呪術廻戦で万にチート転生   作:VISP

7 / 27
第七話 呪術界の天才達 またの名をマッドの会と交流会事始め

 呪術界上層部で地殻変動に近い大騒ぎが表社会の政府上層部を巻き込んで起こりつつある頃

 

 「やぁ君が粒来万穂君だね。私は九十九由基。君と同じ特級術師さ。所で・・・」

 

 高専の研究室で研究に精を出していた万穂の元に唐突な来客が現れていた。

 

 「どんなタイプが好みだい?」

 「いえ、特にそういう事は考えてないですね。」

 

 何だこいつ、という視線を向けながら、万穂はいつも通りの学生服に白衣を羽織った姿でそう返した。

 

 「え~それはつまらないよ君ぃ。恋愛とか性癖が無いなんて人生損してるぞ若人!」

 「いえいえ、私なんて研究と快適な衣食住さえあれば満足な人間なんで。」

 

 万穂の頭が高速回転し始める。

 このニアリー羂索系マッドの襲来をどう叩き返すべきか、と。

 現在の万穂はマジで研究に忙しいため、マジで時間が無いのだ。

 つい昨日、漸く貯まっていた注文分の呪具製作を終えて、先日発表した呪具の実用に向けて色々研究している所だと言うのに邪魔されたくはなかった。

 

 「イエーイ万穂!酷いじゃないか私と君の間柄であんな面白いもの内緒にしておくなんてさぁッ!!」

 「さようなら私の平穏・・・。」 

 

 ニアリーじゃなくマジの羂索(見知らぬおっさんの姿)が来ちゃった★

 研究室の戸を爆速で開いて破壊しながらメロンパンのエントリーだ!

 なお、直哉は今日に限って禪院家の用事で不在である。

 

 「おや、君が先代星漿体か。良いのかい、こんな所に来て。君、総監部に睨まれてるんだろう?」

 「ははは、いきなり不躾じゃないか。まぁ私の研究のためにも彼女と一度しっかり会っておきたかったんだよ。だから頼むから邪魔しないでくれないかな?」

 「それはこっちの台詞だ。彼女とは古馴染みでね。頼むから帰ってくれないかい?」

 「そこの馬鹿共。人の研究室で暴れるんじゃない。」

 

 もうちょっと今日は研究なんかしてられんし、仕方ないので現代の呪術界でも最上位の脳味噌持ちで討論する事となった。

 パパッとお茶と茶菓子(最高級玉露と手作り激うま和菓子)の準備をし、万穂と羂索、九十九の話し合いは始まった。

 以下がその内容のダイジェストである。

 

 

 Q、あの生体融合式呪具って完成するの何時なの!?サンプルは!?

 A、まだ未完成。先にこちらの試作品で実験してからね。 つ各種ケモ耳型呪具

 

 Q、え、何これ?

 A、生体融合型呪具の試作品。犬神系の呪霊ベースに作った。付けると肉体と融合&呪われて呪力と動物の身体能力に目覚める。ただし動物の習性とか影響が出るし、何だったら子孫にも遺伝する可能性が高い。

 

 Q、これも量産化・・・しよう!

 A、うるせー!人手が足りないんだよ人手が!!経過観察もしなきゃなんだよ分かれ!!

 

 Q、あの試作生体融合式呪具ってぶっちゃけアレだよね?仮面でバイク乗ってる日曜朝の!

 A、思いついて図面引いたのが空我一気見した時だったからね。

 

 Q、なんかあの融合式呪具、平安の特級呪具に似てない?

 A、さんこうにしました(棒)

 

 Q、あの試作型非活性呪力変換用風車型呪具って何!?私聞いてないよ!

 A、だってあの当時は必要無かったし。

 

 Q、あの風車型呪具って大丈夫?各地に設置したら呪霊や呪詛師に悪用されない?

 A、一基当たりのコストも低いし効果も限定的だから大丈夫。精々呪術師が家庭用大型蓄電池に通して使えば電気代0になる程度。(今の所は)

 

 Q、今回の新型呪具って二つとも呪術界以外でも需要が凄まじい事になると思うけど大丈夫?

 A、その場合は総監部が頑張るでしょ(丸投げ)。自分の利権に手ぇ突っ込まれるとか偉い人ほど激怒するもんだし。

 

 Q、君って結局呪術界をどうしたいの?

