呪術廻戦で万にチート転生   作:VISP

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皆さん応援しすぎじゃない?大丈夫?転生チート最低ものSSだよこれ?


第九話 後始末 一部修正

 祭りの後は後片付けが付き物。

 2006年度姉妹校交流会で起きた大惨事に、呪術界上層部は挙って頭を抱えた。

 なお、内心では拍手喝采であった事は公然の秘密である。

 

 「五条の糞ガキが六眼奪われたってマ???」

 「ザマァァァァァァァァァァッ!!wwww」

 「五条家の不幸で飯と酒が美味いwwww」

 

 というのが事態に直接関わりのない面々の大体の意見である。

 よっぽど五条家一強時代で五条悟の糞ガキぶりが嫌だったのだろうとよく分かる意見だった。

 

 「えぇ・・・無下限と六眼の併せ持ちが二度も負けるってこの世代怖過ぎない?」

 「あの、五条の坊が再戦希望してるんですけど・・・。」

 「絶対許可するな!今度は東京校が建て替えになるだけじゃ済まんぞ!!」

 「何なら首都圏壊滅が視野に入るな。資産移すか。」

 

 そしてこちらがある程度関わりのある人達の意見である。

 直接自分達の職分に差し障りが出る事もあり、ドン引きしながらも何とか被害低減を目指して頑張る中間管理職染みた悲哀が見えている。

 次に呪術総監部の意見を見てみると、

 

 「まさか六眼が二度も敗れるか・・・。」

 「今まで二人といない六眼が模造とは言え二人もいる。前代未聞とはこの事だ。」

 「凄まじい時代となったな。呪術最盛期たる平安に並ぶか・・・。」

 「して如何する。五条家は六眼の即時返還と賠償を求めておるぞ。」

 「返還は兎も角賠償は論ずるに値せん。敗れたのは五条悟の怠慢であろう。」

 「賠償にしても粒来の嫁入りなど容認できぬ。アレの呪具のお陰でどれだけの呪術師が命を繋いでおるか知らぬ者はおるまい。」

 「それに小僧の六眼は完治したのだろう?であれば交流会の範疇に過ぎぬ。事を荒立てるべきではない。」

 「然り。特級同士の殺し合いではなく、あくまで学生同士の交流会の中での出来事に過ぎぬ。」

 「ひひひ、童の戯れにしては派手じゃぁのう!」

 

 あくまでも学生同士の交流会の結果とし、事を荒立てない方針に決まった。

 実際、先に挑発し、即死技である「茈」を放ったのも五条の方が先であり、粒来はそれに対応したに過ぎない。

 道理としても粒来に非は無く、五条悟の行いと五条家の要求こそ恥知らずで認められないと断じた。

 それに加えて彼らにとって粒来は金の卵を、それも大量に産んでくれる鶏であり、なおかつそれを気前よくこちらにも寄越してくれている。

 余程の事が無い限り、彼らが粒来万穂の排除に動く事は無いだろう。

 何せ本人に権力欲とか見栄とかが無いのだ。

 快適な生活・研究環境さえあれば、こちらの思惑通りに動いてくれる。

 それが上層部から見た粒来万穂という少女だった。

 なお、一線を越えれば即殺してくる可能性が五条よりも高いのはメロンパンと直哉だけが知ってる秘密である。

 

 「それよりも粒来の新型呪具はまだなのか?アレがあれば呪術師は増え、呪霊は減る。早期導入のためにも先行試験を行うべきだと思うが?」

 「例の風車なら数が揃い次第納入との事だ。」

 「まぁやるにしてもいきなり京都や東京は無理じゃろうな。前例が無い故に何が起こるか分からん。」

 「それなりの規模の地方の町でするべきじゃな。となると選定がいるか。」

 「ふぅむ、○○はどうじゃ?適度に人も呪霊もおる。試すには良かろう?」

 「おやおや、魂胆が見え透いとるぞ。そこはお主のとこの分家筋の土地じゃろが。」

 「くは、バレてしまったか。では■△などはどうだ?」

 

 こうして、海千山千魑魅魍魎の蠢く呪術界総監部は既に片付いた面倒事ではなく、次の甘い汁を啜るための策謀に注力していくのだった。

 で、その渦中の万穂はと言うと・・・

 

 「おっハローッ!!万穂、君ってばなんて最高なんだ!コピーした六眼見せて見せてー!!」

 「やぁやぁ万穂君ご機嫌よう!あの六眼をコピーしたんだって!?是非後学のためにも見せてくれたまえ!!」

 

 テンション大噴火状態のマッドの襲来を受けていた。

 

