呪術廻戦で万にチート転生   作:VISP

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ちょっとした番外編です
見なくとも問題ないやつ


幕間その1 双子の日常&おまけ

 朝7:00 起床

 

 「はよ・・・」

 「おはよう。顔洗ってこい。」

 「んー・・・。」

 

 禪院本邸の使用人エリアの一角にて、真依は起床した。

 術式持ちのため、こちらで寝起きする必要は無いのだが、こっちの方が慣れてるのでこっちのままだ。

 あっちはホ○の夜のプロレスの音がする時もあるので、余り近付きたくないという理由もあるが。

 姉の真希は既に起床して朝の鍛錬を終えている。

 この時間に起きる真依はもそもそと布団を畳んで身支度する。

 この後、朝食を食べて出社の準備をする。

 

 朝8:00 出勤

 

 「いってきまーす。」

  

 近くの呪具工場へ向けて出勤する。

 最近は移動する人が多いし、持ってくる呪具とかもあるので、使用人が車(ハイエース)を出してくれる。

 お陰で行き来が楽になった。

 以前は同じように本邸から出勤する人もいたのだが、呪具工場の職員寮の方が居心地が良いと広まってからはめっきり少なくなった。

 斯く言う真依も今はあちらの方が住居と言って良いが、昨日用事があって遅くなったので今朝はこっちからになった。

 

 朝8:20 呪具工場に出社

 

 「おはようございまーす。」

 「おはようございまーす。」

 「ございまーす。」

 

 職員向け出入り口の方から出勤する。

 正門もだが、出入り口には常に準一級以上の術師達が警備として詰めている。

 呪具工場を稼働させる貴重な人材を守り、逃がさないための者達だが、待遇も居心地も良いため、脱走しようという者は幸いにして今の所いない。

 でも、呪力に惹かれてか呪霊が入り込もうとした事はあったと聞いた。

 発見後、祓われて風車呪具の発電に利用されたそうだが。

 

 朝8:30 呪具工場にて労働開始

 

 更衣室で作業着に着替え、空いている作業スペースで作業を行う。

 内容はいつも通り風車呪具の作成だ。

 自分の呪力では数はこなせないが、それは追加の呪力タンクを用いれば幾らでも誤魔化しが効く。

 脳に掛かる負担も要は知恵熱なので冷えピタを貼ればある程度は軽減するという事でマストアイテムとなって久しい。

 一日当たりのノルマ、即ち風車呪具を最低3個をこなすまで全員が頑張る。

 ノルマが終わればその日は休みにして構わないとされてるけど、頑張れば頑張る程給料に反映されるので大体皆無理しない範囲で頑張る。

 

 昼12:00 呪具工場にて昼休憩

 

 1時間の休憩時間になり、社員食堂を利用する。

 定食は社員なら一食無料、呪術関係者なら一食500円で利用可能。

 一汁三菜の彩りと栄養バランスの取れたランチセットをよく利用するが、他にもラーメンや牛丼、親子丼にハンバーグやとんかつ定食がある。

 育ち盛りの真依や肉体労働者の社員達も満足のボリューム感は毎度ながら感謝している。

 一応Sサイズもあるのだが、利用している人は見たこと無い。

 昼11:30から14:00、夜は17:00から20:00時までの営業のみなので、用事で遅くなると間に合わない場合もあるので注意が必要だ。

 

 昼13:00 呪具工場にて午後の業務

 

 午前の内にノルマを終わらせた人達はもういないが、今日は頑張る予定の真依は続行だ。

 それにしたって脳への負荷を考えるとそう長時間は出来ない。

 

 夕方17:00 呪具工場にて業務終了

 

 ノルマも終わり、追加で2個仕上げた真依はこれ以上は無理できないので業務終了だ。

 疲れたのでとっとと着替えて、食堂がやっている時間なので夕食はそちらを利用する事にする。

 今日は頑張ったので、自分へのご褒美としてデザートも付けよう。 

 食堂は夜営業は普通に金を取るが、その分メニューも昼と違って豊富で楽しみが多い。

 