 A、ぶっちゃけどうでもよい。仕事して表社会が平和なら後はどうでも。

 

 Q、私と一緒に全人類の呪力の最適化、しよう!!

 A、お前の趣味に私を引き込むんじゃない。趣味でテロとか絶対しないぞ私は。

 

 Q、天元の同化どうにかできない?

 A、天元嫌いだから関わりたくない。

 

 Q、人類の最適な進化の形って何だと思う?

 A、知るか。そろそろ帰れ。

 

 

 「じゃぁね~。」

 「また何か面白いものがあったら呼んでね~。」

 「二度と来るなクズ共!!」

 

 両手にケモ耳呪具を握って、笑顔のクズ共が退散していった。

 正直、研究を邪魔されてイライラである。

 だがこの討論会、年一程度で開催されるようになってしまう事を万穂は知らない。

 偏に君の用意した和菓子と研究成果が凄すぎるせいだが。

 

 「やれやれ・・・どうにか本命は気取られていないみたいだな。」 

 

 もしもの時、万穂は構築術式で作った呪具を遠隔である程度操作が出来る。

 分解してリソースに戻す事も、再構成して別のものに変える事も自由自在だ。

 つまり、世界に万穂の呪具が広まれば広まる程に、万穂のもしもの時のリソースの貯蓄が増えていくのだ。

 

 「んー・・・私一人じゃ無理くさいな。直哉を巻き込むか?でもなぁ・・・。」

 

 もしもの時、例えば宿儺級とまたタイマンを張る事態に直面した場合に備え、対策は行っておきたい。

 幸いにも極の番で事前に用意しておけば、宿儺やそれに比肩する者も大体は完封できる自信がある。

 少なくとも多大な消耗を強いる事は絶対出来る。

 だからこそ事前準備が大事なのだが・・・ちょっと一人でこれ以上は無理くさい。

 

 「もう初夏・・・間もなく羂索の言ってた同化の時期か・・・。」

 

 まぁ関係ないね、と万穂は思考を切り替えるために食事を取りに食堂に向かった。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 天元と星漿体の同化が失敗したらしい。

 その際、星漿体とその家族同然のメイド、襲撃者の幾人かが死亡したとの事。

 また襲撃の際の致死に至る程の重傷で五条悟が覚醒、反転術式を覚えた上で襲撃者を返り討ちした。

 問題は、その襲撃者が禪院本家出身であり、多数の呪具を持ち逃げしていた事。

 

 「甚爾君が、死んだんか・・・。」

 「あぁ誰と思ったら彼か。残念だな、素晴らしい実力者だったのに。」

 

 万穂は任務中に襲撃してきた偉丈夫の姿を思い出す。

 天与呪縛のフィジカルギフテッドという呪術界史上他に例の無い異端者。

 呪術以外のあらゆる才能に恵まれた男だったが、それを絶対視する禪院家に生まれたのが不幸だった。

 存在を否定され続けた彼は自尊心というものを育めず、愛してくれた女性とも死別し、殺し屋として裏社会を暴れ回った。

 結局、当然の様に龍の逆鱗に触れて死んでしまった。

 

 「直哉、今度の交流会に出るか?君の憧れの人の仇を討てるかもだが・・・。」

 「・・・いや、オレやったら悟君に勝てへん。それにここで五条と禪院とで戦争する訳にもいかん。」

 

 天稟とも言える500年ぶりの六眼持ちの理不尽さは、普段そうとは見えない名家生まれの直哉にも口酸っぱく言われて育った。

 即ち、敵対したら死ぬ、と。

 

 「そうか・・・じゃぁ予定には無かったが、私が出よう。六眼には興味があったからね。」

 「ええん?研究の予定あるんとちゃうん?」

 

 傍目にも分かりやすく落ち込んでる直哉を見て、万穂は柄にも無く勇気づけようとした。

 純粋に六眼への興味もあったが、それはさておき。

 

 「構わないよ。その分、ちょっと口利きをしてくれると助かるけど。」

 「あん?」

 「修行中でも良いから若い構築術式持ちや呪具師を雇いたいんだ。私の業務を少しでも軽くするために。」

 「あー。」

 

 納得の理由だった。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 2006年9月、呪術高専東京・京都姉妹校交流会にて

 

 「あーだりー。」

 「悟、だから夜更かしは程々にって言ったろう。」

 

