戦姫絶唱シンフォギア Answer   作:川井 アザト

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5話

レイア「エルフナインが脱走しました。よろしいのですか?マスター。」  

 

キャロル「問題ない。計画通りだ。最初の毒を仕込ませるのは、あいつの役目だ。」

 

とある城の中。

 

歯車と機械が激しく絡み合ったようなその空間に、四人の人形と、一人の少女の姿があった。

 

ファラ「でしたら、次は私の番ですわね。」

 

キャロル「お前に任せる、ファラ。」

 

ファラ「仰せのままに。」

 

人形の一人、ファラは、自分の使命を全うするため、その場から姿を消した。

 

ガリィ「思い出の回収は予定どおりですよ〜マスタ〜。」  

 

キャロル「ご苦労だ、ガリィ。引き続き思い出の回収に努めよ。」

 

ガリィ「承知しました〜。」

 

キャロル「後は、ミカが動けば、計画は初めの一歩を踏み出す。奇跡の殺戮は、予定通り・・・・というわけでもないようだ。」

 

キャロルは、錬金術のモニターを展開し、ある一人の少女の姿を映し出す。

 

キャロル「田中真理・・・・こいつは、オレの奇跡の殺戮にとって、最大の障害となりうるだろう・・・」

 

レイア「マスター。田中真理は、タダの地味な人間ではないのですか?」

 

キャロル「侮るな、レイア。こいつは、人間ではない。〈怪物〉だ。」

 

キャロルが〈怪物〉と呼ぶその少女。

 

そんなことを、キャロルから呼ばれていることを、田中真理は、知る由もなかった。

 

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

取り調べを受けた日から3カ月が経とうとしていた。

 

リディアンでの授業中、私はふと、隣を見た。

 

響さんが、お休みをしている。

 

あの、響さんが、太陽のような陽の気を持った彼女が、学校を休んでいる。

 

響さんだけじゃない、雪音先輩に、調さんと切歌さんまで。

 

学校に残っている友達は、未来さん、創世さん、詩織さん、弓美さんの四人だった。

 

(なんだか、寂しいな・・・)

 

最近になって、響さん達とつるむようになってから、私の中での友達の大切さは、比べ物にならないくらいになっていた。

 

それ故に、彼女たちのいない日常が、考えらなかった。

 

未来「真理さん?どうしたの?」

 

2つとなりの席に座っている未来さんが、小声で私に話しかけてきた。

 

真理「いや、なんだか、寂しいなって・・・」

 

未来さんに、自分の、今の、気持ちを言った。

 

未来「わかるよ、真理さん。私も、響がいない時間が、なによりも寂しくてしかたないよ・・・」 

 

真理「未来さんも、そうなんだね・・・」

 

未来、真理「「はぁ・・・」」

 

私と未来さんで、同時にため息をついた。

 

「小日向さん、田中さん、私語は謹んでください。後、そんなに大きなため息つかれたら!私の心も削がれます!」

 

未来 真理 「「は、はい!ごめんなさい!」」

 

私と未来さんは、先生の大きな声に反応して、起立して謝った。

 

いつもなら、響さんが、先生に怒られているのだが、今日は私と未来さんとで怒られてしまった。

 

私のいつもの日常は、少しだけ、狂っていた。 

 

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

1日の、全ての授業から解放され、私は、未来さんに創世さん、詩織さんと弓美さんとで、学校から出ようとしていた。

 

真理「・・・・・・」  

 

創世「どうしたの?マリー調子悪そうだけど?」

 

未来「私と一緒だよ。響がいなくて、寂しいって感じてるの。」

 

創世「あ~なるほどね・・・」

 

詩織「たしかに、響さんがいるといないとでは、場の和みがちがいますものね。」

 

弓美「アニメみたいなあの子がいれば、いつだって現実逃避できてるような気がするもんね〜。」

 

皆、響さんのことを思い思いに話す。皆、響さんの存在が、自分の中で大きいのだ。

 

真理「はぁ・・・歌いたい・・・」

 

私は、今の陰鬱とした気持ちを発散させたかった。その方法は、私の大好きなことを思いっきりするしか他に思いつかなかった。

 

未来「そういえば、最近真理さんの歌を聴いてないような・・・真理さん、とっても上手なのに・・・」

 

創世「え?マリーってそんなに歌が上手なの?初耳なんだけど。」

 

詩織「私も、初めて聞きました。」

 

創世さんと詩織さんは、私が歌を歌っていることについて、知らないようだった。

 

そういえば、この3人には、一度も歌を聴かれたことがない気がする。

 

弓美「なるほどね〜〜・・・となると、行くところは一つでしょ!!」

 

真理「え?」

 

創世 詩織 弓美「「「カラオケ!!!」」」

 

カラオケ。それは、大衆が、歌を歌うために行くところ。

 

私は、まだカラオケというものに行ったことがなかった。

 