 夜 18:00 呪具工場付き社員寮に帰宅

 

 夕食ものんびり食べ終え、朝食分もお持ち帰りしてホクホクした気分で社員寮の自室へと帰宅する。

 

 「すまん、泊めてくれ。」

 

 すると、自室前に何故か本家にいる筈の真希がいた。

 

 「どうしたのお姉ちゃん?今夜は奥様の護衛じゃ・・・」

 「直哉が仕事終えて帰ってきたんだよ。」

 「あー・・・うん、上がって上がって。お風呂もすぐ沸かすから。」

 

 ここ暫く仕事で空けていた禪院家当主こと直哉が帰ってきたと聞いて、真依は察した。

 自分達の恩人とも言える人が根っこが未だドブカスのあの男に組み敷かれて嬌声を上げてる所とか、互いに見聞きしたくは無いだろうなと察せる程度にはあの夫婦の仲は円満だった。

 跡取りに足る長男を産んだ後も二人の仲は一切冷める様子は無く、奥方に対してだけ性欲旺盛な直哉は子供を産んで胎が空いた奥方を再び孕ませようと毎夜の如く抱き潰している。

 あれは恐らく奥方が前線に立てないように、快楽に浸して子供を設けて心と体両方を縛って逃げられないようにしてるんじゃないかと真依は思っているが、定かではない。

 というか確かめた所で何の意味も無いので特に調べようとは思ってない。

 それは兎も角、元使用人枠で現護衛の姉はよく後始末とか掃除とかさせられてるので、それを嫌がってこちらに来たのだ。

 あの二人、あの状態でも襲撃されると即座に呪術師モードになるので二人いれば何も問題ないと判断しての事だろうけど・・・後で代打となった使用人にお詫びの菓子折を持っていこう。

 

 「夕食は?」

 「買ってきたから食べよう。」

 「私もう食堂で食べたから・・・ちょっとだけ貰うね。」

 

 断ろうと思ったが、姉の寂しげな顔に方針転換する。

 今夜は以前の様に二人並んで眠るんだろうなと思うと、ちょっとだけ心が浮つく真依なのであった。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 呪術界において、粒来万穂という名を聞いた者の反応は大体二分する。

 即ち、劇物か恩人か、である。

 昨今の呪具市場の価格破壊に近い量産型呪具の流通によって、一時は呪具関連の業者からは恨まれていた時期もあった。

 しかし、治療用浴槽型呪具を始め、風車呪具やケモ耳呪具、呪具ベルトの発明によって呪術界の人手不足の解消に桁違いの資金流入、更に呪具工場によって呪具師やその見習い、今までまともに居場所の無かった構築術師に大規模雇用の場を作ったとして、その評価は一転した。

 また、禪院家にて双子の天与呪縛を治療した事から、天与呪縛で苦しむ者達からの治療の依頼が後を絶たない。

 全てを治療できはしないと断っているものの、幾らかは対応可能なものもあるのは事実なので、治療依頼が後を絶たない。

 が、そんな事ばかりの人格者ならば劇物扱いはされない。

 

 高専時代の彼女が行った六眼違法コピー事件及び六眼との決闘による東京校壊滅事件は余りに劇物過ぎた。

 

 その詳細は呪術界に改めて特級術師の恐ろしさを知らしめて久しい。

 迂闊に手を出せば、例え御三家であっても間違いなく滅ぼされる。

 何だったら御三家全てが束になってかかっても返り討ちにされる可能性すらある程の実力者だ。

 事実、公式ではあの六眼と無下限の併せ持ちですら二度も敗北しているのだ。

 そんじょそこらの呪術名家では族滅されるのが落ちである。

 総監部のように本人の性格を把握して依頼を出して適度に贔屓するのが賢い選択だ、と関係各位は思っていた。

 

 そんな所に禪院直哉との結婚である。

 

