戦姫絶唱シンフォギア Answer   作:川井 アザト

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6話

 

あの日の出来事から次の日、響さんたちが、長期の〈休み〉から帰ってきた。

 

響「真理さん・・・!未来を守ってくれて、本当にありがとう・・・!」

 

いつもの昼休憩の場所で、響さんが、私の前で頭を下げる。

 

周りには、響さんの他に、未来さん、雪音先輩、調さんに切歌さんもいる。

 

真理「頭を上げてよ響さん!私は当然のことをしただけだって!」

 

派手な衣装の敵に襲われたあの日、私は、国の機関から取り調べを受け、事の経緯を伝えた。

 

機関の人間は、襲われた事を黙秘することを条件に、私を解放したが、未来さんも含め、響さんたちは、国の関係者だ。

 

伝えないわけにはいかないと思った。

 

響「どれだけ感謝してもしきれないよ!未来は私のひだまりなんだ・・・!未来を守ってくれた真理さんには、頭が上がらないよ・・・!」

 

響さんは、まだ頭を上げようとしない。

 

真理「大丈夫だよ響さん。未来さんは、私の大切な友達だから守りたかっただけなんだ。それ以外のなにものでもないよ。だから、頭を上げて・・・」

 

響「真理さん・・・」

 

彼女は、ゆっくりと頭を上げた。

 

未来「響、私も、もう平気だよ?真理さんもこう言っているんだし、もう気にしなくていいと思うな。」

 

響「未来・・・」

 

未来さんは、気にする響さんを優しくなだめる。

 

クリス「それにしても!どこのどいつだ!?アタシの大切な友達を傷つけようとした輩は!」

 

調「私たちの留守を狙って襲うなんて・・・」

 

切歌「今度現れたら、私が切り刻んでやるデス!」

 

他の三人も、私たちが襲われたことに憤っているようだった。

 

真理「いや・・・相手は、私の名前を知っていたんだ・・・もちろん、あんな派手な人は知り合いにいないけど、結果的に、未来さんを私が巻き込んだことになる・・・」

 

敵がなぜ私の名前を知っていたのかは定かではないが、狙いが私だったなら、未来さんはただの被害者だ。

 

クリス「お前のせいなんかじゃねぇ・・・!アタシらも不注意だっただけだ・・・!」

 

響「そうだよ・・・!真理さんは何も悪くない!だから自分を責めないで・・・!」

 

雪音先輩と響さんは、一生懸命に、私を励まそうとしていた。

 

真理「二人とも・・・・」

 

未来「二人の言う通りだよ。真理さんは、私を守ってくれた。それだけでも、私は嬉しいし、感謝だってしてる。ありがとう、真理さん。」

 

真理「未来さん・・・」

 

調「今度は、私たちも力になるから。」  

 

切歌「ドーンと任せてほしいのデス!」  

 

真理「調さん、切歌さん・・・」

 

皆が、私を励ます。こんなことは、人生で初めてだった。

 

皆の優しい気持ちが、私の心の琴線に触れていた。

 

未来「はい!じゃあこの話は終わり!お弁当食べよ?お昼が終わっちゃうから。」

 

未来さんの一言で、私たちは、昨日のことをこれ以上掘り下げることをやめた。

 

そこからは、いつものお昼ご飯の時間だった。

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

未来「ホントに来ないの?」

 

全ての授業が終わった放課後の教室。未来さんと響さんが、私をライブビューイングに誘ってきた。

 

話によると、雪音先輩の家で、ロンドンで開催される、翼さんとマリアさんのライブを、皆で見るということだった。

 

響「真理さん、まだ気にしてるの・・・?」

 

真理「ううん。そうじゃないんだ。個人的な用事のことだから、昨日のことを引きずってるわけじゃないよ。」

 

未来「ならいいんだけど・・・」

 

響「・・・・・本当に来られないの?私、真理さんとも、ライブを見るの楽しみにしてたのに・・・」  

 

真理「ごめんね、響さん・・・」

 

響さんと未来さんの残念そうな顔を見て、胸が痛くなった。

 

真理「・・・・・・・・・じゃあ、また明日。」

 

私は一言そう言って、二人と別れ、教室を出た。

 

この瞬間が、少しだけ、二人の手を離してしまったような気がした

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

日が沈むか沈まないかの時間、私は、ある高台の公園に来ていた。

 

私の用事というのは、頭を冷やすことだった。

 

正直、昨日のことは、引きずっている。

 

未来さんを巻き込んだこともあるが、怒りで我を忘れるくらい〈力〉を使ってしまったことに悩んでいたのもある。

 

真理「はぁ・・・・・・・」

 

ため息をつきながら、昨日のことを振り返る。

 

だが、そのため息は、自分の浅はかさを憂いているだけのものではなかった。

 

真理「いい加減出てきてくれないかなぁ・・・?」

 

私は、感じていた気配に対し、そう言った。

 