真理「カラオケってどんなところなの?」

 

創世「え!?マリーカラオケ行ったことないの!?」

 

弓美「それは、人生の半分を損してるわね。」

 

詩織「とても楽しいところですよ。思いっきり歌えば、気分も晴れます。」

 

3人は、私に、カラオケの楽しさというものを教えようとしてくれる。

 

それを聞くと、俄然、興味が湧いてきた。

 

真理「楽しそうだね。カラオケ。私も行きたい。」

 

未来「私も行きたいな。真理さんの歌も聴きたいし、響の分まで歌いたいから。」

 

弓美「よーーし!そうとわかれば!」

 

創世「行こうよ!マリー!コヒー!」

 

詩織「さあ!早く早く!」

 

私たちは、カラオケに向けて、一斉に駆け出した。

 

まだ見ぬ冒険に出るように。

 

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カラオケは、とても楽しいものだった。

 

自分の好きな歌を思いっきり歌える。

 

その喜びを爆発させてくれる、とても素晴らしい場所だった。

 

私は、最初何を歌えばいいのか分からなかったが、自分の好きな歌を歌えば良いと、彼女たちは言ってくれた。

 

その言葉に甘え、私は、翼さんや、マリアさん、奏さんの曲を歌った。

 

逆光のフリューゲル、不死鳥のフランメ・・・私の心に火を灯してくれる歌の数々。

 

私は、それらの歌を、思いっきり歌った。

 

未来「楽しかったね。真理さん。」

 

3人と別れたカラオケ終わりの夕方に、私は未来さんと一緒の帰路に着き、今日のことを振り返っていた。

 

真理「うん!とっても楽しかった!素晴らしいね!カラオケというものは!」

 

未来「真理さんが楽しかったのなら、私も嬉しいよ。」

 

あっという間に過ぎたカラオケの時間は、私にかけがえのないものをくれたような気がした。

 

真理「未来さん、また一緒に、今度は、響さんや雪音先輩、調さんに切歌さんとも行きたいな。」

 

未来「もちろんだよ。また楽しもうね。」

 

私は、未来さんと、再びカラオケで楽しむ約束をした。

 

レイア「取り込み中か?」

 

突然、後ろから声がした。

 

真理「!?」

 

声がした方向を見ると、そこには、色白な肌で、派手な服装をした人間が、謎のポーズで立っていた。

 

真理「あなたは誰!?」

 

レイア「知る必要はない。お前を派手に味見しにきただけだ。」

 

目の前の人物は、コインを指に挟んで構えた。

 

レイア「戦え、田中真理。さもなくば・・・」

 

指に挟まれたコインが飛び、私の頬を通り過ぎ、未来さんの腕をかすめた。

 

未来「キャアっ!」

 

真理「未来さん!」

 

腕に傷を負った未来さんは、その場に倒れる。

 

レイア「どうする?田中真理。」

 

真理「・・・・・・よくも、やってくれたな・・・私の友達を・・・」

 

私は、激しい憤りを感じた。

 

真理「ぶっ飛ばす・・・!」

 

私は、〈力〉を解放し、目の前の派手な人物に肉薄した。

 

レイア「なにっ!?」

 

真理「フッ!!」

 

間合いを一気に潰し、相手の腹に蹴りを食らわせる。

 

レイア「がっ!!」

 

真理「ぜぁっ!!」

 

吹き飛ぶ相手にさらにまた接近し、頭を掴み地面に叩きつける。 

 

レイア「がはっ!!」

 

叩きつけた地面に亀裂が入り、相手はその場にめり込む。

 

真理「よくも私の友達を傷つけたな・・・?」

 

私は手を握り、拳に力を入れる。

 

真理「潰す!」

 

私は、構えた拳を、相手の頭に叩き込もうとした。

 

未来「真理さんっ!!もうやめてぇっ!!」

 

真理「っ!!」

 

拳を叩き込む瞬間、未来さんの声がして、私は我に返った。

 

放たれた拳は、相手の頭を逸れ、地面へとめり込んだ。

 

真理「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

 

不覚だった。怒りに任せて〈力〉を使うなど。

 

未来「真理さんっ!」

 

倒れていた未来さんは、後ろから私に抱きついた。

 

真理「・・・・未来さん、動いたら傷が・・・」

 

未来「そんなの関係ない!真理さんが誰かを傷つけるくらいならこんなの・・・!」

 

真理「未来さん・・・」

 

未来さんは、しばらく私を離さなかった。

 

レイア「まさか、これほどとはな・・・・・マスターに、知らせねば・・・」

 

目の前の倒れている相手が、そんなことを言った瞬間、何かが割れる音がしたかと思うと、相手はその場から姿を消してしまった。

 

真理「消え、た・・・?」

 

敵の消えたその場には、地面の大きな亀裂と、怪我をした未来さんと私だけが、取り残されていた。

 

 

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