 え、あの二人が結婚?エイプリルフール???と呪術界が混乱したのも無理はない。

 だがしかし、二人の関係を慎重に見守っていた禪院家当主直毘人は一切反対せず、寧ろ後押しした。

 だって高専に入って多少は改善したとはいえ、未だ家中では直哉の人気はひっくい。

 恩恵を受けている呪術師全般から多少の好印象を持たれている&何があってもどうとでもなるゴリラパワーの持ち主である万穂は直哉の、禪院家次期当主の嫁として最適だった。

 事実、直哉の当主就任に反対していた者達はいても、万穂が禪院家入りするのに反対する者はいなかった。

 まぁ裏で何人か粛清したり、万穂の手によって呪詛師として処理された者は幾人もいたが。

 なお、双子の父たる扇はギリギリ粛清を免れたが、万穂からは何時か裏切ってくれないかなー?と見られている。

 そして結婚後、即座に禪院家中が改革されていく様子と万穂が余りにも外に出ない様子を見て、関係各位は安堵した。

 FOE染みたランダムポップ特級にエンカウントする確率が減った事もあり、呪詛師達すらほっと胸を撫で下ろした。

 まぁ本格的に呪具生産に注力するようになったんで、呪詛師や呪霊にとっては相変わらず厳しい状況が続いているのだが、それは兎も角。

 大体の呪術界の住人からすれば旧姓粒來、現在は禪院の万穂は子供を設けた事もあり、既に現場を退いた存在となり始めていた。

 しかし、実力に一切の陰りが無いのは夫である直哉しか知らない事なので、他からの認識は概ねそういう感じだった。

 

 

 ……………

 

 

 「爆速で巣立っていったわねー。」

 

 家で一人、炬燵に入って緑茶を啜りながら、老いの見え始めた女性は呟いた。

 万穂の母親こと粒来夫人だ。

 写真には何をするにしても奇天烈だが筋を通してきた一人娘、その結婚式での記念写真だった。

 向こう側の事情もあり、結婚式に参加できない事は残念だったが、それでもこうして元気でいると分かっているのだから構わない。

 何れ落ち着いたら孫の顔を見せてくれると言うし、その時を楽しみに待つつもりだ。

 夫はぶつくさと不平不満を漏らしていたが、上司の上司の上司の・・・という上の人間からしっかり言い付けられたためか、今はすっかり大人しくなっている。

 まぁ何だかんだ言って月一でかかってくる娘からの電話を楽しみにしているので、その内落ち着く事だろう。

 

 「思えば色々あったわねぇ。」

 

 幼い頃から変わり者の片鱗があったとは言え、万穂は見事に学校という狭い庭で頂点に立った。

 親の立場や資産なんて、あの子には関係無かった。

 自分の興味関心と筋を通す事だけは一貫して、色々な事に手を出しては成功したり失敗して、けらけら笑っている娘だった。

 その在り様に苦情を申し立てられる事もしばしばあったが、単純に叱れば良い問題は最初から起こさないのも厄介で楽しかった。

 寧ろ表沙汰にされたら困るのは相手側の方が多く、そういった案件はこのご時世なので大体ネットに放流されて炎上して、学校側はその対応に頭を抱えていたが。

 万穂に大人しくしろ、と言った事は無い。

 自分の始末は自分でつけられる娘だったし、自分が若い頃も相当にやんちゃしていたものだ。

 尤も夫と出会ってからは大分大人しくなったのだし、多分娘も所帯を持ったからにはそこそこ落ち着くのだろうな、とは思っている。

 落ち着かなかったら?

 多分それで困るのは悪党や叩けば埃の出る奴らだけだろうから堅気の人間には何も問題ないので良しとする。

 

 「ま、今後も退屈はしなさそうね。」

 

 ずず、と緑茶を啜りながら、粒来夫人は呟いた。

 時は2010年の終わり、大晦日の事であった。

 

 

 

 

 




次は原作時間軸までのアメリカと純愛の話
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