ガリィという名の人物から襲撃を受け、戦闘をした後の、あの日の夜の次の日。
私は、クラスメイトと一緒に、調理実習の授業を受けていた。
調理実習の内容は、ビーフストロガノフ。
名前の割に、簡単にできることで有名だ。
私は、レシピ通り、手際よく、淡々と作業をこなしていた。
響「真理さんて、お料理も上手なんだね。」
未来「歌だけじゃなくて料理もできるなんて。うらやましいな。」
真理「そうかな?基本を間違えなきゃ誰にだってできるよ。」
野菜を切りながら、調味料の準備もする。
真理「響さん。そっちの野菜切ってくれない?」
響「了解だよ!真理さん!」
響さんに調理の指示をする。
響さんは、少し不器用な手つきで、野菜を切り始める。
響「痛っ!」
未来「響!もう!ぼーっとしてるからだよ!」
響「アハハ・・・ごめんごめん・・・」
響さんは、未来さんに絆創膏を貼ってもらっている。
真理「なんかあったの?響さん。」
響「え!?う、ううん!!なんでもないよ!アハハ・・・!」
この反応は、絶対に何か隠し事をしていると思った。
隠し事というか、悩みに近い響さんの反応は、気になった。
真理「私が言うのもなんだけど。なにかあれば、相談してくれるとうれしいな。」
未来「真理さんの言う通りだよ。私たちは、響のひだまりなんだから、遠慮しないでほしいな。」
響「真理さん・・・未来・・・」
友達として、響さんの抱えてるモノは、共に背負ってあげたい。
押しつぶされないように、優しく背負う。
それが、私に今、してあげられることだと思った。
響「ありがとう、二人とも・・・でも、もうちょっとだけ自分で考えたいんだ。またなにかあれば話すから・・・」
真理「わかったよ。響さん。その時は、遠慮なく、ね。」
そんなやりとりをしているうちに、ビーフストロガノフは完成し、家庭科の調理実習は、終了した。
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放課後、私は、雪音先輩と響さんに呼ばれた。
なんでも、SONGの本部に、一緒に来てほしいのだとか。
私の大体の見当はついている。
昨日戦ったガリィのことだ。
私は、雪音先輩と響さんに連れられ、SONG本部の司令室へと案内された。
司令室には、私たちの他に、翼さんやマリアさん、調さんに切歌さんもいた。
弦十郎「よく来てくれた、真理君。」
真理「いえ、お呼びとあらば、いつでも。」
弦十郎「そうか・・・まずは、真理君に見て欲しいものがある。」
風鳴司令がそう言うと、司令室のモニターに、何やら赤い結晶のようなものが映し出された。
真理「これは・・・?」
弦十郎「ギアペンダントと呼ばれる代物だ。」
真理「ギアペンダント?」
聞き慣れないワードに、困惑気味の私に、風鳴司令は、続けるように説明する。
弦十郎「シンフォギアと呼ばれる兵装を纏うためのものだ。」
真理「シンフォギア?」
弦十郎「君には知っておいてもらいたい。響君達がなぜ、SONGの人間なのかを。」
モニターに、別の画像と映像が映し出される。
そこには、響さんたちが、プロテクターのような装備を身にまとい、半ばコスプレかと思わせるような非現実的な姿で、歌いながらノイズと戦っている映像が映し出されていた。
真理「響さん達が、シンフォギア・・・?」
弦十郎「そうだ。そしてこれは、国の最重要機密でもある。」
真理「ええ!?そんな情報、私に見せて良かったんですか!?」
弦十郎「いいんだ。真理君は、俺が信用に足ると認めた者だ。それに、君も非常時に戦ってもらっている。これらの情報は、君が知るべき事なんだ。」
風鳴司令は、改めて、シンフォギアについて、私に教えてくれた。
シンフォギアシステム。
それは、SONGの前身である、公安部特異災害対策機動部二課に所属していた櫻井了子と呼ばれる人物が提唱した〈櫻井理論〉に基づいて作られた技術体系。