 「万穂、こいつら何やの・・・?」

 「呪術界きってのマッド共。技の一号と力の二号だ。」

 

 今日に限って在席してしまった不幸な直哉に万穂が投げ遣りに返した。

 

 「はっはっはっ力と技のV3が何をおっしゃるかw」

 「え、これもしかして私が力の方かい?こんな美女を捕まえて言う事がそれ???」

 

 技の一号ことメロンパンがお前も同類やんけと煽り、力の二号こと九十九はえぇーと不服そうに自分を指差した。

 

 「ふむ、ではこのお手製の甘さ控えめ渋皮マロンシューは要らんのだな?」

 「「いるいるいる!」」

 「何やただの腹ぺこかい。」

 

 大体の力関係を見切った直哉が言うが、この中ではお前が一番弱者だから何時でも逃げる準備は怠るなよ。

 万穂の激ウマお手製の甘さ控えめ渋皮マロンシューと最高級玉露、そして口直しのきゅうりの浅漬け塩昆布風を摘まみながら、話は当初の話題だったコピーした六眼へと戻る。

 

 「やはりというべきか、オリジナルよりも随分劣化しているよ。」

 「あーやっぱりかー。」

 「んん?理由分かってたのかい?」

 「六眼とはね、通常なら発現しない特異体質なのさ。それを一族の子々孫々に渡る縛りによって実現しているんだ。天元の同化に協力する見返りとしてね。」

 

 九十九の疑問に長年六眼に悩まされてきたメロンパンはすらすらと答えていく。

 即ち、六眼とは天元と因果で繋がっているのだと。

 天元と六眼、そして天元と同化して老化をリセットするための人柱の星漿体は因果で繋がっており、同化の際は必ず六眼保有者もその場に立ち会う巡り合わせだと。

 なので、例え六眼保有者が殺害されたとしても、因果の繋がりによって同化の瞬間には新たな六眼が現れ立ち会う事となる。

 

 「マジか・・・。」

 

 思いがけず元星漿体として関連のある裏情報に九十九は呻いた。

 

 「だがね、この因果はもう壊れてしまった。伏黒甚爾という特大のバグによってね。」

 「甚爾君?何でそこで甚爾君が出てくるんや?」

 

 尊敬するあちら側の人の名前を聞き、沈黙を保っていた直哉は思わず尋ねてしまった。

 

 「彼は天与呪縛のフィジカルギフテッド。その身体能力に注目されがちだが、彼の呪力0という性質は即ち「あらゆる因果から解き放たれた」という事だ。人を呪わば穴二つ。こう言われる様に我々の扱う呪いには必ず某かの因縁が纏わり付く。だが、彼にはそれが無い。つまり、天元の仕掛けた因果の繋がりを唯一破壊できる存在だった。」

 「良くも悪くもバランスブレイカーという事だな。いやはや、襲われた時は危なかったよ。」

 

 同化阻止を裏から手を引いていた羂索が我が事の様に嬉々として語り、あの人はやばかったと体験談として万穂が相槌を打つ。

 何だかんだ付き合いが長いのも、この相性の良さがあるからなのだろう。

 

 「で、この時六眼の誕生条件である天元の同化との繋がりの他にもう一つ、六眼は同時代に一つしか存在しないって特徴があってね。」

 「そっちも一緒に壊れたと?」

 「それもあるけど万穂自身もかなり特異な性質を持っている。それが上手く作用して劣化とは言えコピーに成功したんだろうね。恐らく六眼に纏わる因果も再現出来ていない筈だ。そっちまで万穂は意識してないだろうし。」

 「確かに。あくまで分解能の高い観測機器が欲しかっただけだからな。その辺の面倒なのは度外視していた。」

 「万穂君の体質も気になるけど・・・劣化?歴史上最高位の構築術式の遣い手がコピーしたのにかい?」

 「六眼は文字通りの眼だけのものじゃないって事だよ。」

 

 そもそも眼球はそれ単体で成立する器官ではない。

 大雑把に言うと網膜で光を受け、視神経を伝い、脳の後頭葉(視覚野)で映像として認識されるに至る。

 つまり、眼だけ特別製でも意味はなく、脳含む視覚関連器官全てが特別製でなければ真価を発揮できないのだ。

 また、人間は外部情報の8割を視覚から受けているという視覚8割説もある通り、視覚は脳の機能と健康に重大な影響力を持っている。

 そして、六眼は視覚内の生得術式・呪力を視覚情報として原子単位で詳細に認識でき、その結果として極めて効率的な、余計なロスが一切存在しないとすら言われる呪力操作を可能としている。

