の胸部の発光体から火炎弾を連射し、それらの雨あられを受けたガモスはダメージを受ける。

 

次にヴァルジェネスは翼の羽ばたきで旋風『ヴァルジェネスツイスター』を起こし、オメガはその勢いも加えた急降下キック『オメガキック』を放ち、それをモロに喰らったガモスは大きく吹っ飛んで岩山に激突した!

 

「うぉああああああーーーーっ!!」

 

最後の力を振り絞ったコウセイは目を赤く光らせて渾身の叫びを上げると、ヴァルジェネスはそれに応えるように咆哮をあげた後、体を変形させてハルバード型の武器『ヴァルジェネスハルバード』へと変化し、オメガは『ヴァルジェネスメテオ』をオメガスラッガーに装填して展開し、オメガスラッガーは赤い光を放ち、やがてヴァルジェネスのビジョンが浮かぶ!

 

オメガは燃える炎と共に、両足首、胸から肩と両手首と順にヴァルジェネスが変化した鎧『ヴァルジェネスアーマー』を纏い、オメガスラッガーは炎を纏ったような形状になり、天から降って来たヴァルジェネスハルバードを手に取ると、数回振り回した後に右手持ちで柄の先端を地面に突き立ててポーズを取る。

 

ガモスも最後の力を振り絞ってオメガに接近するが、オメガはそれを『ヴァルジェネスハルバードインフェルノ』で迎え撃つ!

 

縦横無尽に振り回す、炎を纏ったヴァルジェネスハルバードによる連撃は確実にガモスにダメージを与えて行き、ガモスはなんとかヴァルジェネスハルバードの柄の先端を掴んでそのまま押さえ込もうとするが、オメガはそのままヴァルジェネスハルバードの柄に沿って距離を詰めながら廻転後ろ蹴りをガモスの腹部に打ち込み、更にヴァルジェネスハルバードによる一撃を叩き込み吹っ飛ばす!

 

ガモスは棘ミサイルを放とうと尻尾を立てるが、オメガはそれに急接近し、すれ違いざまにヴァルジェネスハルバードによる斬撃『ヴァルジェネスハルバードカッター』を繰り出し、ガモスの尻尾を切り落とした!

 

オメガの最強形態でもあるヴァルジェネスアーマーの猛攻を受けて今度こそ力なくふらつくほど完全にグロッキーになったガモス。今こそトドメだ!

 

オメガは、水のエレメントの技『ヴァルジェネスハルバードフリージング』を発動し、ヴァルジェネスハルバードから氷のエネルギーを放ってガモスを氷の中に閉じ込めて動きを封じる。

 

続けてオメガは、ヴァルジェネスハルバードを回しながら火、水、風、土の4つのエレメントのエネルギーを集め、先端から強力な破壊光線を放つ必殺技『ヴァルジェネスハルバードクアドランズ』を放ち、それを浴びたガモスは氷が砕けると共に、断末魔の叫びを上げながら大爆発して消し飛んだ…!

 

 

(BGM終了)

 

 

オメガ達の勝利にアユムとミコ、ドリちゃん、太陽倉庫から偵察用ドローンで見ていたサユキ、そして隊長の『タイラカズヤス』をはじめとしたNDFの面々、みんなが歓喜の声を上げていた。

 

「良かったね、ドリちゃん。ありがとう!ウルトラマンオメガ!」

 

ミコはドリちゃんに優しく声をかけた後、オメガにお礼を言った。

 

ヴァルジェネスアーマーを消滅させて素の姿に戻ったオメガは、それに応えるようにミコ達の方を向いてゆっくりと頷く。

 

「シュワッチ!」

 

そして掛け声と共にその場から飛び立ち、空の彼方へと飛び去って行った。

 

 

ソラトの姿になったオメガは、消耗により足元も覚束なくなるほどふらついており、やがて大の字になって倒れる。

 

「ソラト〜!」

 

やがてコウセイも、同じく消耗によりふらつきながらソラトと合流し、ソラトの近くまで来ると同じく大の字になって倒れる。

 

2人の疲れ具合が、今回がいかに激戦だったのかを物語っている。だが、疲れ切って倒れた2人の顔は、どこか達成感に満ちた満足げな表情にもなっていた。

 