ガリィ「あら?気づかれるなんて、思ってなかったわぁ〜」

 

気配が隠れていた木の影から、紺色のゴシック調の衣装を来た人物が出てきた。

 

真理「あなた、昨日の人と同じ気配がするんだけど、仲間?」

 

ガリィ「あ~らそこまで見通せるなんて大したものね〜。」

 

真理「じゃあ仲間ってことでいいんだね?」

 

ガリィ「まあ、そうなるわね〜。」

 

現れた相手は、昨日の相手が仲間だということを、隠し立てもしなかった。

 

真理「それで?私を尾けてきたってことは、それなりの用があるってことでしょ?」

 

ガリィ「そうだわね〜〜・・・あなたの思い出を貰いに来たってところかしら〜〜」  

 

真理「思い出?」

 

ガリィ「そう。あなたの思い出。黙って差し出してくれるならこの上なくガリィちゃんは、嬉しいのだけれど〜〜」

 

ガリィと名乗る人物は、笑みを浮かべながら私を煽る。

 

真理「そう・・・あなたのやりたいことはわかったよ・・・」  

 

ガリィ「へぇ?それじゃ・・・」

 

真理「でも・・・・・・・・」

 

私は、手に力を入れて握る。

 

真理「お前みたいなやつくれてやるほど、私の思い出は、安いものじゃないから!」

 

私は、目の前のガリィを睨みつけた。

 

ガリィ「やっぱりそうなるのね〜〜。」

 

真理「君たちが、何を考えてるのかはわからないけど、もし、私の大切な人を傷つけようとしているのなら、私は、ここで決着をつけるよ。」

 

ガリィ「へぇ〜〜。それじゃあ、お手並拝見と行こうかしら〜!」

 

高台の公園で、第二の火ぶたが切って落とされた。

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

目の前に現れたガリィは、私に、水の水弾を放ってきた。

 

私は、それを紙一重で避けると、〈力〉をつかい、相手との間合いを潰す。

 

潰した間合いから、正拳突きを相手に叩き込む。

 

放たれた突きは、相手にクリーンヒット・・・するはずだった。

 

私の拳が当たる瞬間、ガリィの体は、液体となって霧散した。

 

真理「写し身か・・・」

 

水となって消えたガリィの写し身に、私が気を取られている時、死角から、水弾が私に向かって飛んできた。

 

水弾は、私の心臓めがけて飛んでくる。

 

私はまた、〈力〉を解放し、紙一重で避ける。

 

ガリィ「あ~らら。私のいつもの最強の一手だったのに避けるとわね〜〜〜」

 

真理「これくらいじゃ、私は捕まえられないよ。」

 

ガリィ「そう。なら・・・」

 

今度は、私の足元から水柱が飛び出してくる。

 

飛び出した水柱は、私を取り込み、私の体を一瞬で氷漬けにした。

 

ガリィ「キャハハ!これでどうかしら〜〜手も足も出ないんじゃない〜〜?」

 

私を捕まえたガリィは、歓喜していた。

 

ガリィ「じゃあお別れの時間ね〜。さよなら〜〜」

 

ガリィは、氷漬けの私に向かって、特大の水弾を放ってきた。

 

真理「それだけなの?」

 

私は、氷漬けの中でも意識があった。

 

向かってくる特大の水弾。

 

それは、私の〈炎〉前では、無意味だった。

 

水弾の攻撃が当たる瞬間、氷漬けだった私から、特大の火柱が上がる。

 

ガリィ「なに!?」

 

突然のことに驚くガリィ。

 

ガリィの放った攻撃は、全て、私の〈炎〉で、霧散した。

 

氷漬けから解放された私の体には、炎が纏われている。

 

埒外の冷たい水を、蒸発させるほどの熱量をこめた炎が。

 

真理「これで、あなたの攻撃は、全て無意味だよ。」

 

私の〈炎〉で、まわりの木々は焦げていく。ガリィから放たれた水の攻撃の残滓も蒸発していく。

 

真理「さあ。どうするの?ガリィさん。」

 

私は、〈炎〉を纏いながら、ガリィに近寄る。

 

ガリィ「チッ!相手が悪すぎ!」

 

そう言ったガリィは、なにやら、液体の入ったようなガラス瓶の結晶を取り出し、地面へと投げ割った。  

 

ガリィの足元から紫色の紋章が現れ、ガリィはそこから姿を消した。   

 

真理「終わったか・・・」

 

私は、自身の〈炎〉を解除した。

 

あたりには、焦げ臭さが立ち込めている。

 

真理「ガリィ、か・・・」

 

初めて、敵の名前を聞いた。

 

昨日の敵と、同じ気配を持った敵の名前を。

 

真理「・・・・・・・また、頭冷やさないと。」

 

私はまたベンチにすわり、心のクールダウンを図る。

 

あたりには、焦げ臭さだけが、充満していた。

 

❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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