Fate/Determination faith 作:桜花 如月
夢を見た。
ひとつはどこかの古びた建物で、同じ服装を着た、仲間
裏切りも、切り捨ても、粛清も一切躊躇われることもない、それでも掲げたものを守り続けようとする、醜くも美しいと思えてしまう、そんな光景。
もうひとつは仲間と共に誓いを立てる姿。
「……──は、今ここに」
その言葉が、強く胸に響く。
まるで、お前もそうだ、というように。
《side:玲香》
スパァン!
そんな爽快な、そして鋭くて物凄く痛い音が森に響く。
「いった……」
「手加減なしと言ったのはマスターですよ」
「少しは容赦してよ……」
竹刀の一閃を防げず吹き飛ばされた私はセイバーが差し出した手を掴み立ち上がる。
どうしてこうなったのか、それは今朝のこと───
鳥のさえずりと暖かな日差しに包まれ心地よい朝。
「……なんか、この光景デジャブなんだけど」
「マスターが毎晩倒れるからですよ」
「言い返せない」
昨日、街中で人型の獣を倒した後マリンに呼び出され幽霊城へと向かった。
そこで油断した私は魔力切れを起こして動けなくなってしまい背後からの攻撃を避けきれずに受けてしまい追撃される前に無理やり窓から飛び出してセイバーを呼び出してそこで気を失った。
あの後マリンが撤退を指示してここに帰ってきたみたいで、私が目を覚ましたのは翌朝、つまり今。
なんか変な夢を見た気がするのと昨日の疲れが少し残ってるようでここまで寝てしまった。
「ところでマリンは?」
「レイカと違い動けるからと早朝からどこかへ行きましたよ」
「そっか……」
簡単に作った朝ごはんを食べながらマリンが不在なことに気づいた。
街中の捜索に行く、と言い残して出て行ったみたいだけど、マリンはサーヴァントを連れてないし昨日の今日だから無理しなきゃいいけど……
私と違いかなり高度な魔術を使えるみたいだから心配はしなくていいとは思うけど、さすがのマリンも魔力切れを起こしたら危ないだろう。
「……魔力切れ、か」
人の心配を出来るほど魔術に関して上手く扱えてる訳じゃない。
昨日みたいに度重なる魔術使用で動けなくなるなんてことがまた起きたら今度こそ助からなくなるかもしれない。
「セイバー、頼みたいことがあるんだけど」
「マスターの頼みごとなら自害以外はいくらでも」
「しないよ、頼みっていうのは……」
戦うと決めた以上、セイバーに頼りきりというわけにはいかないだろうし、なによりマスター同士の戦いも有り得る。
「私に、刀の使い方を教えて」
「刀、ですか……私の剣術を真似るのは無理ですよ」
「そんなキッパリ言う? ……戦い方だけでいいよ」
「そういうことなら、受けましょう」
リビングに置かれている竹刀を持ち出して家の近くの森にある開けた場所へと移動してセイバーからの指南を受けることに。
そして、冒頭の一撃をくらった。
「守り方合ってきましたね」
「ちょっとは習ったからね」
数年前、私の持ってる刀の元持ち主から少しだけ戦い方を伝授されたことがあった。
あの人はだいぶ適当で構え方と振り方ぐらいしか教えてくれなかったけど。
「なるほど、それで……ですがまだまだ!」
「はや……くっ!」
何故か一切手を抜いてくれないセイバーの急接近に対応出来ず、刀が当たる直前で防ぐ。
彼女が持つ速攻性は刀を扱うのに慣れるためにはかなり厳しいかもしれないというかほんとに容赦ないから守るので手一杯すぎる。
「マスターは私と違ってスピードよりも重さの方が良さそうですよね」
「重さ?」
「例えばですね……──とか、不本意ですが──とか、私の知ってる中ではその辺がよく使う剣術なんですが」
セイバーの口からは聞いたことのある名前があげられる。
「一度真剣を使い例を見せます」
そう言ったセイバーは近くの木々に向けて刀を抜いた。
そして踏み込んだ彼女が振った刀は木々を一瞬で切り裂いた。
「──さんと──は似てもなければ比べたくもないですが、私の速攻とは違い一撃一撃が重いんですよ」
「一撃一撃を重く……」
例にしたのに似てない二人って言われても困るんだけど、セイバーとしては『そういう剣技』を使えばいいと言いたいのかな
「私としては私の剣術が一番なんですがね」
「えぇ……」
「例にあげた片方に化け物って言われたのでなしです」
あと普通に身体が追いつかないかと
なんて言われたため、『重い一撃』とやらを目指すことに。
「続けよう、と言いたいんですが……マスター、なにか悩みでも?」
「……バレてたか」
「そりゃもう、刀が軽いので」
それはセイバーの刀が、なんて言い返す気にもなれず休憩がてらずっと気になっていたことをセイバーに相談する。
「知り合いが聖杯戦争に?」
「……多分、あの幽霊城を出してるサーヴァントのマスターに、私の後輩がね」
名前は
兄の敦也とともに最近学校に来てなかったからなにをしてるのかと思ってたけど……
「セイバーを襲ったっていうアーチャーのマスターかもしれないけど、あの状況を見るとキャスター……と思われるサーヴァント側だと思うんだ」
「マスターは、どうしたいんですか?」
「それは……」
聖杯戦争、マスターとサーヴァントのタッグによる殺し合い。
いつか戦うとなれば楓を殺さなきゃいけないということだ。
私はそれをできるのか……それに答えは出せない。
「……マスターがどうしたいかは任せます、ですがこれだけは」
セイバーはこう言った。
『マスターが危険なら躊躇いは捨てます』、と。
「……さ、特訓再開ですよ」
「うん、お願い」
迷いはあるものの今は戦うために戦い方になれることに集中することに。
その後、夕方までセイバーのスパルタ特訓を受け続け満身創痍になったのはここだけの話。
そして、マリンが帰ってきたことで私たちは再び街へと探索に向かうことになった。