 反面、そんなもんが365日休みなく見えるので情報量が多すぎるという欠点がある。

 特に裸眼だと疲労が溜まるので、五条悟は普段はサングラスで眼を覆う事で情報量をセーブしている。

 こうした事実から分かる通り、六眼とは眼球を中心にそれに纏わる器官が極めて高性能である特異体質であると言える。

 単に眼球、それも片目だけでは片手落ち所ではない程に性能が落ちてしまうのも当然だった。

 

 「ふーん、ほんなら万穂は六眼は使いこなされへんの?」

 「まぁね。性能で言えばオリジナルの3~4割位かな。でも原子単位の顕微鏡みたいなものでその分使いやすいよ。」

 

 劣化版とは言え六眼と同じ性質の眼となれば、その性能は凄まじいの一言だ。

 実際、六眼のコピーを宿してから呪力の運用効率が目に見えて向上している。

 例えば、同じ呪力消費で同じ形状・性質の武器を作った場合、性能が1割近く向上するのが確認できた。

 

 「ふっふっふ、劣化とは言え六眼のお陰で呪力操作の精度が1割近く向上できた。習熟すれば2割、いや3割だって夢じゃないとも。」

 「うん、君が私達と同類だってよく分かる笑みだね。」

 「やはり君こそがV3だよねー。」

 

 迫力ある凄みのある笑みを浮かべる万穂に、九十九とメロンパンが生温かい視線を送る。

 やっぱお前同類じゃんと。

 

 「そう言えばこの前貰ったケモ耳呪具使ったよ。」

 「あ、私も私も。いやー結構好評みたいだよ。」 

 「え、あれ使う決断した奴出たの?一生所か子々孫々だぞ?」

 「うん、才能の無い唯一の子供を呪術師に出来るって両親は大喜びだったとも!」

 「ケモ耳美少女やケモ耳男児になってモテたいって子は意外と多くてねぇ。」

 「お前らホントそういう所だぞ。」

 「「またまたー。」」

 

 直哉は思った。

 いや君ら全員纏めて呪術界でも最上位のマッドで似た者同士やで、と。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 一方その頃の東京校

 

 「傑!修行すんぞ!!」

 

 起き抜けに夜蛾先生の愛の鞭こと教育的指導(げんこつ)を受けた五条悟は京都校の生徒がもう帰ったと聞くや否や、直ぐに保健室のベッドの住人となっている親友の所へと飛び込んできた。

 

 「悟・・・せめて静かに起こしてくれないか・・・?」

 

 夏油は目に見えて疲弊していたため、保健室でお休み中だった。

 

 「オレもお前もまだまだ最強には程遠い。それを嫌って程に思い知らされた。ならやる事はただ一つ!修行あるのみ!」

 「私は安静にしてろって言われてるからね。んじゃお休みー・・・。」

 「そこでだ!修行相手に丁度良さそうな呪霊の居所をピックアップしてきた!」

 「布団放り投げるの止めてくれ・・・って何これ特級呪霊ばっかじゃん。」

 

 五条の寄越してきたファイルに仕方なく目を通す夏油だが、直ぐにその内容のエグさに目を見張る。

 全国津々浦々に高専が公式にその存在を確認した特級呪霊16体、その居場所や活動範囲が記されていたのだ。

 

 「え、これ全部巡る気?マジ?」

 「二人で戦う!傑が取り込む!オレは経験値、傑は呪霊を採れて一石二鳥!」

 「いや特級とかそう簡単にはいかないし、呪霊玉取り込むのって結構負担なんだ。この量一度は流石にちょっと・・・。」

 「分かってるって。だから全国津々浦々旅行ついでに行くぞ。あ、硝子も一緒にな。」

 「お、そこで私を除け者にしなかった事だけは評価してやんよ。」

 

 ひょっこりと顔を出す硝子。

 結構仲間外れにされ気味な事を気にしている彼女としては嬉しい事だった。

 

 「どうせだ。任務続きでアレだったし、これを機に旅行だ旅行。」

 「呪霊退治ついでなんだし、旅行代は高専につけとこうぜ★」

 「悟、君金持ちだろ。そんなせせこましい真似するんじゃないよ。で、泊まり先はこことかどうだい?」

 「今の話の流れから最高級ホテル選ぶとかクズっぷりは衰えてないじゃんクズ共。」

 

 二度も敗北した元最強コンビのさしす組はリベンジを誓い、再戦の機会まで己を鍛え上げる事にした。

 この逆境と選択が今後彼らにどう影響するのか、それはまだ誰にも分からなかった。

 

 

 

 




新年明けましておめでとうございます!
仕事納めからずっと執筆して何とか間に合いました!
今年もよろしくお願いします!
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