 さしす組のさ、東京校きっての問題児コンビの片割れこと五条悟。

 さしす組のす、問題児コンビのもう片割れこと夏油傑。

 

 「クズ共、変に煽ったり余計なもん壊すなよ。」

 

 さしす組のし、まぁまだマシな方の問題児こと家入硝子。

 東京校2年の問題児コンビは以前に呪術界の行く末を左右する重要任務を失敗、それでいてなお上層部への反感を隠していない事から極めて危険視されているのだが、それはさておき。

 

 「・・・・・・・・・。」

 「悟?」

 

 不意に五条悟が静かになった。

 その美しい瞳の向けられる先、そこにはたった今到着した京都校の面々がいた。

 

 「そこそこのは数人。けどヤバいのが一人いる。」

 「悟がそう言うって事は・・・。」

 「あぁ、噂の特級呪具師だ。」

 

 五条悟の警戒心が向けられるのはただ一人。

 黒い高専の制服だらけの中、その上から何故か白衣を羽織っている女生徒だ。

 五条の視線に気付くとにっこりと笑みを返すが、五条はそれで警戒を解くような真似は一切しなかった。

 

 「術式自体は雑魚だ。だが、そんなもん関係ないって位に本人の練度がヤバい。」

 「呪具師なのだろう?そんな事有り得るのかい?」

 「呪術師なんてどいつもこいつもどっか壊れてるもんだ。特級となればどんなもんか見当も付かない。」

 

 それは自らが常人とは比較にならない程の強者、その中でも更に最上位の生き物であると自認している五条らしい言葉だった。

 その言いようと実力が、実は親友を傷つけていると知りもしないのは人生経験の少なさ故か、それとも特級呪術師らしい歪な精神性故かは兎も角、五条は淡々と事実を告げた。

 

 「勝てるか?」

 「勝つさ。傑にはまた団体戦任すぞ。」

 

 そして初日、団体戦に関しては去年と同じく東京校側が勝った。

 しかし、試合に多数投入された夏油傑が呪霊操術にて従える呪霊の殆どが祓われる事態となり、東京校全員が驚きと共に気を引き締める結果となった。

 

 「やっべぇな。完全に二日目の個人戦に狙い絞ってきてるぞ。」

 「誰と当たるかランダムの個人戦だと対策なんてあんまり出来そうもないわよ。」

 「正面から叩き伏せるつもりだけど・・・気をつけるべき所は?」

 「こないだ一級になった禪院直哉。こいつの投射呪法は最速の術式って言われてる。火力は無いが最大で亜音速まで加速する。んで一番ヤバいのが粒来万穂。特級呪具師だな。」

 「呪具師は呪具を作る職人だ。そして彼女の呪具は術式こそ付与されていないがどれも高性能かつ頑丈で値段も適正より少し安い。そして何より彼女の術式によって大量生産を可能にしている。私みたいな呪術師にはありがたい人だよ。」

 

 聞こえてくるのは呪具師としての評判ばかりで呪術師としての戦闘スタイルの話は一切出てこない。

 当然だろう、特級案件なんて基本的に死傷率が馬鹿高い。

 認定されるまで幾人もの未帰還の術師が出て、初めて特級と認定される。

 そんな場所に行かされるのは複数人の一級か、特級呪霊を苦も無く祓えると判定された特級呪術師だけである。

 戦闘スタイルを見る事が出来る奴なんて殆ど存在しない。

 

 「明日の対戦相手はどう決めるんだっけ?」

 「当日の試合開始前にくじで決めるんだって。」

 「オレと傑以外はかち合ったらギブアップした方が安全だな。それ以上は手ぇ出される事は無いだろ。」

 「まぁ当然だね。私も特級術師とやり合うなんて幾ら積まれても嫌だし。」

 

 翌朝、くじ引きで決まった対戦カードの内、二つだけは京都校が勝利するものの、それ以外では敗北し、総合的には東京校の勝利となった。

 しかし、その二つが問題だった。

 

 

 東京校 夏油傑× vs 京都校 禪院直哉○

 東京校 五条悟× vs 京都校 粒来万穂○

 

 

 東京校側の最大戦力こと最強コンビが、まさかの敗北を喫したのだった。

 

 

 




星漿体護衛任務が春頃

交流会が基本9月

ついでに沖縄の海水浴期間は3月下旬の海開きから10月下旬頃まで

なので護衛任務があった時期は3~5月、遅くとも6月位だと推定されます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。