「やったな、コウセイ。」

 

「ああ、でも流石に連続召喚は体に堪えたぜ…!」

 

「だな、あとアーマー連続使用も、俺たち、結構無茶しちゃったな…!」

 

2人は笑い合った。

 

「それに、勝利できたのは俺たちだけの頑張りじゃない。」とコウセイ。

 

「あぁ、アユ姉にサユキ、NDF…そして、俺たちを信じてくれたミコ…みんなで得た勝利だ…!」

 

ソラトはそう言った直後に…。

 

「それにしても…。」

 

「「腹減った〜!」」

 

コウセイと声を合わせてそう言った(笑)

 

だが、2人がこうして空腹になったのも、残虐な怪獣が滅んで平和が戻った証拠とも言えるだろう。

 

 

すると、いつの間にか合流しに来ていたアユムが倒れる2人を労うように上から顔を覗かせて笑みを浮かべる。

 

「2人ともお疲れ様。今日は、私がカレーを作ってあげる。」

 

「うそ?」「マジ?」

 

「「やった〜!」」

 

ソラトとコウセイは再び声を揃え、その2人を見てアユムは再び笑顔を見せ、3人は笑い合った。

 

その様子を、少し離れた所からドリちゃんと一緒に見ていたミコも、笑顔になっていた。

 

 

やがて3人は太陽倉庫に帰る事にし、ソラトはミコに別れを告げる。

 

「それじゃあ、元気でな、ミコ!ドリちゃんも。」

 

「うん!また野菜が出来たら送るから、楽しみにしてて!」

 

それを聞いたソラトは、ミコにサムズアップをした。

 

「それじゃあ、帰ろっか。なんかオーナーも焼きそば作ってくれるみたいだし。」

 

「おおマジで!?それは楽しみだ〜!」

 

「今夜の夕食はとことんガッツリだね。」

 

「いいじゃねぇか!パーっと行こうぜパーっと!」

 

「いや飲み会みたいなノリで言うなよ!」

 

3人はそんな他愛もないやり取りをしながらライトビートルに乗り込み、そして離陸したライトビートルは飛び去って行き、ミコはそれが見えなくなるまで手を振った。

 

 

「じゃ、私たちも帰ろ、ドリちゃ…。」

 

ミコがそう言いかけた時、突如、何処かから強い風が吹き始める。

 

「なんだろう…?」

 

驚いたミコが上を見上げると、なんと、突如、翼を持った1匹の怪獣が、羽根を羽ばたかせながら地上に降りて来たのだ。

 

やがて着陸したその怪獣は、ミコ達の方をじーっと見つめ始める。

 

「なっ…なんなの?一体…?」

 

突然の事に動揺が止まらないミコ。だが、ドリちゃんはその怪獣を見ると、どこか嬉しそうに鳴き始め、その鳴き声をよく聞いてみると「マ、マー!」とも言っているようだった。

 

「…もしかして…ドリちゃんの、お母さん?」

 

そう、その怪獣は、ドリちゃんを迎えに来たザンドリアスであった。

 

母親である事から、名前は『若親怪獣ヤングマザーザンドリアス』と言った所であろう。

 

先日、ドリちゃんと共にこの地球に落下し、ガモスに惨殺された個体はどうやらドリちゃんの親ではない別の個体だったようだ。

 

「…そう、この子を迎えに来たのね…。」

 

ドリちゃんの母親が迎えに来た事を理解したミコは、残念そうな顔になりながらも、ドリちゃんを返す決心をする。

 

「お母さんと過ごせるって、ありがたい事だもんね…。」

 

そう言うミコだが、ドリちゃんは母親に会えて嬉しい反面、ミコと離れ離れになるのも嫌みたいで、ミコにくっ付き始める。

 

ミコはそんなドリちゃんをそっと引き離すと、優しく声をかけた。

 

「私、ドリちゃんの事を絶対に忘れない。離れてても、私たちはずっと友達だから。」

 

ミコのその言葉と明るい笑顔に、ドリちゃんは安心したのか、徐々にミコの元から離れ始め、母親の方へと向かって行く。

 