身に纏う者の戦意に共鳴、共振し、旋律を奏でる機構が内蔵されているのが最大の特徴であり、その旋律に合わせて装者が歌唱することにより、バトルポテンシャルを相乗発揮していくというものだった。
そして、響さんたちは、シンフォギアとして、重大な事件にも関わっていた。
ルナアタック事変。
それは、櫻井了子、もといフィーネと呼ばれる人物が、人類の相互理解を阻むバラルの呪詛からの解放を目論み、呪詛の施された月を破壊しようとした事件。
フロンティア事変。
ウェル博士と呼ばれる人物が、完全聖遺物「ネフィリム」の力を利用し、日本海沖に眠っていた先史文明期の遺跡「フロンティア」を起動させ、ルナアタックにより引き起こされる、月の落下より地球人類を存続させようとした計画に端を発する事件。
いずれの事件も、おびただしい量の犠牲者が出ており、事件の度に、響さんたちが、シンフォギアを身に纏い、世界を救ってきたのだった。
私は、あまりの情報量とショックに、絶句しながらも、説明を聞いていた。
真理「まさか、これほどのことが・・・・」
響「黙っててごめんね、真理さん・・・。秘密は守らないとだけど、真理さんも、私たちの知らないところで戦ってくれていたから、私が皆と師匠に提案したんだ。私たちのことを知ってもらおうと思って・・・」
真理「響さん・・・」
彼女たちが、どんな想いで世界を救ってきたのかは知らない。
だけど、響さんたちは、私を信頼してくれて、自らの秘密を、私に曝け出した。
私は、それに応える必要があると思った。
真理「皆が、ここまで自分のことを曝け出そうとしてくれたんだ・・・私も、自分の秘密、言えることは言わないとね。」
響「真理さんの、秘密?」
私は、彼女たちや風鳴司令に向かって、私の秘密を語ろうとした。
真理「皆、本当の私は・・・・!」
その時だった。
真理「ぐっ・・・がっは・・・」
突然、胸を抉られるような痛みが走る。
響「真理さんっ・・・!?」
呼吸も苦しい、吐き気が溢れ出す。
真理「ふっ・・・ぐっ・・・」
クリス「どうしちまったんだよ!?おい、真理!!大丈夫か!?」
私は耐えきれず、その場で、血の混じった吐瀉豚を吐き出してしまった。
そして、私は、地面に突っ伏し、意識が朦朧とし始めた。
調「そんなっ・・・!真理さんっ・・・!」
切歌「真理さんっ!!死んじゃ嫌デスよっ・・・!」
翼「しっかりしてくれっ!!真理っ!!」
マリア「ダメよ真理っ!目を開けてっ!!」
彼女たちは、私に駆け寄り、私が意識を失わないように声をかけ続けている。
しかし私は、そのまま暗闇の中へと、沈んでいった。
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キャロル「田中真理にちょっかいを出したそうだな?ガリィ。」
ガリィ「味見程度のつもりでしたけど〜まさか、あれほどの実力とは思ってもみませんでした〜」
レイア「だから言っただろう?奴は派手に強すぎると。」
ガリィ「ああ?お前なんかに意見は求めてないんだよ!」
ファラ「それにしても、お二人がここまで手ひどくやられるなんて、増々、田中真理という人物に興味が湧いてきましたわ。」
ミカ「ミカも早く戦いたいゾ!」
キャロル「まあ待て。ここで全員奴にやられては、計画は総崩れだ。田中真理に手を出す時は、くれぐれも慎重にな。」
ガリィ「わかりました〜」
レイア「承知いたしました。」
ファラ「仰せのままに。」
ミカ「わかったゾ!」
キャロル「・・・・・・・・・もうすぐ、オレの大願は成し遂げられる・・・邪魔するものは、跡形もなく踏み潰す・・・!」
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