Fate/Determination faith   作:桜花 如月

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2:初陣

 覚悟を決めた私はマリンと別行動を取り何かしら聖杯戦争に関するものがないか街中を捜索することに。

 

 一緒に行かなくて大丈夫かと聞かれたけどセイバーもいるし何かあったとしても私が対処できるようにならないとマスターとして戦えない。

 だから二人だけで来たんだけど……

 

「なにもない……」

 

 あるのは瓦礫の山と人だったものの残骸。

 明らかに「なにか」によって襲われたことを物語る状態だけどその原因はこの場にはいない。

 セイバーが軽く屋根の上に乗り景色を見たところ海沿いの方はまだ崩壊してないらしいからこの辺で潜んでるのは間違いないと思うんだけど……

 

「誰か!! 助けて!!」

 

 

「……今のは」

「行くよ、セイバー!」

 

 ふとそんな声が離れたところから聞こえたため急いで向かうとそこには人型の獣が複数体と、それに誰かが囲まれていた。

 

「助けないと……!」

「マスター!?」

 

 今にも襲われそうになっている人を助けるため刀を抜き建物の影から飛び出して獣たちの前に出る。

 

強化(ブースト)……」

 

 振り下ろされた爪を魔術により強化した刀で受け止めるが、力が強いうえに数が多く押されてしまう。

 このままだと守れ……

 

 押され続け爪が私に当たる直前にガキィンという音と共に獣たちは吹き飛ばされた。

 

「マスター、人助けはいいですが無茶すぎます」

「セイバー……ごめん、この人を安全なとこに送るまでお願い」

「承知」

 

 戦闘となると雰囲気がガラリと変わるセイバーに少し怖さすら覚えるけど、そんな彼女だからこそ任せられる。

 とはいえ守られてばかりは私の覚悟が無駄になってしまうため早く戻らないと。

 

「大丈夫ですか……って」

「あれ、玲香!? なんでここに?」

 

 少し離れた場所まで来たところで声をかけると襲われてたのは私の友達……奏だった。

 人のことは言えないけど学校あるはずなのに何故かここにいた奏にされた質問は答えられなくて上手く濁した。

 

「それは……後で言うから、今はここにいて」

「あ、ちょっと!」

 

 あんな獣が街中にいたのを考えると奏をここに一人にする訳には行かないけど、それはセイバーも同じ。

 念の為に強化した瓦礫の壁を奏に持たせてセイバーが戦ってる場所へと戻る。

 


 

「……手強いですね」

 

 鋭く、それでいて三匹がそれぞれ息を合わせて連携してくる。

 こんなにも厄介……めんどくさい相手、宝具さえ使えれば──

 

「……この刀はマスターの為に振るうもの、こんな奴には宝具も使う意味無いですね」

 

 息を整え刀を握り直す。

 マスター……レイカの負担を考えれば一瞬で決めるしかない。

 とはいえ、攻防をちゃんと分けているこの獣にそんな簡単なことが通用するかと言われれば……出来る。

 ほんの一瞬、獣達の隙さえ作れたら。

 

 なんて思考を巡らせていると獣たちがこちらに手先を見せてきた……かと思えば突然謎の光弾を手先から打ち出してきた。

 

「この獣……なんなんですか」

 

 速度はかなり出ていてなおかつ弾き飛ばそうと刀をぶつければ爆発し周囲を煙が包む。

 獣と言えど匂いだけで判断している訳では無いようで煙の中から現れては爪を振り下ろして攻撃を狙っては退いてを繰り返す。

 

「この……って──」

 

 煙を払うため一歩下がろうとしたところで瓦礫に足を取られバランスを崩しかけてしまう。

 格好のチャンスだと獣たちが同時に爪を振り下ろし近づいてくる。

 

「──セイバー!」

 

 その声とともに獣たちは大きく横へと吹き飛ばされ、目の前にはレイカが立っていた──

 

 


 

 強化した腕力で瓦礫を持ち上げた私は今にも攻撃を受けそうになっているセイバーを守るために全力で投擲し獣たちを吹き飛ばした。

 

「大丈夫、セイバー?」

「……えぇ、助かりましたマスター」

 

 奏を連れて行ってから状況はあまり変わってない様子、となるとこの獣たちは単なる突然変異なんかじゃない、となると──

 

「こいつら、聖杯戦争の」

「そう考えるのが普通かと、とはいえ……数が多いだけでそこまでです」

「サーヴァントじゃないってこと?」

「はい、かといって単なる使い魔とやらでもないようです」

 

 戦いになれてるセイバーがそこまで言うってことは本当にこの獣たちは手強い。

 私にできることは……

 

「レイカ、ほんの少しだけアレに隙を作ってください」

「それで、倒せる?」

「約束します」

 

 

 真剣な表情を一瞬崩したセイバーを信じて起き上がった獣たちの気を引く。

 三匹の標的が全て私に向き歩み寄って来たのを確認したところで強化(ブースト)を発生させて刀を構える。

 

「こい!」

 

 三匹の連携が取れている攻撃を避けながらセイバーに指定された少し後ろの半壊した建物へと誘導していく。

 一度受けた時に押し負けてるから全て回避しながら下がっていくと霊体化していたセイバーの「しゃがんで」という一言に従うと目の前にいたはずの獣たちは一瞬で消えていた。

 

「倒した……?」

「……いいえ、殺る前に消えました」

「どういうこと……」

 

 実体化したセイバーも納得していない様子だけど、とりあえず危険は無くなった……のかな。

 念の為に周りの安全を確保したあと奏から『聞きたいことあるけどとりあえず帰った!』というメッセージが届いたのを確認しひとまず安心。

 

 

「結局アレはなんだったんだろ」

「サーヴァントの使い魔……が一番有り得ますが……」

「謎だらけ……か」

 

 街中の捜索を再開した私たちは周りを見ながら先程の獣の発生源が何かを考えたけど答えはわからずじまい、倒す直前に消えたのも含めて謎ばかり。

 何もわからないまま正式なマスターとなってからの初陣が終わった。

 

 

 その後、何も見つからず夕日も山に沈み始め帰ろうとしたタイミングでマリンからメッセージが届いた。

 

 

『今すぐ送った座標に来て』

 

『サーヴァントの根城を見つけたわ』







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