そして母親の元に着いたドリちゃんは、ミコに別れを告げるように元気よく羽根をパタパタさせた。

 

「ドリちゃん、さようなら。」

 

ミコもドリちゃんに別れの言葉をかける。やがてドリちゃんは母親に連れられ、空の彼方へと飛び去って行き、ミコはそれを見えなくなるまで手を振って見送った。

 

母親と共に帰って行くドリちゃんを見送った後、ミコは新しい友達と別れたにも関わらず笑顔をキープしていた。

 

恐らく、オオヘビヌシノミコトと違い、生きたまま別れる事が出来たからであろう。

 

「私も、ソラトさん達みたいに頑張らなくちゃ。」

 

そう一言呟くと、ミコは夕焼けが照らす帰り道をルンルンと歩き始めた。

 

 

数日後、太陽倉庫にて、今日は怪特隊の仕事がないのか、ソラトはコウセイと共にラジオ番組の『丹下マサルのエブリディがトレンディ』を聴きながら倉庫での仕事をしていた。

 

「ソラト、なんかお前宛に届いてるぞ。」

 

しばらくすると、ソラトはコウセイから自身宛に贈り物が届いてると告げられ、その箱を開けてみると、中には色んな種類の野菜がぎっしりと入っており、送り主はミコであった。

 

「こんなにいっぱい…!」

 

コウセイはあまりの野菜の量に驚きを隠せない。

 

「ミコ、どうやら今も元気でやってるみたいだな。」

 

「そうだな。」

 

ソラトとコウセイは、ミコが今でも元気に農作業も頑張りながら生活していると確信し、笑顔で見つめ合いながらそう言った。

 

「そうだ!今日は、野菜たっぷりの焼きそばってのはどうだ?」

 

「結局焼きそばかよ〜。」

 

ソラトの提案にコウセイは呆れ気味にそう言いながらもどこか満更でもない感じである。

 

「ほんで、更にその上に目玉焼き。」

 

ソラトは無邪気に微笑みながらリクエストを追加する。

 

「しょうがねぇな〜今日は特別にそうするか!そうして欲しいならほら今は仕事するぞ!」

 

「あいあいさー!」

 

ソラトは一際はしゃぎながら、コウセイと共に仕事に戻った。

 

 

オオキダ・ソラト=ウルトラマンオメガの記憶を取り戻す戦いは続く。

 

コウセイ達が、ソラト(=オメガ)の正体が宇宙観測員である事を知るのは、まだ少し先の話である…。

 

 

(ED:共鳴レボリューション)

 

 

〈完〉




読んでいただきありがとうございます!

アーク同様、私なりのオメガのオリジナルストーリーとして制作しました。

登場怪獣は、オメガが放送開始された昨年(2025年)に45周年を迎えた『ウルトラマン80』から選出しました。


ウルトラマンオメガは、アークとは別ベクトルで斬新な作風で、前半(ソラト(=オメガ)が地球に来る〜怪特隊が出来るまで)は、従来のウルトラマンの第1話を何話もかけて描写した感じがしましたし、怪特隊が出来て以降も面白く、直近の話では衝撃的な展開が起こったりと、終盤に突入した今、ますます目が離せない状態ですね。

かっこいいのは当然として、その一方で食いしん坊でお子ちゃま舌だったり、どこかズレた一面もあったりと、オオキダ・ソラトのキャラも結構好きになりました。

オメガの戦闘スタイルも、体術やオメガスラッガーを駆使したキレのあってかっこいいものでしたし、メテオカイジュウ、及びそれを鎧にして纏ったアーマー形態もどれも強くてかっこよくていいものばかりでしたし、オメガスコープはつい真似したくなるほど印象に残るものでしたね。

私はアーマーだとヴァルジェネスアーマーが特に好きでした。

登場怪獣も新規が多かったですね、因みに私はゾヴァラスが気に入りました。


今年はウルトラシリーズが60周年という記念すべき年ですね!果たしてどんな楽しい企画を提供してくれるのか、今からウルトラ非常に楽しみであります!


今年も時間を見つけては作品を制作して行こうと思いますので、宜しければ今年もよろしくお願いします!


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